アットウィキロゴ

EVOKE -舞- ニシル編第3話

戻る




オルガー「♪~♪~(某喫茶店でコーヒー片手に優雅(?)なひと時を過ごしている)……………やべえ財布忘れた ( ˙-˙ ) 」

レオネ「(財布をくわえた猫をくわえた犬を抱いて喫茶店の前をうろつく)(どうしようこれ…可愛いわんにゃんこかと思えったら厄介なもん拾っちまったじゃねーか、どうしようこれ) 」

オルガー「ぃ、いや…!忘れたんじゃねえ…!持っていたはずだ!ガサゴソガサゴソ …………んなあぁーーーーい!困ったさあどうしよう。部下でも呼ぶか、それか―――――――――あ ( ˙-˙ ) (財布をくわえた猫をくわえた犬を抱いたレオネが視界に入る) 」

レオネ「おっとぉ、目が合った瞬間点目になる古典的な野郎発見(財布をくわえた猫をくわえた犬を羽交い締めにしながらオルガーに歩み寄る)まあそんな上手い話ないと思うんだけど、あんた、財布落したりしてないか 」

梓「(いつもの赤い着物を纏い街を闊歩)さきほどのぬこはどこへ行ったのでしょうか・・・?あのかわいいぬこ・・・・・あ、さっきのぬこ。(犬に加えられている財布を加えた猫を見て) 」

オルガー「 オ レ ノ サ イ フ (ガシャアアアァァァァンッ)(喫茶店の窓ガラス突き破りレオネの前方に転がりこんだ)そうだ、俺んのだ。身分証明書も入ってる。誰だが知らんが拾ってくれてありがとな。(立ち上がる) 」

レオネ「拾ったはいいけど修理代やらで早速すっからかんになんぞお前!(ドン引き)…ふーん……さっきの身分証明書…アンタお役人かい 」

オルガー「……ノ)゚Д゚(ヽ ……大丈夫だ、問題ない( ˘ω˘ ) フッ っとぉ、見られちまったか。おうそだ。 」

梓「ぬこ~(レオネに歩み寄る) 」

レオネ「(あれ、さっきの猫がどっか行ったな…尻尾が二股なんて相当珍しいのに勿体ない事したか) 開き直り早ぇよ(手刀突っ込み)(顎に手をあてまじまじとオルガーを観察)…成る程、鍛えてるな。本物のようだ 」

梓「あら、行ってしまいましたか・・・・残念。 」

オルガー「てへぺろっ☆(・ω<) おうおぅ~…何見惚れてんだよ譲ちゃん~、なんだったら触ってもいいんだぜ~??てか嬢ちゃんいくつだよ、見た感じ大学生って感じだけどよー。(2828しながら) 」
レオネ「んー、なんだあんたあの猫の飼い主か?ありゃどうなってるんだ、尻尾が枝分かれしてる猫なんてフィクションでしか見ないんだが、線路をバスが走ってるぐらいの違和感がだな  デスクワーク派のお硬い野郎相手じゃ話になんねーなって思っただけだよ、丸眼鏡かけて出直せ(肩を竦める)んまー一応はそんなとこかな 」

梓「あ、いえ・・・・偶然見かけたのであやしていたら、急にいなくなったので・・・。(レオネに) 」

オルガー「オワアアアアァァァァァァ!!!!!('ω') くそっ、踏んだり蹴ったりだ!もういいから財布返して……てか財布なくね?ないよね?あの猫何処行ったオワアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!('ω') 」

レオネ「あ、なんだ野良か…惜しい事したな、持ち帰ってなでこなでこすりゃよかったかね(目を伏せ溜め息) OH…さっさと取らないから、財布を拾うって心の中で思ったなら既にポッケに納めるぐらいの心持ちでないとなぁ~ 」

オルガー「嬢ちゃん頼むよ~、またあの猫拾って来てくんね?なんかやるからさあ~。(手を合わせて) 」

梓「ぬこ・・・・(悔恨)あ、ところで~・・・何故喫茶店の窓が割れているんでしょう?先ほどの財布と関係が? 」

レオネ「なんかやるー?(頭をボリボリかきながら一考)…いいや、駄目だね。『なんでもする』なら考えない事も無いよ、生憎、職に困っても物には困っちゃい無いんだ(含みのあるような言い方をし) ……き、季節外れのサンタでも紛れ込んだんじゃないかな! 」

オルガー「シィィィィィイ シャラップだ嬢ちゃん。それを言うなあー(険悪な顔で梓に詰め寄る)ぐッ… ……わぁーったよ…なんでもするよお!!お願いだお願いします! 」

梓「季節外れのサンタ・・・・何かの暗号ですか(汗)まぁいいでしょう・・・(深く考えないようにした) 」

梓「わっ!(詰め寄られ驚く)ん? 」

ブラックサンタ「暴れん坊の~サンタクロ~ス~♪ クリスマス過ぎたのにやってきた~♪ オラ、オラオララッ!オラ、オラオララッ!ブラッディなプレゼントを持ってきてやったぜ庶民共ォォォォーーー!!!!!ズダダダダダダダッ(ガトリングを連射しながら現れる) 」

レオネ「よろしいよろしい、うん実に結構!(にっこにっこ)…さっき身分証明書チラッと見たんだけどさ、あんた特別対策係第2班の連中だろ 」

オルガー「(くそがぁ…!)……!テメ…知ってんのか―――――――――あ゛?(レオネに詰め寄ろうとした時銃声のした方へ振り返る) 」

レオネ「以外!それはその血の記憶ッ!(猫じゃらしをふり歩きながら)名前でしか聞いた事ねーんだけどな、実際会った事もなければ交戦した事も無い。ただちょいと好奇心程度に興味はあってね 」

ブラックサンタ「オララララッ!!……んお?お前らにも、プレゼント持って来てやったぜおらあああァァァァ!!!!ズダダダダダダッ(レオネたちに向けてガトリングを乱射) 」

オルガー「結構名が知れてんだな俺のとこ… つか、交戦ってお前…俺達はエージェントじゃねえんだ。平たく言や、街の治安を守る正義のヒーローという…あー…ちょっと待ってろ。(会話から離脱しサンタの方へを振り返る)――――――― ス キ ャ ッ (スローモーションで吹き抜ける銃弾を目視し、レオネと梓に向かって撃たれた弾を手刀で一斉に叩き落とす) 」

レオネ「げえっ…!?待て待て何の冗談だこりゃ、噂をすれば影なんて言葉があるが百歩譲ってもあんなのは……ビューティフォー(早業を目の当たりにしスコアを表示) 」

ブラックサンタ「ヒャハハハハハ!!!メリィークリスマスだぜおらァ!!………!??(銃弾を叩き落とされたことに気づいておらず、それよりも撃ち込んだはずの標的が倒れないことに驚愕している) 」

梓「―――――!(オルガーの妙技に目を見張る)・・・ありがとうございます。おかげで助かりました。 」

オルガー「…あー…やっぱ前言撤回、財布はいいや。代わりに……シ ュ ン ッ ――――――(一瞬でサンタの頭上に移動し、掌を構える)―――――ズ ギ ャ ア ァ ッ ! ! ! (そのまま掌底で押しつぶす) 」

ブラックサンタ「くそ…!何で死なねえんだあいつら!!もう一度ブチ込んでやる―――――――ズ ギ ャ ア ァ ッ ! ! !(オルガーの一撃で地面にめり込みそのままピクリと動かず気絶した) 」

レオネ「(豪快だが動きに無駄が無い…持ち前の身体力と落下時の加速、重い一撃だ…良いセンスしてる)おや、財布なんぞの代わりになるもんでもあるのか(腕組みし笑みながら) 」

オルガー「(着地しサンタの懐を無造作にあさる)…ツケはこいつに払ってもらう。(サンタの財布を手に取る)ひょー…結構入ってんなあ。(ぉ 」

梓「(賛美の拍手) 」

レオネ「(金づる逃がしちゃったな…まあいいや) G J ! 」

オルガー「…けどよ(レオネの方へ振り返る)一度口にしたことは責任あんだ。財布はもういいが…何でもいうこと聞くってのはぁー…特別だかんな。(ボサツいた髪を掻き毟りながら) 」

レオネ「えっ?ああいや…別に財布は見つけてやれなかったんだしそりゃフェアじゃねーだろ(頭をかきながら目を反らし)…でもま、駄目元で頼んでみっかな… 」

オルガー「まあ、なんだ、細けぇーことは気ぃすんなよ。ちょいまってな。(喫茶店に入って清算、弁償代金を払ってくる)…おまちー。あ、その前に名乗った方が良さそうだな。俺はオルガー。お前も承知の通り、政府に勤めている。階級はー…まあ、それはいいだろ。とにかくよろしくな。(ニッと笑い、握手を求める) 」

レオネ「(修理代はどうしたんだろう…)んおお…ああ、よろしくなオルガー(ニッと笑み手を握り返す)私はレオネ、さっきは大学生って言っちまったけど、フリーの傭兵稼業をやっている 」

オルガー「(あっぶねー…代金ギリギリだったわ。ここで金が足りねーことになったら格好つかなかったなぁー…)レオネってのか。は、お前が?はぁ~…人ってのは見かけによらねえんだなぁ~~~!(腕を束ねて驚いた顔を浮かべる)…しかしまあ、ただの嬢ちゃんじゃねえってのは薄々感じてはいたんだけどなぁ。そうかぁ、傭兵かぁ~~~。(うんうんと頷く) 」

梓「ふ~ん、二人とも戦いを生業とされる方々なのですねぇ、道理で・・・・。(二人を見て) 」

レオネ「見るからに傭兵ってなりしてたらガキがビビっちまうだろ(けらけら)…でもま、傭兵なんて単身フリーでやっててそれ相応に実績がねーと仕事も回ってこなくてさァ(苦笑)…そこでどうだろうオルガーよ…––––戦力、多いに超した事ないんじゃねぇかな 」

オルガー「おっと悪ぃ、お前も怪我なかったか?ははっ…(苦笑しながら梓に)おいおい、俺なんてこの普段着でガキから逃げられんだぜ?たまらんわぁ~。……なんだお前、ウチんとこに来てェのか…?(傾げて) 」

梓「はい、御陰様で。この通り怪我一つありません(ぺこりとオルガーに) 」

レオネ「そういうお前も現場慣れしてるだろ、眉一つ動いてなかっただろ(汗笑) ジョーダン、それはそれで不便なんでさぁ…そこで…だ、私の腕を買ってみないか 」

梓「いえいえ、わたくしなど・・・足がすくんで身動き一つとれませなんだので・・・・。(薄く笑みながら) 」

オルガー「ははっ、そりゃよかったよ。今日のことで俺に惚れてもいいんだからな?(ぇ(梓にニシシと笑う)ろっとぉ…そうはいかねえか、やっぱ。(苦笑)…ふん、お前を、か……。……。……。……ズイッ(互いの鼻が接触するかしないかまで顔面を詰め寄せる)…おもしろい。お前の腕前、俺も気になるしな。 」

梓「ふふふ、その誘いは少々遅かったですね。すでに、お慕いしている人がおりますので♪ 」

レオネ「そういうのを『全く微動だにしない』って言うんだろ(苦笑) (距離が限りなく近くなっても薄く笑んだまま腕を組む)…おお、案外スマートに話が進むじゃん。前金はいらねーぞ、折角興味を持ってくれたんだ、実際品定めしてから値打ちを決めてくれりゃ良い 」

オルガー「くあぁぁ~~~ッ!!!チキショウゥ!! ダンダンダンッ(梓の前で地団太踏む)まあなー…実のところ、こっちも優れた人材が欲しかったところだ。目星をつけている奴はいるんだが…そいつぁなかなか乗ってくれなくてなぁ…(クラッドの像が脳裏を横切る)まっ、今はお前がいてくりゃそれでいいわ。(笑いながらフードごと頭をわしわし撫でる) 」

梓「ふふ、面白い表現をなさいますねぇ。(レオネに無邪気な微笑みを見せて)きっと、もっとよい方が見つかりますよ♪(オルガーの反応を見て愉しんでる)」

レオネ「金と仕事と履歴書の内容に困ってねーんだろ、こちとら生活が掛かってるんだからな…っと、…ちょっと、いきなり馴れ馴れしくねーか(ジト目) …(さっきの相手、私は勿論だがこいつも単身でどうにかできたろうな…いや、あれじゃー物差しにすらならねーだろうし、とにかく底が知れない…) 」

オルガー「金んことは心配すんな。( 説 得 力 皆 無 )仕事はー…ああ、ここで言うのもなんだしな。(そう言うと胸ポケットから煙草のパックを取り出し、中から煙草と名刺を抜きだす)ほれ。気が向いた時にいつでもかけてこい。(名刺には、覚醒能力者(イヴォーカー)特別対策係第2班 班長――――『オルガネット・コルスター』 そして電話番号が表記されている)シュボ…(煙草に火をつけて銜える)レオネ…だったか。俺んとこについて来るってことは…そんだけ覚悟はしとけよ。ブワサッ…――――――想像以上に骨折れんぜ。(コートを靡かせながら踵を返し、煙をふかしながら猫背で去っていく) 」

レオネ「……いいや、どうも人間わかんねーもの程気になるもんなんだなって思っただけだよ… ハッ…覚悟の上だっての、そんぐらいのヤマじゃなきゃ手柄にすらなりゃしねェ(クツクツと笑みながら踵を返し歩いて行く) 」



――カガリ宅・リビング――


ニシル「ふぅ…なんとかクランチチョコは完成しました…。(エプロン姿で大量の手作りチョコを前に一息つく)えと、あとはケーキだけ、かな……!」

カガリ「(湯上りなのかタオルを肩に掛けたまま部屋へ入ってくる)この非常時に悠長なことを… だが、うん…悪くはない香りだ。」

ニシル「わっ… あ、カガリさん…。(突然の登場にびっくりする)えへへ…それはそうですけど、明日はバレンタインですし… みなさんにお会いするかもしれないので、せっかくだがら…(〃・v・〃)」

カガリ「…友達が、できたのか……『嫁』よ。(椅子に腰かけ真顔で問いかける)」

ニシル「…はい……って、あっ…/// かっ、カガリさ…!// だからその呼び方やめてくださいってば…!////(赤面)……ここへ来てから、たくさんの方々と知り合って…いつのまにかいろいろと助けてもらったり…――――――大切な人が、たくさんできました…。(両手を胸にそえ、優しい微笑を浮かべる)」

カガリ「ふむ…ここへは友達づくりに来たわけではないが… お前に友や仲間と呼べる人が増えることは喜ばしい事だ。良い関係を築いていけ。……その中には、あの青年もいるのか。」

ニシル「えと…せ、セルドさんのことですか?は、はい…!ほっ、他にも…いろんな方がいて……(ぎこちなく手を動かし)」

カガリ「ほーぅ…あの青年とまだ関係が… いやそれよりも、お前が男と打ち解けられるようになったことが驚きだ。(目に興味の色を浮かべる)」

ニシル「ふえっ…!?あ……そ、そうですね… 私も、おどろき、です…。初めはみなさん、やっぱり怖かったけど… あの、不思議なんです……心は緊張しているのに、でも、何故か…落ち着くような気がして……(目を反らし片手を頬にそえる)」

カガリ「多くの人と出会うことで変わったのか…見事な成長だ。お前を別行動させておいた甲斐があったのかもしれないな。…ならば仕方あるまい。明日、その感謝を抱いてまた会ってくるんだな。」

ニシル「……!…はいっ…♪(笑みを零す)」

カガリ「(ニシルの笑顔に釣られて鼻で笑った)もう気にせず作れ、嫁よ。(緑茶を淹れる)」

ニシル「も、もうっ…/// それはダメですって…うぅ……(恥ずかしい表情を浮かべる。板チョコを手に取って大まかに割りボウルに入れていく)」

カガリ「スス…(一口含み、横目で彼女の作業を覗き込んでいる)…我が嫁は手際が良いな。お前もそう思うだろう。(机上のとてもとても小さい小熊に語りかける)」

小熊「コロコロン…(少し大きいマグカップの傍でごろごろしている)……?(ニシルの作ったクランチチョコに気づき、てちてちとその方向へ歩く)」

ニシル「うぅ… カガリさんってば…///(チョコを湯せんで溶かしていく)あ、まぐ君…食べちゃダメだよ?(別の大きなボウルに卵黄と砂糖を入れて混ぜ合わせる)」

小熊→まぐ「まー…?(クランチチョコを前につつきながら傾げて、マグカップの中へ入り込む)」

ニシル「あとで、ハチミツで何か作ってあげるからね。(まぐに微笑む。そのボウルに先の溶かしたチョコを入れて更に混ぜ合わせる)」

カガリ「いつもに増して本気だな、嫁よ。まあ私以外の人間に振舞うのならそうだろうが… フフッ…これが恋する乙女という奴か…。」

ニシル「ふわわっ…!!(手を滑らせる)な、何言って…!/// 私は別にそんな……(顔を赤らめながらぶつぶつ呟き、出来上がった生地をシフォンケーキの型に流し込む)」

カガリ「(表情はいつも通り硬いものの目は笑っているように見える)………。(それに、楽しそうだな…。)」

まぐ「すぅ……すぅ……(マグカップの中で静かに眠りについている)」

ニシル「あとはオーブンで焼いて…冷ましてから粉砂糖をまぶして… いろいろトッピングしなきゃ… ふぅ…」

カガリ「…お前が微笑ましいな。(まぐの頭上を人差し指で優しく撫でながらニシルに呟く)」

ニシル「ふぇ…?(振り返る)」

カガリ「……お前は、私の経験し得なかった青春とやらを…ちゃんと謳歌しているのだな…。お前を見ていると、もしかしたら私にもこういう一瞬があったのかもしれないと思うよ。」

ニシル「カガリさん……(改まった表情で向き合う)」

カガリ「(ふっと鼻で笑う)………あとで茶に合うチョコ菓子を頼む。(そう言い部屋を出ていく)」

ニシル「…はいっ、任せてください! ……。」


―――私は、カガリさんがいなかったら、今日まで生きていけなかったと思います。だから…貴女と出逢えたことも、私はとても嬉しいですよ。―――




玲華「(いつも通り、いつもの喫茶店で、いつものパンプキンケーキと紅茶を含みながら優雅に読書している)…フフッ、今日はいつもに増して、街が賑やかですわね。 」

メモリア「今日は賑やかだ・・・けど、皆何かに忙しいのか、収支が少ないなぁ・・・(帽子の中に入ったチップを数えながら、歩いている)まあ、貰えるだけ感謝・・・ですかね。(サッ、と中身を財布に詰め込み、帽子を被る) 」

玲華「ブル… ん…(そろそろ冷えてきましたね… 今日はこのへんにしましょうか…)(紙袋を持って清算を済まし喫茶店から出てくる。その時、やってきたメモリアとはち合わせになる)あら… メモリアさん。(そっと声をかけ)」

メモリア「あ・・・どうも、西園寺さん。(声をかけられ、帽子を手に取り軽くお辞儀)」

玲華「こんばんは。…今からお帰りですか…?(若干傾げるように)」

メモリア「あ、ええ・・・今日は客足も悪いですし、引き際かなと・・・。 」

玲華「そう、ですか…(同情するような顔を浮かべ)……そうだ、もしよろしければ…一曲弾いてもらえませんか?私まだ、メモリアさんの音楽をお聴きになっていないので。(微笑み) 」

メモリア「・・・では、一曲・・・リクエストは? 」

玲華「そうですね…では、ボサノバをお願いします。お気に入りなんです。(フフッと笑みを零してその辺のレンガにゆっくりと腰掛ける) 」

メモリア「ボサノバ・・・ですか、頑張りますね。(アコーディオンをケースから取り出し、そこらのベンチに腰掛けてひざの上に乗せ、後付けされたようなスイッチを数個押す) 」

玲華「(ふふふと優しい笑顔を浮かべながらメモリアの準備を眺めている)」

メモリア「(ガチャガチャッ、とアコーディオンから機会音が鳴り、少し間を置いてから左手を鍵盤に添える) 」

玲華「(メモリアがアコーディオンに手を添えたのを見て静かに見つめる)」

メモリア「では・・・。(奏でるは『ハウ・インセンシティヴ』指が鍵盤に触れると、アコーディオンからアコーディオン以外の音色が聞こえる) 」

玲華「……!(あら、この曲は確か… ああ、私も何度か聴いたことがありますが…この音色はまた違って良い…)(静かに瞳を閉じ、満足そうにアコーディオンから流れる音色に身を委ねている) 」

メモリア「(落ち着いた様子で、アコーディオンを奏でている、音色もしっかりと合っている)(やっぱり、こうしてこのアコーディオンを奏でている時こそが、一番落ち着ける・・・) 」

玲華「♪~… ……?(メモリアの奏でる音楽に合わせて静かに揺れている最中、彼の表情を不思議そうに窺う)……フフッ…(何に気づいたのかは分からないが、そっと笑みを零した) 」

メモリア「(そうさ、これは私の全てだ、だから私はこれが一番であって、当然なんだ・・・)(落ち着いた様子で曲を奏で続ける、その表情は、どこか悲壮を秘めた。) 」

玲華「……(メモリアさん……?)(繊細な変化に気づき若干首を傾げる)」

メモリア「(そうだ、これさえあれば、家族も、何もいらない・・・これが、これがあれば、・・・これだけしかない、私にはこれだけしか無いんだ・・・なら、何の為に生きて何の為に死ぬ・・・?)(演奏の手は全くぶれないが、その表情は段々と曇っていく) 」

玲華「……(…これが、メモリアさんの音楽… とても心地よくて、素敵です… …けど……)(両手を胸元にそえ、曇り往く彼の表情を心配そうに見つめる) 」

メモリア「(解らない、解らない・・・私は一体、何の為に生きているんだ・・・日銭を稼いで何も変わらない日々を過ごすだけ?そんな事の為に・・・?)(アコーディオンを支える右手がにわかに震える、鍵盤を押す左手は全くぶれずに曲を奏でている) 」

玲華「(……でも…―――――)……あの…メモリアさ―――― 」

メモリア「(・・・どうして、自分は生きているんだろう、理由もなく、どうして・・・。)・・・ビクッ!!(声をかけられ、驚いて鍵盤を数個同時に押してしまい、けたたましい不協和音が鳴り響く) 」




玲華「(落ち着いた物腰で真剣な眼差しを見せる)……メモリアさんの奏でる音楽…とても、素敵でした。こんな素晴らしい曲を、私の為に弾いてくださったのもとても感謝しています。私はもう、満足です。…ですがメモリアさん、どうして…そんな顔をなさるのですか…。(ゆっくりとたちあがり少しずつメモリアとの距離を縮めていく) 」

メモリア「・・・ああ(自分の表情が強張っているのがなんとなく理解でき、平常に戻す)いえ、別に何でもないですよ。(笑顔を作り、返事する、どこかぎこちない) 」

玲華「…何でも―――――何でもないわけが…!!!(メモリアの発言に対し、急に声を荒げてしまう)……!…ごめんなさい……。(軽く頭を下げ) 」

メモリア「・・・!(上がる声量に、驚いて目を丸くする)い、いえ・・・。(頭を下げられ、つられてこちらも頭を下げる)・・・何でもないです、あまり気になさらなくて大丈夫ですよ・・・。 」

玲華「…わかり、ました…。(そう言い、メモリアの隣のベンチに腰かける)……。……。……私は、生まれてからずっとこの街で育ちました。(長い沈黙の後、それを打開するように呟く)いろんな方々と出会い、外から来る方々たちとも出会い、ここで出会うすべての人たちの顔を、私は今でもはっきりと覚えています…。みな誰もがいろんな『顔』を持っていて…その中には人には見せられない、見せたくない『顔』があることを…その方たちから学びました。」

玲華「私はまだ…メモリアさんの本当の『顔』を知らない。でも、いつかお互い…本当の『顔』で向き合えられたら… きっと…そこには素晴らしい何かに気づけると思います。(目を伏せて優しい表情を浮かべる)」

メモリア「・・・。(本当の、『顔』・・・。)・・・。(何とも言い得ぬ、愁いと迷いを帯びた表情で下を見ている)」

玲華「演奏家は…(そっとメモリアの右手に触れる)…聴く側と演奏する側の波長を合わせることも大切なのですよ。(大人な表情でメモリアと向き合う)…また今度… 今度は、貴方の本当の音楽をお聴きしたいです…。 」

メモリア「・・・波長を、合わせる・・・。(空っぽの、何も無い瞳で玲華を見る)」

玲華「メモリアさんになら…きっと… ……ああ、そうだ。お礼というのも何なのですが…(高価な雰囲気を漂わせる紙袋を手に取り、それをメモリアに差し出した)今日は…セント・バレンタインデーということで… その、手作りではないのですが…もしよろしければ。」

メモリア「・・・バレン、タイン・・・?(きょとん、とした表情で、首を傾げる) 」

玲華「あら…もしかして…ご存知なくて?まあ…♪(面白そうに笑う)そうですね…何と言ったらいいかしら… えー、女性から男性へチョコレートで愛を伝える日のことですが…今では、"大切な誰かに愛を伝える日"とも呼ばれています。 」

メモリア「愛・・・。(・・・何だろう、ピンとこない・・・。) 」

玲華「まあ、"愛"といっても…いろいろな観念があるのですがね。(くすりと魅惑的な笑みを含んで)私はもう、メモリアさんからいただいたものがありますから。(くすくすと笑いながら立ち上がる)楽しい一時はあっという間ですね… もう冷え込んでくる頃ですし、今日のところはこの辺にいたしましょう。…ありがとうございました、メモリアさん。(深々とお辞儀し、優雅な足取りで街の中へと消えていった) 」

メモリア「・・・さようなら。(軽く手を振る)・・・チョコ、か・・・こうやって受け取るのは初めてだし、愛・・・解らない、・・・駄目だな、知識が浅い・・・私も勉強不足か。(アコーディオンをケースに仕舞い、それを抱えて歩いていく) 」


続き


戻る

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年08月15日 19:44