ティエリア自慰
「GN粒子、濃度最大散布。……次のフェーズまで待機」
少し前の内戦で廃墟になった街だ。大きくえぐれた跡にヴァーチェを隠して、
ティエリアはようやく一つ息をついた。ちゃんとエアコンディショナーは働いている
はずなのに、ノーマルスーツのヘルメットを脱ぐとほっとした。
軽く頭を振る。髪も少し重いように感じられる。もう一つ、ため息。
次の作戦行動を開始するまで、独りだ。前面のモニタといくつかの計器は生きているが、
他は全て待機モードまで落としているので、静かだった。
「……ふう」
やるべきことは全て把握できている。あとは待つだけだった。
ティエリアはスーツのファスナーを開いた。陽に焼けることのない、真っ白な
肌と、プロテクタで抑えつけられていた形のいい胸がはじけるようにこぼれ出た。
「ん」
汗の匂いと、機械を通したぬるい空気が混ざる。手袋も脱いで、横に置いた。
……正直、限界だった。
他人の命を奪う戦闘行為だというのに、なぜか体が火照る。癖のようになって
しまっていた。自嘲気味に微笑んで、ティエリアは己の股間に指を這わせる。
そこは既にしっとりと露を含んで、密やかな割れ目を埋めていた。
くちゅ、と音が響いて、罪悪感と背徳感を煽る。外から見える筈もないが、
モニタは青空を映していて、ティエリアは目を閉じる。
「ん……ふ……」
ぷくりと膨らんだクリトリスを、濡れた指先でそっと撫でる。もう片方の手で
つんと立った乳首をつまんで転がす。スーツを着るときは下は素裸だから、
着たまま感じてしまうと、敏感な先端がこすれて涙目になることもある。今日も、
そうだった。
「あ……ん……ぅ」
ひとりでするとき、はじめは声を殺してしまうのもいつもの癖だ。
くちゅくちゅと自身を慰める音と、弾む息づかいが狭いコクピット内に満ちて、自分の
匂いにますます煽られる。
こんなところで、こんなに股間を濡らして、もし敵に見つかったらどうするつもりなのか。
4機のガンダムの噂はすでに広まっている。そのパイロットである以上、
言い訳はきかない。まして、女だとばれたなら。
「や……やだ……嫌だぁ……あ」
最悪の事態を想像しながらも、指がとまらない。さらなる刺激を求めて、ティエリアは
腰をくねらせた。
「あ……見る、なぁ……あ……あぅ……んぁ……」
こんないやらしい事を、神聖たるべきMSのコクピットの中で。
「ぁ……やぁ……あ……はぁ、は、あ、んぁ」
全身をびくびくと震わせて、ティエリアは絶頂を迎えた。
「……ぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ………んぅ」
ぐっしょりと濡れた指がふやけているのがわかる。達したあとの敏感な乳首をそっと
撫でながら、ティエリアはぼおっと青空を映すモニタを眺めた。
どれくらいそうしていたのか。
ピピピ、と控えめな電子音に、ふと我に返る。手早く後始末をして、スーツのファスナーを
元通り引き上げた。手袋をはめ、ヘルメットを被る前にひとつ首をふり、
エアコンの機能を最大にする。
「待機モード終了。ネクストフェイズに移行する」
声に出して言ったのは、ガンダムマイスターとしての自分を戒めるため。
既に、先程までの淫らな少女は影すらなかった。
最終更新:2008年01月03日 02:05