【情報文章】マウサツレポート・その15 2006年06月28日

 

 サコンです。
 お待たせしていました通常業務に付いての結果などが纏りましたので、

ご報告致します。
 また先日、票決にて決定しましたアルガ領よりの撤退に伴う諸活動も

終了していますので、併せてお知らせ致しますね。

 

●アルガ領撤退顛末
 護衛士の皆さんの決断を受けて、『門出の国マウサツ』はアルガ領内から

撤退する事となりましたが、事前に執り行われていた活動などによって

特に大きな混乱などもなく、撤退に関する諸活動は滞りなく完了しています。
 一部護衛士の方が住民の皆さんに行った撤退に関する説明は、多くの方々に

ご理解を得る事が出来たらしく、これまでの護衛士の皆さんの活動に対しての

賛辞の声なども多々聞こえていたとの事です。
同時に、マウサツ側の意向を知り得た事で住民の皆さんの間に広がっていた

不安や動揺も幾許かは解消され、落ち着きを取り戻した事も幸いでした。
 住民の皆さんを第一に考えての今回の決断は、これらの一面を見る限りでは

間違いではなかったのかも知れませんね。
 ただ、今後のアルガを憂う声も少なくなかったとの事で、一部には

今後のジリュウによる干渉を嫌ってか、アルガの国を出奔してマウサツや

トツカサへと向かう方々も少なからずいたとの報告も受けています。
 現状、マウサツでは、これらの方々を受け入れる方向で色々と調整を

進めていますが、問題は多そうです。
 また、事前にジリュウ側に撤退の旨を通達された事もあって、アルガ領内への

ジリュウ軍の進軍を未然に防ぐ事が出来た事は、多くの不幸や行き違いなどが

蓄積して起こってしまった今回の事態に於いては、
まさに不幸中の幸いと言っていいでしょう。
 提案にあった見届け人の派遣に関しましては、ジリュウ側との協議の結果、

マウサツとジリュウ双方からの派遣ではなくアルガ武士団が代わって

その任に就く事となり、速やかに実行に移されました。
 これは、ジリュウはアルガ武士団をアルガ領内に於ける有力かつ

対等な相手として扱うとの政治的な意味合いも含めての配慮かと

思われますが、同時にマウサツとの馴れ合いを戒める為の恫喝的な

意味合いもある事は想像に難くありません。
 そのアルガ武士団ですが、民草の事を第一に考えた今回のマウサツの

決断については好意的に受け止めて戴けている様子です。道半ばにして袂を

分かつ形となった事については慙愧に堪えませんが、最後に民草を思う志は

同じと示せた事は、今後の両者の関係に於いて大きな意味を

持つ事になるでしょう。
 アルガ領内よりの撤退を終えた現時点に於いて、マウサツはアルガに

対して自発的に動く事が出来ない状況となっています。

今後のアルガの国の再建には、トツカサも関与するとの事ですが、
今回の件でジリュウ側の発言力が高まる事は想像に難くありません。
 今は表立って干渉する事は出来ませんが、今後のアルガの行く末について
目を反らさずに見守って行きたい所ですね。

 

●マウサツの国
 現在のマウサツですが、今回のアルガ領よりの撤退を受けて住民の

皆さんの間には少なからずの動揺が広まっている様子です。
但し、治安面に於いては特に変わりはなく、平穏と言って差し支えはないでしょう。
 そうした事情もあって、マウサツの街中などは表向きには普段通りの

様子に見えますが、アルガ領撤退を含めたマウサツとセイカグド州内の

他国との関係が微妙になっている事に対して、今後のマウサツの先行きを

懸念する噂なども多々聞かれるようです。
 アルガ領を出奔した住民の方々への対応に関しましても、今後の

受け入れ体制の確立や待遇についてなど、問題は山積みとなっています。
 現状、撤退による被害などは通商及び交流関係で若干報告されていますが、
今後の情勢次第で更なる被害が計上される事も充分に予測されており、
注意を払う必要がありそうです。
 こうした中、マウサツ武士団の皆さんとは、戦闘訓練や職務の

お手伝いなどを通じて交流を深めていたとの事で、これまで通り深い

信頼関係を保つ事が出来ている様子です。
お互いに力をあわせて、この難局を乗り越えて行きたいですね。
 マウサツ地方の農村部ですが、特にこれと言った事件もなく、護衛士の

皆さんの協力などもあって農繁期を無事に終えたとの報告が届いています。
 実りの秋が楽しみなのはもちろん、季節の野菜の収穫なども

始まったとの事で、マウサツ地方の食卓も賑やかになりそうです。
 収穫と言えば、今年は天候などの影響で特産のお茶の収穫量は

例年よりも若干少なくなっているとの事ですが、出来の方は悪くないとの事で、
今年も美味しいマウサツ茶を楽しむ事が出来そうです。
 さて、試験的な意味も含めまして着手しました交易ですが、現時点では

手探りな所もありまして大きな利益を上げるまでには至っていませんが、

それなりに収益を得る事は出来ている様子です。
 今回は各地での物流や物価などの確認を最優先としていましたので、

採算は度外視であったのですが、ある程度の結果を残せた事で今後の

交易にも期待が出来そうですね。
 最後に、今後のマウサツの抱えている課題について幾つかご報告致します。
 まずは、普請工事などについてですが、先日来の戦などでの出費が嵩んで

手付かずとなっていた堤防の整備などの洪水や土砂災害への対策、

農耕地などの開墾・開拓事業への着手などが挙げられています。
出来る限り早々に対応を図りたい所です。
 次に財政面ですが、交易での収支がある程度見込めそうな事から多少は

融通が利きそうです。
しかし、状況的に厳しい事には変わりはなく、出費を抑えつつ財源を

増やせるように働き掛けて行きたい所ですね。
 また、他国との関係ですが、現状に於いては良好であるとは言い難い

状況となっており、今後の対応を誤った場合には、セイカグド内で

孤立してしまう可能性も否定出来ません。
状況をしっかりと見据えた上で、慎重に対応を推し量りたい所です。

 

●アルガの国 
 アルガからの撤退が決定するまで活動されていた護衛士の皆さんのお

力添えなどもありまして、アルガ地方の治安や住民の皆さんの暮らし向きなどは

然程乱される事なく、アルガ武士団を中心としたアルガ地方の後事を

担うべき代表者の方々に託す事が出来ました。
 これは、この1年余りの間での護衛士の皆さんによる様々な活動が

アルガ地方の住民の皆さんの間に充分に浸透していた事も要因の

1つかと思いますが、マウサツがアルガ領からの撤退を決断した事によって
アルガの地が戦による戦渦に巻き込まれなかった事が何よりも大きな

要因である事に疑いの余地はありません。
 また、作付けなどが滞りがちであった農村部の方でも、護衛士の皆さんの

お力添えなどで農繁期を無事に乗り越えたとの報告もあり、このまま順調に

夏を越す事が出来れば食糧難などの諸問題は起こり得ないのではと

思われます。
 ただ、先程も申しましたように、先日の救出作戦でジリュウより奪還した

元難民の皆さんを含む少なからずの方々がアルガの国を出奔している事も

あり、今後の人手不足に拍車が掛かるだろう事は確実でしょう。
 さて、これまでの護衛士の皆さんの献身的な活動などもありまして、

アルガ地方の住民の方々の生活は安定したものになりつつありましたが、

残念ながら道半ばにしてアルガの地を後にせざるを得なくなってしまいました。
 ですが、これまでの活動の全てが無駄になった訳ではありません。
 主君への忠節に頑なであったアルガ武士団の皆さんがアルガの

民草の為に尽力して戴けるようになったのは、護衛士の皆さんの

真摯な説得や対応があったからこそであり、食糧難や野盗の跋扈など

アルガに降り掛かっていた数多の苦難を乗り越える事が出来たのも

護衛士の皆さんのご尽力があればこそでした。
 その事は、誰よりもアルガに住む住民の皆さんが一番に理解されている

事かと思います。
 加えて、先日の『アルガ大火』へのジリュウの関与に係わる調査は

アルガ武士団に引き継がれた形となっています。
現時点に於いては証拠の品の確保などが出来ているかどうかは

不明ですが、場合によってはセイカグドの情勢が大きく変化する事も

充分に在り得ますので、今後の動きに注目して行きたい所です。
 今後、アルガの国ではジリュウやトツカサからの使者を交えて

復興に関する協議が執り行われると言う事ですが、
どのような決着となるのかしっかりと見守って行きたい所です。
 最後に当のアルガ武士団ですが、当面はアルガ領内での活動に

専心するとの事で、残念ながら先日のエミシ州への援軍派遣については

不参加との言伝がありました。
現在のアルガの国の状況からみて仕方のない事ではありますが、

早期の呼び掛けなどの対応が遅れていた事も多少影響している様子です。
 今回の件に限らず、他国との連携が必要な自体への対応には気を

付けて行きたい所です。

 

●セイカグド州の現状
 ジリュウとの戦を避ける為にマウサツ護衛士団がアルガからの撤退を

終えた現状に於いて、セイカグド州の情勢は複雑な状況となっています。
 まずは、現時点に於いてセイカグド随一の武力と勢力を誇る西の大国

ジリュウですが、マウサツの撤退に応じてアルガ地方への侵攻を

早々に取り止め、アルガの国の復興に向けた動きを始めている様子です。
 サダツナ公の真意がどこにあるのかは定かではありませんが、

公の目指しているセイカグド王の擁立に向けての布石の1つである事は

間違いないでしょう。
 現時点に於ける大きな動きとしては、トツカサにもアルガ復興への

協力を求め、トツカサ側もこれを受諾、アルガの地にて復興に向けての

協議を執り行う事となっています。
此処に至るまでの経緯からもジリュウ側が協議の主導権を握る

可能性が高いと思われますが、トツカサが一枚加わった事である程度の

抑止力は働くものと予想されます。
 そのトツカサの国ですが、ジリュウ側からの要請に応じる形で

アルガの国の再建に向けた準備を進めているとの事です。
これまでの排他的な強硬路線から一転して、協調路線とも取れる

動きを見せているジリュウに対し、しかし、トツカサは依然として

警戒を解いた訳ではなく、戦となる事も視野に入れて慎重に対応を
推し量っている状況となっているようです。
 手中にあったトツカサ第3領の住民の無償での返還、マウサツとの

仲立ちの要請、そしてアルガの国再興への協力の申し出……

ここに来てのジリュウ側の態度の変化に懸念を抱く者も多い中、
今後もジリュウとの協調路線を推し進めようとする者も少なくなく、

両者の間では激しい議論が交わされている様子です。
 また、一部ではマウサツとの関係の見直しも検討されているのでは

ないかとの報告もあり、両国の関係は新たな局面を迎えつつあるようです。
 さて、先日のエミシ州への援軍派遣要請に対しての各国の対応ですが、

ジリュウは敵対関係である
マウサツ側の謀略であるとの見解を示し、援軍を見合わせて兵力を

温存している状況となっています。
 これに対してトツカサはエミシ州への援軍の派遣を最後まで

検討していたのですが、ジリュウ側が援軍を見合わせた事を受けて、

遠国への出兵を危ぶむ声も多くあり、結果、今回の出陣を

見合わせる事となったようですね。
 アルガに至ってはまだ他国に武士団を派遣出来るような状況ではなく、
今回の出陣は差し控える事となった様子です。
 各国への働き掛け次第では今後の援軍派遣も可能ではないかと

思われますが、恐らくはジリュウの説得が大きな鍵になるかと思われます。
但し、現在のマウサツとジリュウとの関係を鑑みるならば、説得が

容易ならざる事は明白でしょう。
 説得を行うつもりでしたら、相当の譲歩が必要になるかも知れません。
 最後となりますが、現在のセイカグド州に於けるマウサツの立場は、
孤立化と言う非常に危ういものとなりつつあります。
 セイカグド王の擁立、そしてアルガの国の復興。これらセイカグド州全体を

巻き込んでジリュウが推し進めている大きな動きに対してマウサツは

殆ど関与する事が出来ていないのが現状です。
 このまま他国と関わる事なくマウサツ一国のみを守り抜く体制とするのか、
これまで通りセイカグドの各国と関わるべく外交関係の改善に努めるのか。

今後の大きな課題となりそうです。

 とりあえず、今回のご報告は以上となります。今後、関連する業務に付いての

ご相談やお仕事の依頼などを順次執り行って戴きたいと思っていますので、

護衛士の皆さんの御力添えの程、どうかよろしくお願い致します。(礼)


最終更新:2007年05月08日 16:05