原点回帰
367 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/30(月) 23:16:45.29 CYlyGKdG
ビスク中央の公園で寝ころんで、大きなため息をついているパンダ男がいる。
表は非番だが、普段は泣くモニ糞も黙る処分場のガードをしている男だった。
「はぁ、何だか俺、ストレス貯まってるよな。
好きで始めた仕事だったはずなのに…どこで間違ってしまったんだろう?」
何度も繰り返した自問自答が、更に脳裏をよぎる。
精悍な顔立ちに、強い意志を宿した力強い目つきがパンダ男の特徴だが、今ではやつれきってしまっており、その見る影もない。
その横ではニュタのバカップルがいちゃついているが、そんな物に腹を立てる気にすらなれない。
ぶっちゃけ、色々と規制が多すぎるんだっつうの!
モニ糞を容赦なくぶった切る事のできる仕事と聞いていたから始めたのに…
始まってしばらくすると、謎肉にするから処分場に連行しろとか、
モニコン受けしそうな、顔の良い奴はモニコンの館に連れて行けだとか、
挙げ句に奴隷商売も始めたから、お兄ちゃん持ちモニ糞は殺すなとか、
更に最近では、自称良いエルモニーは殺すなとか…
そのせいで最近ではまた、街中にモニ糞が増えすぎで目障りな事この上ない。
こっちは単に、目障りな連中をぶち殺せればそれで良いんだってのに。
368 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/30(月) 23:17:26.28 CYlyGKdG
大きなため息を更に吐くと、パンダは愛用のモルゲンを片手に歩き出した。
アルターに向かって歩いていると、城壁下の曲がり角でよそ見をしているモニ糞に体当たりされた。
「いたたた…お兄ちゃん、コイツがいきなりぶつかってきたモニ!」
何を言っていやがる、勝手にぶつかってきておいて。
「ぶつかってきたのはそっちの方じゃないか。」
相手はお兄ちゃん持ちなので、出来るだけ事を荒立てない様に言うと、横にいたニュタ男がムカツク笑いを浮かべながら絡んできた。
「おやぁ~、見た事がある顔のパンダさんですね。
確か処分場ガードの人ですよね?」
いかにも嫌みったらしい癪に障るしゃべり方でモニコンがそれに加わる。
「いや、そんな事はどうでも良いが、自分の奴隷ならしっかり躾けておいてくれよ。
これじゃモニ糞と同じじゃないか!」
ニュタ男はその言葉で不機嫌そうな顔を浮かべ、こちらを挑発する様にして顔を近付けると更に執拗になぶる様に嫌がらせを続ける。
「良いんですか? お兄ちゃん持ちのモニ子と、そのお兄ちゃんにそんな事言っても?
処分場の上司さんに連絡しちゃいますよ?
そうしたら減給処分? もしかするとクビかも知れませんよねぇ~?」
これがいつものストレスの原因だった。
最近は特に、規則が厳しくなってきてしまって例外が多くなりすぎている。
そして、狩られないとわかったモニ糞やお兄ちゃん、自称良い子のモニ子やらが増長して、ここぞとばかりに絡んでくる。
今までは何とか耐えて来る事ができたが、今回は少し違う様だった。
369 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/30(月) 23:18:05.19 CYlyGKdG
「お兄ちゃん、お兄ちゃんが言いつけたらコイツもうクビモニね!
それが嫌だったら土下座でもして謝るモニ!」
「くっ…
ぶつかってしまった事は、こちらも不注意だった。
どうかこれで勘弁してもらえないか?」
そう言って頭を下げても、このモニコン、モニ糞は許す気など初めから無かった。
ぶつかってしまった事は不注意かも知れないが、こちらが処分場の職員だとわかった時から、
こいつらの目的は絡んで嫌がらせをする事になっていた。
「嫌モニ~、土下座するモニ!
土下座して『許してください可愛らしくてぷりちーなモニ子様』って言うモニ!」
今までに味わった事のない屈辱だった。
warage初心者の頃に、敵軍に散々にいたぶられなぶり殺しにされた時でさえ、これほどの屈辱は無かっただろう。
時の石で詐欺に遭った時ですら、これほどの怒りは覚えた事はなかっただろう。
それも、この様なダイアロス最低の生物であるモニコンとモニ糞ごときに…
パンダ男はそれでも、何とか自分を落ち着かせ土下座をすると、
ためらいや葛藤から、ゆっくりとその言葉を口にしてゆく。
「ゆ、許してください…か、かわい、らしくて…ぷりちーな……モニ子…様」
「残念だねぇ~! そんな小さな声じゃ何も聞こえないなぁ!
チャンスを与えたのにもうダメだね! 処分場に連絡するしかないな!!」
粘着質な声をしたモニコンが、勝ち誇った顔でそう告げた。
「あぁ、そうかよ!!」
その瞬間、パンダ男の中で何かが吹っ切れた。
370 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/30(月) 23:18:47.86 CYlyGKdG
それは一瞬の出来事だった。
気が付いたら、例のモニコン男は全身をズタボロに引き裂かれそこに横たわっていた。
頭蓋は陥没し中身が弾け飛び、首はあらぬ方向にねじ曲がり、誰が見ても蘇生はもはや不可能だと言う事が見て取れる。
手にしたモルゲンからは新鮮な血と体液と肉の残骸がぬめり気を持ちながらこぼれ落ちている。
目の前には、生涯最大の屈辱と怒りを与えてくれた対象が、腰を抜かして座り込んでいる。
「やめるモニ、やめるモニよ!」
モニ糞が何かを必死に口走っている。
そして、何かを思いついた様にして更に早口にまくし立てる。
「そう、そうモニよ! コイツ、コイツがそう言えって命令したモニ!
モニ子はいつもこの変態モニコンに虐められてたから、従うしかなかったモニ!
本当ならこんな嫌な奴よりも、パンダのお兄ちゃんみたいな、強くて格好の良いお兄ちゃんの方が良かったモニ!
パンダのお兄ちゃんって、よく見ればモニ子の理想の人そのままモニよ!」
「ありがとうよ…」
「そうモニ、モニ子はパンダのお兄ちゃんと一緒にいたいモニ!
料理スキルは75まであるから、色々なお料理作ってあげるモニ、それから…」
言いかけた所で、モニ糞がモルゲンのすくい上げる様な力強い一撃を食らって吹っ飛ぶ。
「もぎゃーーーぁぁぁぁぁあぁぁあ!!
や、やめるモニ、いや、やめてくださいモニ!!
本当にモニ子は…そう、そうモニ!
モニ子、ほ、本当は悪いモニ子じゃないモニ、よ、良いモニ子FSの、め、メンバーで…」
服は引き裂け、胸にはモルゲンのトゲが突き刺さった後がポッカリと残り、そこから大量の血を吐き出し続けている。
そんな状況にあっても、このモニ糞は自分が生き残りたいが為だけに、有りもしない事を意識のある限り口走り続ける、
本当に反吐が出るほどの典型的なモニ糞だった。
「も、もにぎゃーぁぁぁぁぁぁあ!!」
更に何か喋ろうとしたモニ糞だったが、その言葉も終わらずに再びモルゲンの横殴りの一撃を受け、壁に叩き付けられる。
「も、モニ子は…モニ、子は…もっ、もぐぎゃぁぁぁっぁぁぁ!!」
落ちた所で、更に二度、三度とモルゲンを振り下ろし、手を砕き、足を砕き、腕を砕き、更に股を砕いても、モニ糞は何かをうわごとの様に喋ろうとしていた。
もはやまともに動きもしない四肢で、それでも何とか逃れようともがいていた。
自称ではなく本当にまともなエルモニー相手ではすぐに観念してしまって、この醍醐味は味わう事ができないだろう。
殺さず連行が基本になってしまった処分場の仕事は言うに及ばない。
止めとばかりに、既にはって動く事すらできない下等生物の後頭部に凶悪な鉄の塊が振り下ろされ、人の頭の形をしていた物体が泥団子の様に弾け飛んだ。
それから一体何度モルゲンが振り下ろされただろう、気が付くとそこには既にモニ糞の存在は無くなっていた。
そこに残ったのは蘇生不可能なまでに破壊されたモニコンの遺体と、謎の肉塊。
371 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/30(月) 23:19:21.90 CYlyGKdG
そうか…こんなに簡単な事だったんだな。
処分場やモニ糞FSに連絡する恐れのある者を、その暇さえ与えず蘇生できなくなるまでに破壊すればそれで済む事だったんだ。
跡形もなく叩き潰してしまえば、お兄ちゃんもモニコンの館も問題ない。
もう、あの様なくだらない悩みを抱える必要もない。
そして、あのモニ糞は久しく忘れていたモニ糞狩りの楽しさ、興奮をこれ以上ないほどに鮮明に思い出させてくれた。
思い出させてくれるだけの、本当に反吐が出るほどに最高級の獲物、最高級のモニ糞だった。
「ありがとうよ…アンタらが最低最悪を絵に描いた様なモニ糞、モニコンで助かったよ。
これで俺は、明日からも積極的に仕事に取り組む事ができる様になった!」
パンダ男は、ここ最近では見せた事のない様な爽やかな笑顔でその場を立ち去っていった。
最終更新:2007年08月14日 21:08