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趣味の話


3日目

黒田君が私の部屋に来てくれている。
目の前の黒田君はずっともじもじして、黙り込んだままだった。
私も何か言いたいのだけど、気の利いた言葉が一つも思い浮かばない。

「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」

(沈黙が重いよ……)

分岐

→話しかける(好感度up)
何か話さなきゃ。
せっかく来てくれたのに、このままじゃ黒田君に申し訳ない。

(勇気を出して……勇気を出して)

「「あっ、あのっ!」」

不意に、黒田君と私の声が重なる。
お互いびっくりして顔を見合わせた。
そしてまた、私達はうつむく。

「あ、あの、黒田君からどうぞ……」
「ぼ、僕の話なんてどうでもいい事なんだ。だから、喪女さんからどうぞ」

→話しかけない(好感度down)
「……………」
「……………」
「あっ、あの……今日はいい天気ですね」
「……うん。そ、そうだね」

分岐戻る
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」

この前はまだ話が出来たのに、今日はさっぱり話すことが出来なかった。

6日目

最初に来てくれた日が一番自然に話が出来ていた気がする。
また私のために黒田君が来てくれているのに、ほとんど話せずにいた。

(話さなきゃ。少しでも話さなきゃ……)

黒田君は髪の隙間から、私を見ているようだ。
私は視線を感じて、さらに焦りながら話題を探す。
すると、さっきまで黙っていた黒田君が顔を上げた。

「あの、喪女さん」
「な、何……」
「何度もしつこく訪れてすいません。迷惑ですよね」
「め、迷惑なんて……」
「いいんです。実は僕、担任の先生に言われてここまで来ています」
「……うん」
「悪く言ってしまえば、先生の差し金でここまで来ているんです」
「知ってるよ。私を説得しに来てくれてるんだよね……」
「知ってたんですか……?」
「うん。先生から連絡あったから……」
「そ、そうですよね。連絡くらいありますよね」

黒田君はまたうつむいてしまった。
そしてしばらくすると、また黒田君は顔を上げた。

「あの、喪女さん」
「な、何かな……」
「おこがましいかましれませんが、僕、少しだけ喪女さんの気持ちが分る気がするんです」
「私の気持ち……?」
「はい。だから僕は無理に説得したり、強引に連れ出したりしたくないと思っています」
「うん……」
「もし、迷惑でなければまた来てもいいですか?」
「も、もちろん……!」

思わず大声になってしまった。
それがすごく恥ずかしくて、顔が自然と火照ってしまう。

「で、では。また来ますのでよろしくお願いします」
「うん、こちらこそよろしくお願いします」

私達はオモチャにある水飲み鳥のように、深々と頭を下げ合った。


「あ、あのね。黒田君」

部屋に入ってきた黒田君に、私はすぐ話しかけた。

「はい、何でしょうか?」

私から話した事が珍しかったのか、黒田君は少しだけ面食らっている。

「あのね。最近、私ずっと考えていたんだけど……」
「はい」
「黒田君が最初に来てくれた時、私、一番自然に話せてた気がするんだ」
「はい……」
「でね、話下手な私が結構自然に話せていたのは……お互い同じ趣味だって分ったからだよね」

そういえば黒田君の趣味って何だったっけ?
分岐
切手集め
読書
ハッキング

→読書以外(好感度down)
「お互い○○好きじゃない?」
「あ、あの……」
「だから、もっとそういう話が出来たらいいなって……」
「す、すいません。僕は○○っていう趣味ではなく、読書が趣味です」

(ま、間違えた! )

「そ、そうだよね。読書が趣味だったよね」
「……………」
「だ、だからね。もっと本の話が出来たらいいなって思っていたんだ」

→読書(好感度up)
「お互い、読書好きじゃない?」
「はい、そうですね」
「だから、もっとそういう話が出来たらいいなって……」

共通
「はい。僕も……本の話ができたら、すごく嬉しいです」
「ほ、本当?」
「実は僕も本の話ができたらいいと思っていたんです。けど、喪女さんが嫌だったらどうしようって……」
「わ、私も黒田君が嫌だったらって……ずっと迷ってたんだ」
「す、すいません……」
「ううん、私こそごめんね」
「では今度、僕のお勧めの本を持ってきてもいいですか?」
「うん。ありがとう」
「もしよければ、喪女さんのお勧めの本も教えてください」
「うん。用意しておくよ

一週間以上経って、ようやく私達は笑いあう事ができた。

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最終更新:2009年09月08日 02:46