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「刹那・F・セイエイ」
 ノックもなしに部屋に入って来るなり、ベッドの上にいた俺の上に跨った人物が口を開く。
 その人物――ティエリア・アーデは、はだけたシャツの他には何も身に付けていない。
 いつもより開いた襟元から覗いた胸は白くて、控え目な膨らみが見てとれた。
 意図を図りかねて、その綺麗な顔を見ていると、再びティエリアが口を開いた。
「俺を抱け」

 ――それが、最初の夜に交わされたやりとり(?)だった。


「刹那」
 名を呼ばれて振り返ると、柔らかな感触に唇を塞がれた。
 濃い藤色の髪がふわりと頬をかすめ、微かに甘い匂いが漂う。
 ここはロッカールームで、二人ともまだ着替えを済ませてすらいない。
「部屋に戻るまで待てないのか」
 率直な疑問を口にしただけだったのだが、ティエリアはむ、と拗ねたような顔をした。
「……悪いか。こういうのは我慢するなとヴェーダが……」
 ――一体何を吹き込まれたんだろう……
 見ればその頬には紅みが差し、石榴石の色をした瞳は潤んでいる。
 まあ、元より断るつもりなどない。アレルヤとロックオンは先に着艦していた。既に自室にいるだろう。
 それに――きっかけはどうあれ、憎からず思っていた相手に触れられるのだ。
「別に悪くは……」
 皆まで言い終わらないうちに、これ以上の問答は無用とばかりに、ティエリアは俺の身体を壁に押し付けて再び唇を重ねてきた。

 次第に深くなる接吻の間にも、ティエリアはもどかしそうにパイロットスーツを脱いでいく。
 それに手を貸してやりながら、控え目な胸の膨らみに空いた手を伸ばす。
「ふ、ぅん」
 指に力を込めると、柔らかいながらも確かな弾力が感じられた。
 ティエリアも負けじと俺のスーツの前をはだけ、首筋に唇を落としてくる。擽ったい。
 壁に背中を預けたまま尻餅をつくように座り込むと、ティエリアは待っていたように膝の上に乗り上げてくる。
 俺を組み伏せながら自分でインナーを捲り上げると、小振りな胸と淡い桜色の乳首が現れた。
「この前みたいに、噛んで」
 蕩けるような声で囁かれ、望み通りに目の前の白い胸に吸い付いて、頂に軽く歯を立てる。
「――ッ、ん」
 強く吸い上げてから口を離すと、そこは紅く色付いてぷっくりと腫れていた。
「ふぁっ」
 もう片方の突起に吸い付きながら手を伸ばして下腹部を弄る。
 探り当てた秘処を下着越しになぞると、既にそこは透明な液体でしとどに濡れていた。
「あ、っん」
 股布をずらして指を潜り込ませると、すぐに熱いぬめりに触れた。
「あ、あっ、や」
 下腹の柔毛の感触を愉しみながら、より深く指を沈めて、小さな肉芽を擦ると、ティエリアが高い声を上げて、身悶える。
「せ、つな、も……ぅ」
 切れ切れに先を乞うて、細い指が俺の下肢を這う。
 すっかり勃ちあがったものが服の外に出され、勢い良く上を向いた。
「く……っ」
 ティエリアが自分の入り口に俺を導き、腰を落とそうとして、
「……んっ、ぅ」
 二回ほど、滑って失敗した。
「無茶、するな」
 気遣いの言葉は、却ってティエリアには逆効果だったらしい。
「う、るさい……ッぁ、ぐ――」
 苛立ったように一気に腰を落としてきた。
 一瞬の抵抗の後、熱くて狭い粘膜に包まれるのを感じて、息を呑む。
「――く」
「いッ――つぅ……!!」
 ティエリアが全身を強張らせ、痛みに呻いた。
 ――無理もない、ついこの間まで処女だった癖に無理するからだ。
 血が出なかっただけましな位だろう。
「ぅ……っく……」
 辛そうに眉を寄せ、乱れた呼吸と格闘しながら、それでもティエリアは俺の上から退こうとしなかった。
「はっ……はぁ……っは……」
 ティエリアの呼吸が徐々に落ち着き、表情が緩んできたところで、そろそろ俺の我慢も限界に近付いてきた。
「い、ッ……!!」
 試しに軽く突き上げてやると、歯を食い縛って突然の衝撃に耐える。
「や、あ、ぁッ、んっ」
 そのまま断続的に腰を揺らすと、突っ張っていた両腕がかくん、と力を失ってティエリアの上体が倒れ込んできた。
「急、に……動くな、よ……」
 耳元に弱々しい抗議が届く。
 俺の年齢を考えれば、これでも随分頑張った方だと思うのだが。
「……なら、自分で動けばいい」
 その方が身体への負担も少ないだろうと思ってそう言ったのだが、ティエリアには別の意味に聞こえたらしく、上気した頬がますます紅くなった。
「……ん」
 意を決したように、ティエリアがもぞもぞと動き始める。
 頼りない腰を両腕で支えてやって、あとは好きにさせてやる。
「あ、あん、っ、ぁ」
 程無く、慣れてきたのかその動きが少しずつ大胆なものになってきた。
 繋がった場所から、粘つく水音がする。
 ティエリアが腰を振るのに合わせて下から突き上げると、その度に熱い粘膜が絡み付くように締まる。
 すぐにでも射精したくなるのを堪えて、更に動く。
「あぁ、あ、っ、あぅッ」
 切羽詰まった声を上げながら、ティエリアが俄かに動きを早めた。
 ――まずい。このままだと、中に……
「ティエ、リアっ、ま、」
「ふぁぁっ……ぁんっ……!!」
 何とか引き抜こうと腰を引いた瞬間、腟壁がきゅん、と締まった。

――あ、もう無理。

「え?あッ!!……ぁ……やぁ……」
 注がれた精の熱さに戸惑うような声を上げ、ティエリアが全身を震わせた。


 ……その後、中出しした刹那を散々非難した挙げ句、「ヴェーダに言いつけてやる!」などと口走るティエリアと、
むくれながらも黙って非難を受ける刹那とを、鍵のかかっていなかったロッカールームの扉の陰から星秋子状態で覗いていたスメラギさんが一言、
「それは若さよ……」
 ――と、呟いたとか。
最終更新:2008年03月11日 00:16