リゾナンターの新メンバーとして集められた、四人の少女。
各々が自らの能力を披露するという流れで、それは起こった。
「私…何の能力も持ってません」
一瞬、しんとした間が訪れる。
けれどすぐに、
「何や野中ちゃん、おもろいわー!とか何とか言うて、ほんまは凄い能力持ってるんやろ、な!」
と春水の突っ込みが入る。
突然の告白に表情を硬くしていた真莉愛や朱音も、冗談だと理解したのか途端に笑顔になった。
しかしそれは、冗談でもなんでもなかった。
「私、本当に
異能力なんて持ってないんです」
「え、うそでしょ」
あまりに変わらない美希のトーンに、朱音が問いただす。
リゾナンターとは共鳴しあうものたちのこと。ならば目の前の美希が能力者でないはずがない。
「ほら、だって野中ちゃんうちらと組手したときにすごく強かったじゃん」
「だよねだよね、あれで能力者じゃないとかありえない」
「ほんまや、やったらうちら何やねんって話やもん」
言いながら、軽く右足を振る春水。
足元を見て、もう一度。首をひねり、もう一度。やがて、異変に気付く。
「あれ?おっかしいなぁ。うちの、炎が出えひん。なんでやろ、くそっ!」
「それはきっと私のせいだと思う」
美希の一言に、朱音が閃いたような顔をした。
投稿日:2014/12/31(水) 11:24:59.77 0
最終更新:2015年01月06日 00:08