シェアードワールドライトノベル『双葉学園』wiki内検索 / 「【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.4】」で検索した結果

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  • 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.4】
    もとが縦書きなのでラノ推奨 ラノで読む 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.4】          7  激しい揺れの中、弥生はただ眼を瞑り、頭を抱えてうずくまるしかなかった。 「なんなのこの地震!?」  老朽化した廃工場の一部が崩れ始め、激しい金属音が辺りに鳴り響く。 「きゃあああ!」  バレッドの振動を操る力、パーソナル・バイブレーによる攻撃が始まり、この区域に擬似的な地震を発生させていた。  戦闘態勢に入ったバレッドはもはや人質の弥生のこともあゆみのことも頭にないのだろう。いや、最初から彼女たちの命など彼にとってはどうでもいいものだったのかもしれない。 「大丈夫よ弥生ちゃん。大丈夫……」  そんな声が弥生の上から聞こえてきた。 「谷川……さん?」  弥生はあゆみが自分を覆いかぶさるようにしているのに気づく。  自分を天...
  • 作品保管庫さくいん・編集管理ページ
    ...ュエル魚日和】 【ジョーカーズ・リテイクⅡ 亡者たちの嘆き:part.1】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.1】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.2】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.3】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.4】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.5】 【スタンド・アローン】 【ステラ・グローリア -Stella Grolia-】 【ステーキハウスパットギャレットは本日も大入り】 【ストライキ】 【ソフィア・グローリア -Sofia Grolia- 前編】 【ソフィア・グローリア -Sofia Grolia- 後編】 【人外戦線/『花宴の件姫』中編】 【人外戦線/『花宴の件姫』前編】 【人外戦線/『花宴の件姫』後編】 【...
  • 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.3】
    もとが縦書きなのでラノ推奨 ラノで読む 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.3】             5  あゆみはもう自分がどうなっているのかわからなかった。  確かに自分は夏子にナイフで刺されたはずなのに、あの時の痛みはもうない。しかし、どこか頭がクラクラして、思考が定まらない。  気が付けば保健室から出て、目標も無く、校舎をふらついていた。  そして、飛鳥を発見した瞬間、彼女の心は真っ黒な感情に侵食されていく。 「自分が一番愛しいと思う人間を殺せ」  そんな言葉があゆみの身体を支配した。  それは恐るべき魔女の囁き。しかし、あゆみはそれを理解することなく、その言葉のままに、衝動のままに身体を動かしていた。  気が付けばあゆみは自分でも信じられない力で彼らを襲い、そして直によって撃退されていた。 (あれはバトルジャ...
  • 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.5】
    ...inued 【ジョーカーズ・リテイクⅡ 亡者たちの嘆き】へつづく ※補足&蛇足※ Mission XXXシリーズからキャラと設定を結構シェアさせていただきました。  この中の時系列はXXX四話の  伊万里が直と出会う。  その中間の日 ← ここがジョーカーズ・リテイク  オクタントの襲撃。  って感じです。わかりづらいかもしれませんけど。  あくまで俺都合時系列なので、XXX本編の時系列とは無関係とお考え下さい。  その他設定借りた作者さま方にお詫びとお礼を。 part.4へもどる トップに戻る 作品投稿場所に戻る
  • 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.1】
    元が縦書きなのでラノ推奨 ラノで読む 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.1】 「これから先 君が 動き回る屍となって ぎくしゃくと 夜を歩いたり まるで蜘蛛のように 地面を這いずる姿を見るのは あまりに忍びない ごめんなさい、許してください! ごめんなさい!ごめんなさい! ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!! 許してください・・・」      ――――筋肉少女帯〈リテイク〉              ※※※                0  両親が仕事にでかけ、その幼い子供たちは家で留守番をしていた。  七歳程度の少年二人と、四歳くらいの女の子がそこにはいた。三人は兄妹で、その少年ふたりはそっくり同じ顔をしていた。  双子なのだろう、まるで鏡合わせのようにそっくりである。  彼らはテー...
  • ジョーカーシリーズ
    ※上と下のイラストはとしあきに描いてもらいました。ありがとー シリーズ概要 悩み、葛藤、恋、憎悪、夢、友情、嘆き、悲しみ、欲求、不満。 それらを抱える双葉学園の少年少女たち。彼らが世界の終わりを望む時、怪人ジョーカーは現れる―― ジョーカーズ・リテイクはタンゴから数週間前の物語。四月冒頭の話。 怪人ジョーカーと白き魔女と死の巫女たちの死闘 その他気まぐれでジョーカーが出てくる短編をいくつか書くかもしれません シリーズ作品 本編 ジョーカーズ・リテイク 【愚者たちの宴】part.1 part.2  part.3 part.4 part.5 ジョーカーズ・リテイクⅡ 【亡者たちの嘆き】part.1 ジョーカーズ・リテイクⅢ 【賢者たちの選択】※(未執筆) ジョーカーズ・リテイクⅣ 【聖者たちの涙】※(未執筆) 外伝 ジョーカーズ・ワー...
  • 作品保管庫モバイル「さ」~「そ」
    ...品は無い】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴】 【1】【2】【3】【4】【5】 【ジョーカーズ・リテイクⅡ 亡者たちの嘆き:part.1】 【女子高生彩子の学級日誌】 【1】【2】【3前】【3後】 【白き魔女と傷だらけの道化師】 【1前】【1後】 【人外戦線/『花宴の件姫』】 【前】【中】【後】 「す」 【スカイライン・ピジョン】 【1-1】【1-2】【1-3】【1-4】【1-5】【1-6】【2-1】【2-2】 【ステーキハウスパットギャレットは本日も大入り】 【すりら~紅白歌合戦】 【翠玉の天使と三つの時/メタトロン】 【1話前編】【1話後編】 【スタンド・アローン】 「せ」 【醒徒会の七夕】 【セイバーギア外典 -Gears of Force-】 【戦士の覚...
  • 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.2】
    もとが縦書きなのでラノ推奨 ラノで読む 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part2】                3  飛鳥は走った。  何がなんだか理解できない。  死んだはずの明日人が話しかけてくるなんて、有り得ない。  まるで幽霊と対話しているかのようで、飛鳥は恐怖を覚えていた。  使命、そうジョーカーは言っていた。実態を持たない彼は、飛鳥の身体を貸して欲しい、そう言ってきたのだ。  その使命とは戦い、敵との戦争と闘争。 (そんなの、いやだ。怖いのも痛いのもいやなんだ!)  飛鳥は現実から逃げるようにトイレに駆け込んだ。走ったため息が乱れ、落ち着くのに少し時間がかかった。  顔を洗おうと洗面台に向かい、水を流し、鏡を見てみると、そこにはまたも自分の顔ではなく道化師姿の明日人、ジョーカーがいた。 「逃げないでよ飛鳥。ボクの...
  • 【オフビサーガ設定】死亡者リスト
    ...痕) 四月の始業式 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴】 谷川あゆみ 高等部三年Y組 四月の始業式 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴】 古川正行(バラッド) 高等部三年Y組(オメガサークル) 四月の始業式 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴】 雨宮真美 高等部三年Y組 四月の始業式から一週間目以内 未定 桜川夏子(白き魔女) 高等部三年Y組(聖痕) 四月の始業式から一週間目 未定 女の子 中等部一年 五月上旬 【ぼくたちの戦争】 女の子 初等部三年 五月上旬 【ぼくたちの戦争】 及川葵 高等部二年J組 五月上旬 【ぼくたちの戦争】 ※名前欄の()内はコードネーム。クラス欄の()は組織名です。 ※上のギガフレアのイラストは某としあきが描いてくれました。ありがとー
  • 【ジョーカーズ・リテイクⅡ 亡者たちの嘆き:part.1】
    元が縦書きなのでラノ推奨 ラノで読む 【ジョーカーズ・リテイクⅡ 亡者たちの嘆き:part.1】 「生まれ変わって!  虫になって!  鳥になって!  虫になって!  また二人に戻って恋に落ちて……」 ――筋肉少女帯〈カーネーション・リインカーネーション〉      ※※※          1  金本玲奈《かなもとれいな》が、数学教師の四谷正治《よつやせいじ》のことを好きになったのは、思春期なら誰でもあるような、はしかみたいなものであっただろう。  憧れ、だけで済めばよかったのだろうが、彼女は四谷と実際に深い関係になっていた。いや、深いと思っているのは玲奈だけで、四谷にとって玲奈はたくさんいる恋人の中の一人といった認識しかなかっただろう。ただの遊びといったところであろう。  それは玲奈自身も理解していた。身体だけ...
  • 【オフビサーガ設定】作品内年表
    ...悪夢の四月の始まり 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴】 四月:↑から一週間後 桜川夏子の死亡。悪夢の四月の終わり ? 四月:↑から三日後 夏子の死をきっかけに滝沢丈が聖痕に入団 【冥王星でぼくはタンゴを踊る】 四月:下旬 牧村優子による世界改変とその終末 【ゆうこちゃんのたのしいせかい】 五月:上旬 聖痕たちの転入 ? 五月:上旬 マンイーター事件 【ぼくたちの戦争】 五月:下旬 ギガフレアの襲撃。商店街炎上 【反逆のオフビート】 五月:下旬 オフビートの転入 【反逆のオフビート 第二話】 五月:下旬 キャスパーが廃工場で大暴れ 【反逆のオフビート 第三話】 七月七日 一番星光の未知との遭遇 【セブンス・ギャラクシーデイズ】 十月三十一日 ハロウィンパーティーの攻防 【幸福ドロップ】 十一月 文化祭にて聖痕の資金稼ぎ 【文化祭でぼくはタンゴを踊る暇もない】 十一月 文化祭にて飛...
  • 作品保管庫さくいん 「あ行~た行」
    ...トルロワイヤル】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴】 【1】【2】【3】【4】【5】 【ジョーカーズ・リテイクⅡ 亡者たちの嘆き:part.1】 【女子高生彩子の学級日誌】 【1】【2】【3】 【白き魔女と傷だらけの道化師】 【1前】【1後】 【自分との闘い】 【ジュエル魚日和】 【人外戦線/『花宴の件姫』】 【前】【中】【後】 【神託】 「す」 【翠玉の天使と三つの時/メタトロン】 【1話前編】【1話後編】 【スカイラインピジョン】 【1】【2前】【2後】【3】【4前】【4後】【5】 【スタンド・アローン】 【ステーキハウスパットギャレットは本日も大入り】 【ストライキ】 【砂浜の記憶】 【すりら~紅白歌合戦】 「せ」 【醒徒会の七夕】 【セイバーギア外典 -...
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    ...-04 後編】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.2】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.3】 【考える葦のデマルカシオン】 【異能力研究者の、ある夏の数日】 【時計仕掛けのメフィストフェレス 劇場版第一部「地獄編」3】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.4】 【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.5】 【怪物記 第七話中編】 【Mission XXX Mission Extra-01】 【怪物記第七話後編2】 【ザ・グレイト・フードバトル~三竦みすき身のごった煮~】 【時計仕掛けのメフィストフェレス 劇場版第二部「煉獄編」1】 【時計仕掛けのメフィストフェレス 劇場版第二部「煉獄編」2】 【Mission XXX Mission-05 前編】 【幸福ドロップ:後】...
  • 反逆のオフビートシリーズ
    ) シリーズ概要 オメガサークルの改造人間オフビートによる異能バトル小説 メインは主人公の恋人の命を狙う聖痕との異能者同士の戦いです ラルヴァ戦は稀かも シリーズ作品 【反逆のオフビート 第二話:前編】 【反逆のオフビート 第二話:後編】 【反逆のオフビート 第三話:part.1】 【反逆のオフビート 第三話:part.2】 【反逆のオフビート 第三話:part.3】 【反逆のオフビート 第三話:part.4】 タグ:オフビート 主な登場人物 オメガサークルの工作員 斯波涼一(オフビート) 木津曜子(アンダンテ) 双葉学園の人たち 巣鴨伊万里 藤森弥生 聖痕の殺し屋 ギガフレア 西野園ノゾミ 作者コメント 頼むからみんな読んで感想ください 関連作品 冥王星でぼくはタンゴを踊るシリーズ ジョ...
  • 「双葉学園」企画 沿革
    「双葉学園」企画 沿革 2009年6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2010年1月 2009年 6月 6月18日  夜未明、勃起人が「シェアードワールドをやらないか?」とラノベ執筆スレを立てる  一晩のうちにWikiとアップローダーが用意され、勢いのまま企画がスタート 6月26日  初の参加型イベント「醒徒会役員選挙」 6月27日  醒徒会メンバーが出揃う。この頃にはだいたいの設定が固まっている 7月 7月4日  第1回定時スレ 定時スレが本格スタートする 7月7日  双葉学園スレ史上初の24時間営業(6日18:00頃~) 7月18日  無事に企画立ち上げ一ヶ月を迎える  同日より20日まで「連休耐久スレ」開催。39スレまで到達 7月25日  学園最強は「醒徒会」であることを土曜議論スレで...
  • 作品投稿場所
    投稿作品一覧  作品を投稿したら、そのページへのリンクを追加してください。 NPC紹介SS  双葉学園の自治組織醒徒会や風紀委員など各種委員長を紹介した話  他の作品にも割と顔を出しているのでまずはここから読んでみると良いかも  醒徒会 藤神門御鈴のとある日常 水分理緒 人物紹介SS 【醒徒会書記の休日】  高校生龍河弾 Bossのなつやすみ~成宮金太郎編~ エヌR・ルール 紹介SS 【早瀬速人は存在しない】  風紀委員 【猫参り】【猫参り・弐】 【danger zone】1/『【danger zone2】 前編 後編』/【danger zone3】  放送委員 【うれしかった日。或いは醒徒会乗っ取り未遂事件のこと】 ※清廉唯笑紹介SS  体育委員 討状之威の日常  以下NPC考案者本人ではない、有志作品 【I X D】  【成宮金太郎の面...
  • 冥王星でぼくはタンゴを踊るシリーズ
    シリーズ概要 反逆のオフビートシリーズの外伝的話 敵側である聖痕たちの戦いの物語 時間軸はオフビートの一ヶ月前です シリーズ作品 【冥王星でぼくはタンゴを踊る】 【冥王星でぼくはタンゴを踊る 第二話:前編】 【冥王星でぼくはタンゴを踊る 第二話:後編】 タグ:タンゴ 番外編 【エイツ・オブ・シーハウス・サマーデイズ】 【文化祭でぼくはタンゴを踊る暇もない】 主な登場人物 滝沢丈 ギガフレア ヴェイパー・ノック レイダーマン 作者コメント 頼むからみんな読んで感想ください 関連作品 反逆のオフビートシリーズ ジョーカーシリーズ 戻る
  • 【めしやまさゆきのにちじょうその2】
    ラノ推奨 「召屋正行! キミが世界の歪みだ!」  ある日の放課後。晩御飯はナポリタンにするか、それともミートソースにするかという重大な事象に深く悩みながら高等部の廊下を歩いていた召屋正行は、そんな言葉で後ろから呼び止められる。 「いやまあ、性格はそこそこ歪んでますけどね……」  そう愚痴りながら振り返ると、そこにはケッタイな扮装とメイクをした少年が佇んでいた。 「えーと……」 「キミは世界の歪みだ! ボクはキミを殺す!!」 「はあぃ?」  学園には不釣合いな格好の少年に、ビシッ! と指差されながら、召屋は思わず人生始って以来の間抜けな声を上げていた。 「えーと、まず、その論理が分からないんですけど……」  自分が置かれた異常性にようやく気が付き、またかと思いつつ髪をくしゃくしゃを掻き毟る。 (そうだった、ここは魑魅魍魎が跋扈する双葉学園。そりゃあ、時にはこんなコ...
  • 血族サーガ
    シリーズ概要 オフビサーガにおける外伝 オフビート、ジェット、ジョーカーのいずれも活躍しないものはここに置きます いろんな一族が暗躍するものや活躍しないのもあったりします シリーズ作品 【セブンス・ギャラクシーデイズ】 七夕の日に一番星ヒカルが遭遇した宇宙ラルヴァの話 ぼくたちの戦争  マンイーター事件を一之瀬の視点から鬼沼姉弟とギガフレアと共に追う作品です 前編 中編 後編① 後編② 猛る獅子と放課後の天使たち  シェアキャラクター西院 茜燦が天使病の真相に挑み、空蝉兄弟との死闘をえがく作品です 『起』 その1 その2 『承』 その1 その2 その3 「*ここをシリーズのタグに変更*」をタグに含むページは1つもありません。 注)*は消してください シリーズを表すタグについては統一したものを決めておいてください ...
  • 【時計仕掛けのメフィストフェレス 劇場版第最終回「天国編」1】
    ラノで読む 完全版をラノで読む  A.D.2019.7.11 13 10 東京都 双葉学園 第八封鎖地区 特別矯正施設「地獄門」  束司文乃は走っていた。  否、逃げていた。  風紀委員たるもの、学園の風紀を乱す敵を前にして逃げるなど言語道断である。  だがそれも――時と場合による。  だから今は走らねばならない。  逃げて、そして伝えなければ全てが手遅れになる。  誰でもいい。とにかく伝えなければならない。  掴んだ秘密。  知ってしまった真実。  時逆零次の目的――  現在も過去も未来も、全て纏めて――  この二十年間を抹消する。  この事実を、なんとしてでも伝えなければならない。 「……っ」  走りながら後ろを振り返る。  追っ手の数は……数えるのをやめた。何十人規模だ。   どいつもこいつも画一的な個性のない姿で追ってきている...
  • X-linkシリーズ
    シリーズ概要 運命やら何やらにがんじがらめにされて翻弄されながらもなんとか生きたり死んだりする親子の話。テーマは運命、かもしれない 一方で運命?何ソレ?とばかりに普通に生きている大学生二人の話もあったりなかったりする。テーマは異能 シリーズ作品 【X-link 1話 part1】 【X-link 1話 part2】 【X-link 1話 Part3】 【X-link 1話 Part4】 【X-link 2話 part1】 【X-link 2話 part2】 【X-link 2話 part3】 【X-link ハロウィン特別編 Side2009 part1】 【X-link ハロウィン特別編 Side2009 part2】 【X-link3.5 ハロウィン特別編 Side2019 part1】 【X-link3.5 ハロウィン特...
  • 天地 奏
    天地 奏  「お前の音《ノイズ》は耳障りだ !」 基本情報 名前 天地 奏(あまち かなで) 学年・クラス 高等部 2−A 性別 男 年齢 ?(16〜18) 身長 178 体重 63 性格 馬鹿で女好き 生い立ち 不明。父親の名前は天地 響だが現在行方不明で奏の記憶にもない 基本口調・人称 俺、俺様。言動は常に尊大 特記事項 記憶喪失。フルートの腕前はプロレベル。童貞である キャラデータ情報 総合ポイント レベル 物理攻防(近) 物理攻防(遠) 精神攻防 体力 学力 魅力 運 能力 特記事項                      その他詳細な設定 装備品:R.I.X(Ralva Interceptーsystem typeーX) 通称アールイクス 恐らく超科学で作られた兵器で装着者の魂源力をエネルギーにして稼働す...
  • シリーズタイトルから検索
    シリーズタイトルから検索  連載形式や連続短編形式の「シリーズもの」を一覧としてまとめています NPC紹介SS ある前座の話シリーズ ある中華料理店店員シリーズ 異能力研究室シリーズ 永遠の満月の方程式シリーズ 駅員ゆうなの業務日誌シリーズ オニ×モモシリーズ 改造仁間―カイゾウニンゲン― シリーズ 怪物記シリーズ 壊物記シリーズ 学校童子シリーズ 気が向いた時に掌編を書いてみるシリーズ キャンパス・ライフシリーズ 禁域の姉弟、瑠璃色の針シリーズ 緊縛少女シリーズ 群像ウィスタリアシリーズ 血族サーガ コスプレ戦士キョウカシリーズ 金色蜘蛛と逢魔の空シリーズ 桜の花が開くまでシリーズ 騒がしい保健室の事件記録シリーズ シルヴィアとその周辺シリーズ シャイニング!シリーズ ジョーカーシリーズ しょんぼり短編集シリーズ スカイライン・ピジョン 金剛皇女記 猛る獅子と放課後の天使たち...
  • 「双葉学園」用語集
    「双葉学園」用語集  用語集です  スレ内に出てくる用語を解説します  スレが立ってないときに暇つぶしがてら編集してください  個別PC、NPCのあだ名一覧はこちら 「あ」行「あ」 「い」 「お」 「か」行「か」 「こ」 「さ」行「し」 「す」 「せ」 「た」行 「な」行 「は」行「は」 「へ」 「ほ」 「ま」行 「や」行 「ら」行「ら」 「ろ」 「わ」行 * 日本語 「あ」行 「あ」 アイス 逢洲等華のこと。風紀委員。勃起人のちんこを斬る アダムス 醒徒会会計・成宮金太郎の秘書。一般人のくせしてステータスが存在し、物議をかもした。【アダムスの項目】 魂源力(アツィルト) 能力者の力の源泉たる、命の泉から湧き出す力。全ての能力はこの魂源力を消耗することで発動される。ラテン語で「根源」、カバラにおける原型・流出・神聖界を意味する Atzilu...
  • 【時計仕掛けのメフィストフェレス 劇場版第最終回「天国編」3】
    ラノで読む 完全版をラノで読む  A.D.2019.7.11 16 00 東京都 双葉学園第八封鎖地区上空 エンブリオ 「然り」  機械に侵食され、機械と融合し、機械と成ったその玉座で、時逆零次は宣言する。 「この城こそがエンブリオ。かつての我が時間において、世界を破壊せしめた悪夢――嗚呼、だが忌まわしきこの胚も、今の私にしてみれば」  零次は笑う。 「なんとも、素晴らしきものか」  本来、エンブリオの再来はもっと後のはずであった。  だが―― 「ならば、時の針をほんの少し早めればいいだけ――ただそれだけのことだ」  取り込んだ永劫機の力と、吸収し高めてきた膨大な魂源力で、時間を操作した。  そして、今この瞬間に、エンブリオの再来を持ってきた、ただそれだけの事である。  ただそれだけ――言うだけならばなんと容易いことか。現実的に考えれば、全く以っ...
  • 【金色蜘蛛と逢魔の空 第四話】
    ラノで読む  一言で説明すると、家が燃えた。  正しくは家ではない。寮である。寮の部屋である。  豪華とは決して言えず、普通の規模でもない貧乏生徒用の小さな寮。  寮というか、むしろ格安賃貸アパートと言ったほうがしっくりくる風情。  そこに巨大なビーム砲が飛んできた。  異能者の戦闘に巻き込まれたのだ。  あやうく巻き込まれて死ぬところだったが、咄嗟に防ぐことが出来てかろうじて命は助かった。  だが、部屋はものの見事に全壊した。  曰く、「まさか人がいるとは思わなかった、人の気配がないから安心していた」  こうして。  逢馬空は住む場所を失った。  金色蜘蛛と逢魔の空 4  家なき蜘蛛 「マジかよ」 「嘘を言って何になる」 「ウケ狙い? そうかウケ狙いなんだなこの野郎! 家が吹っ飛ぶなんてとんだギャグだろ!」 ...
  • 過去コンペ作品
    月例イベント「お題SS」作品集  「お題」を決めてSSを書こうという月例イベント  このイベントは2011年3月を最後に終了します 2月 雪合戦SS 【雪だるまちゃん、来襲】 1月 鍋SS 投稿作なし 12月 ピクニックSS 【ピ○ニック】 11月 口付けSS 【ラストリゾート - Last Resort -】 【俺の弟が気持ち悪すぎてしぬ 前】 【俺の弟が気持ち悪すぎてしぬ 中】 【俺の弟が気持ち悪すぎてしぬ 後】 【ダイアモンド・キスはどこにある?】 10月 日常SS 【らすりぞ!】 【ミカとリカ 前編】 【ミカとリカ 後編】 9月 お月見SS 【夜のお散歩】 【十五夜バトルロワイヤル】 8月 花火SS 【Fireworks】 【花火ロボ大決戦!】 7月 ラッキーな体験SS 【世界が変わる日】 6月 梅雨 【コイバナ~雨に咲く花、散り逝く花~】 【カエル...
  • 【反逆のオフビート 第三話:part.3】
    元が縦書きなのでラノをおすすめします part.3をラノで読む 第三話 〈キャスパー・ウィスパー侵略:part.3〉  人の心を侵食し、意のままに操る力をもつ魔女、キャスパー・ウィスパーこと西野園ノゾミは、巣鴨伊万里の心の奥深くにまで潜っていった。  ノゾミの精神体が伊万里の心の海を泳いでいく。伊万里の思念にノゾミは触れ、彼女の過去や、想いなどがノゾミの精神体に流れ込んでくる。 (これが死の巫女の精神世界、あまり他の連中と大差ないわね――)  ノゾミは彼女の奥底に埋まっている部分を覗く。それは伊万里のトラウマと呼べるもの、伊万里の両親の死の記憶であった。  黒く不気味な服を着た見知らぬ親戚や両親の知人、それらの人々に囲まれて、一人泣きじゃくる小さな赤毛の女の子。それは幼き日の伊万里である。  自分の能力で両親の死を予知するも、無力で幼い伊万...
  • ファニー・ストーリーシリーズ
    シリーズ概要 続き物ではない、自作の短編中編掌編をまとめたページです。 シリーズタイトルの意味は『おかしな物語』。 シリーズ作品 【人外戦線/『花宴の件姫』】 前 中 後 両面族と件と飛頭蛮の戦い。 伝奇アクションを目指して書いたものです。 気が向いたら次回も書くかと。 【スタンド・アローン】 宇宙で孤独に闘う機械の兵士の恋のお話。 SFっぽいものを目指した作品。 【早瀬VSコピー早瀬】 超音速の世界で生きる者同士の死闘。 早瀬大好きゆえに。 【神託】 母国の紛争に思い悩む留学生が受けた神託とは……。 某作品を読んでオチだけ思いつき、勢いだけで書いた掌編。 【腹話術師の道具屋】 女子中学生の弥子は、河川敷で倒れていたウサギのぬいぐるみをもった腹話術で会話するおかしな道具屋と出会う……。 一応期末テストお題。ある意味お試...
  • 緊縛少女シリーズ
    シリーズ概要 ラルヴァを狩り続ける謎のボンデージ姿の”夜の女王”と、学園に潜む怪異との戦い 学園怪奇アクション目指して頑張ります シリーズ作品 【緊縛少女と鏡の悪魔 前編】 【緊縛少女と鏡の悪魔 後編】 【緊縛少女と従僕たる犬 part・1】 主な登場人物 作者コメント 最悪な主人公たちですがどうかよろしくやってください あと上のイラストを書いてくれたとしあきさんに感謝感激 戻る
  • 【反逆のオフビート 第三話:part.2】
    元が縦書きなのでラノをおすすめします part.2をラノで読む あと感想、批評をスレに書き込んでくれるとありがたいです(今巻き込み食らって返事返せないですが)     FLE.3〈キャスパー・ウィスパー侵略:part.2〉  西野園ノゾミがラルヴァ信仰団体“スティグマ”に入団したのはまだ十歳のときだった。  彼女の父は資産家で、大きな屋敷でノゾミは何不自由なく育ち、彼女の家庭は何も問題ない平和そのものだった。もちろん西野園ノゾミというのは双葉学園における偽名であって、この時にはまだ本名が存在した。だが、今はもう意味のないものである。  しかしそんな幸福な彼女の世界はある日音を立てて崩れることになった。  ノゾミに異能の力が目覚めたのである。  彼女はそれを両親には伝えなかった。  幼い彼女はその特別な力を得て確信した、自分は神に愛されていると、自...
  • 【立浪姉妹の伝説 第六話】
      赤字・・・削除項目 緑字・・・訂正項目  立浪一家の新たな一週間が幕を開けた。  次女・みきは姉妹のなかで一番早く起床する。三人分の朝食を作るため、二人よりも早く起きるのだ。  すぐに三女も起きてくる。みくは買ってもらったばかりの水色のエプロンを身につけて、次女の調理を手伝いにキッチンへ入った。  今日は、みきが得意としているベーコンエッグだ。このような卵料理はみくの好物だった。昨日のお昼に作り方を教えてもらえたので、明日は彼女が姉妹の朝食を作ることで決定している。  みかもみきも、とても張り切る三女を微笑ましく見守っていた。  緑のだぼだぼとしたシャツに黒いスパッツという、普段着と大して変わらない長女が起きてきた。寝ぼけてあちこち壁にぶつかりながら、洗面所へ消えていった。  みかがリビングに戻ってくるときには、テーブルの上でベーコンエッグとトーストが湯気を立てて...
  • 【七の難業 四】
     喧騒の中そこだけぽっかりと切り取られたように静寂に包まれた教室。他に誰もいないそこで、少女がただ一人席に座り佇んでいる。  放課後の学園のワンシーンとして考えれば実に良く馴染むこの光景が、その主役たる少女の存在により違和感に満ちたものとなっていた。 (うえっ)  音もなく顔を向けた少女の他者からの視線を意識しない化粧っ気のない容貌と、なにより何かにとり憑かれたようなその瞳に辟易する陸だったが、そういう感情を女性の前で表に出さないのは最早本能に限りなく近く無意識レベルで実行できる能力である。  首の動きだけで座る場所を指し示す少女に「初めまして、よろしくお願いします!」と深々とお辞儀をし、陸は幾つか並べられた机の少女と向かい合う場所に腰を下ろした。 「いらっ…しゃい…ここが…『紙牌の…難業』…よ…」  とようやく口を開いた少女は机に積み上げられたカードを愛しげに撫でながら話を続...
  • 【立浪姉妹の伝説 第七話】
     つまらない算数の時間のときに、その放送はかかった。 「ただいま、学園に非常事態宣言が出されました。児童のみなさんは先生の指示に従って、絶対に校舎から出ないでください」  立浪みくは不安そうにして窓の外を見る。  どうりで表が騒がしいと思っていた。まだまだ幼くて戦うことのできない猫の子供だが、感覚でなんとなくわかるのだ。担任がものすごく緊張した顔で、モバイル手帳を使って職員室とやりとりをしている。それを見るに、かなり深刻な事件が発生していることが予想できた。  ラルヴァだろうか。これまでのものとは比較にならないぐらい、強いラルヴァが出たのだろうか。  でも、いくら強い敵が出てきても、みかとみきがいるから大丈夫だ。みくはにっこり微笑んで、面白くない授業が止まったことを喜んだ。成績はいいくせして、授業が退屈で大嫌いなのである。 「ガンバレ、みかお姉ちゃん。みきお姉ちゃん!」  彼...
  • スカイライン・ピジョン
    スカイラインピジョン(打ち切り)  フライハイユニットを手にした高校生たちの物語。 第1部 【スカイラインピジョン01】 【スカイラインピジョン02】【前】【後】 【スカイラインピジョン03】 【スカイラインピジョン04】【前】【後】 【スカイラインピジョン05】 登場人物  中田青空  本作の主人公。後輩を見殺しにしてしまい、異能者として戦うことを決意する。  チームの中で一番フライハイユニットの適正値が高い。  権藤つばめ  異能者航空部隊の一つ「スカイラインピジョン」のリーダー。  同じクラスの青空のことが気になっている。  杉下岳  スカイラインピジョンのサブリーダー。一年生。  近寄りがたい性格で、他人やラルヴァに対して思いやりに欠ける生徒。  川崎翼朗  異能者航空部隊の一つ「スカイラインピジョン」の責任者。 ...
  • 【白き魔女と傷だらけの道化師 第一話:後編】
    元が縦書きなのでラノ推奨 ラノで読む            3  藤森飛鳥は羽里由宇を好きだった。  彼は初めてカウンセリングを受けた時から彼女に魅かれていた。それはまだ中学生であった彼にとって憧れの対象でしかなかったかもしれない。それでも何度か彼女と話していくうちに、彼女の人間としての魅力、女性としての魅力に触れていき、男として羽里と付き合うようになっていった。  唯一自分を理解してくれる人。  肉親ですら、妹ですら彼の心を理解することはできないであろう。ましてや彼の両親は完全に飛鳥を見捨てている。  それに道化師の話を真面目に聞いてくれるのは羽里だけであった。  決してバカにせず、仕事関係なく彼の悩みを聞いてくれる女性のことを、立場を超えて好きになっていまうのは仕方のないことである。  彼は羽里の臭いのする保健室のベッドの上に寝転がり、そのまま深い眠り...
  • 作品保管庫さくいん 「な行~わ行、英字」
    作品保管庫さくいん  な行~わ行、アルファベットで始まる作品はこちらです。 NPC紹介SS醒徒会(必読!) 委員会(必読!) その他NPCの作品 「あ行~た行」作品一覧「あ」行 「か」行 「さ」行 「た」行 「な行~わ行、英字」作品一覧「な」行 「は」行 「ま」行 「や」「ら」「わ」行 英字 「な行~わ行、英字」作品一覧 「な」行 「な」 【騎士の宿業】 【1】【2】【3】【4】【5】 【騎士の出張・パンプキンバスター】 【前】【後】 【流れ星を一緒に見よう】 【夏と花火と……】 【七の難業】 【1】【2】【3】【4】【5】【6】 「に」 【二階堂兄弟シリーズ】 【召屋正行の壊れた日常】【偽猫参り・惨】【偽・手のひらを太陽に。―空の守護者―】 【血塗れ仔猫異聞・合宿】【喫茶アミーガで今日も...
  • 【反逆のオフビート 第三話:part.4】
    元が縦書きなのでラノをおすすめします part.4をラノで読む 第三話    【反逆のオフビート 第三話】  〈キャスパー・ウィスパー侵略:part.4〉  オフビートは駆けた。  傷だらけの身体を引きずりながら、なおも護るべき恋人の下に向かって走り続けた。  彼が伊万里のいる廃研究室の場所を見上げると、突然轟音ともに研究室の天井に穴が開き、巨大で不気味な、タコやイカのような黒い触手が天に向かって伸びていた。 (なんだあれ? あそこで何が起きているんだ!?)  オフビートは不安にかられながらその触手の下に急いだ。  しかし、その触手は腕を破裂させ、眷属たちをオフビートの後方の廃工場にばら撒いていく。 (ちっ、ラルヴァかあれは。なんだってこんな都市の一部に出るんだ!)  オフビートは一先ずその眷属たちを無視することに決めた。おそらくあの...
  • 【ぼく、ペテン師:問題編その3】
    問題編をラノで読む 問題編その2へもどる      3  久しぶりに母さんの夢を見た。  ぼくたちが子供のころに死んでしまった母さん。  顔はあまり覚えてない。写真も父さんが全部捨ててしまったからだ。だから夢の中の母さんはモザイクがかかってるみたいに顔がぼやけている。  大きくはないけど、それでも温かかった夏目の実家で、母さんはぼくたち五兄弟に優しくしてくれた。感情を持たない不気味なぼくの頬を優しく撫でてくれた母さん。いや、ぼくだけじゃない、賢治兄さんもユキ姉もアキ姉も龍之介も、みんな何かが欠落している。欠陥人間の兄弟だった。それなのに母さんはみんな平等に愛してくれた。  春の暖かい木漏れ日の中、ぼくたち全員に母さんは優しく微笑みながらよく言っていた。「あなたたち一人一人は不完全な人間だけど、一人が欠けているものを四人が補えばきっとそれだけですべて...
  • 【立浪姉妹の伝説 第二話】
      らのらのhttp //rano.jp/1067    立浪姉妹の伝説 -その栄光と末路-    第二話 伝説の猫耳姉妹   「ぐがああああああ!」  立浪みかは、巨人に踏み潰されようとしていた。仰向けになってグラウンドに背をつき、両腕と両足で巨人を支え、必死な抵抗を見せる。  学園の校舎ぐらいの背丈があるこの巨人ラルヴァは「ガリヴァー・リリパット」という。巨人でなかったら何の変哲の無い外国人で、並みの異能者でも勝てそうな軟弱な印象を受けるのだが。 「こんなでっかいのが島で暴れられちゃ・・・・・・。下手したら本土の連中に勘付かれるんじゃないのかあ・・・・・・?」  みしっと、さらにみかはグラウンドに埋め込まれようとしていた。両目に涙を溜めて苦しそうにしているが、歯を食いしばってなおも我慢を続けている。  双葉島の沖で突如、この男が浮上するように立ち...
  • 【七の難業 二】
     踵を返した兇次郎は校舎を回りこむように裏側に向け歩いていった。  校舎と校舎の間に挟まれた狭く細長いそこは、そのために屋台なども存在せず文化祭の喧騒からすっかり切り離された場所である。  そこでは二人の男女が兇次郎を待ち受けていた。 「蛇蝎さん、お帰りなさい!」  大声で嬉しそうに兇次郎を迎え入れる少年は裏醒徒会の一員、工克巳(たくみ かつみ)。研究員待遇の超科学系異能者である。 「零細組織に見合わぬ重役出勤お疲れ様ですわ」  そう皮肉るのは兇次郎の側近である策士、笑乃坂導花(えみのさか みちか)。裏醒徒会設立時からの古参メンバーである。とはいえ現在メンバーは後二人しかいないのだが…。 「奴はまだなのか」 「谷崎はまだ戻って来ておりませんわ、たかがこの程度の距離を戻る程度にこれほどてこずるなんて生きてて恥ずかしくないのかしら」  時間を浪費させられているという状況に苛立...
  • 【ROND3】
     インターフェイスを経由していないかたは一度ご覧ください  できるだけラノのバージョンで読んでください      3 「ぬををおおおーーーッ!! ――よし、一匹は俺でなんとかなる。お前たち、あと二匹は頼ん だッ!」  クマ階堂悟郎が、満身の力を籠めた両腕で魔甲蜈蚣〈ダイア・ピード〉を押さえ込む。魔甲 蜈蚣の毒牙が悟郎の首筋に食い込んでいるようにも見えるが、ヒグマの分厚い毛皮が肉にまで 達するのを防いでくれているのだろう。  魔甲蜈蚣はおおよそ体幅が30センチ、そして節足肢の幅もほぼ同じくらい。長さは実に6 メートルにもおよぶ、実にラルヴァらしいラルヴァだった。  その毒々しい紅色の外殻は7・62ミリライフル弾を受けつけず、重火器以上の破壊力か、 心得のある異能者の、魂源力(アツィルト)をまとった攻撃によってのみ打ち砕くことができ る。といっても固さ...
  • 【双葉学園怪異目録 第五ノ巻 トイレの花子さん】
    ラノで読む  どこにでもある噂。それは当然、この巨大学園都市にもまた存在する。  校舎3階のトイレで、扉を3回ノックし、『花子さんいらっしゃいますか』と尋ねる行為を一番手前の個室から奥まで3回ずつやると3番目の個室から、かすかな声で「はい」と返事が返ってくる。そしてその扉を開けると、赤いスカートのおかっぱ頭の女の子がいてトイレに引きずりこまれるという……有名な話だ。  そしてこれにはいくつものバリエーションも存在する。  トイレに引きずりこむのではなく、赤い紙や青い紙のどちらがいるか聞いてきたり。  あるいは呼ばれたら出てきて、子供達と遊んだり、危険を告げる予言をしたり。  全国の学園に伝わる花子さんの噂話は実に多岐多様にわたるものだ。  そして、この双葉学園では…………  双葉学園怪異目録  第五ノ巻 トイレの花子さん 「ちなみにこの...
  • 【眠り姫の見る夢 -Hinaki-】
      ラノで読む  ◇??  数え切れないほどの不思議な黒い塊が店内をふよふよと漂っている。ショーウインドウもベーカリー棚もそこらじゅう黒いもやもやだらけ。  私は「スイーツ&ベーカリー『Tanaka』」の刺繍が入った真っ赤なエプロン姿で、突如目の前に現れた、その見知った異能者と対峙していた。 「ムカつく。じゃあ何? 普段あんなにグースカ寝てて、みんなに黙って、ずっと人の夢を覗いて見て回ってたのかよ!?」  いつもと同じ雰囲気の、しかしいつもとちょっと様子の違う眠り姫を相手に、私は大声で怒鳴り散らした。  あの羨ましい程に綺麗な長いストレートの黒髪が、妙に赤茶けたウェーブヘアとなっているのが印象的だ。他にも何処かしらに違和感がある。  私は眠り姫をきつく睨む。しかし眠り姫は「さもありなん」といった表情で私を見つめ、 「ふふっ」  小さく微笑んだ。  ムカ...
  • 【くたばれ差別主義者】
    ラノで読む 「我々は差別されている!」  教壇の前に立ち、井上《いのうえ》花子《はなこ》さんはそう言った。  わたしは友人のみっちゃんに連れられて、ある集会に出ていた。それは強力すぎる、あるいは制御できない異能を持つ生徒たちが集まり、学園生活に対する不満を言い合うと言う後ろ向きな集会だった。  わたしはそんな集会には興味無かったし、そういう異能を持っていても特に学園生活に対する不満や愚痴はなかった。だけどみっちゃんがどうしても一度出て欲しいと言うもんだから仕方なくきたのだ。  しかし、思っていたよりもこの集会の人数は多かった。辺りを見回すと、参加者は二十人以上いるように思える。学園の空き教室を使い、『差別被害者の会』の会長である花子さんがここで熱弁を振るっていた。 「ねえ、ほら。花子さんってかっこいいでしょ。あの人は私たちのリーダーなの。花子さんのおかげで私たちは差別...
  • 【アイスのチョコ】
    ラノで見る アイスのチョコ 「じゃあ皆、あとは頼む」 「はい。お疲れ様でした」  風紀委員長こと逢洲等華《あいす などか》の言葉を受け、風紀委員詰め所の委員たちが一斉に答える。  皆の声に片手を上げてから彼女は詰め所を後にした。 「それにしても委員長が早上がりって珍しいですね」 「そう言えばそうだな……ハッ!まさか!? 」  疑問を口にした一年生に二年生が答えかけてから何かに気づいたかのように声をあげ、それに驚いた者たちが彼に一斉に視線を向ける。 「な、なんです? 」 「俺には縁のないことだからすっかり忘れていたが……今日はバレンタインデー。委員長はひょっとして誰かにチョコを渡しに行ったのでは……? 」  一年生に促され、彼がつぶやいた言葉に室内の全員が言葉を失う。  そして 「「「「「な、なんだってー!? 」」」」」  全員がキレイにハ...
  • 【白き魔女と傷だらけの道化師 第一話:前編】
    元が縦書きなのでラノ推奨 ラノで読む 「私はこうして、すべてを清算しなければ、モトの虚無に帰ることが出来ないのです」                       夢野久作〈少女地獄―火星の女―〉          ※※※          0 「怪人ジョーカーの噂って知ってる?」  夕日が差し込む放課後の教室で、数人の少女たちが他愛もない噂話をしていた。 「勿論知ってるわよ、なんでもピエロの格好した凄い美少年だとか」 「でも出会って怪人の質問に答えられないと殺されちゃうんでしょ、怖いわ」 「大丈夫よ、怪人は美少女のところにしか来ないって話だしあんたは大丈夫よ」 「ちょっと、それどういう意味」 「じゃあ私は危ないわね。気をつけなきゃ」 「でもそんな怪人が現れたって公式記録はないんでしょ、そんなのがいたら学園側が放っておかないんじゃない。やっ...
  • 【立浪姉妹の伝説 第三話】
      らのらのhttp //rano.jp/1073 「ふふ・・・・・・。そんなこともあったわねえ。懐かしいなあ・・・・・・」  みきの残した日誌に目を通しながら、みくはそう言った。日誌にはところどころに昔を懐かしむ記述がされていた。 「人の役に立つために、力を使わなければならない・・・・・・かあ」と、みくは言う。「みかお姉ちゃんに口すっぱく怒られたなあ。今でも、それが守れているかどうかは、自信ないけどネ」  舌をぺろっと出しておどけた。  特に印象に残ったのが、完全なる覚醒についての話であった。頭に猫耳が生え、尻尾も展開されたとき。姉妹は百パーセントの力を発揮することができる。完全体は、修行や努力でなれるものではなく、己の内なる魂源力が一定の壁を突き破ることで到達することができる。  みかの言っていたように、例えば友達を「救いたい」と思ったときや、愛する人を「守りたい」...
  • 【反逆のオフビート 第二話:後編】
     元が縦書きなのでラノで読んだほうがいいかもしれないです ラノでまとめて読む  FILE.2〈彼氏と彼女の初めての共同作業:後編〉  荒れ果てている第三実習グランドを一人悲しげに歩いている弥生は、またも自分の無力さに落ち込んでいた。  あまりに情けない結果。  非能力者である弥生が、あの“確定予測”に適うわけもないのだが、それでも逢洲に「足手まとい」という事実をつきつけられて、彼女はどうしようもない気持ちになっていた。  逢洲自身にはきっと悪気はななかったのうだろう。事実弥生があの場にいたら弥生は戦闘にに巻き込まれて怪我を負っていたかもしれない。弥生を庇うためにきっと伊万里も本気で戦うことはできなかったであろう。  自分の存在が伊万里の“最強への道”の邪魔をしているということを思い知った。 (最低だ私・・・・・・)  しばらく歩くと、失格者が集め...
  • 【金色蜘蛛と逢魔の空 第三話 1】
    ラノで読む 1  走る。  走る。  双葉学園島の郊外、山の中を少年はひたすらに走る。  年のころは十歳程度。野球帽を被り、ジャンバーに半ズボンといった、少年らしいいでたちである。  息を荒げて、時折獣のように四つんばいになりながら、ひたすらに走る。  いや、逃げる。 「はっ、はっ、は……!」  後ろを振り返る。  追っ手の姿は無い。  ようやく撒いた、と安堵し、少年は木に背中を預け、ため息をつく。  そして手に持っていたビニル袋を開き――  木が爆ぜる。  周囲の枝が次々と火花を散らして折れ、砕ける。  その衝撃で少年は袋を落とす。  その袋の中から零れ落ちるのは、双葉学園の中でも一、二を争うと言われる超高級。  一日に十個限定生産、しかも流通する購買はランダム。  幻のパンと呼ばれる、「黄金の焼そばホットドッグ」である。  他にも、焼き...
  • @wiki全体から「【ジョーカーズ・リテイク 愚者たちの宴:part.4】」で調べる

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