アレルヤ×ティエリア(ふたなり)
ベッドに潜ったのは何時間前になるだろう。
眠れない夜だった。
アレルヤは眠ることを諦めて身を起した。窓の外は夜だというのに煌々と明るい。
「ああ、そうか、今日は満月なんだな」
地上と宇宙を行き来していると月齢等というものは忘れてしまう。
折角地上にいるんだから、眠れないのなら月でも観に行こうか。
そう思い直したアレルヤは個室のドアを開け、宿の外に散歩に出ることにした。
その声を聞いたのは丁度そんな時だったのである。
「……んっ、……んん、んぅ……っ」
「呻き声? 誰かいるの?」
苦しそうな声だと思ったアレルヤは声の主を探す。
こんな夜中にただ事ではないと思った。
だが、辿り着いた場所にいたのはよく知っている人物の想像もつかない姿だった。
「ん、っあ……んん……」
薄手のシャツだけを纏い、下半身は露出したまま
ティエリアが身をくねらせ喘いでいた。
片手は充血したペニスに宛がい、もう片方も股間で蠢いている。
余程夢中になっていたのかアレルヤの姿に気がつくのに数秒を要した。
「あ……、アレルヤぁ……」
「ご、ごごごごめん、ティエリア。あの、僕は忘れるから!」
見つかって逃げ去ろうとするアレルヤ。
しかしその背に投げられたのはまたもや想像もつかない言葉だった。
「……アレルヤ、頂戴」
ティエリアの腕が伸びてアレルヤのベルトを掴む。
急のことに困惑して彼はその場に腰を付いてしまった。
「ちょうだい、って。な、何をって訊いていいのかな?」
尋ねるまでもなくティエリアの指がアレルヤの股間を這っている。
上目遣い。真紅の瞳は月の光を受けて爛々と剣呑に輝いている。
物欲しそうな眼をするティエリアなど存在しないと思っていた。
ティエリアが赤い舌でやけに赤い唇を舌なめずりする。
「見ただろ?」
手が掴まれる。
「なに、を?」
「見た癖に……だからこんなに震えているんだろ?」
指先に性器の感触が伝わる。薄い皮の直ぐ下が熱く硬直している。
だが。
「黙っていてくれたらよくしてやるよ……頂戴、ここに」
「え……っ」
根元まで下りていった指先が次に触れたのは予測していた膨らみではなく。
蕩けるように潤んだ粘膜だった。
「これは……ティエリア……女の子、だったの?」
「アレルヤは女にこっちがついてると思っているのか?」
ティエリアが笑う。あり得ないほど妖艶で背中に興奮と戦慄が同時に走る。
恐る恐る粘膜に触れて濡れた指を手前に戻し、再び硬い部分に触れる。
それは確かに、アレルヤに付いているものと同じペニスだった。
「気持ち悪いだろ。でも、こっちももう我慢できないからな……頂くよ」
そう言ってティエリアはアレルヤのベルトを外し、
ズボンの下で窮屈そうにしていた彼のペニスを引き摺り出した。
そして2,3度擦り上げるとティエリアはアレルヤに馬乗りになり
濡れた股間を押し付けてくる。
「んっ」
ぬるっとした感触にアレルヤは身を震わせた。
既に硬くなっていたペニスの先から溜まっていた粘液が零れるのが分かった。
「……気持ち悪くなんか、ないよ」
そんなことを感じる隙がないほど、目の前の存在は官能的だ。
「じゃあ、こっちも触って」
纏っていたシャツをティエリアは脱ぎ捨てる。
夜の中に白く浮き上がる裸体は男としては華奢過ぎるが
女のように起伏に富んでいるわけでもない。
それがアレルヤには不思議と酷く純粋なものに思えた。
触れてはいけない神聖な、
もし神の子がいるとしたらティエリアがそうなのではないか。
そんな考えがよぎる。
「……いや?」
ティエリアが一瞬悲しそうな顔をする。
「違うよ、見蕩れていただけ」
それに耐えられずアレルヤは白い肌に浅黒い掌を重ねた。
薄いと思っていた胸は触れると意外なほどふんわりと柔らかい。
乳房と呼べるほどの膨らみはないが、
その分緩やかな曲線はあくまでも繊細だった。
掌に吸い付くしっとりとした感触が心地よくて
アレルヤは柔らかなその胸をやんわりと捏ねる。
淡い色だった乳首が俄かに赤みを増しぷっくりと膨らんできた。
誘惑されるままアレルヤは乳首を口に含む。
「っあ、ふ……」
ティエリアが甘い声を漏らした。
その瞬間、アレルヤは自分の顔が真っ赤になるのを感じ、
熱に浮かされるようにティエリアの割れ目に指を這わせる。
にゅる、と抵抗なく指は割れ目に呑み込まれた。
中はとろとろとしていて柔らかく収縮している。
乳首を甘噛みするときゅうっと締め付けてきた。
「……あ、指……他人の指、気持ちいい……もっと、もっと」
そういいながらティエリアは自分とアレルヤ、
両方のペニスを両手で掴んで擦り始める。
擦れ合うたびに二人の粘液が溢れて快感を増していく。
「ああ、だめ……もう、欲しい」
ティエリアはティエリアの中にあったアレルヤの指を引き抜くと、
絡みついた蜜をうっとりとした表情で舐め取る。
「……貰うよ」
情欲に潤んだ目元で笑うとアレルヤの硬直した肉塊に
ティエリアは一気に腰を落とした。
「ん……ああっ!」
「……!」
アレルヤに喰らいついたティエリアはそのまま激しいピストン運動を開始する。
蕩けた肉襞が吸い付くように絡みながら摩擦する。
余りの快感にアレルヤは一瞬で達してしまいそうな感覚に襲われた。
脳が熱い。
「ティエリア、そんなに動いたら……う、すぐにいっちゃうよ……っ」
「はんっ、あ、はぁっはぁっ……だめ、俺がいいって、言うまで……っ」
初めに弄られたときと同じ剣呑な瞳でティエリアは命じた。
「んんっ、ティエリア……っ」
アレルヤは独りよがりな欲望を貪るティエリアに反撃を試みる。
彼の腰に腕を回し、白く小振りな臀部の割れ目に指を滑り込ませた。
既にティエリアの愛液で濡れていたそこに
アレルヤの指は容易に侵入を果たす。
「ふああっ! な、なに……っ」
アナルに指が入った途端、ティエリアの膣が大きく収縮した。
同時に熱い愛液とカウパーが滲み出てくる。
「こっちも感じるんだ、ティエリア……凄い締め付けだ」
「や、あ……あ、駄目……りょうほういれるの……ぁんっ、だめ、え」
ティエリアはふるふると頭を振る。
体に力が入らない様子で腰を震わせながら悶えている。
逃れようとするティエリアをアレルヤは宥めるように撫でるが、
何処に触れても全身が性器になったかのようにびくびくと痙攣する。
「ふああ……っ、あ、ああっ。やぁ、へん、……へんになるっ、んああっ」
「駄目だよ、僕がいいって言うまで」
反撃に成功したアレルヤは反り返るティエリアの喉元に噛み付くと
きつく吸い上げて赤い痕を残す。
「ティエリアの後ろから、僕のが入ってるのが解るよ。こうすると解りやすいでしょ」
耳元を舐めながら囁き、
ティエリアのアナルを犯す指で肉壁越しに自らの怒張をなぞった。
「きひぃ、いや、いやいやいやぁ……っ」
ティエリアは内臓を侵食される感触と羞恥に顔を紅潮させ首をぶんぶんと振る。
「前も凄く硬くて濡れてる。こっちもしてあげる」
「いうな……あ、あふっ……だめ、そんな……っ!」
アレルヤはティエリアの制止を無視して彼のペニスを握り、愛撫した。
だが前後の穴でも既に充分な快感を得ているためか
数度擦っただけでティエリアは絶頂に達してしまった。
白濁がアレルヤの手の中で破裂して溢れ出す。
「……っふ、ああっ! いくっ」
「ティエ……っ」
同時にティエリアの膣が痛いほどアレルヤを締め付ける。
数度強く収縮した後も緩やかにそれは続いている。
ティエリアは瞳をとろんと澱ませ、
少し開いた唇から舌をちらつかせて快感に酔っていた。
「可愛いよ、ティエリア。……そろそろ僕も抑えが利かないみたいだ」
力が抜けたようにだらりと項垂れているティエリアの紫の髪を撫でた。
耳元に指が触れると体中感じやすくなっているのかびくびくと小さく震えた。
ティエリアの髪のひと束に口付けるとアレルヤは腰を使い始める。
「ひ、あぅ……っ、っめ……またいっちゃう」
泣き出しそうな声でティエリアはアレルヤにしがみつく。
「僕も、そろそろいくよ……」
しかしティエリアはしっかりと両脚でアレルヤの腰を捕らえ
抱きついた腕も離そうとしない。
「駄目だよティエ……離して、中に出ちゃう」
「いいっ、中にほしい……っ」
その声を聴いた瞬間、アレルヤの頭の中は真っ白になった。
「……他には黙っていてくれればそれでいい」
身体を重ねた後だというのにティエリアは普段と変わらない冷淡さで
手早く衣服を整える。
そして早々に宿への道を歩き始めた。
その後をアレルヤは慌てて追う。
ベルトをまだ締めていなかったのでかちゃかちゃと腰が鳴っているが
気にせずティエリアの手を掴む。
しかしティエリアはアレルヤを一瞥もせず遠くを見ていた。
視線の先には沈みかけている満月があった。
「月が明るすぎておかしくなる。
子宮が月の影響を受けているのは本当かも知れない。我慢できない」
独り言のようにそんなことを言い、最後に地上は嫌いだ、と呟く。
「我慢できなくなったら今度は僕の所においで」
「それは口封じの契約に?」
「違うよ!」
否定するアレルヤにティエリアは振り返り冷たいまなざしを向けた。
けれど繋いだ指先を少し握り返してくれたのを感じてアレルヤは軽く笑った。
最終更新:2008年01月03日 02:21