「「「A happy new year!!」」」
戦時とは思えぬ陽気な声が響きます。
ここは新年を迎えたプトレマイオス。
こんな状況でも、せめて雰囲気だけでも新年らしく、というスメラギさんの立案で、
女性クルーは全員色とりどりの振袖に身を包んでいました。
その眺めは壮観の一言。
――おっと、写真撮影は御遠慮下さいね。
そんな中、とびきりの美貌を不満そうに曇らせて溜め息をつく少女が一人。
「なんで俺まで……」
女性クルー達に混ざって、半強制的に淡いピンクの振袖を着せられているティエリアがぼやきます。
普段から女の子らしい服装を嫌う彼女は、本来ならば振袖を着ることを"慎んで辞退"していたでしょう。
しかし、『ヴェーダも推奨している』と言われれば、従うより他ないのが辛いところです。
「い~いじゃないのぉ~、似合ってるわよ~?」
そのけしからん乳を窮屈そうに真っ赤な振袖に包んで、
既にいい感じに出来上がっているスメラギさんがじゃれつきますが、ティエリアは邪険に振り払います。
「……いけず」
ぶーたれる戦術予報士を尻目に自室に戻ろうとするティエリアの前に、小柄な人物が立ち塞がりました。
「ガンダムだ……俺がガンダムだ」
これっぱかしも脈絡のない科白を吐くその人物が、仏頂面ながらも不穏なオーラを放っているのは誰が見ても明白です。
「何か用……っ!?」
皆まで言い終わらないうちに、立ち塞がった人物――刹那は、無言でティエリアの身体をひょいと抱えあげます。
そして、呆気にとられた一同を置いてさっさとその場を離脱。
文字通り、『お持ち帰りぃ☆』といったところでしょうか。
止める者あらば光の速さの(せ)つなぱんで悉く星にされそうな勢いです。
「……あの、いいんですか?」
黄緑色の振袖を着たクリスの問いに、スメラギさんはひらひらと手を振って応じます。
「いいんじゃない?さぁ、食堂に行きましょ。今日は呑むわよ~!!」
「いつも呑んでる……」
水色の振袖姿のフェルトがそう呟きましたが、スメラギさんは聞こえない振りをしました。
「……いい加減に、離せっ!!」
やっと思考停止から回復したティエリアが、抗議の声を上げてじたばたと暴れます。
……が。
「暴れると見えるぞ」
刹那のその一言で、ティエリアの身体はぴたりと静止してしまいます。
――こ、こいつ……!!何故俺が下着を着けてないことを知っている!?
「隣に住んでる奴がそう言ってた。着物を着るときは下着を着けないものだ、と」
ティエリアの脳内モノローグに刹那が答えます。
……って何で聞こえてんですかアンタ。
そうこうしてる間に、二人は刹那の自室に到着しました。
「ファーストフェイズ終了。セカンドフェイズに移行する」
ティエリアをベッドに降ろし、扉をしっかりとロックした刹那がひとりごちます。
「……何をするつもりだ」
ティエリアが怖い目で睨んできますが、刹那は涼しい顔で右から左へ受け流します。
「新年には『姫始め』するものだと聞いた」
刹那の目は真剣そのものです。
眉間を押さえつつ、その知識をどこで仕入れたのかとティエリアは尋ねます。
はたして、刹那の口からは、酔っ払ったおっぱい予報士に絡まれた際に聞いたという答えが返ってくるのでした。
――幼気な青少年に何吹き込んでんだとか、セクハラだろ常考とか、それはさておき。
「……意味が解らない」
万感込めてそう呟いて、ティエリアはぷい、とそっぽを向きますが、
刹那は強引に自分の方を向かせて目線を合わせます。
「……」
「……」
暫く続く無言の睨めっこ。
「……ぅ」
――先に折れたのは、ティエリアでした。
「……わかったよ」
耳まで紅潮して、聞こえないくらいの小さな声でそう言うのがやっとです。
――恐るべし、主人公の眼力。
「……いいのか」
そう言いつつも、自分をベッドに押し倒しにかかる刹那の首に腕を回して、ティエリアは返事の代わりにキスで応えました。
――
「ん、ん……ふぁ」
杲々と灯りの点いた室内に、くぐもった喘ぎが密やかに洩れていく。
着物の胸元をはだけ、露になった胸の頂に、刹那が赤ん坊のように吸い付いていた。
擽ったい中にも、時折明確な快感が奔って、徐々に思考に霞がかかる。
「……ッあ」
空いたもう片方の胸の頂を指で摘まれて、身体がぴくん、と小さく跳ねた。
その反応に気を良くしたのか、刹那は更に執拗に、舌と唇と指で俺の胸を弄ぶ。
「ぁ、あっ、や……!!」
与えられる刺激に反応して、紅く腫れあがった乳首に歯を当てられ、俺は全身を強張らせてシーツを握り締めた。
「さ……きか、らっ、むね、ばっかり……ッ!!」
大きさに対するコンプレックスと気恥ずかしさに起因する抗議は、しかし刹那には別の意味に取れたようで。
「……我慢、できない?」
「――ッ」
ゆっくりと胸から脇腹、腰のラインを辿って降りてきた手が下腹部に触れて、俺は漸くそこが酷く疼いていたことを認識した。
「ぁん……ッ!!」
皺になるのも構わず、着物の上からそこに指が食い込む。
急に襲った強い感覚に一瞬、意識が飛びかけた。
――しかし、ぐったりとシーツに身を預けた俺の上から、刹那はあっさりと身を引いた。
「……?」
息を弾ませたまま、訝し気な視線を向ける俺に、刹那はサイドテーブルから取り上げた瓶を見せる。
「……なに、それ」
「オレンジジュース」
――いや、それは分かるけど。
喉でも渇いたのかと思いながら起き上がると、近付いてきた刹那が、やおら振袖の裾を乱しにかかった。
「や、ちょ、ちょっと……」
慌てる俺に構わず、刹那は手際よく着物を捲り上げ、下肢を露出させる。
ついでに訳も分からず正座させられて、両脚をぴっちりと閉じ合わされて。
そうして出来た三角形の窪みに、刹那は酒でも注ぐように手の中の瓶を傾けた。
「ひゃ……っ」
常温とはいえ、体温よりは確実に冷たい液体の感触に、火照った肌が粟立つ。
太腿の間に溜った掌大ほどの液体に、刹那が顔を近付けて、猫がミルクを飲むように舐め始めた。
ぴちゃ、ぴちゃと水の跳ねる音に合わせて、肌の上をざらつく舌が滑る。
「……普通に飲め、この変態。――んぅっ」
照れ隠しに毒付くと、刹那の舌が脚の間に入り込んで、熱を持った秘裂を這った。
「……すっぱい」
「莫迦。……ぅわ!?」
急に視界が反転し、天井を見上げる形になる。
腰を持ち上げられ、脚を大きく広げられた。
無防備に晒された場所に刹那の視線を痛いほど感じて、羞恥に身体の奥が熱くなる。
二本の指が、閉じた秘唇を押し開いて。
にちゃり、といやらしい音とともに拓かれたそこに、液体が注がれる。
「やぁ……ぁんっ」
わざとらしく音をたてて啜り、小さな肉のとがりを歯で押し潰す。
刹那が舌を動かす度に、背筋を電流のようなものが奔った。
なくなっては注ぎ、また舐め啜る。
「あ、ぁくっ、……はぅっ」
――幾度か繰り返すうちに、瓶の中のジュースは空になった。
空き瓶を行儀悪くベッドの隅に放り投げ、刹那はいそいそと服を脱ぎ始める。
やっとのことで恥ずかしい体勢から解放された俺は、
乱れた呼吸と格闘しながら見るともなしにその様子を眺めていた。
――やがて、ポケットをまさぐっていた手が小さな袋を引っ張り出す。
「……」
ちら、ともの言いたげにこちらに顔を向ける刹那と、目が合った。
「……何」
「……見られると、やりにくい」
一瞬の間のあと、ぼそりと呟く。頬が少し、紅い。
……先刻まで自分を好き勝手にしていた奴の科白とは、到底思えない。否、思ってやるもんか。
「……お返し」
「え」
「俺の方がよほど恥ずかしい思いをしたんだ、これくらいで済んで有り難いと思え」
そう言ってやると、刹那はむぅ、と口籠った。自覚はあるらしい。
――というわけで、刹那が終始居心地悪そうにそれを装着し終わるのを見守ってやった。
やがて、準備の整った刹那が、些か乱暴にのしかかってくる。
膝を立てて受け入れる体勢を取ると、刹那の先端が入口を探り当て、そのまま押し入ってきた。
「くぅうぅっ、ッん!!」
待ちわびた充足感に、自然と腰が浮いて、より深い繋がりを求める。
一息に奥まで貫いて、間発入れずに激しく抽挿を開始する刹那の背にしがみついて、俺は理性を手放した。
――
――一方、食堂では宴もたけなわ。
いつまでたっても姿を現さない若人約2名が、揃って普段着でやって来たら、
皆で(・∀・)ニヤニヤしてやろうという画策がなされていましたが、当の本人達はそんなことは露知らず。
――それでいいのかソレスタルビーイング。
最終更新:2008年03月11日 01:05