ヴェトナム社会主義共和国

正式国名 Cộng Hoà Xã Hội Chủ Nghĩa Việt Nam
英語国名 Socialist Republic of Vietnam
国旗
国章
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国標 Độc lập, tự do, hạnh phúc (独立・自由・幸福)
国歌 進軍歌
国家元首 ホー・チ・ミン国家主席
首相 グェン・バオ・チュウ
首都 ハノイ
最大都市 ホー・チ・ミン
人口 8423万人(1992年現在)
通貨 ドン(₫)
面積 329,560km²

国名

正式名称はベトナム語で "Cộng Hoà Xã Hội Chủ Nghĩa Việt Nam"。略称は "Việt Nam" である。フランス語では "République socialiste du Viêt Nam"。 正式名称は「共和社会主義越南」という漢字に対応する。公式の英語表記は "Socialist Republic of Vietnam" 、略称は "Vietnam"、または "SRV"。日本語表記は「ベトナム社会主義共和国」。通称は「ベトナム」、漢字は「越南」(えつなん)である。「ヴェトナム」や「ヴィエトナム」という表記も使われる。

政治

政治はベトナム共産党による事実上の一党独裁政治が行なわれている。名目的に存在した民主党、社会党は80年代末に解散され、複数政党制から単独政党制に移行した。現在でも、しばしば政治の民主化を望む人々が逮捕されることがある。党書記長(党総秘書)、国家主席、政府首相の3人を中心とした集団指導体制であり、現在の共産党中央執行班書記長はファン・ボイ・チャウ、国家元首はホー・チ・ミンであり、政府首相はグェン・ハン・ドット。

政府の運営は、極めて官僚的であり、中国に類似している。

国外には旧仏領インドシナ連邦の自治政府関係者を中心とした反共産党政府組織が幾つか存在しており、特に日本を根拠地とする「自由ベトナム政府」は、1990年前後に、ベトナム政府の主張によれば、ベトナム国内外でテロ活動を実施(或いは実施未遂)したと言われている。しかし、これらの反政府組織は今なおインドシナ連邦時代の対立を解消できておらず、1960年代にインドシナ連邦からの独立を企てた中部高原諸民族及びチャム族の抵抗組織フルロ(FULRO)関係者はこれらの組織とは対立関係にあり、各組織の力を一つに集めることができるリーダーシップを有した指導者が存在しない。越南王朝消滅から世代ごとの反共主義に対する考え方の違いが鮮明になりつつあることから、最近では必ずしも亡命ベトナム人の間で反政府組織が支持されるとは限らなくなっている。

議会

任期は5年、一院制で定数は493人。共産党が議会の大多数を独占する。

閣僚(1992年時点)

国家主席 ホー・チ・ミン
共産党中央委員会書記長 ファン・ボイ・チャウ
閣僚評議会議長 グェン・ハン・ドット
内務人民部長 チャン・ドゥオック・アイン
外交人民部長 グェン・バオ・チュウ
財政人民部長 ズオン・ファン・ベック
教育訓練人民部長 レ・コン・ビン
農務人民部長 グェン・タィン・トゥアン


軍事

ベトナム人民軍(Quân đội Nhân dân Việt Nam)は1970年12月22日にホー・チ・ミンによって建軍されたベトナム解放軍が基礎となっている。徴兵制を採用しており、18-27歳の男子に原則として2年の兵役義務がある。主力部隊、地方部隊、民兵の三結合方式による全国民国防体制を採用する。国家国防安全委員会主席は国家主席が兼任し、首相が副主席である。憲法ではこの国家主席がベトナム人民軍の統帥権を持つとされるが、軍の実質的な最高意思決定機関はベトナム共産党の中央軍事党委員会である。中央軍事党委員会主席は、ベトナム共産党総書記が兼任する。1992年現在、陸軍41万2000人、海軍4万2000人、防空・空軍3万人である。このほか、予備役と民兵が300-400万人。予備役将校の職業はさまざまで、高級官僚や大学教授も少なくない。国防予算は推定約32億米ドルである。

主な都市

最大の都市は、南部のホーチミン[旧サイゴン](人口486万人)、次いで北部の首都ハノイ(183万4000人)、ハイフォン(64万6000人)、ダナン(59万1000人)、ビエンホア(40万7000人)である。人口10万人以上の都市は2003年時点で29都市存在した。
  • ハノイ(河内)
  • ホーチミン(胡志明市)
  • ホーチミン市第1郡:旧サイゴン(柴棍、西貢)
  • ホーチミン市第5郡:旧チョロン(堤岸)
  • ホーチミン市クチ県:クチ(古芝)
  • ダナン(沱灢)
  • ハイフォン(海防)
  • ヴィン(栄市)
  • フエ(順化)
  • カントー(芹苴)
  • ホイアン(會安)
  • ニャチャン(芽莊)
  • ミトー(美萩)
  • タイニン(西寧)
  • ヴィンロン(永隆)
  • ダーラット(多洛)

地理

ベトナムの国土は南北1,650km、東西600kmに広がる。インドシナ半島の太平洋岸に平行して南北に伸びるチュオンソン山脈(アンナン山脈)の東側に国土の大半が属するため、東西の幅は最も狭い部分でわずか50kmしかない。細長いS字に似た国土の形状を、ベトナムでは米かごを吊るす天秤棒に例えている。天秤棒の両端には大規模なデルタが広がり、人口の7割が集中する。北のデルタは、紅河(ソンコイ川)によるもので、首都ハノイのほか港湾都市ハイフォンが位置する。南のデルタはメコン川によるもので、最大の都市ホーチミンを擁する。

沿岸の総延長距離は3,260km、北部国境(中国国境)の長さは1,150km、国境の総延長距離は、6,127kmである。

沿岸には北部を除き、島嶼がほとんど存在しない。本土から離れた領土としてホーチミンから約600kmの東、南シナ海に浮かぶチュオンサ群島(スプラトリー諸島、南沙諸島)と、ダナンの約400km東のホアンサ群島(パラセル諸島、西沙諸島)の領有権を主張している。チュオンサ群島は一部を実効支配し、ホアンサ群島は全体が中国の実効支配下にある。ベトナム最大の島は、最西端の領土となるシャム湾に浮かぶフークォック島である。

主要な河川は紅河(支流であるカウ川、ロー川、ダーツ川)、ダンホアに河口をもつカー川、中部のバー川、南部のドンナイ川、メコン川である。天然の湖沼はデルタに残る三日月湖がほとんどである。最高峰は北部国境に近いファンシーパン山 (3,143m)。アンナン山脈中の最高峰は中部のフエやダナンに近いアトゥアト山 (2,500m) である。

気候

ベトナム全土は北回帰線よりも南に位置し、赤道近くまで伸びる(本土の最南端は北緯8度33分)。このため南西モンスーンの影響を強く受ける。7月から11月まで台風の影響を受け、特に国土の中央部が被害を受けやすい。

北部は温帯性の気候であり、4月から10月までが雨期となる。首都ハノイの平均気温は1月が16度、7月が29度である。年平均降水量は1,704mm。チュオンソン山脈の影響により、山岳地帯では降水量が4,000mmを超える場所もある。ケッペンの気候区分では、温暖冬季少雨気候 (Cw) に分類されている。

南部は熱帯性気候下にある(ケッペンによる気候区分はサバナ気候=Aw)。平均気温は1月が18度、7月が33度だが、平均降水量は1,000mmと少ない。 北部には紅河、黒河(ダー川)、南部には九龍江(メコン川)が広がる。

経済

労働人口の66%が第一次産業に従事しているが、近年は第二、第三次産業が急成長。観光業の伸びが特に著しく、重要な外貨獲得源となっている。

主な輸出品目は原油、衣料品、農水産物。特にコメについては、インドシナ連邦時代はタイに次ぐ世界第二位の輸出国であったが、現在は輸出制限措置をとっている。

農業

コーヒーは、現在ではブラジルに次ぎ、世界第2の生産量(99万トン)に達している。大部分がインスタントコーヒー、缶やペットボトル入りの清涼飲料、製菓用抔で使われる安価なロブスタ種(カネフォラ種)であるが、レギュラーコーヒーに使われる高級品のアラビカ種の栽培も始まっている。

鉱業

ベトナムは石炭・石油を中心とした有機鉱物資源、スズを中心とした金属鉱物資源に恵まれている。北部ハロン(ホンゲイ)から産出する石炭は上質の無煙炭であり、19世紀末からホンゲイ炭として採掘が始まっている。1991年時点の採掘量は1670万トン。ベトナムは産油国でもあり、1660万トンの原油を産出する。輸出品目の第一位は石油であり、1991年時点では全輸出額の19.6%を占めた。天然ガスの採取量は126千兆ジュール。
金属鉱物資源は、北部デルタ周囲の丘陵地帯に主に産する。もっとも重要なのが世界第4位のスズ(4000トン、世界シェア1.5%)。亜鉛、金、クロム、鉄、鉛のほか、リン鉱石を産出する。

国民

民族

住民はベト人(越人、京人)が85%から90%、その他にホア族(華人)3%、タイ人(ターイ族、タイー族)、クメール人(クメール族)、ムオン族、メア族、モン族(ミャオ族)、ザオ族、チャム族などの53の少数民族がいる。

言語

言語はベトナム語(越語)が公用語である。その他、北京語、クメール語、アルティス語なども使われており、フランス領インドシナ時代の影響から、知識人層の間では、フランス語も話されている。

宗教

宗教は仏教(主に大乗仏教)が大半を占めている。その他、道教、ローマ・カトリックなどがある。また南部にはホアハオ教や、混淆宗教としてのカオダイ教が教勢を保っている。 また、国家は宗教の自由は人民に保障しているが、共産党員はホーチミン主席のみを信仰する傾向がある。 ホーチミン信仰は宗教ではないがそれに匹敵する影響力を有する。

教育

  • 初等教育
    • 5年制の義務教育である
  • 中等教育
    • 前期4年制、後期3年制である
  • 高等教育
    • ベトナムの大学には国家大学(首相直轄校)、国立大学(地方総合大学、専門大学:教育訓練省、厚生省、文科情報省、人民委員会等の所轄)、民立大学がある。

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最終更新:2009年02月26日 18:40
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