六話 思わぬ事態

あれから俺は順調にジャギィを倒し続けた。
そして最後の一頭になった。
「ふう、これで14体か。あと1体だ、頑張ろう」
気合を入れてエリアを移動し、ジャギィを探していると、いつもより大きく背中が青いジャギィを見つけた。
「こいつは・・・?珍しいジャギィかな?」
そう思い、そのジャギィを倒した。
ん?・・・クエスト成功にならない。何故だろう・・・
急いでモンスターリストを確認してみると、これはジャギィの雌、ジャギィノスだったのだ。
ここで、切れ味が下がったので砥石を使った。
「さて、もう一度探し直しだな」
エリアに入っては出て、入っては出てを繰り返し、やっとジャギィを見つけた。
愛用のロングホーンで突こうとした瞬間に向こう側から、熊のようなモンスターが近づいてきた。
あの色といい、シルエットといい、あれは・・・
そう、あのアオアシラである。俺をこの世界へ飛ばしたモンスターだ。
俺はさっさとジャギィを倒してクエストクリアしようとしたが、あの時のようにアオアシラが突進してきた。
ここからじゃよけきれない・・・
と、その時。目の前が真っ白になった。

「おい!ドラグニル!大丈夫か?」
目をあけると、ジンと村長が並んで心配そうに俺を見ていた。
「あれ・・・?何でおれはここに・・・?クエストは・・・」
「もう大丈夫だ。クエストは成功した」
「え・・・でも俺、アオアシラに・・・」
「ああ、だから大丈夫だったんだ。何だか知らないが、お前の帰りが遅かったから、俺らが迎えに行ったら、アオアシラとお前さんが倒れてたんだ。ジャギィもな」
「そんな・・・俺は知らないよ」
「俺が推測する限りお前は【覚醒】したんじゃないか?」
「【覚醒】?」
「そうだ。ハンターのごく僅かの中には状況が本当に危ない時だけ、100%の力を出せる能力を持ってる人がいる。これが【覚醒】だ。となると、お前がそのごく僅かなハンターになる」
【覚醒】・・・俺はジンと村長が帰った後、ベッドの中で色々考えた。
アオアシラ・・・【覚醒】・・・そして何故この村に来てしまったのか。
俺には何もかも状況が理解できない。
今は謎のままにしておこう・・・




最終更新:2011年02月20日 23:51