オスマン帝國及び
大日本帝國との間の国交の開設及び和親に関する条約
中東地域に広大なる領土を持ち同地域の民族を束ねるメフメト7世をスルタンとするオスマン帝國と極東の盟主でありこの世界における一等国である万世一系の天皇陛下を戴く大日本帝國は、互いの和親を確認し、同国間の基本的関係を創設並びに確認するために条約を締結するに決し、このために以下の者を全権委員として任命した。
オスマン帝國メフメト7世陛下
特命全権大使 第二王子 スレイマン殿下
外務大臣兼書記官長 ムハンマド・アリー・パシャ
特命全権大使 外務省条約局長 イブラヒム・バリ
特命全権大使 商業省貿易局長 バルバロス・ハディージャ・パシャ
特命全権大使 航空運輸省海洋整備局長 ヒジャーズ・シャー
大日本帝國天皇陛下
特命全権大使 従一位大勲位功三級 葛城宮博仁親王殿下
外務大臣 金正厳
右各全権委員は互にその全権委任状を示し、有効なるものであると認めたる後以下の如く協定した。
第一条 オスマン帝國と大日本帝國との聞及び両国の国民の間には、永久の平和及び永続する友好関係が存在するものとする。
二項 各締約国は、他方の締約国の主権、独立及び領土の保全を尊重することを約束する。
三項 両締約国は、両国間に生ずることがあるいかなる紛争をも、平和的手段によつて解決することを約束する。
第二条 両国は、公使の資格を有する外交使節を遅滞なく交換するものとする。
第二項 外交使節に対して、オスマン帝國並びに大日本帝國は、以下に定める特権を享受し、この特権はいかなる形であっても侵害されぬように最大限の注意を以て扱うべきである義務を受諾する。また外交使節は、ペルソナ・ノン・グラータによる派遣国のその者に対する召還、又は使節団におけるその者の任務を終了によっても、接受国の官憲から一切の身体的侵害をうけざるべき特権の存在することを確認する。
一号 通信の自由
二号 移動の自由
三号 一切の犯罪に対しての外交官並びにその機関及びその家族に対する逮捕、家宅捜査及び押収を免ぜられる不可侵特権
四号 使節団の一切の事務につき、派遣国の法令の定める手数料及び料金を徴収することができる自由
五号 使節団並びにこれらの世帯に属する家族は、人、動産又は不動産に関し、国又は地方公共団体のすべての賦課金及び租税を免除されるべき権利
六号 使節団及びその機関の公の使用のための物品に対して関税を免れるべき権利
第三条 オスマン帝國及び大日本帝國は、
国際連盟憲章の諸原則、特に、同憲章第一条に掲げる次の原則を指針とすべきことを確認し、オスマン帝國は国際連盟への加盟について理解を示したことを宣言する。
一 国際社会における平和と秩序を維持し、そのためにあらゆる国際紛争に、武力を使用せずに解決する方法を斡旋すること
二 国際社会における各国家間の友好関係を発展させ、国際協力を堅固なものにすること
二項 オスマン帝國及び大日本帝國は、経済的、政治的又は思想的のいかなる理由であるとを問わず、直接間接に一方の国が他方の国の国内事項に干渉しないことを、相互に、約束する。
第四条 両締約国は、両国間の通商関係を規制すること並びに一方の締約国の国民、財産、産品及び船舶に対して他方の締約国の領域内で与えるべき待遇を定めることを目的とする通商航海条約を締結するため、できる限りすみやかに交渉を開始するものとする。
第五条 大日本帝國の国民がオスマン帝國領土内でオスマン帝國の法に抵触した場合には、在オスマン帝國日本大使館及び日本の領事館にて行われる公開の法廷において、オスマン帝國の法律を斟酌しつつ、日本法に基づいて裁判を行う。
第六条 この条約は、批准されなければならない。批准書は、できる限りすみやかに大日本帝國東京で交換されるものとする。この条約は、批准書の交換の日に効力を生ずる。
上証拠として各全権委員はオスマン語及び日本語を以てせる本条約各二通に署名調印せり。
皇紀2681年、即ちイスラム歴1366年7月20日、オスマン帝國副都カイロにあるミスル国際会館に於て之を作成す。
大日本帝國天皇陛下並びに全国民を代表として;
博仁親王
金正厳
オスマン帝国の為に;
スレイマン
ムハンマド・アリー・パシャ
イブラヒム・バリ
バルバロス・ハディージャ・パシャ
ヒジャーズ・シャー
最終更新:2008年12月07日 01:25