サービスマニュアルの内容+独自に解析した結果をまとめています。サービスマニュアルは複写は認められていないので、図などは省略します。また、解析内容に間違いがあっても保障できかねますので、ご了承ください。

目次



解析に使用するツールについて

兎にも角にも信号を見ないことには始まりません。私は2万弱で購入したUSB接続オシロスコープ:DSO-2090USBを使用しています。はっきり言って見た目・性能はそれなりですが、割り切ってしまえばお得な製品かと思います。ちなみにWindows7 32bit版でも、ちゃんと動きました。


実車解析用チェック端子について

本解析のために車体のハーネスを切断し、解析用チェック端子を増設しました。たぶん新車でこんなバカなことをするのは自分だけかと思いますが・・・
サービスマニュアルを見ますと、テストハーネスなるSSTがあるのですが、こちら15万円ほどしますorz
ですのいたしかたない手術ということで・・・まだ走行距離2.7kmなのにごめんね、モンキー。。


ECU配線

ECUユニットのコネクタと番号は下記のようになります。
1 - 11
12 - 22
23 - 33

エンジン制御に必要な信号を下表にまとめます。

入出力 名称 配線 備考
入力 クランクパルスジェネレータ
信号 12(+) 23(-) 0.7V以上の電圧が保障されているとのこと。アイドリング時は±10V程度のパルスが出ています。
センサユニット
電源電圧 6(+) 4(-) 約5.0V
スロットル開度センサ 5(+) 全閉時:0.29-0.71V
全開時:4.13-4.76V
開閉量により上記の間で変化
吸気温度センサ 14(+) 2.7-3.1V
吸気圧力センサ 27(+) 0.5-3.4V
油温センサ
電圧 24(+) 4(-) 約5.0Vを印加し抵抗値を計測している?
O2センサ
信号 3 なし なし
出力 インジェクタ
信号 16 なし +12Vで駆動。通電時にソレノイドバルブが開閉し、燃料を噴射します
イグニッションコイル
信号 11 なし +12Vで駆動。フルトラ方式のようです。
IACバルブ
信号 20 31 アイドリング用のバルブ。マニュアルの配線図を見るとステッピングモータのようです。±12Vで駆動
21 32
フューエルポンプ
制御 8 なし GNDに短絡させると動作します。起動時は約5秒間、またエンジン回転中は常時動作

信号の詳細

  • クランクパルスジェネレータ
プローブx10設定で、オシロの設定をx10し忘れていますので、実際には約20Vp-pの出力が得られています。1回転9パルスが出力されているようです。MAX12,000rpmとすると200rps、1回転5msの間に処理する計算になりますので、SH-2A(144MHz)だと余裕で処理できそうです。

クランクパルス間隔は実測した結果、最大:120[deg], その他(8箇所):30[deg]となっていました。
  • スロットル開度センサ
スロットル開閉に応じて電圧が変化しています
  • 吸気温度センサ
気温29度・エンジン停止時のものです。約2.6V。
  • 吸気圧力センサ
エンジン停止時のものです。約2.9V 吸気圧 vs クランクパルス。MAX2.9V,MIN1.6Vを2回転ごとに繰り返していることが分かります。
吸気圧 vs インジェクション 吸気圧 vs イグニッション
吸気圧力センサの出力は、吸気バルブ開時の負圧発生で変化します。センサ出力の特性が明確ではありませんが電圧の降下直前にインジェクタが動作していますので、
  1. 吸気圧力センサは、気圧:小→大で電圧:小→大
  2. インジェクタ噴射タイミングは負圧発生直前である
  3. 次回転を圧縮工程とし、点火している
と予想しています。純正ECUも吸気圧力を監視してタイミングを計算しているのでしょうか??とりあえず点火・噴射タイミングはこれで取得できそうということで・・・
  • 油温センサ
解析保留
  • O2センサ
解析保留
  • インジェクタ
ちゃんと2回転に1回のペースで噴射しています。アイドリング時の噴射時間は約4msのようです。
  • イグニッションコイル
こちらもちゃんと2回転に1回のペースで点火してます。アイドリング時の通電時間は約6.4msのようです
  • IACバルブ
CH1:21PIN(+)-32PIN(-), CH2:20PIN(+)-31PIN(-) イグニッションキーON時のものです。ON時の立ち上がりでトリガーを仕掛けてみた結果から、±12Vで駆動している模様。
ちなみにアイドリング時にもトリガーを掛けてみたのですが、一向にHITする様子はありませんでした。通常はON時のみでアイドリング時は動作していないのでしょうか??オシロスコープのバッファ限界もあり難しいぞ・・・これ。。もう少し解析が必要です。。

8/31:テストボードによる解析結果をUPしました。波形を見るに初期位置までバルブを回しているようでが・・・近々目視で確認したいと思います。。

  • フューエルポンプ
アイドリングテストをする際に気が付いたのですが、フューエルポンプは常時動作していませんでした。メインスイッチONから約5秒間動作し、燃圧を確保している模様。またエンジン始動後は常時動作しているようです。

ノーマルECUの噴射・点火マッピングなどの調査

一通りエンジンを回すのに必要なセンサの出力が出揃いましたので、まずはノーマルECUの制御内容をモニタリングするため、テストボードを作成したいと思います。
テストボードについては、勉強のあしあとを参照ください。。
















最終更新:2010年09月17日 17:49