ロックオン×ティエリア(女体)
剃毛
「お守り?」
「そう、お守り」
ロックオンは、にやりと笑ってみせた。
「非科学的だ」
「だからいいのさ」
ティエリアには多分理解できまい、分かっていてあえて言っている。
「作戦の成功率とそのお守りにどういう関連性がある」
「やる気が出る」
「だから……」
「合理的だろ?」
「よく分からない」
さくっと切り捨てて、ティエリアはそっぽを向いた。
「試してみれば分かる。少なくとも、俺のやる気は出る」
「……」
無表情に見えるティエリアの白い頬。しかし、眼鏡越しに赤い瞳が二度、三度
忙しくまばたきしたのをロックオンは見逃さない。好奇心が強いというか、
なんというか。
ティエリアは、その強気な性格も手伝ってか、あまり物怖じをしない。
時々地上特有の習慣に無頓着な行動を取ることがあって、一緒に行動していると時折、
ひやりとさせられる。
だからというわけではないが、「地上に降りるならこの子も連れて行ってね」と
スメラギに頼まれたとき、それもありかな、と引き受けたのだが……
(役得だな。だが……)
いまのところ、ティエリアが「女」だということを知っているのは、トレミー内でも
ロックオンとスメラギだけだ。しかし。
(なんで俺に頼む!?)
まさか何もしない、なんて思われているんだろうか。いや、まさか。むしろ、
(どこまで知ってるんだ、あの人は)
宿泊先に指定されたこのホテルの部屋がツインだという時点で、今までロックオンが
どさくさまぎれにやったあんなことやこんなこと、ものをよく知らなさそうなのに
つけ込んで教えたあんな嘘、全部バレている気がするのは決して気のせいではあるまい。
物珍しそうに手元を見るので、軽く掲げて見せてやる。
「俺が髭剃る時のやつだけどな」
「剃刀で?」
「地上にいるときくらいは、な」
このご時世でもあえて剃刀で髭を剃る男子は一定数いるが、これが宇宙だとそうはいかず、
細かいゴミが散るのを防ぐため、強めのバキュームがついた電気式シェーバーは必須だ。
まあそもそもティエリアの生活にあまり関わりがないことだから、知らなくても無理はないが。
「…それでやるのか」
「大丈夫だって、すぐ済むし」
ロックオンが貸したシャツを羽織って、ベッドの上で胡座をかいた行儀の悪さ。白い腿がなかばまで見えて
いる。
(こういうときは、もうすこし足をなんとかするように言った方がいいのか…)
悩むところだ。
「で、どうすればいいんだ」
他意のなさそうな口調で聞いてこられるのも、これからしようとしている事に対する罪悪感を
微妙に煽る。
「そうだな。そこに座って」
クッションを背中にあてがい足を投げ出すようにして座らせる。表情は相変わらずいつもの
無表情なティエリアは、そうしていると性別のないどこか違う世界のいきものに見えた。
「これ抱えてろ」
もうひとつクッションを渡して抱えさせる。そして、白い太股をそっと撫で上げた。
「ちょ……余計なこと、するな」
「そう言うときは、『いやー』とか『やめてー』とか言えよ」
「言ってもするくせに」
ティエリアがクッションに細い顎を埋めた。
本気で嫌がっていないのがわかりやすい。……以前にいいアッパーを喰らったのを思い出し、
ロックオンはそっと自分の顎を撫でた。そして、そっとシャツの裾をめくる。ほとんど飾り気のない
下着が見えた。
なめらかな太股をしばらく撫でさすると、ほんのり血の色が乗る。ティエリアは目を伏せたままだ。
「さっさと……」
くぐもった声で催促されて、悪戯を切り上げる。下着をそっと引っ張ると、身をよじって少しだけ
腰を浮かせた。
あらわになったそこは、髪と同じ色の控えめな茂みで覆われている。その上にふわふわに泡立てた
クリームを載せると、冷たいのかぴくりと体をこわばらせた。
「動くなよ。剃刀当てるから」
「え、あ……」
半分くらいは冗談のつもりだったのだ。
何百年も前からある、ちょっとした縁起担ぎ。
「女のアソコの毛を持ってたら、敵のタマがあたらない、ってさ」
「馬鹿馬鹿しい」
「お守りだよ」
「お守り?」
「死なないための」
(そういえば、……やけに素直にOKしたな)
ぎゅっとクッションに抱きついたままでいるティエリアの様子を伺って、ロックオンは剃刀の刃
をあてた。ぴく、とわずかに体が揺れる。
「動くと、切れるぞ」
もう一度念をおしておいた。
片方の手でそっと皮膚をひっぱるようにしながら、ふっくりと緩いカーブを描くそこを撫でるように
刃を滑らせると、柔らかい毛質が幸いしたのか、まるで薄皮でも剥ぐように綺麗に剃れていく。
「……う」
動かないように堪えているのか、ティエリアのかすかな声が響いた。
「動くなよ」
ティエリアは返事をしない。
構わずにロックオンは作業を続ける。
丘の周囲から中心へ、指で割れ目を押し開くようにしながら、丁寧に剃り上げる。腿をすこし押して
脚を大きく広げさせ、残りも一本残らず綺麗にした。……とある変化に気付いたが、あえて無視する。
「終わったぞ」
サイドテーブルに道具を戻してから声をかけると、ティエリアがほんの少し顔をあげた。
かけっぱなしの眼鏡は半ばずれ、目元がすこし、赤い。
「綺麗に剃ってしまったから、子供みたいだなここ。見てみろ」
「……話が違う」
「そうだったかな」
ぎゅっと膝頭を閉じようとするのを止めて、もういちど脚を大きく開かせる。
「子供みたいなのに、……濡れてるぞ」
「ちがう」
「剃られて、感じたのか」
「ちがう、って」
口ではそう言っているものの、潜らせた指には確かに温かく濡れた感触がある。
「違わない。濡れてる」
「ちがう……」
「ティエリア」
耳元で名前を呼んでやると、ぎゅっとクッションを抱いたまま肩をすくめようとする。
「ティエリア。剃られて、気持ちよかったのか?」
そんな反応はますます男を煽るだけだと、教えた覚えはないのだが。
「子供みたいにつるつるなのに、いやらしいことは知ってるんだな」
指を動かすと、くちゅくちゅと滴る音がする。
「指が入ってくのが見えるぞ」
ティエリアが何か言ったようだったが、相変わらず抱えたままのクッションに吸い込まれて、
喘ぎを堪えているように聞こえる。
「いやらしいなあ、お前は」
「……ち、がう」
「違わないだろ、これは」
ロックオンの、長くて少し筋張った指が二本、ゆるく抜き差しを繰り返す。中を軽くひっかく
ようにすると、大きく体が跳ねた。
「ん、ぁあああんっ」
「……気持ちいいか」
「うぅ」
クッションを引っ張ると、簡単に手放した。ずれて落ちかかっていた眼鏡も一緒に滑り落ちる。
キスをした。逃げる舌を追いかけ、絡ませる。溢れた唾液が二人の顎を濡らした。そのままキスを
顎先、喉、さらにその下へとすべらせる。鎖骨にかるく歯をたて、吸って赤い跡をつけた。普通に
服を着ていれば隠れる位置だが、白い肌には妙に映えた。
着せたままだったシャツのボタンを開き、柔らかい乳房を掴む。ちいさめの乳首がすでに硬くなって
いて、掌にひっかかった。
「ティエリア。どうする?」
「する」
「……即答かよ」
「嫌だといっても……するくせに」
まったく、素直じゃない。もっとも、
「素直なお前なんて、らしくない……か」
もう一度キスをして、ロックオンは手早く自分の服を脱いだ。
「まあいいか。素直ついでに、見てみろ、ここ」
既に固くなっている自分のものをあてがい、軽くつつく。
「剃ったから、これからここに入るのが全部見えるぞ?」
はじめてティエリアが少し、怯えたように見えた。
「う……っ」
赤い瞳がまた、まばたきする。涙の小さな粒が睫毛にひっかかっていた。構わずに腰を進める。
「あぁ、んぅっ」
ひくひくする入り口をこじ開けるようにペニスを突き入れると、か細い声が上がった。ゆるく動かすと、
まるで抜かれるのを嫌がるように絡みついてくる。
じらすようにぎりぎりまで抜き、再度突き入れる。ぐじゅ、と、熟れた果物を握りつぶしたときのような
濡れた音がした。腰が逃げるのを、引き戻してもう一度繰り返す。
「ん、や……、やぁっ、いや、っ」
「嫌なら、抜こうか?」
「やだっ、や……だっ」
「どっちだよ」
「や……んんんっ」
堪えるようにシーツを握りしめる指も白い。もっと虐めてもよかったが、流石にそう余裕でもなかった。
「あっ、あんんっ、んっ、ふぁ、ぁあっ、んっ」
無毛の秘部から溢れ落ちる液体が動きを助ける。ティエリアの、まだあまり脂ののってない華奢な腰を
しっかりと捉え、ロックオンは強引に腰を使った。
「やだっ、も、もぅ……」
「もう少しだ」
嫌がるように首を振るティエリアの、さらさらの髪がシーツに広がり、跳ねた。ふわっと赤く染まった頬のせいで
ひどくあどけない子供のように見える。抱き起こして膝の上に抱え、体重を利用して再度深く繋がった。
体が密着する。ぎゅうっと抱きついてくるティエリアの、内側だけは一人前にロックオンを絞り取ろうと
いやらしい動きを続けていた。
「あ、ふ、うぅんっっ、も、もぉ」
「いいぞ」
ぐっと腰を押しつけるようにして、動きを止める。ひくつく中に射精すると、ティエリアも全身を大きく
震わせて、くったりと体重を預けてきた。
「ティエリア」
「……ぃやだ」
「嫌だばっかりじゃないか、さっきから」
眠いのかだるいのか、ロックオンのほうに体を預けっぱなしのティエリア。しどけなく投げ出された、その
白く長くほそっこい手足は、性別いかんに関わらず、ガンダムマイスターなどという過酷な任務とは縁が
なさそうに見えた。
いや、勿論、能力のほうはロックオンも熟知しているとおりで、申し分ないだろうと思う。
だが、彼女が何故(それも性別を偽ってまでも)このような任務につくことを選んだのか、その理由を
ロックオンは知らない。
今までは知らなくても構わないと思っていたのだが、何故今になって気になるのか。
いよいよ本格的に舟をこぎはじめたらしいティエリアをどうしたものかと思いつつ、ロックオンの脳裏には
スメラギのある台詞がこびりついていた。
『いろいろ、教えてあげてね』
(だから、なんで俺に頼む……)
時間はもう、あまりないというのに。
最終更新:2008年01月03日 02:51