「中尉!開放します!!」
部下がスイッチを押し、コンテナハッチがごごごと重い音を響かせて開いていった。
ど───ん!!すぐに、キュリオスが飛行形のまま、不時着気味に飛び込んできて、
煙を上げながら床を滑り、ティエリアの目前で止まった。
キュリオスの機影で視界が遮られ、兵士が消えた。
「すぐに機体確認!!パイロットを確保!!」
ミン中尉の声が、脱力したティエリアの耳に響いてきたが、何も考えられない。
ぎぎぎと機械音が響いた。
「パイロット確認!捕捉します!」部下の声が響く…。
「ぐあああッッ!!」
次の瞬間、ぼきっという殴打音と共に、悲鳴が響き渡った。
「き…貴様!!意識不明では…」
「わざとだよ!!!」
アレルヤの聞きなれた大声が聞えてきて、ティエリアがようやく顔を上げて、
キュリオスの向こうで繰り広げられている光景を音だけで推測した。
どかっどかっ!ばきっ!どさっ…。
殴打音数発の後、人間が次々に倒れこむ音がした。
たたた…すぐに、小走りで誰かが近寄ってくるのがわかる。
キュリオスの影から、アレルヤが慌てた様子で登場した。
「あ…」懐かしい人物の姿に、思わず安心し、目頭が熱くなる。
が、すぐに自分の惨状を思い出し、唇を噛んで、俯いた。
「ティ…」アレルヤが息を呑んで、ティエリアを見上げた。
「これは…ティエリア…」
痛いほどのアレルヤの心情が、空気を震わせるかの様に、即座に伝わってきた。
それが余計にティエリアを惨めな気分にさせて、
「見るな!!」おずおずと近寄ってくるアレルヤに、つい声を荒げてしまった。
「たいした…ことじゃない…。」
強がった言葉の最後の方が、涙声で震えた。
アレルヤが目を伏せて体を震わせている。
仲間を陵辱された悲しみに加え、怒りがふつふつと湧き起こってきた。
「あいつら…!」
アレルヤは兵士を気絶させただけだったが、ティエリアの受けた暴力を目の当たりにして、抑えがきかなくなる。
もっと痛めつけてやる─!
そう思って踵を返しかけたその時、
「お…おい!まず俺をおろせ!!」
ティエリアに呼び止められて、何とか理性を保った。
「う…うん分かったよ。」
アレルヤが出来るだけ視線をそらしたまま、急いでティエリアに近づき、背後に回った。
前だけではなく背中にも、白濁がべっとりとついているのを見て、悔しさに涙が溢れる。
「ごめん…ティエリア。遅くなって…。あいつらすごく手強くて…」
「……。仕方ない…鹵獲されてしまった俺が悪い…。」
二人で、しばしがっくりとうなだれた。アレルヤが、何とか明るい調子で声を掛けた。
「早くここを出よう。中から攻撃すれば、このくらいのコンテナは容易に突破できる。
向こうのMS隊はガタガタだ。
ロックオンたちの後方支援を受ければ、なんとかなると思う。」
アレルヤの言葉に活路を見出し、力強く頷いた。
アレルヤが早速ティエリアのロープを外すべく、手を掛けた。
「ぐ…ッ…!!」一瞬、アレルヤの脳に電流が走り、体の自由が利かなくなった。
(ま…また…?)
また、ハレルヤが出てしまうのか…!?急がないと…!!
必死でロープに手を掛けたが、体が震えてどうにも力が入らない。あの感覚が、激しくなってきた。
「ぐうあああああ!!」
大きく声を上げて床に落ち、突っ伏した。
「アレルヤ…?アレルヤ…!!」ティエリアが必死で呼びかける。
「へっ。何だよあの女…。起きちまったのか?」
ゆっくりと顔を上げ、ハレルヤが、覚醒した。
「フン…」
すぐに目前に縛り上げられているティエリアの後姿をじっくり観察し、残酷な好奇に目がギラついた。
「知ってるぜ?お前…。あいつの仲間なんだろ?」
「アレル…」
「違うな。あいつじゃねえ。」
ハレルヤが冷たく突き放して、ティエリアの正面にまわり、じっと顔を見つめる。
ティエリアは一目でそれがいつものアレルヤでない事を感じた。
ハレルヤの視線が、ミン中尉の白濁に覆われた浅い顔傷に止まった。
にやりと嫌な笑みを浮かべる。そのまま、正中線を通る切り傷を見下ろしていった。
「くっ…」腹の白濁を通り過ぎ、視線がまだ勃起したままの自身に辿り着くのを感じ、
ティエリアは羞恥に目を閉じた。
「へへっ。笑えるぜこりゃあ…。男のくせに男にやられて、ぶっ掛けられた挙句に
おったててんのか?とんだ変態だよなあ…」
ハレルヤの嘲笑が閉じた目の奥に、痛々しく響く。顔から血の気が引いた。
「う…うるさい…!早く降ろせ…!!」
「ん─…。ダメ…だな。」
「な!?」
「こんな面白い事、やり過ごせるかよ?そうだろ?ほれ」
「ああ…ッ!」
ハレルヤが太ももで、ティエリアのペニスを刺激した。
すでに兵士によって発射直前にまで高められていたため、すぐにでも達しそうになる。
「くははは!気持ちいいかよ?あいつのお仲間がこんなど変態だとはなあ!!」
ハレルヤが太ももを擦りつけ、さらに上下に動かした。
「あ…ッ…あああ…っっ!!」
ティエリアが数回のハレルヤの往復で、簡単に達してしまった。
白濁が宙に大きく飛び散り、ハレルヤが嫌悪の表情でそれを避けた。
「きったねえ!俺はお前と違ってんな趣味ねえんだよ!!」
軽く頬を張ったが、まだ乾いていないミン中尉の、顔に出した白濁が、ぴしゅっと自分の顔を掠めて飛び、
ハレルヤはさらに嫌悪に顔を歪めた。
「うわ気持ちわりい…。それ誰のだよ?」
心底の軽蔑の念をこめて、ティエリアの顔を食い入るように眺める。
「く…うぅ……」遂にティエリアが感情の発露を抑えきれなくなり、恥辱で泣き出した。
ハレルヤが特に気を咎めるでもない表情のまま、再び背後に回った。
ティエリアの震える体を無視して、下方に移動し、後孔を覗き込む。
「おわ…すげえぞ…随分やりまくられたんだな?血、出てるぜ?」
ハレルヤが薄ら笑いを浮かべて、楽しそうに双丘をこじ開け、手袋の親指で後孔をつついた。鋭い痛みが走る。
「ガバガバなんじゃねえの?中まで見えそうだぜ?
ていうか、随分濡れてねえか?女じゃあるまいし…」
ティエリアの中心から後孔にかけての不審な潤いに気付き、
ハレルヤがさらに下方に移動し、正面にまわった。
そのまま、大きく開かされたティエリアの足の間を、真下から覗き込む。
「やめろ…見るなアレルヤ…!見ないで…」
ティエリアが必死で頼んだ。
いつもとは様子が違っていても、良く知った仲間にだけは見られたくない。
しかしハレルヤは無情にも無視した。
「……なんだこりゃあ…。」無遠慮に間近からそこを眺め、すぐに理解した。
「な~るほど…。どっこもやる事は同じだなあ…。
お前も俺と同じ、あちこち弄くりまわされて造られた化けもんってわけか…。」
「ううう……ヴェ…」
悔しさがこみ上げ、しとどに濡れた睫を震わした。涙が宙を静かに漂う。
ハレルヤはそんな様子を見ても、まるで同情心など持ち合わせていないかのように、
にたりと笑った。
「あの兵士ども、これで欲情しちまったってわけか?化けもんなのになぁ…。
あいつらの形がこんな丸分かりになるほど、突かれたって事か、こりゃ。」
ハレルヤが下からティエリアの泣き顔を見上げ、いやらしい笑いを浮かべる。
「しかし、いやいやだってわけでも無かったみたいだな?随分…濡れてるもんな。」
「くっ…」
ティエリアが顔を反らして、言葉への反抗を試みたが、不意に与えられた
熱い感触で体が跳ね上がった。ロープがギリギリと食い込んでくる。
「やあああッ…!!」
真下に目をやる。
ハレルヤが大きく開いた自分の足の真ん中に顔を埋め、ぴちゃぴちゃと舌を遣っていた。
穴の中まで割入ってくるような強引な舌使いだったが、ティエリアの体は敏感に反応した。再び液が満ちてくるのがわかった。
「あ…あ…あ…」
ハレルヤの舌が割れ目を前後し、往復の度に段々と体が火照るのを止められない。
「やっぱりな…。ちょっと舐めただけでこんなんかよ?
さぞかしあいつらいい目見たんだろうな?」ハレルヤが舌を止めて低い声で囁いた。
ティエリアの体液で口周りがべとべとに濡れている。
「ちが…!ひゃやああ!!」
べろんと、舐めあげられて思わず腰が前後した。
「違わねえよ。ちゃんと、女の味だぜ?あいつの仲間、みんな知ってんのかなぁ?
お前がこんなスケベ野郎だって事をよ…」
ハレルヤが舌を尖らせると、穴の中に強引に挿し入れていった。
粘膜を舐めとるように、熱く柔らかい舌が侵入していく。
「くううう!」
ティエリアが、体内に沸き起こった快感に身をよじった。
そのまま中を舐め回されて、淫らな声が出っ放しになる。
ハレルヤがびちゃびちゃ大きな音をさせながら中を蹂躙した。
「う…うう…ああ…やあああ!!」
兵士によって火を点けられていた体が、ハレルヤの舌に簡単に反応して、
ティエリアが再びあっけなく絶頂を迎えた。
がくんと力が抜ける。
救助に来たはずの仲間に犯される惨めさから逃れるように、思考が完全に停止した。
ハレルヤが上に飛びあがり、ティエリアと同じ位置に浮かんだ。
そのまま正面からじっくりと、果てた直後の艶かしい表情を満足げに眺める。
「う…っ」ハレルヤの腰がぐいっと押し出され、ティエリアの股間に押し当てられた。
パイスー越しに、大きく勃ちあがったものの感触がはっきりわかる。
「欲しいだろ?どうだよ?」
ハレルヤの問いには答えず、呆然とその狂気漂う目を見た。
目が合った瞬間、ハレルヤの視線が切なげに揺らめいたのが分かった。
<ハレルヤ…だめだ…!ハレルヤ…!!>
「ああん?いいとこなのに邪魔すんな。アレルヤ…!」
アレルヤの意識がどんどん強まってくる。
「女がまた失神しやがったか?く…」
腰を押し付けたままハレルヤがうめいた。
<やめろ!!>
「ぐああ!!」ハレルヤが大きく悲鳴を上げ、ティエリアを睨み付けた。
「お前とのお楽しみはまた今度だ…!必ずやってやるから楽しみにしてろ!!」
そう喚くと、がくりと頭を垂れた。
「あ…アレル…ヤ?」ぼーっとした頭のまま、ティエリアがどうにか声を掛ける。
「ティエリア…」顔を上げた男は、いつものアレルヤだった。
アレルヤは一瞬涙目になり肩を震わしたが、すぐに身を奮い立たせ、ティエリアの背後に回った。
「ごめんティエリア…!説明は後で必ずするから…!!」
即座にロープを外す。
ようやく解放されたティエリアが、脱力して床に落ちていくのを、両手で抱きとめた。
四肢に痛々しい擦傷が出来、血が滲んでいるのが確認できた。
「ティエリア、傷の手当ては後だ。今はここを脱出し、戦闘を終了させなければいけない。
出来るかい…?」
「く…!問題ない…!」
心配そうに訊くその腕を振り払って、ティエリアが力を振り絞って答えた。
すぐに倒れている兵士のスーツを奪い身につけ、顔にこびり付いた白濁だけを拭き取った。
体じゅうが痛んだが、心の痛みに比肩など出来なかった。
ヴァーチェの縛鎖を素早くカッターで切り離し、慣れたコックピットに乗り込んだ。
「ヴァーチェ、起動する。」
すぐにヴァーチェとキュリオスを起動し、コンテナハッチをぶち破った。
「くそ…!捕捉失敗したか!」
セルゲイが宇宙空間に踊り出た2機のガンダムを目にし、作戦の失敗を思い知った。
一度意識を戻したピーリス少尉は、再び失神し、彼女のMSは使い物にならなかった。
「ティエリア!僕はティエレンをやる!!」
キュリオスがセルゲイたちに攻撃を仕掛けるのを確認し、ティエリアはGNバズーカを構えた。
輸送艦に照準を合わせる。陵辱を受けた艦の機影に、押さえ切れない憎しみが溢れた。
「──目標を消滅させる!!」
どおおんん!!バズーカが発射され、輸送艦コンテナを激しい熱で溶解していった。
中の兵士ごと輸送艦が形を無くしていくのを、唇を噛んで見つめた。
やがてわずかな破片のみをが残し、輸送艦が跡形も無く消え去った。
即座に踵を返したティエリアが、雑念を振り払うようにヴァーチェを駆り、
セルゲイたちに照準を合わせる。
「く…ミン中尉…!!撤退…撤退だ!!」
セルゲイが必死でタオツーを抱え、退避行動に出た。
背後からのキュリオスの砲撃をなんとかかわし、そのまま全速で離脱にかかる。
「ティエリア!ここまでだ…!トレミーの救援を…」アレルヤから通信が入る。
「……黙れ!!」
ティエリアが遠ざかるティエレンの後姿に容赦なくバズーカを発射した。
閃光が真っ暗な宇宙空間を鮮やかに切り裂き、ティエレンの背後に迫った。
「ぐあっ!!」セルゲイが必死で回避する。
バズーカがティエレンの両足をもぎ取り、さらにその先にいたMSを消し去った。
「おのれ…おのれぇ…!!覚えていろガンダム…!!!」
セルゲイがタオツーを抱きかかえ、よたよたと不規則に飛行しながらも、
なんとか母艦に着艦し、そのまま全速力で離脱していった。
「終わった…ティ…」
「敵機撤退確認。戦闘終了。プトレマイオスに帰艦する。」
アレルヤの通信を完全に無視して、ティエリアが進路を取り、瞬時に飛び去った。
ガンダムが全て無事に着艦したその後、トレミークルーは重苦しい
スタッフミーティングに就き、反省点を検討した。全員が、極度に疲弊していた。
ミーティングが終わり、それぞれが疲れた体と精神を癒すべく、ベッドルームに直行した。
余計な事を話す人間は誰もいなかった。
ティエリアはひとりシャワールームに向かい、穢れた体を徹底的に洗った。
四肢の傷と体に付けられた刃傷が湯に染み、タオルで擦る度に
鋭い痛みが走ったが、何度も何度もごしごしと洗い続けた。
ティエリアはベッドの中で、時間が経つほどに鮮明に身を焼きつくすような、
惨めな記憶に打ちひしがれていた。どんなに我慢しても涙が溢れ、嗚咽を抑える事が出来ない。
そのまま何十分も毛布に包まって泣き続け、やがて子供のように泣きながら寝入ってしまった。
「──?」ふと、毛布をはがされる感触で目を覚ました。
ベッドの傍に立っているのはアレルヤだ。
「…。」つんと、寝返りをうち背中を向けて毛布に包まり直した。
アレルヤの戸惑いが、空気を伝ってティエリアに届くのを、完全に無視した。
「……ごめん。」しばらくの沈黙の後、アレルヤが後ろから遂に重い口を開いた。
「さっきの事…」
「眠っている。邪魔をするな。さっさと出て行け。」わざと冷たく突き放す。
「……。謝っても、謝りきれないと思う。でも…僕は…」
アレルヤが涙ぐんだ。
「彼の…言った事、本当なんだ。僕は…僕こそ、化け物だ…」
ティエリアがぴくんと聞き耳を立てる。
少し様子が変わったのを感じ、アレルヤがそろそろとティエリアの片手を取った。
「やっぱり…手当てしてないんだね…。」手首の痛々しい傷を、そっと撫で、
持ってきた救急セットから塗り薬を取り出し、優しく塗布する。
「う…」ティエリアが疼く傷跡に小さくうめいた。
「大丈夫。これ位なら、すぐ治るよ」
アレルヤが優しく声を掛け、ガーゼを当て包帯を手首に巻いた後、他の四肢の傷を治療していく。
抵抗する気も失せ、ティエリアはそっぽを向いたまま黙って、されるがままになった。
やがて、アレルヤが顔の切り傷にそっと手を這わし、薬を塗りこんだ。
「良かった…。傷は残らないと思う。」
「……。」そのまま、仰向けに体を向かされ、パジャマのボタンを外されかけた。
【必ずやってやるから楽しみにしてろ!!】
ハレルヤの声が脳裏に蘇って、急に体が震え出し、ティエリアがベッド後方に飛び上がって逃げた。
震えが止まらず歯がカチカチと触れ合う。
「あ…」アレルヤがこれ以上ないというほどの悲しい表情を浮かべた。
「ごめん…ごめんティエリア…。僕は…僕は…」
アレルヤが薬を持ったまま、ベッドに上がりおずおずと近寄っていった。
「く…来るな……!!」
パニック状態で身をよじり、大声を出そうとするティエリアを必死で抱き締める。
「や…よせ!!触るな!!」
首を激しく振って抵抗するティエリアを、力一杯抱き締めた。
「う…うあ…あ…」そのまま数分、抱き締め続け、ようやくティエリアが落ち着いてきた。
「ティエリア…。落ち着いて聞いて。さっきのあれ…あれは、僕じゃない。
いや、僕なんだけど…。上手く説明できないけど、僕は…多分…彼の言ったとおり、
不完全な化け物だ…」強く抱き締めたまま、静かに囁いた。
「うう…」
「だから、僕はあの国の、あの研究所に行こうと思う。明日、スメラギさんに提案するよ。
僕は…過去に決別し、マイスターにふさわしい人間になる。だから、ごめん…。
謝っても、許してもらえないと思うけど…。」
アレルヤの震える腕に優しく抱き締められて、何故か心が安らいでいくのを感じた。
「……俺は…。あの…事…は…」
「大丈夫。絶対に誰にも言わないよ。それに、君の嫌がる事も絶対にするつもりはない。
…僕も君も…何ていうか……僕達、もっと強くならなければいけない…。
君は僕より強いけど…でも、そう思うんだ」
アレルヤの言いたい事が、ぐさりとティエリアの胸に突き刺さり、
殴ってやりたい気持ちも薄れて感情が爆発した。
そのままアレルヤの胸に顔を埋めて、大声で泣いた。アレルヤのシャツが涙でぐっしょり濡れていく。
「ティエリア…」
アレルヤがティエリアをそっと覗き込み、濡れた睫に優しく唇を落とした。
慈愛に満ちた庇護の優しさを感じ、ティエリアはアレルヤの鼓動を聞きながら、
黙って涙を流し続けた。
「傷の手当て…、させて…。」
アレルヤが優しく抱き締めた後、今度は頬にそっとキスをして、ティエリアをベッドに
横たえ、正中に付けられた傷跡に丁寧に薬を塗りこんでいった。
その後ティエリアのパジャマを直し、二人で毛布に包まり、当然のように抱き合った。
後は一言も言葉を交わさず、お互いの体温を確かめるように寄り添い、
二人で思う存分涙を流し、感情に整理をつけていった。
しゃくりあげるティエリアの髪を、アレルヤが優しく撫でる。
やがて疲れた体が穏やかに眠気を誘い、二人はそのまま深い眠りに落ちていった。
<終わり>
最終更新:2008年03月11日 00:44