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Suganuma,..., 2006,ApJ,639,46S

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  • ABSTRACT

可視光と近赤外で最も強力なモニタリング観測がセイファート1型銀河NGC5548/NGC4051/NGC3227/NGC7469に対してMAGNUM望遠鏡を用いて行われた。
そして、すべての銀河に対して、Vバンドフラックスの変化に対するKバンドフラックスのはっきりした遅延が見つかった。
これらの銀河のH-K色温度は、観測されたフラックス変化の勾配から見積もられたが、1500-1800Kであり、このことは、Kバンドフラックスの全体が中心エンジンを囲む熱いダストからの熱放射であり、ラグタイムはそのあいだの光路に対応するという見方を支持している。
相関関数解析は、タイムラグを、NGC5548で47-53days、NGC4051で11-18days、NGC3227で20days、NGC7469で65-87daysと測った。
ラグタイムは、ダストreverberationから予測されるように、可視光光度に強く相関している。
中心のビリアル質量には弱く相関しており、このことは、ダストトーラスの最内縁半径は中心光度と1対1の対応をもつことを提案している。
ラグタイム対中心光度の図では、Kバンドのラグタイムは、広輝線のラグタイムと同様な上の境界にある。
このことは、AGNの統一モデルを支持するだけでなく、BLRからダストトーラスまでの物理的な遷移を意味している。
関連した短いVバンドとX線のフラックスのNGC5548での変化は、また1または2日の遅延を見つけた。
このことは、中心の降着によってX線放射の熱的再放射を示している。

  • 1.INTRODUCTION

AGNと電波のないクエーサーの統一モデルは、BLRを持つセイファート1型核は広輝線を放射する高速のクラウドがダストトーラスに隠されている場合にはセイファート2型に分類される。
  • Antonucci 1993
ダストトーラスの外側では、NLRがあり、kpc以上まで広がっており、解像されたイメージとしてよく観測される。
しかし、AGNに最も近い内縁のダストトーラスでさえ角度スケールはとても小さく、可視光と近赤外のイメージング観測では、どんな技術でも空間的に解像できない。

一般的に、セイファート銀河とクエーサーからの近赤外放射は中心エンジンからのUV放射によって加熱された熱いダストによって熱的に生成されていることが受け入れられている。
  1. Barvainis 1987
  2. Barvainis 1992
は、AGNの1300K-2000Kの昇華温度のグレインからの熱放射による近赤外連続光のバンプもしくは超過を自然に説明するダスト放射モデルを開発した。
AGNの多様性は、1500Kのほぼ一様な温度の黒体成分を持つ
  1. Kobayashi et al. 1993
という事実を支持しているこのモデルは、中心BHにダスト分布を要求している。
セイファート銀河の典型的なUV光は10^{42}-10^{44} erg/sであるが、このことから、熱いダストが昇華するのは、0.01-0.1pcまたは10-100光日である。
結果的に、我々が、UV/可視光と近赤外で連続光をモニターしたら、ラグタイムは中心エンジンと近赤外放射の全体を放射する熱いダスト領域のあいだの光路距離に対応すると期待される。
  1. Claval et al. 1989
  2. Nelson 1996
  3. Glass 2004

最も成功した同様な技術は、多くのセイファート1型銀河とクエーサーに対して行われたBLRのreverberation mappingである。
  1. Peterson 1993
  2. Wandel et al. 1999
  3. Kaspi et al. 2000
もし、我々が赤外のラグが低いイオン化エネルギーの広輝線のラグより長いことを確認できれば、ダストトーラスの内縁半径は、BLRの外側より大きくなければならない。
このことは、AGNの統一モデルの強い支持を与える。
しかし、BLRとダストトーラスの両方のラグタイムが同じAGNに対して測られていることは少ししかない。
  1. Clavel et al. 1989
  2. Minezaki et al. 2004
  3. Suganuma et al. 2004
なぜなら、UV/可視光と近赤外の長期間の同時モニター観測は滅多に行われていないからである。

MAGNUM(Multicolor Active Galactic Nuclei Monitoring)プロジェクトは、多くのAGNに対してそのようなモニタリング観測を行うために、提案された。
  1. Kobayashi et al. 1998b
  2. Yoshii 2002
このプロジェクトは、ハワイ大学のマウイ島のHaleakala観測所に2m可視光近赤外望遠鏡を建設し、最初の観測を2001年初頭に行った。
高精度で高いサンプリングで光度曲線データをそれから蓄積してきた。

この論文は、MAGNUMプログラムに含まれた4つの近傍のセイファート1型銀河、NGC5548/NGC4051/NGC3227/NGC7469に対する最初の結果を報告する。
これらの4つは、BLRのreverberation mappingからBLRの広がりと中心のビリアル質量が求められている。
MAGNUM望遠鏡を使った精力的なモニタリング観測は、相関関数の改善された技術とともに、VバンドとKバンドのフラックスの変化のラグタイムの正確な測定とBLRのラグタイムの比較を可能にした。

§2では、ターゲットのAGN、観測条件、イメージreduction、測光手順について述べる。
§3では、ターゲットAGNのマルチカラーの光度曲線の性質と可視光から近赤外の色について議論する。
§4では、VバンドとKバンドのフラックス変化のラグタイムの求めるために、相関関数解析を実行する。
ここでは、我々のデータに最適化した2つの方法に基づき、相関関数をどのように計算するかを求める。
§5では、NGC4151の結果
  1. Minezaki et al. 2004
と他のAGNのラグタイム測定を組み合わせてターゲットAGNの測定されたラグタイムが可視光の光度と中心質量にどれだけ関連しているかを議論する。
我々は、これらのラグタイムをBLRのラグタイム測定と比較し、BLRとダストトーラスの内縁がどのように関係しているかを確かめる。

  • 2.OBSERVATIO AND DATA REDUCTION

  • 2.1. Observation

ターゲットのAGNの性質は、Table1にリストしてある。
全てセイファート1型銀河である。
2000年におけるright ascensiondeclinationが(2),(3)に与えられている。
平均核フラックスの見かけの等級が(4)に与えられている。
後退速度と銀河のVバンド減光が(5),(6)に与えられている(NEDデータベースから)
ハッブル定数をH_0 = 70 \mathrm{km}\mathrm{s}^{-1}\mathrm{Mpc}^{-1}と仮定して、Vバンドでの絶対等級が(7)である。

光度曲線のデータは、MAGNUM望遠鏡が2001年初頭に稼働し始めてから、数年間蓄積されてきている。
初期の結果の一部は既にパブリッシュされている。
  1. Minezaki et al. 2004
  2. Suganuma et al. 2004

モニタリング観測は、MAGNUM望遠鏡に搭載されたMulticolor Imaging Photometerを使って行われた
  1. Kobayashi et al. 1998a
  2. Kobayashi et al. 1998b
MIPの視野は1.′5×1.′5で、やってくるビームをSITe CCDとSBRC InSbアレイの2つの検出器にスプリットすることで可視光と近赤外で同時にイメージを取得することができる。

VバンドとKバンドのモニタリング観測は2001年に始まった。
NGC4051は1月、NGC5548は3月、NGC7469は6月、NGC3227は11月である。
UBJH観測は後に始まった。
VフィルターとKフィルターの核のフラックスは最優先として観測された。
それぞれのターゲットAGNのサンプリング間隔はVバンドとKバンドのフラックス変化の間の期待されるラグタイムの1/10にせっていした。
BフィルターとHフィルターは第二優先、UとJは第三優先とした。

望遠鏡は、だいたいそれぞれのターゲットAGNと2つのレファレンス星AとBに6回合わせた。
合わせるのは、最初A→AGN→Bの順に繰り返し、それから数arcsecの小さなシフトで逆にの順で合わせた。
そして、AGNと星のフィールドイメージを得ることができた。
それぞれ合わせた時に、CCD検出器は1度露出した。
そのあいだ、InSbアレイは、saturationを防ぐために、数回以上読み込まれた。
高いS/N比がそれぞれの天体に対して、数分の積分時間で達成された。

4つのターゲットフィールドのDigitized Sky SurveyイメージがFigure1-4に示されている。
観測の間のPSFのFWHMはだいたい可視光で1.″0-1.″5、近赤外で0.″8-1.″0であった。
ひとつの標準星がリファレンス星のフラックスをキャリブレートするために、各夜に観測された。
Uバンドに対しては、各夕方に、twilight flatがとられ、他のバンドについては、観測後の夜明けにdome flatが取られた。
我々のモニタリング観測は、開発した自動観測システムによって行われた。
  1. Kobayashi et al. 2003

  • 2.2. Reduction and Photometry


(ここは観測の話なので余裕があるときに)


  • 3.FEATURES OF OPTICAL AND NEAR-INFRARED VARIATIONS

  • 3.1 Data

VとKの光度曲線データのサンプリングの性質をTable6に挙げた。
それぞれの銀河の全モニタリング期間と隣のサンプリング期間の最大間隔が(2),(3)に与えられている。
Vバンドのデータ点の数と、間隔の平均の中央値が(4),(5),(6)に与えられている。
Kバンドについて、同様なデータが(7),(8),(9)に与えられている。
solar conjunctionによるサンプリングのギャップが最大間隔に対応する。
平均間隔は、中央値よりも長い。
なぜなら、サンプリングのギャップはsolar conjunctionと悪天候や施設メンテナンスなどによる数週間のブランクにより、3ヶ月であるからである。
2-3年にわたり、中央値の間隔が3-5日というのは、近赤外では他のモニタリング観測より短い。
天候条件の変化や機器の突然の問題のために、観測がVバンドでは成功したが、Kバンドでは成功しなかった、あるいは逆のことがある。
よって、Vバンドのデータ点は必ずしもKバンドのデータ点と一致しない。

VバンドとKバンドの観測された変光の性質の統計がTable7に与えられている。
このTableの値は、口径の母銀河のオフセットフラックスを引いてから計算されている。
それぞれのAGNにたいして、平均フラックス\left< f \right>、最大フラックス対最小フラックスの比R_{max}、規格化された変光振幅F_{var}が与えられている。
ここで、F_{var}は、フラックス\sigmaを測定不定性\deltaで補正して定義される。
F_{var} = \frac{\sqrt{\sigma^2 - \delta^2}}{\left< f \right>} \tag{2}
ここで、
\sigma^2 = \frac{1}{N} \sum_{i=1}^{N}(f_i - \left< f \right>)^2 \tag{3}
\delta^2 = \frac{1}{N} \sum_{i=1}^{N}\delta_i^2 \tag{4}
このテーブルのF_{var}の値から4つのAGNはモニタリング観測の期間の間にVとKでかなり変光していることが明らかだ。

  • 3.2. Optical Variation

それぞれのAGNのBとVバンドの間のフラックスの変化を比較すると、長期的な変化は、短期的なゆらぎと同様にほぼ同期している(Fig7-10)。
この傾向は、NGC7469に対するUバンドについても正しい。
Figure11は、それぞれのAGNについてBバンドのフラックスに対してVバンドのフラックスをプロットしたものである。
それぞれの点は、ある夜の母銀河のフラックスを引いた核のフラックスのペアを示しており、エラーバーは、測光エラーを表している。
BバンドとVバンドのフラックスの変化にはタイトな線形関係がある。

  1. Winkler et al. 1992
  2. Winkler 1997
は、南半球の多くのセイファート銀河に対する可視光のフラックスの変化についてこの関係を報告している。
彼らは、この図の線形関係のスロープを、”flux variation gradient”と呼び、変光成分の実際の色を示していると信じている。
変更成分はそれぞれのAGNで一定であるように見える。
もしこれが正しければ、原点からの線形進化のオフセットは、銀河フラックスを引く時のエラーと解像されていない狭軌線のフラックスによるものだろう。

Figure11のタイトな線形関係と重大な非線形性の兆候がないことは、上の見方を支持しており、FVGから得られる中心エンジンの色は、変化しない成分に影響を受けないが、Figure6のSEDから推測されるものより確かだろう。
FVGから我々が評価したB-Vの色(B-V)_{FVG}は、0.04±0.01(NGC5548)、0.13±0.05(NGC4051)、0.00±0.04(NGC3227)、-0.04±0.03(NGC7469)である。
これらの値は、Winkler et al.(1992)で報告されているセイファート1型銀河に典型的な値と同様である。
そして、パワーロー核フラックスf_{\nu} \propto \nu^{\alpha}でα=+0.36±0.03(NGC5548)、-0.04±0.22(NGC4051)、+0.53±0.17(NGC3227)、+0.70±0.11(NGC7469)である。
ただし、Hβなどの輝線の影響を考えない場合である。

  • 3.3. Near-Infrared Variation

短期のゆらぎのある可視光の光度曲線に対して、近赤外のJHKバンドの光度曲線はなめらかである(Fig7-10)。
これは、近赤外の全体が熱再放射領域から来るという見方とconsistentである。
その領域は可視光での短期のゆらぎのタイムスケールで光が進む距離を超えるサイズである。

Figure12は、それぞれのAGNについて、Hバンドのフラックスに対するKバンドのフラックスをプロットしたものである。
我々のFVGからのH-Kの色(H-K)_{FVG}は、0.92±0.07(NGC5548)、1.17±0.04(NGC4051)、1.00±0.06(NGC3227)、1.02±0.07(NGC7469)であり、
  1. Glass 2004
で測られたセイファート銀河のFVGの色とconsistentである。
これらの色は、1500-1800Kの温度の黒体に対応し、これはグラファイトグレインの昇華温度と一致しており、近赤外特にKバンドの熱的起源を支持している。

Figure12のFVGには散らばりがあり、HとKのフラックスの変化の関係はBとVのフラックスの関係ほどタイトではない。
これは、Hフラックスを放射する熱的にリプロセスする領域がKフラックスの領域と完全には一致してないか、中心の光源がHとKのフラックスで異なる汚染を示しているからかもしれない。

  • 3.4. Correlation and Lag Time between Oprtical and Near-Infrared Variations

近赤外の変化の最も重要なフィーチャーは、なめらかさに加えて、可視光の変化に対するラグタイムである。
Figure7-10は、近赤外の光度曲線をNGC4051とNGC3227で約10日、NGC5548とNGC7469で数十日シフトすれば、可視光の光度曲線と似ていることを示している。
Figure13は、それぞれのAGNについてVバンドのフラックスに対して、Kバンドのフラックスをプロットしたものを示している。
Vバンドだけに存在する短期のゆらぎとVバンドとKバンドの間の遅延により、かなりのばらつきがある。

ラグタイムは、VバンドまたはKバンドの光度曲線を水平にシフトして概算している。
Figure14-17は、それぞれのAGNの観測されたVバンドとKバンドの光度曲線である。
点線は、Kバンドの光度曲線を見た目で決めたラグタイムだけ後ろにシフトしたものである。
ラグタイムのより信頼できる評価は次のセクションで与えられる。

  • 4. CROSS-CORRELATION ANALYSIS

可視光と近赤外の定量的なラグタイムの評価は、複数の時間系列で使う相関解析に基づいて得られる。
例えば、このタイプの解析の広輝線の分光モニタリング観測への応用は、10年以上前に遡る。
  1. Peterson 2001
C(t)I(t)をVバンドとKバンドの時間tの光度曲線だとする。
すると、
I(t) = \int \Psi (\tau )C(t-\tau ) d\tau \tag{5}
で関連している。\Psiは、ラグタイム\tauに対するトランスファーファンクションである。
この方程式は、トランスファーファンクションが、Vバンドのデルタ関数的なバーストに対する応答であることを示している。

ラグタイム\tauの関数として、CrossCorrelation FunctionとAutoCorrelation Functionを定義する。
\mathrm{CCF}(\tau ) = \int I(t)C(t-\tau ) dt \tag{6}
\mathrm{ACF}(\tau ) = \int C(t)C(t-\tau ) dt \tag{7}
よって、ACFはVバンドの光度曲線のそれ自身との相関である。
式(5)を式(6)のI(t)に置き換えると、
\mathrm{CCF}(\tau ) = \int \Psi (\tau^{\prime})\mathrm{ACF}(\tau - \tau^{\prime})d\tau^{\prime} \tag{8}
となる。
CCFは、ACFでトランスファーファンクションを畳み込んだものである。

相関は必ずしも明確な\Psiの測定を必要としないが、簡単に2つの光度曲線の間の時間遅延を定量化できる。
その時間遅延は、\Psi (\tau )のピークと重心の位置を表している。
CCFの直感的な解釈は、式(6)を以下のように書き換える。
\mathrm{CCF}(\tau ) = \frac{1}{2}\int I(t)^2dt + \frac{1}{2}\int C(t-\tau )^2dt - \frac{1}{2}\int [I(t) - C(t-\tau )]^2 dt \tag{9}
第一項と第二項は時間積分の間隔が\tauより充分大きければほぼ定数である。
よって、第三項がCCF(τ)の形を決める。
我々は、第三項が最小となるときにCCFが最大となることを確認した。
式(9)は、時間についてVバンドまたはKバンドの光度曲線をシフトして得られたラグタイムの見た目の評価を支持している(Fig14-17)。
もし、2つの曲線がそれぞれ線形的に関連していればであるが。

CCDは時間系列(C(t-\tau ),I(t))のペアの相関係数と等価である。
よって、実際の計算は、以下で与えられる。
CCF(\tau ) = \frac{1}{N} \sum_{i=1}^{N}\frac{[C(t_i-\tau ) - \left< C \right>][I(t_i) - \left< I \right>]}{\sigma_C\sigma_I} \tag{10}
ここで、Nはペアの数、\left< C \right>,\left< I \right>C(t-\tau ),I(t)の平均値である。
また、\sigma_C,\sigma_Iは、それぞれの標準偏差である。
この方程式は、C(t-\tau ),I(t)が時間について重なっている期間についてのみ正しい。

  • 4.1. Interpolation Scheme

式(10)のデータ点は、時間的に規則的に並んでいるべきである。
なぜなら、ひとつの光度曲線でそれぞれの点はもう一方の対応する点とペアでなくてはならないからである。
ペア(C(t-\tau ),I(t))あるいは等価的に(V(t-\tau ),K(t))を生成するために、VバンドとKバンドの光度曲線のどちらかの線形内挿が必要であれば小さな変形で使われる。
  1. Gaskell & Peterson 1987
  2. White & Peterson 1994

この内挿のメソッドは、時々計算に十分な数のペアを与えないので、CCFの形はノイズが混じっており、そのピークは検出するのが難しい。
さらに、このメソッドは、データのサンプリングが時間に対して非常に偏った重みの場合には、ラグタイム0についてACFの対称性を保証しない。

ここでは、異なる内挿のメソッド”bidirectionally interpolated”(BI) CCFsと”equally sampled”(ES) CCFsに基づいてCCFを計算する。
\{ V_1,V_2, ... ,V_N \},\{ K_1,K_2, ... , K_N \}を2つの観測された光度曲線の時間\{t_1,t_2,...,t_N\},\{t_1^{\prime},t_2^{\prime},...,t_N^{\prime}\}に不規則にサンプリングされたフラックスとする。
そうすると、ラグタイムτに対する標準的な線形の相関係数を計算するデータペアに対して、BI CCFsは、2つのタイプのペアを組み合わせる。
それは、(V_i,K_{int}(t_i+\tau )),(V_{int}(t_j^{\prime} - \tau ),K_j)V_{int},K_{int}は線形的に内挿されたフラックスである。
ES CCFsは、(V_{int}(t),K_{int}(t+\tau ))を集める。
ここで、tは、サンプルの時間に無関係な等しい間隔によってサンプルされたものである。

これらの2つのメソッドは、ラグタイム0について対称的なACFを与える。
BI CCFsは、観測された観測の偏ったサンプリングに影響されたデータに重みをおく。
ES CCFsは、逆の特徴を持つ。
内挿の問題はBIでもESでも起こるが、以下で述べるように、フラックス変化のシミュレーションによって克服できる。

Figure18-21は、2つのメソッドで計算されたターゲットのAGNのCCFsとACFsを示している。
Table8は、相関の結果を示している。
それぞれのサブセットのモニタリング期間が(3)に与えられている。
BIメソッドによる、CCFピーク位置とピーク値が(5),(6)に与えられている。
ESメソッドによる、CCFピーク位置とピーク値が(7),(8)に与えられている。

  • 4.2. Uncertainty of Lag Time

ラグタイムの定量的な評価には、モンテカルロシミュレーションが信頼できる。
  1. Maoz & Netzer 1989
は、このタイプのシミュレーションに基本的なスキームを導入した。
人工的なたくさんの光度曲線が放射源とリプロセス源に対して生成され、かれらのCCFsは、それぞれの光度曲線のペアのピーク位置を決めるために計算された。
ピーク位置の経験的な分布を"Cross-Correlation Peak Distribution"と呼んだ。
ラグタイムの不確定性は、CCPDから決められる。

この技術では、光度曲線を不定性の原因がラグタイムの不確定性に正しく反映されるべきだとするのが重要だ。
ラグタイム測定には2つの主な不確定性の原因がある。
一つは、個々の点のフラックスエラーであり、もう一つは、実際の変化をかなり低く評価するサンプリングギャップである。
我々の測光モニタリングデータでは、前者は高いS/N比で得られているので効果的ではない。
一方で、後者は、避けがたいギャップがあるために、深刻に影響する。

人工的な光度曲線は、観測された光度曲線に基づいたモデル依存していない方法でシミュレーションされた。
なぜなら、VバンドとVバンドからKバンドへのトランスファーファンクションの変化の機構の限られた知識しかないからである。
  1. Peterson et al. 1998
は、モデルに依存しないモンテカルロメソッド、"Flux Randomization/Random Subset Selection"を導入した。
そこでは、シミュレートされた光度曲線は観測された光度曲線に基づいていた。

FRメソッドは、それぞれの観測された点のエラーに基づいてランダムなガウシアンなズレによってシミュレーションで観測されたフラックスを変更し、フラックス測定の不確定性の効果を説明した。
RSSメソッドは、ランダムに観測された光度曲線から同じ数のデータ点を取り出し、重複を許して、人工的な光度曲線を作った。
このメソッドは、異なる時間サンプリングのデータ点によって不確定性を評価することができる。
しかし、重複した抜き出しのせいで、それぞれのシミュレーションである時間の観測データ点の削除が行われ、実際の光度曲線の変化を過小評価した。

ここでは、光度曲線を認識する新しい技術を導入する。
それは、観測された光度曲線からStructure Functionによって特徴づけられる確率的なプロセスを使って観測されたデータ点の間のフラックス変化をシミュレートしている。
SFは、単一の時間系列の解析でよく用いられる。
  1. Simonetti et al. 1985
それは、変化が相関するタイムスケールにわたってパワーの分布を測る。
f(t_i)に対する一次のSFは、以下で定義される。
S(\tau ) = \frac{1}{N(\tau )}\sum_{i<j}[f(t_i)-f(t_j)]^2 \tag{11}
ここで、合計はすべてのペアt_j-t_i=\tauについて行われ、N(\tau )は、ペアの数である。
ほとんどのAGNのSFは以下で与えられる。
S(\tau ) = S_0\tau^{\beta} \tag{12}
それは、いくつかの特徴的なラグタイムが数ヶ月か数年まで増加する。

まず、間隔dtについて分散\sigma^2(dt)が観測された光度曲線のSFにもとづいて決められる。
それぞれの光度曲線のシミュレーションでは、サンプリングギャップのあいだの期間が決定され、フラックスがランダムなガウシアンのズレによって生成される。
それは、観測されたデータ点から線形的に内挿されたフラックスからの変動パラメータ\sigma^2(dt)を使うこと以外はFRメソッドと等価である。
一度点が達せられると、光度曲線の観測されたデータ点だとみなされ、認識されたデータは、観測された光度曲線に見られる自己相関を持つようにされる。
同様な努力がアップデートされた光度曲線の平均サンプリング間隔が1日まで減少するまで繰り返される。
このようにして生成された光度曲線は、内挿されたフラックスを用いる代わりに、それぞれのCCFメソッドで使われている。

  • 4.3. Calculation and Simulation

Table9は、それぞれのターゲットのAGNに対して、VバンドとKバンドの観測された全てのデータを使って、式(12)によってフィットされたSFを示している。
分散\sigma^2(dt)は、観測されたSFから直接決められる。
しかし、、NGC5548のKバンドのある場合には、シミュレートされたSFが観測されたSFに一致するまで繰り返すことで、\sigma^2(dt)=10(dt/60 days)^3 (mJy)^2と決めた。
この方法で、人工的なVバンドとKバンドの光度曲線の1000個のペアを生成し、そのうちのいくつかは、観測データとともにFigure22-25に示されている。

ラグタイムは、モニタリング期間のそれぞれのサブセットについて計算している。
なぜなら、ラグタイムのフェーズからフェーズへの変化があるかどうかに興味があり、Kバンドの変化は、常に線形的にVバンドに応答していないことを知っているからである。
全モニタリング期間のラグタイムも計算されているが、あくまで参考までにである。

原則的に、ラグタイムは2つのとなりあったsolar conjunctionの間の期間に取られたデータから計算されている。
NGC5548だけは、2002年の第2シーズンと2003年の第3シーズンを組み合わせている。
そして、ラグタイムは、最小光度の状態を含んで全期間について計算されている。

モンテカルロシミュレーションのCCPDsはFigure26-29に示されている。
シミュレーションを実行したときのピーク位置の分布がヒストグラムにプロットされている。
ここでは、95%以下の信頼レベルをもつ低いCCFピークの実行は除外されている。
信頼レベルは、CCFのピーク値と2つの時間系列の重なった期間の観測されたデータ点の数から導いている。

Table10は、シミュレートされた光度曲線の相関の結果を示している。
ラグタイムは、ピーク位置の中央値か累積されたCCPDの50%として決めている。
不確定性は、中央値から±34.1%で測定されている。
なので、標準的な統計分布では、1σにあたる。

NGC4051のラグタイムは、注意深い解釈が必要である。
CCFには2つの同様なピークが、10-20日と50-100日にある。
後者の場合、Kバンドの光度曲線の上昇部分と下降部分はVバンドの光度曲線の空白の期間にシフトされるからで、高い相関は現実的でない。
1ヶ月までの短いタイムスケールの早いVバンドの変化は50-100日シフトするとKバンドの光度曲線に全く相関しない。
式(9)によると、重なった期間の大きな振幅と長いタイムスケールのVバンドとKバンドの変化は、CCFsをより効率的に最大化する。
たとえ、短いタイムスケールのCCFが実際には高く相関していてもである。
NGC4051の全体的なフラックス変化は光路効果に加えて他の時間シフトの情報が含まれている。
以上を考えると、Tableに示されたラグタイムは、ピーク位置が42日の溝以下のヒストグラムから計算されている。

我々は、NGC3227のラグタイムを初めて検出した。
不確定性はあまり小さくはないが。
FIgure16に見られるように、NGC3227の可視光の変化はNGC4051のようにとても早い。
光度曲線のデータは、特に2003年の不運なギャップにより低サンプル化している。
光度が低く早い可視光の変化をするAGNに対するラグタイムを正確に測定するためには、もっと観測が必要である。

ラグタイムが過小評価されており、中心エンジンから熱いダストの領域までの光路時間を示していない可能性がある。
中心エンジンからのKバンドのフラックスへの寄与は、近赤外のフェーズを、可視光の対応するフェーズに近くするだろう。
この場合、ラグタイムは、光路時間よりも系統的に小さくなるべきだ。
もし、中心エンジンからのパワーローの可視光成分が近赤外まで広がっていれば、Kバンドのフラックスでの最大寄与は10%である。
この成分を同じ夜に観測されたKバンドのフラックスから引くと、ラグタイムは10-20%増加する。

  • 5.DISCUSSION

ほとんどの場合で、CCPDsはなめらかで、はっきりしたピークを持ち、VバンドとKバンドの変化のラグを検出した(Fig.26-29)。
一般的に、BI CCFsは、鋭い飛びをもつ傾向にある一方、ペアが密に一定にサンプルされるES CCFsとは異なる。
そのような飛びはピーク近くに現れ、ピークタイムの値に影響する。
我々は、以下の議論で、ラグタイムの代表として、Table 10のES CCFの結果を使う。
全てのデータに対するラグタイムは参考でしかなく、プロットには示されていない。

  • 5.1. Relation between Infrared Lag and Central Luminosity

以前のAGNの観測に応用されたdust reverberation modelがダストトーラスの最内縁での温度を見積もったが、
  1. Clavel et al. 1989
  2. Nelson 1996
それらは、1300-2000Kの昇華温度に熱せられた熱いダストからの近赤外熱放射とconsistentであった。
  1. Barvainis 1992
結果として、最内縁半径が光度の1/2乗に比例するダストトーラスの最内縁の穴があるだろう。
UV/可視光連続光の変化と、近赤外(2micron)の連続光の変化のあいだのラグタイムは、中心からダスト領域までの光路時間であるべきである。

我々の4つのAGN(NGC5548、NGC4051、NGC3227、NGC7469)のラグはTable10に与えられており、Figure30にVバンドの絶対等級に対してプロットされている。
この図から、\Delta t \propto L^{1/2}の関係は明らかで、
  1. Minezaki et al. 2004
よりも暗い方まで拡張されている。

最も暗いNGC4051でも、ダストトーラスがあるかもしれないということが示唆されている。
AGNの距離指標として、\Delta t \propto L^{1/2}が使えることが示唆されている。
  1. Kobayashi et al. 1998a
  2. Yoshii 2002

  • 5.2. Relation between Infrared Lag and Central Mass

中心BH質量について。
X線変光の周波数とBHバイナリーを比較して、X線放射領域は、重力半径と重力質量と線形関係にあるので、X線変光はBH質量の測定法とされている。
  1. Hayashida et al. 1998
  2. Uttley et al. 2002

標準円盤では、半径方向の温度分布は、降着率と中心質量によっている。
  1. Frank et al. 1992
なので、最内縁半径が中心質量と関係しているかを検証することは価値がある。

NGC5548のBLRの速度分散と遅延時間から、BLRがケプラー運動していることがわかっている。
  1. Peterson & Wandel 1999
BLRの観測にビリアル定理を適用すると、2-3のファクターの不確定性で、10^6-10^8 M_{\odot}と見積もられている。

Figure31は、中心質量と遅延時間の関係。
UV光度に比べると弱い相関で、線形関係にはなさそうだ。
よって、最内縁半径は力学によって決まっているのではなく、中心エンジンからの放射によって決まっているといえる。
Figure31のばらつきは、降着率と放射効率の違いによる質量-光度関係の違いと解釈できる。

  • 5.3. Relation of Dust Torus to Broad-Line Region

  1. Clavel et al. 1989
は、Fairall9で、ダストトーラスがBLRより外側にあることを確認した。
これを検証する。

Figure32は、赤外線遅延と、これまでのBLRのラグを示している。
BLRのラグに対応する可視光光度はそれぞれのモニター期間で平均している。
一般に高いイオン化のものが低いイオン化のものより大きな遅延時間を持っている。
BLRは、半径方向に構造化されたイオン化をしていることを示している。
BLRは光行路時間まで広がっている。
Hβ輝線に対しては、\Delta t \propto L^{0.7}が成り立っていることを断っておく。

Figure32は、BLRは境界の下にある。
いくつかは、境界の上にあるが、これはBLRのラグが明るい状態で測定されたのに対し、ダストのラグが暗い状態で測定されたからである。
それを補正すると、BLRのラグは、境界よりも小さくなる。

そうすると、BLRの外側の半径は、ダストトーラスの内縁半径と対応している。
  1. Netzer & Laor 1993
は、狭輝線を放射するガスのダストが、ダスト領域の輝線を抑えることで、BLRをNLRからわけているかもしれない。
また、このことは、広輝線と狭輝線のライン幅やカバリングファクターのような違いを説明するかもしれない。
Figure32の結果は、BLRのサイズがダストの昇華半径によって決められることを支持している。

  • 5.4. Optical Delay behind X-Ray Variation in NGC5548

UV/可視光の変動はディスクの外側のX線の熱的なリプロセスが原因で、全体はディスクそのものの粘性プロセスと考えられている。
この機構では、円盤の内側の厚いコロナからのX線の変動からUV/可視光は数日遅れるべきだ。

NGC5548に対しては、
  1. Clavel et al. 1992
は、X線(2-10keV)からUV(1350A)が\Delta t = 0 \pm 6 日のラグを報告した。
ただ、UV/可視光の短いタイムスケールの変動は振幅が小さく観測しづらい。

  1. Uttley et al. 2003
は、NGC5548の6年間の光度曲線の可視光とX線フラックスの観測から、長期変動に強い相関があると報告した。
可視光の振幅はX線の振幅よりも大きいので、リプロセスがメインの動力ではないと議論した。

短いスケールでの相関が問題となる。
以下に示すように、Vバンドの光度曲線のデータの頻繁なサンプリングと正確な測光により、初めて可視光変動が小さい振幅を持ち、X線変動に対して明らかなラグがあることを検出した。

Figure33の上の図は、NGC5548のVバンドの光度曲線(Fig7)と、RXTEから同じ期間にえられたX線の光度曲線である。
可視光の振幅は、X線の振幅よりも小さい。
下の図は、MJD~52085-52130を拡大したものである。
可視光が1-2日ほどX線から遅れているのがはっきり見えている。
相関解析によって、ラグタイムは\Delta t = 1.6_{-0.5}^{+1.0} daysである。
初期の結果は、
  1. Suganuma et al. 2004
で報告されている。

X線放射領域は数光時程度と考えられているが、これはこのタイムスケールでX線が変動するからである。
観測された相関は、可視光の放射領域を1-2光日の範囲で、熱的なリプロセスによるものだと思われる。
非熱的なプロセスでは、可視光とX線が同じ領域から出てくるからである。
一方で長期的なスケールの変動は降着円盤の不安定性などの他の理由から起こっていると思われる。

我々の結果は、降着円盤とBLRの幾何学的な関係も示している。
Figure32に見られるように、高イオンの広輝線は数日の最も短いラグを示している。
  1. Korista et al. 1995
  2. Peterson & Wandel 1999
検出された1-2日のラグは、UV/可視光放射領域はBLRの最内縁に位置していることを示している。

  • 6. SUMMARY

モニタリング観測を行った。
KバンドのVバンドに対する遅延を検出した。
相関解析を変形して、ラグが10-80日であることを見つけた。
まとめると以下のようになる。

  1. \Delta t \propto L_{opt}^{0.5}が成り立っている
  2. ラグと中心のビリアル質量のあいだには散らばりがあり、最内縁半径は力学と直接関係していない
  3. 赤外のラグは、BLRのラグに上限を与えており、統一モデルを支持している。
  4. NGC5548のVバンドの光度曲線はX線から1-2日のラグを持っており、短いタイムスケールのX線の熱的なリプロセスによるものであることを示唆している。

続いているモニタリング観測は、ダストトーラスのサイズと構造を理解できるように、統計的からだけでなく、時間進化からも可能にした。
近赤外の連続光と広輝線の同時reverberation研究により、ダストトーラスとBLRが明らかになるだろう。
最終更新:2013年05月02日 23:11