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外出イベント


夕焼けに染まった道、何処か遠くに子供達のはしゃぐ声が聞こえる
前を歩く背中を見ながら、どこか懐かしさを感じた
そうだ、あの頃よく見た背中だ……いつも前を歩いていたっけ

(小さい頃は……よく、こんな夕焼け空になるまで遊んだなぁ)

足元から伸びる影が、長く、高く、そっと揺れている
二人とも、あの頃とは身長も、外見も変った

「おい、トロトロすんなよ……あー…無理なら言え、単なる散歩だからな」

彼は見た目が派手になった、だけど本質的なとこは変っていない
不器用で口が悪いけど、何時もこっちの事を気にしてた、何処にでも一緒に行った

「大丈夫だよ……神社、久しぶりだなぁ」
「かわんねーよ、相変わらずボロイ……まあ、木が多いから涼しくて良いけどな」

「散歩にでも行くか」今日彼の口からこぼれたのはそんな言葉だった
彼が部屋に来るようになってから、もう随分たっている、身だしなみも、私服もそれなりに変った
その時はいつか来るだろう、いつか己を守る場所から出てみなきゃいけないだろう
彼のおかげで、私の心の錘が軽くなるごとに、予感していた、酷く恐ろしく思える行動だった

彼の背中を追いかけて、足を動かした……怖くて堪らなかった境界線は思いのほか軽く超え
いま、あの頃のように夕焼けに染まる道を二人で歩いている

「……あそこで、まだ昼寝してるんだ」
「あぁ?……まあ、涼しいからな、人もあんまこねぇしよ、あの時だってお前くらいだろ来たの」
「おばさんに呼んできてってよく言われてたもん……結局、一緒に寝ちゃってたけど」
「んで、夜になって、お前俺の背中にくっついて帰ったっけ……あの時から手間かかってたな」

結局、俺がいないとだめなんじゃねーか?そうからかうように言って彼は笑う
暗闇におびえた私を、彼自身も震えながら背中に庇ってくれ、夜道を帰ったあの時を思い出す

小高い丘にある、鎮守の森に囲まれた小さな神社
ちょっと苔むした石段はあの頃から変らない、少しだけ小さく感じるのは私達が大きくなったから
トントントンとなれたように上がる彼、長い石段を上がりきると赤い鳥居に、二匹の狛犬
石畳を進んですぐにある、鈴の付いた神様の家、いつ見ても留守だと二人で首を傾げたりもした
神様がちゃんと暮らしているって信じていたあの頃、きっといつかは会えると思っていた

「驚くほど能天気なガキだったけどよ……あん時スゲェ楽しかった、今もお前と話すと楽しい」
「……ありがとう、そういってくれると嬉しいよ」
「気休めじゃねぇよ……お前といると、その、アレだ……なっなんでもねぇ!!」

彼は言葉を濁すと、どさりと乱暴に軒下に腰を下ろした、その隣を指差され大人しく座る
そこからは丁度、町が見下ろせた、木々の合間から沈む夕日を二人で眺め続けた。

夜の闇が降り、街頭に照らされた帰り道、昔のように背中に縋り付きはしないけど
いつもより二人の間の距離が近く感じる……街灯に照らされた影は、そっと仲良く伸びていた。

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最終更新:2009年09月08日 03:00