2015-2016観測的宇宙論ゼミ

  • 2014/02/16

今日の論文を発表しようかな?
重力レンズ面白いかも?

  • 2015/04/10


本論文では、前景にある早期型銀河によって、z~8にあるライマンブレーク銀河(LBG)の
紫外線光度関数がどう変化するか(歪められるか)を議論しています。
次世代の大規模 high-z LBG 探査 (例えば Euclid や WFIRST など。HSCも?) の結果に
関わってくる重要な論文と考えられます。



この論文ではz=4-7銀河でMUV=-21より明るいもののstellar populationやhalo mass
を求め、stellar baryon fraction (SBF)のz=4-7での進化を議論しています。

  • 2015/04/17


本論文はVIMOS Ultra-Deep-Survey(VUDS)で得られた2<z<2.5の星形成銀河についてUV slope βの性質や、
Lya emitting galaxies(LAEs)とnon-LAEsの性質の違いについて議論しています。


本論文は1<z<2のtype-I AGNについて、
BH質量測定を基にBH質量関数、エディントン比分布関数を求め
この時代の超巨大ブラックホール進化を議論しています。
SDSSの大規模な明るいAGNサンプルと二つのdeep surveyによる暗いAGNサンプルを
組み合わせることで、上記の二関数を幅広い光度範囲で推定した点が一つの大きな特徴です。

  • 2015/04/24


COSMOS領域のz=6.6の明るいLAEsを分光同定した論文です。
1天体では、HeII1640$\AA$が検出されています。
星形成由来、 metal-poor(metal emission非検出)であると考えられ、
本研究で初めてPopIIIの証拠となるHeIIの検出に成功しました。
HSTの画像から、この銀河はLyαとHeIIを出す青いclumpと2つの赤いclumpからなることがわかり、
SED fittingの結果からも
PopIIIをもつ銀河の成分と普通の銀河の成分を用いて表せることが明らかとなりました。
これは理論の予測するPopIII waveとも合っています。


cosmological zoom-inシミュレーション (FIRE)を用いて銀河の質量ー金属量関係 (MZR)をz=0―6で調べた論文です。 stellar population modelを用いた「現実的な」feedbackモデルを用いた結果、M* = 10^4―10^11 Msun、z=0 — 3の幅広い質量、赤方偏移の銀河で観測とconsistentなMZRが得られたことが特徴です。

また、以下にFIRE (Feedback in Realistic Environments) projectのwebsiteを載せておきます。
http://fire.northwestern.edu

  • 2015/05/01


銀河の置かれている環境、星質量、形態という観点から、
SFHの違いを明らかにしようとしている論文です。


二本目(本原)
http://arxiv.org/abs/1502.07965

近傍LIRGのUV-FIRまでのSEDから、その星形成史を議論したものになっています。

  • 2015/05/08

一本目(成相)
研究発表

今週発表の成相恭二です。退職して17年になります。

今やっていることを2つ話します。
同じタイトルで、6月末に行われる光学シンポジウム(日本光学会主催)で発表します。
1.エリオットセル内のビームの解析
       近年は長い光路長を得る道具として使われているエリオットセルについての
       初等的な解析を行ったので発表します。天文との関わりはMars Curiosity Rover
       に積まれた成分分析器にも使われていることでしょうか。
2.半視野3鏡無収差光学系
       人工衛星搭載の望遠鏡や地上の大望遠鏡などにもThree Mirror Anastigmat(=TMA)
       が使われる予定になっています。2鏡系でリッチー・クレティエン鏡が球面収差とコマ
       を消して広視野を得ていますが、3鏡系ではさらに非点収差と像面湾曲も消すので
       もっと広い視野が得られます。しかしTMAの中で中間像を作るものは斜鏡による
       ケラレを逃げるために第3鏡による拡大倍率を大きく取る必要があります。今回
       提案する半視野3鏡無収差光学系(Half Field Three Mirror Anastigmat=HFTMA)
       では中間像の視野の半分を切り捨てて残り半分だけを使うことによって瞳のケラレ
       の全くない光学系を実現しています。第3鏡による倍率は1に近いので小型化が可能で、
       3次収差が全く無く、5次収差もある程度補正されるので、視野1~2度の範囲で
       像半径0.1秒角以下と言う驚異的な性能が得られます。


二本目(菅原)
http://arxiv.org/abs/1503.01124

SDSS-IVの一つに近傍銀河3次元分光サーベイMaNGAがあります。
論文はそのプロトタイプ観測であるP-MaNGAに関するものです。
MaNGAで得られると予想されるデータを確認するとともに、
full-spectral fittingによりダストの測定や銀河のstellar populationについて
議論を行っています。

  • 2015/05/22

一本目(山元)
http://arxiv.org/abs/1503.07164

~1.7のmassiveでcompactな星形成銀河GDN-8231について、keckのMOSFIREで分光観測を行い、その低い星形成率や比較的若い銀河である事から、遠方銀河が星形成を急速に止めていく過程について初めて直接的根拠を出したという論文です。表面輝度の色勾配やガス、星の速度分散について主に議論しています。

二本目(満田)
http://arxiv.org/abs/1504.03326

medium bandサーベイ(ZFOUGE)で得られたphoto-zカタログとCANDELS, 3D-HSTの
銀河の形態カタログを使って, z=2.1の銀河団とフィールドで銀河の半光度半径
の違いを比較した論文です.
quiescent銀河では違いが見られなかった一方, 星形成銀河では銀河団の方が半
光度半径が大きいというのが主な結果です.

  • 2015/05/29


本論文は、Chandraのhard X-rayデータを用いて、
矮小銀河にあるX線源を43個検出したというものです。(うち8個は初検出)
この中から massive BH を選び出す手法とその結果を紹介します。

二本目(石垣)
http://arxiv.org/abs/1505.03877

HETDEX Pilot Surveyによって見つかったz=2.44の原始銀河団についての論文で
す。
ハロー質量の進化、extend Lya halo・AGNの有無についてのフィールドとの比較、
また今後のHETDEXによるサーベイで検出できる原始銀河団の数などについて調べ
ています。

  • 2015/06/12


一本目(川俣)
http://arxiv.org/abs/1505.06211

2014年5月,Hubble Frontier Fields の最初の銀河団である
Abell 2744 の領域で,z=1.3457 の Type Ia SN が検出されました.
この領域は,中心にある銀河団による強い重力レンズ効果の
影響を受けています.
SN は標準光源であるため,赤方偏移の情報と合わせると,検出された
位置での銀河団による重力レンズ効果の増光率が計算できます.

一般的に銀河団の重力レンズ効果による増光率は,観測された
multiple image の情報によって求められています.
今回 SN の観測から求められた増光率は,これとは独立に得られるため,
すでにいくつかのグループによって作成されたレンズモデルを
チェックするためのよい手段です.

各モデルで予想される増光率と SN から予想される増光率は,
大まかに一致したものの,各モデルは系統的に増光率を高く
見積もる傾向があることが分かりました.
このずれの原因などを議論していきます.

二本目(藤本)
http://jp.arxiv.org/abs/1505.05152

LABOCAソースをALMAで追観測したALESSでは、LABOCA 870umで
9mJy以上であった12個の天体中11個は9mJy以下の2~4個の天体に分解
されました。これより~9mJyに対応するSFR~1000M./yrの領域はeddington
limitに達している可能性が示唆されていました(Karim+13)。

紹介する論文ではSCUBA2ソース30個(median flux = 8.7 mJy @ 850 um)
に対して同様にALMAで追観測を行ったところ、ALESSで見られたような
9mJyでのcut offは見られなかったものの、同様のmultiplicityが確認され、
cumulativeな個数密度は従来のsingle-dish観測よりも>7.5 mJyで20%,
12 mJyで60%低くなることがわかりました。Double power law関数の
フィッティング結果や典型的なSMGsサイズの結果(Simpson+15a)から
SMGsにおける限界星形成面密度についても合わせて議論しています。

三本目(吉原)
http://arxiv.org/abs/1505.04758

これまでに観測されているhigh-zの銀河は、とてもdustyであるか実質的にdust-freeかのどちらかの状態に属しています。
宇宙年齢が500Myrの遠方にdusty銀河が見つかったことから、この2状態間の遷移は急速に起こるはずで、モデルは銀河がevolved
stateに達すると途端にdustyになると予測しています。
また、銀河全体ではダスト生成の星による影響が比較的小さいときでも、超新星爆発によるダスト生成の効率が高いことがありうると主張しています。
これらについて、最近発見されたz=7.5 の dusty normal galaxyであるA1689-zD1に着目して議論しています。


  • 2015/06/19

一本目(寺尾)
http://arxiv.org/abs/1506.01380

この論文では、ZFOURGE surveyとCANDELSのデータを使って3.4<z<4.2の
quiescent galaxyと星形成銀河の
size evolutionについて調べています。quiescent galaxyはcompactで、星形成
銀河はextendedであることが
わかり、それぞれの0<z<4におけるsize evolutionがpower lowで表されます。ま
た、z~4におけるcompactな
星形成銀河の少なさは2<z<4におけるquiescent galaxy数密度の急激な変化に対
する説明を困難にしており、
quiescent galaxyへの進化経路についても議論されています。


二本目(鈴木)
http://arxiv.org/abs/1506.02670

この論文では、HiZELSというNB surveyで得られたz~2のHα emitters(HAE)と
異なるセレクション方法で構築された同じ時代の星形成銀河サンプルとを
様々な物理量で比較し、HAEがどのような銀河種族をトレースしているのかを議論しています。
また、HAEのLyα escape fractionや星形成主系列のゼロ点や傾きが
星形成率を求める際の指標やダスト減光の補正の仕方によって
どう変わるかということを調べています。


  • 2015/06/22

これを次回の発表に?
Cosmology with Lyman-alpha forest power spectrum
Palanque-Delabrouille et al.

読んだ結果、これはダメだ。
まず、自分が理解できない・・・。

  • 2015/06/26

一本目(後藤)
http://arxiv.org/abs/1506.01377

この論文では,
まず,赤方偏移4~8の銀河の観測から得られるハロー質量関数と
ΛCDMの理論予想が合わないことを指摘します.
理論的には,この時代のハロー質量関数のhigh-mass endは大きく進化するはずですが,
観測結果は大きく進化しているように見えず,どの時代でも数密度が高すぎます.
この観測と理論の矛盾の解消するためのアイデアを議論します.
最終更新:2015年06月25日 16:51