【情報文章】マウサツレポート・その14 2006年05月10日


 サコンです。
 【特別業務 ~5/7】及び、現在までの護衛士の皆さんの

護衛士活動の成果や判明した事柄などに付いての報告書が

纏まりましたので、ご報告致しますね。

 

●マウサツ地方
 現在のマウサツ地方ですが、不審者などを懸念する声もありましたが、

特に大きな事件なども起こらず比較的平穏な状況にあります。
 但し、先日来のジリュウとの戦いには地元住民の皆さんも関心がある様子で、

巡回中の護衛士の方々にそうしたお話を聞くと言った事も多々あったとの事です。
 同時に、マウサツの街にミナモの国より武士団が来訪したと言う事も

大きな話題になっていた様子で、異国のしかも異種族の武士団の

突然の来訪にマウサツの街は大きく沸いていたのと報告も受けています。
 このミナモの国よりの援軍に関して、幾つか報告が届いています。
 ミナモ武士団の皆さんですが、今回はミナモの国とは縁浅からぬイズミさんの

説得によって一時的に援軍派遣をして戴いた形となっています。
 ですが、今回の援軍派遣の真の狙いは、共にドラゴンズゲートを領内に持つ

ミナモの国とマウサツの国とが相互支援を行う事によって、両国の対外的な防備を

強化、共闘体制を構築する事にあり、今回の増援はマウサツ・ミナモ両国の

共闘体制構築に向けての第一歩として送られたものとなっています。
 もちろん、共闘体制の実現に向けては解決すべき課題も多々あるかと思いますが、

今後の事も考えますと、正式に条約を取り交わしておいた方がいいかも知れません。
 さて、地元の皆さんとの関係ですが、相変わらず良好であるとの事で、

新顔の護衛士の方でも気軽に声を掛けられる事も多かったと聞いています。
 今後のマウサツの国を取り巻く情勢に不安に感じている住民の皆さんも

少なくなかったようですが、護衛士の皆さんが何時もと変わらない姿を

見せていた事もあって、その不安を多少なりとも解消された事かと思います。
 今後も地元の方々との交流を深めて、より良い関係を維持して行きたいですね。
 最後に、他の楓華列島内護衛士団への連絡体制ですが、

『朋楓の光ヒモロギ』以外の2つの護衛士団は現在作戦行動中の様子で、

相互連絡を取るのが難しくなっている模様です。
 各地の護衛士団の皆さんのご武運を心より祈っています。

 

 

●アルガ地方
 アルガ地方ですが、護衛士の皆さんのお力添えなどもありまして

ようやく落ち着きを取り戻そうとしています。しかし、ジリュウ勢の再侵攻を

危惧する声は以前根強く、アルガの領民の皆さんが持つ不安は
解消されてはいません。
 また、現在も尚、国境周辺部に住む数多くの住民の皆さんが

避難したままとなっており、不自由な暮らしを余儀なくされています。
 こちらの方にも多くの護衛士の皆さんが出向かれていて、慣れない避難生活に

不安を抱いている人々を励ましながら、物心両面での支援活動を行った事もあり、

現状では特に大きな混乱も起きていません。
ただ、農村部では作付けの季節を迎えている事もあって、そちらについてを

心配する声が大きくなりつつあるようです。
 トツカサとの合議によってジリュウ側と和解に向けての交渉の席に付く事も

ほぼ決まりましたので、国境部周辺の緊張が緩和され次第、避難民の皆さんも

ご帰還出来るようになるかと思います。
余り大きな影響が出ないといいのですが……。
 さて、先日帰還された元難民の皆さんへの対応についても

ご報告しなければなりません。
 現在、元難民の皆さんは受け入れ先の土地の選定作業や

周辺の住民の方々との折衝なども終えて、入植が進められています。

また、これらの動きに伴って新たな名簿編纂なども進められており、元難民の皆さんの

受け入れに向けた動きは順調であると言えるでしょう。
 ですが、元難民の皆さんの間では、マウサツに対する不信感が生まれ

高まりつつあるとの報告も受けています。
 これは、ジリュウへの内通者を危惧する為に元難民の皆さんへの監視の目が

厳しくなっていた事も1つの要因ではあるようなのですが、特に大きな要因としては、

安寧の暮らしを求めて命懸けでアルガの地に戻って来た皆さんに対して、

その真意はともかく『マウサツ・アルガの為に身を捧げられるか』と不用意に
問い掛けた事が様々な誤解や軋轢を生み、多くの元難民の皆さんに失望感を

抱かせてしまった様子です。
 護衛士の皆さんも知っての通り、ジリュウ領からの帰還の途中に少なからずの

犠牲者が出た事もあって、先行きへの不安感を抱いていた方も多かっただけに

慎重な対応が必要であったかと思われますが、結果は結果として厳粛に

受け止めなければいけません。
 今後の信頼回復に向けて、護衛士の皆さんには更なるお力添えをお願いしたい所です。
 最後にアルガ武士団の動きですが、先の戦いに於いて半数近くの方が命を

落とした事もあり、その活動を縮小せざるを得なくなっています。
 そうした事情も踏まえつつ、先日、マウサツ側から提案したアルガ武士団への

協力案は、概ねご理解を得る事が出来た様子ですが、出来ればマウサツ武士団ではなく、

護衛士の皆さんに助成を頼みたいとの声が多く上がっていました。
 また、今まで秘匿していた秘事を明かした事については、アルガ武士団と

交流の深い護衛士の方を使者に派遣していた事もあり、概ね好意的に受け取って

戴けた一方、少なからず反発もあった様子で、他にも隠し事はないのかと

言う厳しい声も聞かれたとの事です。
 ジリュウからの要求などもあり、アルガ地方では今後も微妙な情勢が

続くかと思われますが、アルガ武士団の皆さんともしっかりと協力して、

この難局を乗り越えて行きたい所です。

 

 

●国境周辺地域
 国境の拠点を占領していたジリュウ勢ですが、先日もご報告しましたように

拠点各施設の破砕及び解体作業を進めており、現時点でほぼその作業を

終えている様子です。
 これによって、国境周辺地域で大規模な部隊が長期間に渡って駐屯出来る

軍事拠点はなくなる事となり、今後の国境線に於けるジリュウ・マウサツ双方の

戦略が大きく様変わりする事は必至かと思われます。
 偵察に向かわれていた護衛士の皆さんからのご報告では、拠点以外にも

国境近辺にはまだ多数のジリュウ勢が駐留している事が確認されています。

現時点では、ジリュウ側による国境を越えての偵察や不審者の侵入などは
確認されていませんが、予断を許さない状況が続いていると言えるでしょう。
 また、逆にマウサツ側からジリュウ国内への潜入も試みられましたが、

余り芳しい成果をあげる事は出来なかった様子です。
加えて、今回のジリュウ側の動きについて一部の護衛士の方からの

抗議の声などもあったようですが、正式な回答を携えての交渉ではなかった為、

殆ど効果はなかった模様です。
 ただ、トツカサが和議の仲立ちに動いた事により、アルガ領とジリュウとの

国境近辺に展開していたジリュウ勢の撤退が始まったとの情報もあり、

国境周辺地域での緊張はひとまず緩みつつある様子です。
 さて、護衛士の皆さんの尽力もありまして、以前使用していた防衛拠点を

中心とした国境周辺警備網の再構築が進められていますが、現時点では

ジリュウ側の全ての動きに対応する事は難しいかと思われます。
 今後のジリュウ側との交渉次第では、アルガ領を含めた国境周辺部の

状況は大きく変化するかと思われますが、護衛士の皆さんには油断する事なく、

しかし柔軟な対応が出来ますよう努めて戴ければと思います。

 

 

●その他
 アソウ一家の皆さんにご協力を仰いで、マウサツ・アルガ海域での

海上警戒が行われていましたが、現在までに特に異常はないとの報告が

届いています。また、今回に限らず今後も定期的に海上警戒任務を行って
戴けるとの事ですので、興味のある方はお力添えの程、よろしくお願い致しますね。
 そのアソウ一家との協力体制についてですが、基本的にはマウサツから

アソウ一家に対して様々な船上での任務を委託、若しくは依頼すると言う形になります。
 これらの任務ですが、他国の戦船との水上戦や各海域での警戒任務など

軍事的な任務だけではなく、輸送や他国との交易などの通常の任務も含む事となり、

それに応じた船も借り受ける事が出来るようになっています。
 但し、戦時下に於いては水上戦闘の専門家たるアソウ一家から様々な作戦案が

提案され、それをマウサツ側が取捨選択すると言う形を取る事になるかと思われます。
 現状、アソウ一家との関係は良好ですので、更なる交流を深めて戴きたい所ですね。
 さて、ここで先日行われたトツカサとの合議についてもご報告しなければなりません。
 この合議を経てマウサツはトツカサの仲立ちによるジリュウとの和議を決断、

ライオウ公にその差配を委託する事となりました。
 ジンオウ様からのご連絡では、調停の席は仲裁の任を担うトツカサの国で

行なわれる形で調整が進められており、近くマウサツ・ジリュウの両国に対しても

使者が送られる手筈となっているとの事です。
 また、トツカサが調停の席を開くに当たっての条件として、両陣営の国境線からの

即時撤退が挙げられており、ジリュウ側もこの条件を概ね了承しているとの事です。
 トツカサとの合議の席で明らかになった事柄も幾つかありましたが、

事前にジリュウ側からの説明を求めなかった事もあり、いまだにジリュウ側の

思惑がはっきりしていない条件などもあります。
 この席でジリュウ側の思惑を出来るだけ詳らかにして、粘り強く交渉を

進めて行きたい所ですね。
 最後に、女占い師への尋問についての途中経過をご報告致します。
 霊査の結果、この女占い師とジリュウとの直接的な繋がりは確認出来ませんでしたが、

相手がジリュウの手の者であるらしい事には薄々気付きながら手を貸していた事が

判明しています。
更には、大火の件については詳細こそ知らなかったものの、彼等がアルガの都で

何らかの騒ぎを起こすと言う事は理解していた模様です。
 ここまでの尋問に対して女占い師は、『彼等の正体も目的も知らなかった事。

自分の役割は人々の前で占いを当てる事。そのお膳立ては全て彼等が差配していた事。

多額の報酬を約束されていたものの断ると殺すと脅されていた事。自分も言わば

被害者である事』と言った証言を繰り返していましたが、保身についてを示唆した所、
『マウサツ側に有利な証言』をする見返りにジリュウの手の及ばない土地への移住と

相応の報酬を求める提案を行っています。
 現在は、中々話しに乗って来ない事に警戒心を強めてか、確約のない曖昧な取引には

応じないとの意思表示を示して、一筋縄では行かない様子を見せています。
 わざわざ自分から交渉を持ち掛けた所をみますと、何かしらの勝算があっての

事かとも思われますが、虚勢である可能性も否定出来ません。
 今後、この女占い師にどのような尋問、若しくは交渉を行うのか、護衛士の皆さんの

決断に委ねたいと思います。


 今回のご報告は以上となります。今後、関連する業務に付いてのご相談や

お仕事の依頼などを順次執り行って戴きたいと思っていますので、護衛士の

皆さんの御力添えの程、どうかよろしくお願い致します。(礼)

 

 

最終更新:2007年05月08日 03:36