■ ストンプザホース -田中れいな- ■
衝撃波。
山林に、破裂音が響き渡る。
田中れいなは、吹き飛ばされた。
その距離、ゆうに5メートル。
だが
「なっ!」
動揺の声は『馬』の少女から。
衝撃で応える見えない鎧。
打ち付けられたのは、拳ではない。
クロスガード。
交差した両腕に視界が塞がれる一瞬に。
跳躍する。
突進の勢いを殺すことなく、駆け登り、蹴り下ろす。
拳より強い力、すなわち『脚』で。
『馬』の頭を。
「キックしたのぉ!」
全力の蹴り込みが、破裂音に弾かれる。
衝撃は田中を吹き飛ばす。
『馬』の少女の頭上から、斜め後方へ。
そう、障害物を、飛び越えるために。
一気に距離を、かせぐために。
空中で木々の生い茂る枝を突き抜け、斜面山側へ落下。
立ち上がると同時に駆け出す。
下方に少女と山道を確認。
『馬』の少女との距離は、すでに10メートル以上。
一気に斜面を駆け降りる。
「やべっ!待って!!!」
「待つわけないっちゃろ!」
15メートル、10メートル、距離が詰まる、『馬』の少女が追いすがる。
凄まじい走力、加速力。
ぐんぐん追いついてくる。
「ちぃ!はっや!」
「まってっ!って!ゆっ!ハァハァ!って!」
10メートル、15メートル、30メートル、さらに距離が…いや、離れていく。
目に見えて、速度が落ちる。
田中も決してスタミナのあるほうではない。
が、『馬』の少女は、それ以下だ。
どんどん離される。
「全力でふりきるっちゃ!ガキさんとこまでもてばいい!」
そんあとは、そんとき、考える!
投稿日:2014/11/24(月) 17:54:43.03 0
最終更新:2014年11月26日 16:45