もはや、アレルヤの理性は使い物にならなかった。
さっきロックオンを諌めた事も忘れ、我先にティエリアに飛び掛る。
「あっ!おい…!」
後ろからロックオンの慌てた声が聞えたが、無視した。
ワンピースの上からティエリアに全身を押し付け、両手で体を撫で回す。
「あ…ん…っ!」
上からのしかかられてティエリアがうめいたが、すぐに両手をアレルヤの
背中に回すと、存在を確かめるようになでさすった。
アレルヤが熱い息を吐きながら、手でティエリアの体をたっぷり味わう。
ティエリアはうっとりした表情でされるがままになっていた。
「おい…!そいつを座らせろ…!」
絡み合う二人を苦々しく見つめながら、ロックオンが命令した。
アレルヤが従い、ティエリアを起こして、抱きしめたまま座らせる。
ロックオンが背中に回り、ワンピースの後ろのホックを外し、ジッパーを下げた。
ジーッと、ジッパーの降りる音が響く。
アレルヤはその間ずっと、ティエリアに吸い付いて舌を深く絡ませていた。
れろれろとティエリアの舌が巻きついてくる。
荒い鼻息が野性的に耳元にかかって、アレルヤはもう我慢できなかった。
ジッパーが完全に降り、ティエリアのしなやかな背中が現れた。
「ロック…オン…。早…く!」
ティエリアの太ももを撫で回しながら、アレルヤが必死に言った。
「わかってるよぉ!!」
ロックオンがワンピースを掴み、ぐいっと引き下げた。
特に抵抗もなく、ワンピースが座ったままのティエリアの腰までずり落ち、
ティエリアの白く滑らかな上半身が、三人の目の前に余すことなく晒された。
ティエリアが荒く息をして、そのたびに肩が上下し、髪が肩あたりで揺らめく。
それがティエリアを一層妖艶なものに見せていた。
マイスター達の息がさらに荒くなって、薄暗いロビーに響く。
アレルヤはそのまま押し倒すと、スカート部分を腰の上までたくし上げた。
大きく勃起したペニスが目に入ったが、アレルヤは萎えるどころか
余計に興奮を掻き立てられた。アレルヤにもまた、酒が回っていたのかも知れない。
「くっ…!」アレルヤは小さくうめくと、勢いよくズボンと下着を脱いだ。
既に大きく隆起した自身を取り出し、ティエリアににじり寄ると、
ロックオンの制止も聞かず、正上位でずんと一気に挿入してしまった。
「ああぁぁあああ~!!」
ティエリアの叫びが大きく響き渡って、ロックオンと刹那は驚いて入り口を見た。
誰も、嗅ぎ付けて現れる様子は無い。
ぐりぐりと締め付けてくる体内の熱さをしばらく味わった後、
アレルヤがゆっくりと、焦らすようなピストンを開始した。
腰に巻きついたワンピースが床を擦り、ザッザッという衣擦れの音が響く。
「あ…あぅ…あぁ…」
そろそろと、壁を擦られるたびにティエリアの感覚が敏感になっていき、
やがて突きにあわせて快感が訪れるようになった。
顔が紅潮し、淫らな声が溢れ出てくる。アレルヤにしっかりとしがみついたまま、
体内に充満していく快楽に酔う。
「あんッ…あんッ…!」
突かれる度に、まるで女のような声が飛び出した。
「気持ちいいかい?ティエリア…。」
耳元への囁きに返事は無かったが、一瞬きゅっと後ろが締まった。
「どうなの…?」
ピストンを徐々に早めながら、アレルヤがしつこく訊いた。
「あ…」ティエリアが表情を歪める。
「き…もち…い…。も…っと……」
吐息混じりの小さい声ではあったが、アレルヤの耳に確かにそう聞えてきた。
アレルヤの腰つきに力が入り、ティエリアの反応がますます大きくなってきた。
「おい、早くしろアレルヤ!!」
ロックオンが堪りかねて荒々しく声をかける。
「さっきのティエリアみたいに…一人でやれば…?」
一回出して余裕のある刹那がぼそっと呟くのを、ロックオンはすごい勢いで無視した。
「わかってますよ…ッ…!」
せかすロックオンに、アレルヤが突きながら苦しそうに答えた。
すぐに終わるには、もっと深い刺激が必要だ。
「じゃあ、こうしたらどう…かな…?」
「…?」アレルヤは挿入したまま体を起こすと、止まった動きに
戸惑うティエリアに気を使う事も無く、ティエリアの両足を掴み、
ぐいっと大きく左右に押し広げ、大股開きにした。
ティエリアの勃起したペニスと、自分が入ったままの後ろの穴が、丸見えになる。
「あう…っ!!」ティエリアが短く声をあげた。
アレルヤはブーツの上からふくらはぎ辺りに手を移動すると、
そのままの体勢で、さっきよりも激しく抽迭を再開した。
突くたびに、足を引き寄せて、深く挿入する。
ずるずると、赤いワンピースがずり上がっていく。
挿入部が丸見えになり、視覚でも十分刺激を受けた。
「ひあ…ッ…!ああ…ッ…ああぁぁあ!!」
ティエリアは最奥まで突き込まれて、体の芯から全身に立ち昇るような
快感に包まれた。アレルヤが中心を攻め続ける。
うっすらと目を開けると、大きく開いた自分の足の間で、アレルヤが
座った体勢で腰を打ち込んでいるのが見えた。興奮がさらに高まってくる。
ずんずんという衝撃音にあわせて、ティエリアの体が上下に揺さぶられる。
ティエリアはもう爆発寸前で、耐えられなくなって自分で手を伸ばし、
慰めようとしたが、その手は刹那に阻止されてしまった。
「俺が…やってやる…。」
刹那が脇に回り、大きく立ち上がったティエリアを素早く扱きはじめた。
「あうぅぅうう!!」
「刹那、てめえ…!」
ロックオンの抗議もむなしく、ティエリアはわずかな刺激で放出してしまった。
出た精が、ワンピースをかすめてへその周りに飛び散る。
刹那がマフラーでそれを丁寧にふき取った。
「ぐっ…」腰をひいて余計な刺激を受けないように耐えていたロックオンが、
悔しそうに唸った。
「あぁあああ!!」
その横で最後に大きなストロークを食らわして、アレルヤが大声を出すと
気持ちよさそうに顔を歪め、果てた。
ロックオンが怒りに震えて、アレルヤを投げ飛ばすように引き離した。
開いたままの足の間から、白濁が垂れているのが見える。
「くっそ~…!おまえ等、いつもいつも好き勝手しやがって…!!」
ロックオンは悔しさに打ち震えた。
「仕方ねえ…!ティエリア!舐めろ…!」
自身を素早く取り出し、ティエリアの顔面付近に近寄ったが、
ティエリアは薄目を開けたまま、放心した様に遠くを見ているだけだった。
「こっちもだめかよ…くそ…ッ」
ロックオンは自制が効かなくなってしまった。
暴れ出したいような暴力的な気持ちが湧き上がってくる。
持て余して、ティエリアの肩口に思い切り噛み付いた。
「ぐあ…ッ…!」ティエリアが身をよじって悲鳴をあげた。
「我慢しろっ…!」
ロックオンは一声叫ぶと、所々に歯を立てながら
ティエリアの体を舐めまわし始めた。
体の至る所を強く吸い、紅い痕をつけて行く。
「うああうぅぅ…」ティエリアがそのたびに低くうめいた。
固くなった乳首を舌先で転がし、軽く歯を当てると、ティエリアがはあっと
深く息を吐いた。
やがてロックオンの荒々しい愛撫に触発されたティエリアの体が、
再び目覚め、一度元気を失った下半身が、頭をもたげてきた。
そのまま、シワだらけで腰に巻きついたままのワンピースを
足から乱暴に引き抜く。
ついにティエリアがブーツに手袋、マフラーだけの淫らな姿で床に転がった。
その体には汗が滲み、唾液やらワインやら色々な液がぬめぬめと妖しく輝いた。
「おら、どうだ…?いいかよ?」
耳元で囁くロックオンに、ティエリアが短く喘ぎながらも
問いかけとは違う返事を口にした。「ワ…イン…。さ…けほし…い」
ロックオンの頭にかっと血が上る。
「ふざけやがって…。俺じゃ満足できないってか…!?」
「はう…ッ!!」
半勃ちのペニスを乱暴に扱き上げた。
思い通りにいかない怒りに任せて、手に知らず知らず
力が入ってしまい、ティエリアが苦痛に涙を流した。
「あ…。」気がつくと、ティエリアの下半身は完全に勢いを失っていた。
「ロックオン…。本当にあなたって人は…。」
アレルヤが上から覗き込んで、呆れてものも言えないというように首を振った。
「うるせえ…!元はといえばお前らのせいだろうが…!。」
ティエリアの顔を覗くと、目を閉じてまだ涙を流しながら小刻みに震えている。
「かわいそうだ…。」刹那が呟いて、ロックオンはさすがに罪悪感を覚えた。
「わかったよ!刹那、酒持ってこいよ!」
こうなったらもう一度酔わしていい気分にさせるしかない…。そう思った。
刹那が早速ワインを探しに走り、すぐに1本抱えて戻ってきた。
「ティエリア。お望みの酒だ。」
ティエリアを抱き起こし、口元にボトルを近づけたが、
いやいやと言う様に首を振って飲もうとしない。
「なんだよ…。欲しがってたくせに…。」
ロックオンは急に不安に襲われた。
もしかすると、もういつものティエリアに意識が戻っていて、
すぐにでも殺されるんじゃないか─。
そんな嫌な予感を振り払うかの様に頭を大きく振ると、決意してワインを
口いっぱいに含み、ティエリアに深く口付けた。
「ん…」そのまま口を割ってワインをティエリアに流し込む。
ティエリアがぴくっと体を震わせた。
二人の口の端からワインが滴り落ちる。
首筋から鎖骨を通って、ワインがまるで血のようにティエリアの体を流れていった。
やがて、ティエリアが味わうように舌を動かしたかと思うと、
ロックオンの頬をしっかり掴んで、ごくごく飲み込み始めた。
ぷはっ…。すべて流し込んでロックオンが顔をあげると、
ティエリアが潤んだ瞳を細くして切なげにまつげを瞬かせ、
「もっと…。」と震える声でおねだりしてきた。
ロックオンは押しあがる欲情に目もくらみそうになりながら、
それでもティエリアが満足するまで、ワインを与え続けた。
その度に二人の舌が絡み合い、嫌でも体が疼いた。
ティエリアの体が再び紅潮し、ワインのまわった体が物欲しげにひくつく。
左手でロックオンの背中を掻き抱き、誘うように動いたかと思うと、
右手がロックオンの股間を探るようにまさぐった。
ロックオンは堪らず口を離して、ティエリアの両手を振りほどき、床に押し倒した。
ティエリアがワインとキスに酔い、夢心地で体をわずかにくねらせている。
自分の肌を慈しむように、ティエリアの手が自らの体を這いまわり始めた。
「ああ…」
気持ちよさそうな声を出しながら、膝関節から太ももまでゆっくりなで上げると、
そのままそろそろと体を横に向けた。
マイスター達は、再びティエリアの下半身が反応しはじめているのを確認した。
まだ少年らしさの残る腰が、後ろの電飾に照らされて
この上なく美しいラインに浮かび上がった。
「くっ…!たまらねえ…!!」
ロックオンは目を血走らせてティエリアに覆い被さると、
横向きのままのティエリアの足を肩に抱えあげ、大きく押し広げた。
ティエリアの後ろが丸見えになる。
アレルヤの白濁が白くこびりついているのを見咎め、余ったワインで乱暴に洗い流す。
「あっ…!」ティエリアが冷たいワインの感覚に驚き、身を縮めて悲鳴をあげた。
少なくとも、外側には白濁が見える事はなくなった。
ロックオンは一息つくと、新鮮な気持ちを取り戻して
そのまま片足を肩に担ぎ、剥き出しになった後ろに一気に挿入した。
「やぁぁああッ…!」
ティエリアの声を聞きながら、楔を打ち込むようにぐいぐいっと
腰を押し出すように突き入れた。
横向きの突きがさっきとは違う位置にあたり、ティエリアは未知の刺激に悶絶した。
ロックオンはアレルヤよりもさらに激しく、乱暴に攻めまくった。
ティエリアの体が命の無い人形のように、がくがくと揺り動かされる。
確かに快感は感じているのに、体ごと押し込まれるような圧迫感の方が勝ち、
声も出ない。
口だけが突きの度にパクパク開き、ロックオンに高ぶりを教えた。
ぐちゅっぐちゅっと湿った音が響く。
ロックオンは、中の感触にアレルヤの精が混じっているのを敏感に感じた。
ムカつくが、入れてしまった今ではもうどうしようもない。
穴兄弟という言葉が脳裏を掠めて、一瞬身震いする思いに駆られたが、
ティエリアのぐいぐい締め付けてくる中の熱さと、
快楽に歪んだ表情の前にはそんな事はどうでもいい事だと、
ますます熱くなる全身が叫んでいた。
「おら…!おら…!どうだ…!!いいか!?」
打ち込みながら、乱暴に聞くと、ティエリアが揺さぶりに必死で耐えながらも
こくこくと頷いた。
その様子を見て、我慢できなくなった刹那とアレルヤが脇で慰め始めた。
「おまえら…ッ!一回イッただろうが…!!」
荒い息をしながらきっと睨みつけ、先を越された悔しい思いをぶつけたが、
二人は一向に耳を貸さず、謝罪もせずにティエリアを凝視して
自慰に邁進しているのみだった。
「くそっ!」
ロックオンは高ぶる気持ちそのままに、さらに動きの幅を大きくした。
「──!──!」
ティエリアの口が開きっぱなしになって、声にならない声が聞える気がした。
つーっと、口端から涎が垂れていった。
ロックオンがティエリアの昂ぶりに合わせる様にさらに強く突く。
動くたびにティエリアの敏感な部分を
ロックオンの太ももが擦り、強い快感が全身を駆け抜けた。
ティエリアの亀頭がぴくぴく痙攣し始め、2度目の射精が近い事を知らせた。
「オラッ!!」
ロックオンが、目の前にある抱えあげた足の、白い太ももに噛み付いた。
「ひい…ッ!!」
ティエリアが堪らず短い悲鳴をあげたが、すぐに掻き消えてしまった。
ずんずん…パンパン…ぐちゃぐちゃ…ハアハア…。色々な音が混じって響く。
遂にロックオンの限界が近づいてきた。
「ぐうう…ッ!イクぞッ…!!」
最後にぐいっと性器を刺激されて「──あああッ!!!」ようやく声をあげると、
同時にティエリアが大きく背中を反らせ、達した。
横向きのまま放出した精液が、床に飛び散った。
抱えた足を力任せに引き寄せて、ロックオンが体を硬直させ、果てた。
納まりきらない白濁が、ぴったり栓をした自身を遡る様に、逆流してきた。
ティエリアはだらしなく涎を垂らしながら、ようやく解放された体を弛緩させ、
荒く息をしている。ロックオンが、静かに後ろから去った。
と、すかさず刹那がロックオンと入れ替わり、同じ体勢で突き入れた。
「…ッ…!」ティエリアは顔をしかめたが、既に声は出なかった。
ぐっ…ぐっ…と腰を進める。
しかし、既に2人に突きまくられ、酩酊状態で意識朦朧のティエリアの後ろは、
一度達した刹那を満足させるには、緩すぎた。
「…。」不満げな刹那が、自身を引き抜き、少し考え込んだが、
すぐにティエリアを引っくり返し四つん這いにすると、
腰を高く引き上げ後ろから挿入した。
腕を折って前のめりにくずおれ、尻だけ高く上げた格好のティエリアの頭に血が巡る。
「はあ…ッ…!」わずかに意識を取り戻し、さすがに声をあげた。
顎と頬が床にあたり、冷たい感触が火照った顔を冷ました。
下半身に力が入らず、膝ががくがくする。
刹那が崩れ落ちそうなティエリアの下半身を支えるように、腰をしっかり掴んだ。
「ひあッ…!」
直後、刹那の突きこみがはじまって、顔面が床を擦った。
たまらず顔をあげて、後ろからの圧力を全身で受け止める。
既に体を押さえる力は残っていないため、刹那の動きに比例して激しく揺さぶられた。
ずちゅっずちゅっ…。
後ろから、淫らな音が響き、後ろの穴から、じわっと液が漏れ出すのがわかった。
「うあぁ…ッ…!あぁッ!!」
再び体全体に快感が広がり、溢れ出す淫らな響きを押さえる事が出来ない。
アルコールの回ったティエリアは、自分がなぜこんな事になっているのか、
全く理解できずにいた。というより、脳の理性的な活動を本能的な欲求が
押さえつけている感覚で、甘美な快感を味わっていた。
まるで体の奥底を未知の生き物が這い回っているかのように、
体が疼いて疼いて仕方なかった。
「ああ…ん…あ…ぅ…あ…ああぁぁん…」
喘ぎがさらに淫らになり、耳に届く声は本当に少女のようなか細さで、
まるで他人のそれのように思えた。
刹那の突きが激しくなってくる。
「ああぁああん…!!」
大声を上げながら、自分の下半身が再び大きく隆起している事に気付いた。
すっと手が伸びてきたかと思うと、腰部だけ異様に持ち上げられた体の下から、
自身を扱き上げられ、腰が跳ね上がった。
手の主は、ロックオンだ。
今度は丁寧に気を使いながら、ティエリアを高ぶらせていく。
「くぁああ…!」
全身を駆け抜ける電流のような快感に耐え切れず、思わず顔をあげ首を振った。
その時誰かの手の平が視界に入ったかと思うと、ぐっと脇の下に両手が入り、
上半身を引き上げられた。
なんとか床に手をついて、四つん這いの体勢になる。
髪を掴まれて顔を強引に上げられたかと思うと、その口に、
大きく立ち上がったアレルヤの下半身が、先走りを滴らせながら押し付けられた。
「あう…」
何の不自然さも感じる余裕無く、当然の行為の様に大きく口を開けると、
一気に咥え込む。
刹那の動きに合わせて体が前後し、嫌でもアレルヤを
深く受け入れる事になってしまった。
「う…ッ…ぐ…」
突かれる度にアレルヤが喉の奥にあたり、吐き気が押し寄せるが
アレルヤの腰ががっちり栓をして、声も出せない。
「はあッ…はあッ…」
アレルヤがティエリアの頭をがしっと掴んで、刹那に合わせるように腰を前後し始めた。後ろと前から同時に押し寄せる圧迫感に加え、ロックオンがティエリアの
ペニスを扱く。ティエリアは混乱した頭で涙を流し、激しい交わりに耐えた。
全身の血が沸き立つ感覚に、気が狂いそうになる。
やがてロックオンが、自分のものにも手を伸ばして擦りあげはじめた。
わずかに目を開いたティエリアの視界に、揺れるマフラーの赤が見えた。
次いで焦点をあわせると、シャツの間からアレルヤのきれいに割れた腹筋と、
ロックオンの苦悶の表情が垣間見えた。
ティエリアは再び何がなんだかわからない、倒錯した気持ちで目を瞑った。
苦しさと快感が同時に押し寄せる。他の事は何も考えられない。
同じ場所、同じ時を共有して、4人がそれぞれ快感を貪っていた。
「うッ…う…っ…!」
ロビーに響いた唸り声が誰のものかは既にわからない。
全員の動きが切羽詰ってきた。
「あああ…ああぁ…!!」
動きが段々激しくなり、全員が快感にのけぞって、声が乱れ始める。
そして、遂にその時が訪れた。
「も…だ…め…ああぁああッ…!!」
まず刹那が大声を出して、強く腰を押し出し、中に放出した。
それが引き金となって、後の三人が思う存分ぶちまけた。
アレルヤがティエリアの口中奥深くに発射し、
ロックオンがティエリアのわき腹に熱い液をかけた。
ティエリアは背骨を大きくのけぞらせてロックオンの手に出してしまい、
3度目にも関わらず大量の白液が、手のひらからぽたぽたと床に滴った。
微妙に噛みあわないマイスター達が初めてひとつになった瞬間だった。
そのまましばらくは充足感に身を浸し、全員が微動だにせず沈黙した。
やがて刹那が後ろから去り、ロックオンがティエリアのペニスを解放して、
白濁に汚れた自分の手をマフラーで拭った。
ざしゅっとティエリアの腰が折れる。
最後に、アレルヤがティエリアの口中から自身をそろそろと引き抜いた。
ティエリアが力なく倒れこみ、うつ伏せで荒い息を吐き続けている。
3人が、目を見交わす。ようやく戻った理性に、罪悪感と焦燥が加わった。
「おい…。」
ロックオンが、おずおずとティエリアを抱えあげた。
ティエリアはぐったり下を向いてうつむいたままだ。
意識が、ない─?やりすぎたか……?
さすがに心配になった3人が、ティエリアの顔を下から同時に覗き込む。
ティエリアがわずかに口を開いた。
「!!」
その瞬間、「おええぇぇえええ」大きくえづくと、ティエリアは
今日食べて飲んだ全てのものを、三人に頭から思い切りぶちまけてしまった。
まるで放水シャワーのように。
「……。」
頭から洋服全てに盛大にゲロをかぶってしまった三人だが、
それでも彼らは無言のままだった。
辺りに散らばった吐しゃ物に、こぼれたワイン。
床に点々とこびり付く、誰のものかわからない白濁に加え、
性交の痕も生々しい、ほぼ全裸のティエリア。
誰もがこの場を上手く切り抜けることを考えていた。
とりあえずティエリアの心拍数と呼吸を確かめる。
まだ呼気にアルコールの匂いが強く混じってはいたが、
ティエリアは穏やかに眠ってしまったようだ。
三人は急性アル中の可能性がない事を確かめ、ほっと一息入れた。
直後素早く意思確認をすると、スーツの上着でティエリアを覆い隠し、
協力して抱えあげると、スパイよろしく人の気配をうかがいながら、
風呂場に連れて行って、きれいに体を洗ってやった。
ついでに自分達に付いたゲロを洗い流し、白濁がこびり付いた赤いマフラーを
丁寧に洗うと、脱がすときより遥かに苦労してサンタのワンピースを着せ、
後ろにたっぷりついた床のホコリをきれいに払い落とした。
その後、急いでロビーに戻り、無言のまま床を徹底的に拭いた。
今までのミッションで一度も無かったような、見事な連係プレーであった。
─翌朝。ティエリアはいつも通り自室のベッドで目を覚ました。
違う事といえばすでに正午近くになっている事、
昨日のサンタワンピースのままで眠っていた事、それに、マイスター達が
ベッドを取り囲むように突っ伏して寝入っている事ぐらいだった。
「…う…」声を掛けようとしたが、頭がずしんと重く、重苦しいものが
胃から押しあがってくるような、不快感で身悶えた。
服や体から、きついアルコールの匂いが立ち上ってくる。
ベッドが振動して、やがてマイスター達が次々に目を覚ました。
三人はティエリアに目をやると素早く、意味ありげな視線を交わした。
「どうした。」
明らかに良からぬことを企んでいそうな雰囲気の三人を見咎めて、
ティエリアが声を掛けた。
「別に…。」刹那が出来るだけ表情を変えずに呟いた。
「なぜこんな所にいる。」
三人の動揺が、敏感にティエリアに届いた。
無言で目を白黒させている3人を無視し、
ティエリアが昨日のパーティーの事を反芻し始めた。
「スメラギさんにシャンパンを飲まされて…」言葉に出して、確認する。
その後のことは霞がかかった様に、ぼやけたままだった。
「!!」三人が素早くアイコンタクトを取った。
「…。思い出せない…。」そう言って、立ち上がろうとした時、
ティエリアは自分が下着をはいていない事に気付き、狼狽した。
慌ててまわりを見回す。床には赤いマフラーや靴など小物がまとめて置いてある。
マフラーがぐっしょり濡れているのがはっきりわかった。
「あ…」アレルヤがティエリアの視線に気付いて焦った声を出したが、
「昨日、みんなで酒盛りしたんだよ。」と、ありきたりの言い訳をくっちゃべった。
ロックオンがフォローする。
「そうそう!すげえ盛り上がったんだぜ。お前めっちゃ飲んで大変だった…」
「ロックオン!!」余計な事を言うなとばかりに、刹那が口をはさんだ。
「すまん…」すごすごと引き下がるロックオンに、ティエリアは違和感を感じた。
こいつら、何か隠している。
本能的に感じ、パズルを組み立てる様に思考を巡らした。
改めて三人に目をやると、全員濡れたシャツの上、ぷんとすえた匂いが漂っていた。
(酒盛りで記憶喪失…。なぜか脱いでいる下着…。水浸しのマフラー…
濡れたシャツに吐しゃ物の匂い…。)
ティエリアの脳内で、謎が一本の線で繋がった。
(バレたか…!?)
マイスター達が恐怖に引きつった顔つきで、様子を見守った。
「…。」
ティエリアが顔をあげた。
その顔がわずかに赤く染まり、落ち着き無く視線が動いている。
戸惑うマイスター達。
「…昨日の事は、なかった事にして欲しい。」
思いがけなく控えめな言葉に、一瞬耳を疑った彼らだが、すぐにこれぞ
幸運とばかりに色めきたった。
「もちろんだよ。」笑顔のアレルヤ。
「おれ達もハメ外しすぎたし…な!」おおらかに、ロックオン。
「酒の恥は…かき捨てって言うし…。」ほっとする刹那。
「そういう事だ。やはり、アルコールは色々な不便を引き起こす。
今後は控えるようにしなければならない。」
恥ずかしい気持ちが決して外に出ない様に、ティエリアが出来るだけ
抑揚ない調子で宣言した。
「そうだな。ははは。」微妙な空気をロックオンが笑いでごまかし、
部屋にマイスター達の乾いた笑いがこだました。
「あ…!」ロックオンが急に思い出して付け足した。
「暴れるお前を取り押さえるのに、つい打撲傷を負わせちまったかもしんねえ」
服の中を見ると、確かに至る所に内出血のようなものが見えた。
「別に構わない。」ティエリアがつんと顔を上げた。
(良かった…。このまま何事もなかった事にしよう…)
全員が同じ事を考えていた。
しかし、心中穏やかでない三人である。
その後、二日酔い止めシロップやスポーツドリンク、柿など
二日酔いに良さそうなものを入れ替わり立ち代わりしつこく持ち寄って、
気分の悪いティエリアのむなくそをさらに悪くしてしまった。
正午過ぎ、おかゆをすするティエリアを確認して安心した三人が
自室に戻っていき、ようやくティエリアは胸をなでおろした。
(…こんな恥ずかしい思いはもう2度としたくない。
彼らも忘れてくれるといいのだが…。)
ティエリアはベッドに横になり、昨夜の自分の痴態を想像した。
それは、前後不覚になり、ゲロをぶちまけながら失禁する、
情けなく酔っ払った自分の姿だった。
ぶるっと身震いして、頭の中から惨めなイメージを払いのけるべく
努力したティエリアだが、事実がそれ以上のものであった事を知らずにすんだのは、
まさに聖夜の幸福と言って良いかもしれなかった。
<終わり>
最終更新:2008年02月09日 01:11