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ティエリア+マイスター+コーラサワー


「ここの角は嫌なんだ」
嫌そうに顔をしかめ、足を止めたティエリアに、他のマイスターたちは
珍しいと誰もが思った。
何気ない街の曲がり角は、周囲に高級マンションと緑がバランスよく配置された
場所にあって、カラフルなタイルで塗装されている。
そこを、ひらひらとシンプルな紺のミニスカートをなびかせ歩くのが、ティエリアの
今のミッションだ。可愛い赤いリボンをつけて、バッグを肩に、今日は無駄に
四人一緒で登校、の真似。
四人は家族を装ってこの街に住んでいた。ティエリアの役は、女子高生だった。
「なんで嫌なの?」
「…変な奴がいる」
「なんだ? ストーカーにでもつけられたか?」
ロックオンの一言に、誰もがストーカーを哀れんだ。精々生き延びてほしい。
さもなくば、自分が闇に葬るのみだが。
「…ティエリア。ぱんつ見えた」
「っ」
ゴミが付いている、くらいの感じでぼそっという刹那に、ティエリアが慌てて
両手でおしりを隠す。このぎりぎりラインを保って歩ければ、任務にも役立つぞ、
とはヴェーダを借りたロックオンの言葉。
ちなみに今日は清楚な白。うっすら透けていい感じ。
「カバン持とうか? ティエリア」
「いい… もう行く」
嫌だと言った曲がり角を、ティエリアが照れ隠しなのかやや足早に越えようとする。
そこに、

「うわぁあああっ?」

悲鳴と共に、自転車のこける音。
タイルの地面に強かに体を撃ちつけて、そこには一人の男がティエリアを巻き込んで
倒れていた。
「いってー…」
「… …」
その男の顔は、ティエリアのスカートの中だった。
おしりとはま逆の位置にそれは突っ込み、なんかふごふご言っている。
「あんっ」
思わず上がったティエリアの甘いと息に、マイスター三人のアソコも微妙に上がる。
行き倒れの男は未だにティエリアの股間に顔をうずめて沈没している。
「…おいっ! いつまで痴漢やってんだお前は!」
我に返り、ロックオンが慌てて迷惑男をティエリアから引っぺがす。
アレルヤがわたわたとティエリアのずり下がった眼鏡をなおし、ゆっくりと立ち上がらせる。
その間に、刹那がその白くすべすべの太ももに傷が無いかを確かめた。
「……傷ないけど、ちょっと濡れてる?」
「刹那っ!」
怒鳴るティエリアの顔は真っ赤だ。
「替えのぱんつはコンビニ。洗濯係はアレルヤ」
「…自分で洗うっ」
真っ白ぱんつはもう駄目かあ、とアレルヤが心で残念がる。多分ぼろきれと化すだろう。
その頃。
「お前、やっていいことと悪い事があるだろう。死にたいのか? 相手見てみろ」
男を怒っているのか心配しているのかわからないロックオンが、その胸倉を掴んで
ガクガクいわす。男が、やっと気が付いたのかぱちっと視線を現世に合わせた。
「何しやがる! このスペシャルなオレ様に!」
「はあ?」
「聞いて驚け、オレ様の名前はパトリック・コーラサワー! この街で最もスペシャルな男だ!」

わはははは、と高笑いする男に、マイスター立ちは呆然となった。
何なんだ、この擦り傷作って高笑いしてる男は。
自転車パンクさせてやろうか、おい。ティエリアのものむしゃぶりやがって。

「…むしゃぶられてない。ちょっぴり口で揉まれただけだ」

三人の電波を察したのか、スカートの裾を両手でガードしながら、
内股に力を込め、ティエリアはぼそっと呟いた。

「必ずあの男とぶつかるんだ。どれだけ時間をずらしても、
タイミングを見計らっても駄目だった」
はあ、とソファに座り溜息をつく風呂上りのティエリアに、三人は表情を凍りつかせた。
「つまり、毎日あんなだって事?」
「ああ。このあいだは転ぶ時に胸元掴まれてボタンが弾け飛んだ」
「その前は、太ももを齧られた」
「その前は胸を揉まれた」

なんて奴だ! 誰もがそう思った。
そして慌ててティエリアの、赤いチェックのミニスカから覗く太ももに目をやる。
そこは傷一つなく真っ白だ。
「傷なら、もう無い。胸にも無いからな」
少しくつろがせていた開襟シャツのはだけ目を、きゅっとかばってティエリアが
三人を上目遣いに見上げる。
「… 明日も、皆で登校。異議は無いな」
ロックオンの一言に、刹那もアレルヤも力強く頷く。

今夜はむらさきぱんつ。そして、誰もが確認していた。

そして次の日。
四人は念入りに曲がり角をチェックし、人影を、パトリック・コーラサワーの存在を確かめた。
何処にも敵の姿は無い。
「…左右に敵見られず」
「よし。これなら大丈夫だろう」
「よかったね、ティエリア」
後ろにティエリアをかばった三人が、安堵を浮かべて振り返る。
その時だった。
「うわあぁぁっ?」
ききぃいい と、自転車にブレーキをかける音が響いた。
ティエリアの後ろから、敵が迫ってくる。
敵はそのまま前のめりにつんのめり、一回転するとティエリアにタックルをかます。
そして、勢いでそのミニスカを見事にずり下げ重力のままに撃沈した。

……ぴんくの水玉!!

そして、パトリック・コーラサワーは、その顔をティエリアのおしりに沈めた。
やぁんっ、と、無意識にティエリアが身悶える。
おしりでふがふがしているパトリック・コーラサワーの息遣いに合わせ、
ティエリアの体もぴくぴく動いている。ああ!そこは触るな!救いを求めて手を動かすな!
背中触るな、股間に突っ込むな!

マイスター三人の怒りが、頂点に登っていた。

そして、コーラサワーのその日一日の幸せと、替えられたパンツの謎だけが残った。
最終更新:2008年01月03日 04:27