【情報文章】マウサツレポート・その10 2005年10月26日

 サコンです。
 護衛士の皆さんの活動に付いてご報告しますマウサツレポートも

今回で10を数えるまでになりました。
そこで、今回は護衛士の皆さんの活動などによって大きく変遷して

来ているマウサツを取り巻く現状などについてなどを
簡単に纏めてご報告致したいと思います。
 ただし、これで全てをお伝え出来る訳ではありませんので、各活動に付いての

報告や情報文章などにも目を通して補完して戴けますと幸いです。


●最近の出来事
 最初に、最近マウサツで起こった事件や出来事についてを簡単に

ご報告致します。
 まずはアルガ領内にて木材などの値段が高騰していた件に付いてですが、

何者かが作為的に材木の出し渋りを材木商たちに示唆していた模様です。
 数人の商人からの証言では、昨年末よりアルガの都で幾つかの事件を

『予言』として言い当てていた『占い師』によって、今後アルガ地方で相当量の

材木が必要となる大事件が起こるとのお告げがあったらしく、その言葉を

信じた材木商たちが品の値上げや売り渋りを始めた事が、今回の事態の
発端となったようです。
 この『占い師』ですが、年齢不詳の女性であるらしく、昨年末のジリュウ勢の

侵攻やマウサツのアルガ攻めなどの大事件を皮切りに、アルガ領内で起こった

火事や盗賊団の襲撃などの様々な事件を『予言』でズバリ言い当てて、

一部の商人たちの間などで大きな信望を集めているのだそうです。
 そして、『占い師』がこの夏の終わり頃に『今年の冬場に相当量の材木が

必要となる緊急事態が起こる。今、無理をしてでも材木の在庫を増やした方が良い』

と懇意にしている材木商に託宣し、その噂は瞬く間に他の材木商たちの元へと

広がって行きました。
 託宣を信じず、そうした値上げや出し渋りを良しとしない良心的な商売を

していた材木商も居たそうなのですが、材木置き場に不審火があったり、

押し込み強盗の襲撃を受けるなどの不幸が重なり、結果的に今回の話に

加わざるを得なかったのだそうです。
 此処までの調査の結果は以上ですが、今回の事件の背景にはもっと

大きな陰謀が潜んでいるようにも思われます。

今後も調査の続行及び対応なども必要になりそうです。

 同じ時期にアルガ地方の農村部を荒らしていた盗賊団の討伐も行なわれました。

 盗賊団の討伐自体は、護衛士の皆さんにとっては然程難しい仕事では

なかったのですが、奪い取られた略奪品の大部分を奪還出来た事は、

何よりの朗報でした。取り戻した品々はご安心ください。
 ただ、この盗賊団の背後で糸を引いていた何者かの存在も

報告されていますので、油断は禁物でしょう。

 続いては、アソウ一家の雇い入れに関してのご報告です。
 今月の初めにサイカイ屋さんよりご紹介を受けて、頭領のチヒロさんを

始めとしたアソウ一家の皆さんと歓談などを経まして、短期間ではありますが

正式にマウサツに雇い入れる事となりました。
 セイカグド近海についてのエキスパートたるアソウ一家の皆さんとの航海は、

護衛士の皆さんにとっても良い経験となる事でしょう。
 現在、アソウ一家の皆さんはマウサツの港で護衛士の皆さんの乗船を

待っていますが、少々暇を弄んでいる様子です。早めに行動を起こされた方が

良いかも知れませんね。

 また、遠くランドアース大陸より船出したサンダース号が、マウサツの港へと

入港を果たした事も忘れてはいけません。
 長い船旅を終えて、マウサツで一時の休息と歓待を楽しんだ後、一部の

一般人乗組員を残してサンダース号の乗員たちはランドアースへと帰還しました。
今後の交易海路の開拓などに関しましては、チキンレッグ王国より正式な使者を

待っての事となりそうです。
 マウサツの港に残されたサンダース号ですが、合計54日にも及ぶ過酷な

船旅は、船体を激しく蝕み、解体処分を余儀なくされています。

 そして、最近起こった最大の事件と申しますと、トオミフジ州への

増援派遣問題に伴う様々な出来事でしょう。
 中でも、元アルガ王トキタダ公が配下の仮面の武士団を引き連れて

ジリュウより離反し、セイカグドを後にした事は内外に大きな波紋を残しています。
 詳しくは、『楓華の風カザクラ』での一連の事件などを確認して戴く必要が

ありますが、カザクラの隊員主導の説得によってトキタダ公はトオミフジ州への

増援を承諾、部隊を引き連れてセイカグドの地を後にしました。
 これに伴って、トキタダ公が去ってがら空きとなった国境の拠点を巡って

マウサツとジリュウとの激しい争奪戦が勃発しましたが、辛くもマウサツ側が

勝利を収めました。この関連のお話は後に説明しますので省略しますが、

ジリュウ側にとってはトキタダ公の離反と相俟って大きな痛手となる事は必定です。

 また、トツカサ国王ライオウ公との会談の場も持たれ、援軍の派遣までは

勝ち得れなかったものの、両国の関係強化に向けての言葉などを戴いております。
 さて、そのトオミフジ州での決戦ですが、少なからずの犠牲を払いつつも

カザクラが勝利を収めたとの事なのですが、詳しい状況などについては

まだ報告されておりません。
 今後の続報が待たれます。


●セイカグド州各地の現状
 昨年末より戦乱に明け暮れていたセイカグドの各地ですが、ここ最近の

護衛士の皆さんの活動などによって情勢は大きく変遷したものと思われます。

《ジリュウ方面》
 中でもトキタダ公の去ったジリュウの国では、戦力の弱体化はもちろん、

残る将兵たちの間にも大きな波紋が広がっているようです。
 一部の情報では、策謀を中心に軍略を進めるサダツナ公よりも、外様ながらも

武断派として知られるトキタダ公を信奉していた下級武士たちも

少なくなかったようで、先にカザクラの皆さんが保護された元霧幻衆候補生の

カスミさんもトキタダ公とサダツナ公を同列に並べて信奉していたとの報告も

届いています。
 また先日、護衛士の皆さんのご協力を仰いでジリュウ領内の国境近くに

築かれた拠点を押さえた事で、ジリュウ側が広げていたマウサツ・アルガ方面への

謀略・諜報活動の網なども断ち切る事が出来そうです。
 戦力の大幅な減衰と共に国内にも燻る火種を抱える事となり、少なくとも

近日中に大規模な侵攻作戦などを行なうだけの余力はないものと思われますが、

ジリュウが今尚セイカグド随一の勢力を持った国である事は揺るぎようのない

事実です。
 今後のジリュウへの対応などについて、護衛士団内で闊達な論議を重ねる

必要があるかも知れません。

《トツカサ方面》
 さて、ジリュウ側の内情の変化に伴って、もう一方の隣国トツカサの国の状況も

大きく変化しています。
 此処までのトツカサの対応ですが、ジリュウ最強の部隊であるトキタダ公配下の

仮面の武士団がマウサツ方面に展開している以上、今後のジリュウ勢侵攻の

際にはマウサツ側からの援軍が望めない可能性も高く、自国の軍勢のみでの

防戦を前提とした厳戒態勢が取り続けられていました。
 その為、兵糧などの消費量が増加し、加えて穀倉地帯でもある第3領方面の

収穫が戦の影響もあって凶作となり、トツカサの国では以前にも増しての

食糧難が危惧されています。
 そうした事情も相俟って、トキタダ公の寝返り及びジリュウ領内の拠点の

接収に付いては、結果的にはトツカサ側にも利のある事となりますので

『是非もなし』とのライオウ公の回答を戴いています。

ただ、感情的には快く思われていない可能性もありますので、何らかの

対応などが必要かも知れません。
 また、トツカサ陣営がジリュウ側に対しての厳戒態勢を解くに当たって、以前

ライオウ公よりお話のあった通り、ジンオウ様がトツカサよりマウサツに

来られるとの事です。
 形としては友好国より派遣された『駐在武官』扱いとなりますが、実質的には

武者修行としての意味合いが大きいかと思われます。よき相談相手として、

そして切磋琢磨する練武の相手として、
護衛士の皆さんの御力添えをよろしくお願い致します。

《マウサツ領内》
 最後は、マウサツ領内ことマウサツの国及びアルガ本領に付いてのご報告です。
 マウサツ領内の各地からは秋の収穫に付いての報告なども多々集まっています。今年は不作と
なった昨年とは違い、例年通りの収穫量が見込めるとの事ですので、領内では

食糧難などは起こらない物と予想されています。
 また、作物の出来栄えの方も中々の物であるとの報告も届いておりますので、

今年のアルガ・マウサツ地方の皆さんの食卓事情は明るい模様です。
 さて、現在のマウサツ・アルガ方面の治安に付いてのご報告ですが、先日

アルガ地方を荒らし回っていた盗賊団を護衛士の皆さん自らが叩き伏せた事も

あって好転しつつあります。
ただ、先のジリュウの国関連の報告の中でも触れていますが、マウサツ領内には

ジリュウ側の間者が少なからず侵入している事が予想されています。
 これまでは有効な対策を取る事が出来ませんでしたが、ジリュウ方面より

広がる連携の網を断ち切る事が出来れば、情況が好転する可能性も

高くなりますので、色々とご検討戴けますと幸いです。
 ジリュウより接収した国境線の拠点ですが、現在はアルガ・マウサツ両武士団よ

派遣された10名に加えて、先日ご出陣戴きました護衛士の皆さんの一部の方々が

居残りをされております。
 ですが、監視や防備を万全にするのでしたら、この拠点に30名以上の人員を

常駐させておく必要もありそうです。
 

 今回のご報告は以上となります。
 現在、マウサツを取り巻く周辺各国の環境は大きく変貌しようとしていますが、

マウサツやアルガだけではなく、セイカグド全体の行く末を見据えての活動が

出来るように、視野を大きく広げて戴ければと思っています。
 今後とも護衛士の皆さんの御力添え、どうかよろしくお願い致します。

(深々と一礼)


最終更新:2007年04月26日 01:28