「
ウパニシャッド」Upanisad の名を冠した作品は、近世に至るまで多数作成された。
しばしば聖数百八をもってその総数とするが、実際には二百以上もある。
そのなかで、古くから
ヴェーダ学派に伝承された十四篇(または十七篇)が、
古代ウパニシャッドとして重視され、他は新ウパニシャッドの名のもとに一括されている。
新
ウパニシャッドには、ベーダーンタやヨーガの思想を展開したもの、
ヒンドゥ教のシヴァ派やヴィシュヌ派の教義を述べたものがあり、
後代の思想文献としての価値はあるが、
古代
ウパニシャッドに脈うつ溌剌とした思索をそれらに求めることはできない。
古代
ウパニシャッドは、その文体・語法・内容から見て、三期に区別されている。
(2)中期 - 韻文のもの
この頃にはようやく哲学的述語が多くなり、また一神教信仰や、サーンキヤ、
ヨーガなどの思想が、はじめてあらわれてくる。
成立したのは、紀元前四〇〇~二〇〇年ころで、
『カタ』はこの時代の代表作である
(3)後期 - 散文のもの
選考する
ウパニシャッドの諸思想を継承しながら、
それをサーンキヤやヴェーダーンタなどの学派的思想にまとめようとする
傾向が見られる。
成立年代は、紀元前二〇〇~後二〇〇年ころと想定されている
これらの
ウパニシャッドの作者なり編者なりは、いっさい不明である。
ただ、そこに登場してくる
ヤージニャヴァルキヤとその妻のマイトレーイー、
あるいはウッダーラカ・アールニとその子のヴェータケートゥ、
その他ヴィデーハ国宝ジャナカ
などは、実在の人物であったと考えられる。
最終更新:2007年07月28日 11:50