二つ名:視の魔王
名前:----/????
詳細:
千里眼の持ち主で、額にある瞳で魔界だけではなく、聖界まで見渡せてしまう。
千里眼で旅行したつもりになるのが最近のブームだが、その分運動不足になってしまって悩んでいる。
※#ムゲンWARS魔界学会(魔界学研究発表会)などから来た人は、最後の「各規約」を特に参照して下さい。
視の魔王はですね
基本的には魔界の視の世界といわれる地域に過ごしていましてぇ
若干ゃ目が、多いので、色んなところを、視られるように
視の魔王のあの、第三の眼があって… あと魔力も!高いので、たくさん…魔法を…使えるように
千里眼…ですかねぇ…(公式)
どこでもパッ と視られるっ魔王でして
けっこう活動的ではないので普段は…自分のおうちでゆっくり
しててくれますのん
(まかいがくけんきゅうきかんしのせかいしぶ ごっとはるとおにいさん)
一人称は私、二人称はあなた。勇者にはたまに君。
おっとり電波系、どっしり構えたニート系魔王。性別はない。
普段は人間の頭と胴に、猛禽類の脚のような手足という姿をとっており、
更にそれを腕部分が翼のようになった上着を羽織ることで隠している。
体毛の色や体温などは周囲の環境によって変化し、自身に溜め込んだ魔力によっても変化があるとか。
身長は152cm、伸び立って最大165cm。
実体を持つ霧のようなものを纏い、その幻術で195~210cmほどに見せている。
低いと言われると怒る。
内臓などの関係で元の体重がマイナス値であり、一定の気温高度まで浮く。
温泉に浸かる等して体温が上がると身体の一部が蒸発し、空まで浮いていってしまうことも。
真の名は持たない、と本人は認識しており、視の魔王が知り得ない根本的な情報は住民の誰も知らない。
他ならぬ「視の魔王」である。
「視」という字は生まれたときから頭の中にこびりついていたワードらしく、
他の魔王という存在と区別をつけるための記号として使用しているつもりのようだ。
人間に化ける際は本来の身長、魔力は一応隠しているが、一応にすぎない。
ヘアバンドで第三の眼を隠している。
千里眼は第三の眼を隠していても問題無く使える。
実は翼でなく持ち前の飛行能力で飛んでいる。
当然ながら羽音はしないが、翼を使って飛んでいるように見せかけているときも羽音はない。
主食は肉だが自分から進んで狩りをすることは少ない。
羽毛のように見えるものも、模倣や再現に過ぎず、触れた感触は雲かクッションを触るのに近い。
楽しいことに積極的で、そのためなら魔王を裏切ることも勇者と手を組むことも厭わない。
千里眼を使用して世界を視、弱っている国を見かけたら最適な魔王に連絡して潰してもらうという情報戦が主な戦術。
情報提供の見返りに何かを求めることが主な収入源。
しかし、実際には絶好調な国のことを弱っていると嘘を吐き、返り討ちに遭った魔王を自分の国が仕留めるというPvP型でもある。
よって視の魔王自体の信用は魔界でも低く、連携がとれきれていない為聖界への被害率は少ない。
鳥の魔王の眷属をペットとして飼い、溺愛している。
これが唯一の致命的な弱点になりうるが、こちらを攻撃するのは視の魔王を倒すより難しい。
ひとたび手を出されれば、いきなり最終形態で襲いかかる。
逆手に取れば、ペットを攻撃すれば視の魔王の理性を奪うということであり、
万全な対策をしていれば勝ったも同然。
基本的に盲目の者に対して理解がなかったり、視えないものは認識しない、信じないという信条の元生活している。
たとえ不可視化した存在でもよほどでない限り視の魔王の「視」スキルの前では無意味。
しかし、聴力に関しては視力ほど加護を受けていないので、勘の鋭い魔王として通常レベルといえる。
とはいっても、視の魔王は持ち前の「視」る力によって、五感の全てさえ一度視認に頼っている説があり、
音すらも視ることによって認識している可能性がある。
その証拠に、遙か遠く離れているはずの場所を覗き視る千里眼で目視した光景からも音を拾えているようだ。
逆に言えば、本来見えないものでさえも視認してしまえる能力を持った視の魔王ですらも視認できないものは、何の感覚を用いても全く認識できないという可能性に繋がってくるだろう。
第三の眼は傷つけられても再生できる。
しかし、ひとたび傷を付けられればからだにある魔力のほとんどを失ってしまう。
破壊などされようものなら、自身の世界に籠もり長い年月をかけなければ再生は困難だろう。
このような方法によって魔力を失うというのは、体内の魔力が抜け落ちていくというよりも
貯蔵可能な魔力の最大値がごっそり下がるという表現が正しい。
第三の眼を封印された場合、ろくに力を持たない三眼のミミズクへと成り果てる。
事実上「魔王の死」である。
このように第三の眼が使えない状況に陥った場合、本来の姿に戻る術を失い
姿が行き場を失って二転三転する。
また、何らかの特殊な方法で封印された場合、魔力の許容量は相変わらず低下するにも関わらず
体内に溜め込んだ膨大な魔力が漏れ出すこともじわじわと還元されることもなく留まり続ける。
その結果、視の魔王という器は膨れ上がり、しかし強度故それ程莫大な魔力を溜め込んでも
破裂することができないので、理性を失ってただひたすらに暴れ続ける。
コントロールの効かない魔法を撃ち出し、強力な魔法も使えず溜め込まれた魔力を小出しにするその姿は自分を壊そうとしているようにさえ。
この暴走を止めるには視の魔王を殺してしまうか、第三の目を抉り取ってしまえば良い。
第三の眼を関連の神経ともに全て抉り取った場合は、再生する器官が存在しないということになり、
ステータスがじわじわと衰退し死に至る。
この第三の眼は通常(第一形態)時でも瞼の代わりに開閉可能な保護膜が存在する。
正常に死亡した場合、世界と身体は蛍光紫の霧(魔力)となって蒸発し、虚無の土地と第三の眼、施設や技術だけが残る。
千里彼方をも映す魔術水晶、膨大な魔力を内に秘める魔力結晶として機能するが、
討伐の際ついた傷から魔力が漏れ出ることはある。
これ自身に再生機能はなく、視の魔王と同じ魔力波長でのみ修復が可能。
入れる魔力波長には制限なし、少々大きく重いが魔力特化魔王一個体ぶんの魔力を持ち運べるユニークアイテム。
また、自身の魔力を使ってゲートを開くことが可能であるが、通ずる先は空限定である。
視の魔王が空にゲートを開けば、時空の歪みや大気の乱れなどが発生し、少なからず開通先に汚染を送り込む。
そのほか、嵐が発生したりするなどの災害が起きるために、聖界への移動を行うことはごくまれである。
予測されていない嵐が発生した翌日には、見慣れない三人組が現れたり消えたりしているが、
それについて噂されていたり、真相を知っている者がいるかは不明。
残りの二人は人間に化けた側近である。
戦闘は気分が乗らなければしない。
訪問者は勇者であれまず話を聞き、襲撃でなければ本人が話し相手となる。
面白くなりそうなら勇者だろうと簡単に仲良くなり、世界への立ち入りを許可してしまう。
その姿に毎回側近は胃を痛めているとか。
宮殿(ダンジョン)の至る所に魔方陣発動型の罠が仕掛けられている。
種類は様々で、勇者の証や聖界の魂に反応して発動するものが多い。
視の魔王が扱える魔法の罠はもちろん、中には視の世界の研究者が開発したものや
どこかからもってきた技術など、作戦を折ったり不意を突くものもある。
視の魔王が発行した交通手形や居住許可証などを所持していると、罠の発動を防ぐことができる。
基本的に獣人に優しい。
蛮の魔王や鳥の魔王とはその中でも特に仲が良い。
彼らの存在を脅かす者、彼らが気に入らない者ならどんな相手だろうと潰す姿勢。
よく他の勇者や魔王の「まねっこ」をして遊んでいる。
遊びを通して能力の凄さを再確認したり、原理を研究したりしている。
特に技術方面には関心が高く、成長を見届けたい国があれば密かに魔王の攻撃から守ることも。
会議には出席しているつもりで視ているだけだったということが大半を占め、議長を困らせている。
側近には起こされても機嫌を損ねたり電波発言で回避してばかり。
どうやら現実に見ている景色と、千里眼で視ている景色がたびたび混ざるようである。
自分の世界の安寧を望んでいるが、刺激がない日常が続くのは楽しくない。
穏やかで安定させたい気持ちと変化を続けさせたい気持ちが生んだ技術国といえる。
戦争のことは知っているが「面白いこと」と「面倒ごと」の両面をもつものとしか思っていない。
生まれたばかりの頃は自我を持たない単なる「魔力の塊」であった。
ふわふわと魔界の中を彷徨い、生物として形をもつまで長い年月をかけていた。
この期間中は視の魔王としての年齢に含まれない。
幼少期、周囲の誰にも何も知らされることはなく、「自分と同じ個体」を世界で探し続けていた。
様々なことがあった旅の果て、得られた結論は「自分は唯一の個体である魔王だ」ということ。
蛮の魔王や鳥の魔王とはその旅の中で知り合ったのかもしれない。
視の魔王のステータス中、最も高いのは魔力。
勿論他ステータスも魔王らしく高いのだが、中でも魔力は常識外れ的にずば抜けている。
それでも、魔力特化型の魔王には劣るのだが。
迎撃の戦闘時はどの形態であっても、基本的に玉座から動かず体勢を変えることもなく、魔法だけで迎撃する。
襲撃時は【空中要塞】の形態になり、空から襲撃する。
他の世界に赴いた際、その世界の空の特徴や空模様などに多少なりとも影響される。
ほんの僅かな違い、気分や性格の変化、扱う魔法や攻撃方法の変化などが主な作用。
人間に似た姿、普段の姿。
魔力を使って無理矢理地に足を着けている状態。
服装や本人の色、細かい姿はコロコロ変わるが、基本的にはこの形。
ミミズクであってミミズクでないため、視の魔王を相手にするための戦術はそう簡単に練れないだろう。
相当やる気にならなければ玉座から立ち上がって戦闘するなどということはない。
主な攻撃方法は魔法と精神攻撃。
物理攻撃力は魔王としては並程度。
身体能力は決して高いとは言えないが、それでも人類とは比べものにならないだろう。
殴る蹴るの他に、鋭い爪で引っ掻いたり、人外特有の攻撃方法も使用してくる。
握力は大したもので、鎧を着た人間程度なら簡単に握りつぶせる。
腕よりも足のほうが強い。
防御力自体は魔物が持つ羽毛のディフェンスを少し高めたくらいしかない。
だが、防御術や回避能力に長けており、ダメージの通りにくさは魔王として妥当。
ニートとは思えない身体能力は流石魔王といったところか。
三次元的な動きで相手を翻弄するだけの俊敏さは持ち合わせている。
第一形態であるにも関わらず突破困難な壁を形成する、視の魔王の真髄。
扱う魔法自体は無属性であるものの、威力・連射力ともにどうかしている。
様々な方法で繰り出される魔法攻撃は、単に魔法というよりも魔術に等しい。
視の魔王自身が不器用であるため、ほとんど爆発系の魔法等、難しいことや威力調整のないものを繰り出してくる。
波長が合っていれば吸収し、合っていなければ反射する。
魔法ダメージ自体の通り方は通常レベルだが、魔法による傷の回復速度は凄まじい。
回復用魔術と周囲の環境に依存している。
自分と同波長の魔力が充満する、視の世界内部では驚異的な回復力を発揮する。
たとえどんなに致命的な傷を負っていても、第三の眼に関連する神経のたった一部でも残っていれば、
傷に応じた時間をかけることで再生が可能。
空中要塞形態。聖界襲撃時にはこの形態をとる。
少しの魔力でおもりをつけて一定の高度まで落ちている状態。
巨大なミミズクのような姿で、立体魔方陣をその身に纏っている。
真っ白い毛並みは時折発光しており、神々しささえ感じさせるだろう。
ステータスや攻撃方法は最終形態の劣化版。
ゆっくりと空中を移動しながら眼下を焼き尽くす姿はまるで浮遊要塞。
一応本体部分が弱点だが、近づけば弾き飛ばされ迎撃の弾幕に遭う始末。
更に、魔王の周囲には武装した兵士達が飛び交っている。
また、視の魔王は最終形態に近づくにつれて脳にあたる機能を衰えさせていき、
それが50%を超えるこの形態からは言語や鳴き声というものを失う。
機能低下が顕著になる程理性は失われ凶暴になるが、それは生物として本能的になるということでもある。
それが魔王のものであるためにより効率的で、感情などに左右されない戦い方をするようになるのだ。
だが、第二形態以降は生物と言うよりも災厄と言うにふさわしい。
巨大な大空の姿。本来の姿。
空を覆い尽くすほどの雲などではない、まさに“空そのもの”である。
認識としては実体を持つ空に近い。
本来の姿が「空」であることを知る者は少なく、普段の姿を見て気付ける者もまずいないだろう。
仲の良い魔王でも知らなかったりする事実である。
空となった視の魔王と通常の空は、主に色で判別する。
視の魔王が光を遮るなどすることによって、空間の色が変わるのだ。
その色は世界によって変わってくるところだが、聖界では主に蛍光紫色となるだろう。
ほかにも、空間自体の色調も変わってみえるようになったりする。
色以外では、空全体に無数の眼球が浮かび、下界を見下ろして、出たり消えたりしている。
実際には眼球の可視領域が変わっているだけであり、本当に出現したり消滅したりしているわけではない。
複数人がどの角度から見ても、全員に対し全ての眼球がこちらを向いているように見える。
他の姿にて持つ第三の眼以外のふたつの眼球は、この無数にあるものをたった二つに凝縮したかたちである。
そのために、後述の観察眼スキルが使用可能となっている。
このことから、視の魔王は獣人族と不定形の間のような存在で、天属性の魔王。
天に属する自然現象関連の勇者魔王とは仲が良いか対立するかのどちらしかない。
体力含め全てのステータスが強化されたが、この姿では他の姿と力の比較がしづらい。
住民として散らせていた魔力を自身に再吸収させ、“魔王の復活”と言えるような形態変化を行う。
天から覗く巨大な眼球(第三の眼)が弱点。
空のない世界でこの姿になる場合、空間に充満する霧のような形になる。
宇宙空間のような世界なら、天文学的に見れば非常に小規模な惑星のようになる。
一般的な空ならば、基本的には太陽の代わりに巨大な眼球が浮かんでいる空になるかもしれない。
大きさや力は融合した住人の数に比例する。
おそらく全ての住人と融合し「完全体」としての復活を遂げた視の魔王は、
真の姿をとった魔王の中でも最大…いや、最“広”級ではないだろうか。
物理攻撃は行わないものの、視の魔王の中はとんでもない熱量である。
中に入ったなら、熱で焼かれ空気の流動に押しつぶされねじ切られてしまうだろう。
攻撃跡や通った後の場所は視の世界と同じ大気に暫く満たされる「魔力汚染」状態となる。
下側に障壁を張っており、ほとんどの攻撃の威力を低減させてしまう。
衛星レーザーの信号等は妨害されてしまう可能性が高い。
核爆発を喰らった場合を例に挙げると、結構なダメージは通るものの、含有物質の割合が変わり、
バランスが崩れた視の魔王は霧散してより広範囲に及ぶ存在となる。
そのぶん攻撃の威力や一箇所に集中する魔力等は落ち、処理自体は簡単になるのだが、
これらのうち“第三の眼に関連する神経をほんの少しでも含む部分”を逃がしてしまえば、自世界にて再生が可能となり、
視の魔王を完全に殺したとは言えなくなる。
逃がしたことには気づきにくいだろうが、このときの視の世界はかなり脅威レベルが下がっているので、追って葬ることもできる。
空気が動く速さと同じ、あるいはそれ以上。
計り知れない。
魔法弾の雨を降らせたり、天からのレーザーで焼き尽くしたり。空襲に似ている。
最終形態ともなると繰り出される攻撃は最高火力のものばかりで、調整がきいていない。
障壁により、波長の合わない魔力ですらほぼ無効化、吸収してしまう。
短期決戦型であり、自己再生能力はほぼない。
眼の他に、自分より上(宇宙高度)からの攻撃は防げない。
視のスキルを、自分の下にある領域全てを同時に視るために回しており、
防御用の魔力を滅多に攻撃の来ない上側に回すということはしない為である。
上の防御はピンポイント的なものであれば可能で、主に眼球の上はいつでも守れるようにしている。
もしも何の防御もない状態で上からの攻撃を受けた場合、生身の一般人が銃弾を受けたくらいの比率でダメージが通る。
万一眼球に被弾すればヘッドショット扱いで即死する。
共通事項として、襲撃時は莫大な被害を国に落としてくるかわり、一度でも弱点部分を攻撃すれば退いてくれる。
視の魔王は本質である「視ること」に関しては神をも凌駕する勢いである。
スキルは魔力の伴わない、本人が生活の上でリスク無く使えるもの。
視の魔王が持つ最も代表的なスキル。本質。
基本的には第三の眼依存。
世界のどんな場所をも詳しく視てしまえて、調節も簡単。
上手く調節すれば透視能力まがいのことも。
一度に幾つもの景色を視ることはできるが、疲れる。
また、現在視ているのがどこかということは、大体の位置はわかれど正確な座標は魔力を消費しなければわからない。
基本的には周囲やそこにあるもの、いるものを確認し、幼少の記憶や知識と照らし合わせて判断する。
特定のものに条件を絞って探したい場合、その“もの”が持つ魔力を参考にし、レーダーのように探しながら視る。
相手の正体や、ふつう不可視のものを視破るときのパッシブスキル。
魂の本質や魔力波長などをこれで視分ける。
これにより、視の魔王には通常見えないとされる幽霊などの存在が常時視えている為、
そのような存在を「非科学的」「非現実的」とは呼ばず、信じているいない以前の問題となっている。
心の中を覗き視るスキル。
映像のイメージとして対象の心を読むことが出来る。
デメリットとしては、覗き視たところで視の魔王がそれを理解できないこと、
言葉での具体的な説明がないために上手く真意を読み取れないことがあるなど。
対象と眼を合わせたときに発動する、視神経を経由して深層精神に干渉するスキル。
これは第三の眼と本来の眼どちらの眼でも発動するが、対象者と視の魔王が互いに「眼が合った」と認識している必要がある。
ほんの一瞬でも視の魔王と眼を合わせてしまった者は、眼を媒介に一瞬で脳へと魔力を送られる。
その際、眼球にも魔力が滞留し、対象者は脳と眼球の両方に視の魔力を残すこととなる。
魔力の影響は、その際視の魔王が使いたがった魔法に依存し、大半が幻覚症状、精神障害に関するものである。
魔力が抜けきるまでの間は、視の世界から離れても暫しその症状に悩まされるだろう。
また、深層精神への干渉がある一瞬、対象者の精神が視の魔王に流れ込むことがあるが、根本的に脳の構造や思考回路が違っているのであれば、視の魔王は情報を理解しきれず、活用できずに破棄される。
下手をすると、その逆干渉によって自分が発狂するリスクを伴うスキルである。
誰かの視界をそのまま覗き見るスキル。第三の眼依存。
覗き見られている対象は余程勘が良くなければ気付かない。
「他生物の眼球へ干渉するスキル」の分類。
対象となった者に魔力が残るなどの後遺症は特にない。
本来の眼がもつスキル。使用すると体力を少し消耗する。
敵の動きをわずかな部分まで視て判断し、その範囲から分析して出せるデータを演算する。
次の行動の予測も出来、戦闘力は別人のように向上するだろう。
視の魔王の視界には様々な状態で世界が映る。それぞれを別の状態に切り替えて確認する能力。
一度にあらゆる状態の視界を視ることも可。
誰かに視界の映像を送り込んで視させるとき、この手順を踏まなければ発狂してしまうこともしばしば。
「荒野」「森林」「大空」の三層からなる広大な世界。
見た目は原始的・野性的な世界であり、生活する魔物や住民からもそのような雰囲気がうかがえる。
全体が「猛禽類のための」世界として構築されている。
どの層も視の魔王の魔力波長と同じ波長の魔力が大気として漂っており、
耐性を持たない一般人等であれば簡単に毒されてしまう。
この魔力は魔王の魔力回復や魔法攻撃力増幅に一役かっているが、
視の魔王と同じ魔力波長の者ならこの空気を利用してバフ効果としてのせられるだろう。
世界の中ならどこでも視の魔王の攻撃が届くため、犯罪者は突然爆発四散する。
そのこともあって治安は良い。
荒野と大空の面積は同じであると言われているが、
実際のところはあまりにも広大で未だに十分な調査が終わっていない。
一部では面積が変動すると言われていたり、
全住民を取り込んで完全体となった魔王と同じ面積だとか言われていたりする。
魔力の流れとしては、荒野の端から崖を上って森林を通り、大空に排出するという、
世界全体が大樹だと考えればわかりやすいような流れ方をしている。
そのため、荒野の端になるほど荒れ地が増え、もっとも魔力の多い層は森林である。
オアシスは流れが停滞する場所にできた豊かな地だとも。
このような流れが生まれている理由は、深部に常駐する魔王の為の構造とされるが、
実は他にも何かしらの要因があるのではないかと囁く者もいる。
魔力量が不安定な荒野の端に近づくと、殆ど無属性の生物ばかりである視の世界では珍しい、一定の属性を持った魔物を見かけることがある。
一部地域で不安定化した魔力が土地の属性を偏らせているという説があり、周辺の生態系に影響している模様。
しかし、属性の偏った地域に生まれた魔物だから属性の偏った魔物になったのか、別の場所で生まれた属性持ちの魔物が自分に適した地域に縄張りを作ったのか、そのあたりのことは現在も研究中である。
余談として、この世界は元々視の魔王のものではなかった可能性を唱える者がいる。
それに伴って、現在では世界の所有権を譲る形としているが、
もともとの魔王が今もこの世界のどこかで眠り続けているなどの噂も一部では流されているらしい。
世界の第一層にあたる部分。
広大で、端は果てしなく続いている。
たいていの場合勇者がスポーンする場所。
主な生息動物は知性をもたない魔物。
崖の付近や荒野のどこかにはオアシスが点在している。
オアシスの他にはクレーターが点在しており、新しいものの周辺は特に魔力濃度が濃い。
強大な規模の魔力爆発が原因で出来た形をしている。大きさはある程度一定。
ひとつの世界として見れば果てしなく続いてはいるが、
実際末端の部分は隣国に値する別魔界等に通ずるゲートのカーテンになっており、
事実上の「端」は一応存在する。
しかし研究者の意見により「世界はゲート以降にも続いている」と発表されているが、
未だその先を見たり知った者はおらず、魔王ですらその先を視ようとすると
視界がゲートを通って別の場所を視てしまうらしい。
一部では、視の世界は浮遊大陸となっており、下には空気中の魔力が集まって反応を起こし続け、
煮えたぎる溶岩のようになった海が広がっているとか噂されているが真相は定かでは無い。
荒野の所々に点在する小さな緑のエリア。
大きさは様々で、基本的には中央に澄んだ湧き水の泉が存在する。
周囲の空気は涼しく、長く滞在しても身体には特に支障を来さない。
第一層にありながら第二層で見られるような植物が生えており、魔物も少し違う種類の者が居ることがある。
荒野を歩き疲れた者たちの憩いの場として知られているが、それは魔物たちにとっても同じ。
基本的に、このようなオアシスは視の世界の中で魔力が多く流れている場所、停滞している場所など、所謂霊脈などと呼ばれるような場所に生成されることが多いが、
対極の属性を持つフォイローエンとガイフレインは度々衝突し、争うことがあるが、彼らが争った後には暫くするとオアシスが生まれるとも言われている。
フォイローエンやガイフレインに限らず、生物達はそういった魔力豊かな場所に住処を作りたがるため、魔力が豊かだからオアシスが自動的に生まれているのか、対極の属性同士が争ったからオアシスが生まれているのかというのは、卵が先か鶏が先かといった話であり、未だ研究の途中である。
荒野の至る所に存在する小さなエリア。
草が一切生えておらず、割れた大地が剥き出しになってあちこちに岩が転がっている。
第二層から遠いほど数が多く見られる。
荒野にそびえ立つ、巨大な崖の上にのみ生える樹木で構成された深く暗い森。
熱帯雨林のように複雑な地形をしていながら、表現としてはただの森林といったほうが近い。
ここから第三層に上がるのも第三層から下がるのも、視の世界の住民が持つ能力を使わなければならない。
彼らの力を借りるか、何らかの特殊な力を代用することなどで住民以外も通行可能になる。
森林には街やマーケットが存在し、住民となる魔族が主に暮らしている。
この暗闇に少しでも入る可能性のある住民は、鳥目が適用されない。
視の魔王の住む宮殿はこの層にある。
宮殿は森の地形をそのまま利用したような形状をしており、明確な建物や壁はあまり存在しない。
なので、第二層の建物内は「気が付いたら入っている」ことが多い。
森林の中には幾つかの「エリア」が存在する。
例えば「宮殿」「住宅街」「商店街」「役所」など。
住民の住むような場所以外では「眼畑」などが例に挙げられる。
第二層のほぼ中央にある、最も巨大な建造物。
見た目は森の中とあまり変わらないが、内部は一応整備されている。
中央にある玉座の間には視の魔王と二人の側近が駐在しており、それ以外の場所は警備員や研究員、時折住民が歩き回っている。
宮殿内の至る所には魔法のトラップや、視の魔王が思い付きで作ったギミックなどが見られる。
大迷宮のような構造になっており、実用的ではない。
第二層で唯一森に覆われていない部分。
崖の淵全般を表す言葉であり、そのままエリアの名前にもなっている。
手すりが設けられているなどの安全対策は全くされていないが、一部には展望台のような建物が存在する。
クリフエッジから眺めた荒野はどこまでも広く、地平線の彼方まで見渡すことができる。
高所から見下ろす荒野は大気の問題か全体的に青紫味がかかっており、日や場所によっては斑模様の美しい海のようにすら見える。
そこを走り抜け、飛び交っていく原生生物たちの織りなす「大自然」の光景は、非常に幻想的なものとなっている。
眼球にしか見えない花々が咲き乱れ、地面が眼球に覆い尽くされてしまったかのような地域。
おそらく見た目は視の世界で一番不気味であるが、第二層では珍しく上部にほとんど葉がない地帯でもある。
そのため、差し込んだ光が白い地面に反射して輝く光景はある種幻想的ともいえる。
この花は荒野のオアシスなどにも時折見られ、これらから抽出した液体は眼薬に加工される。
実際にはこの崖の中は巨大な技術空間が広がっており、どんなことをしても壊れないであろう強度の壁で出来ている。
視の世界の技術の集大成と呼ぶべき施設や近未来的な街が広がるこの空間を総称して
「アンダークリフ」または「インクリフ」と呼ぶ。
この場所の存在は視の世界の住人しか知らないとされるが、実際の所は定かでは無い。
出入り口は宮殿内にのみ存在するのだが、それもここの技術によって隠されてしまっているのだ。
門番や警備員も、技術をふんだんに使用した最新式の防具と武器を装備している。
下手をすると宮殿よりも警備が厚い可能性がある。
アンダークリフの技術力で一時的に第二層を浮遊大陸化させることが出来るが、
その間は天井が全て取り払われてしまうということなので、滅多にすることではない。
もしそうなったときに備えて、予備の天井は一応用意されている。
アンダークリフの最高セキュリティを誇る一角には、
視の世界の上位住民中でも特に許可された者しか立ち入れない場所がある。
その最奥には崖の高さ半分もあろうかというほど巨大な扉がそびえ立っているが、
これに触れられるのは視の魔王だけであり、触れたとしても「この世界の魔王の名」を問われる。
世界の伝説や不思議として視の世界に浸透しているものであり、
「何があったとしても絶対に開かないもの」として認識されている。
この扉は、神々を除くどのような力をもってしても開くことができず、
視の魔王の千里眼すら通用しない謎の技術で成り立っている。
研究では、視の魔王が正式に王として世界に鎮座した頃には既に存在していたらしい。
古代文明の一種として調査が進んでおり、視の魔王に非現実的な物事を考えさせるきっかけとなったものでもある。
ちなみに、調査によるとこの扉の向こう側が占める空間はかなりの大きさであり、
全体的な位置も本当に世界の中心部となっているらしい。
アンダークリフ内の構造はかなり複雑。
基本的には元々の造形と変えていないのだが、元から大迷宮のような構造であった。
そこに住宅街や研究施設等が建てられている為、より複雑になっているといえるだろう。
しかし、それは目印になるものが沢山あるということでもある。
この構造の複雑さは、森林の宮殿をメインダンジョンとするなら、こちらは隠しダンジョンといったところ。
ボス部屋に位置するのは、中心部に存在する大扉の部屋だろうか。
上空まで果てしなく、宇宙という概念をもたない広大な空。
猛禽類たちが飛び回るために用意された飛行場のような場所である。
この大空は一層目の“空”とは異なっており、言うなれば“一層目の空”の上に“大空”がある状態。
地面等はなく、飛行能力を持たない者は立ち入ることすらできない。
上方向に果てが存在しない為、果てを研究しようと上空へ旅立った者は一人として帰ってこなかった。
気圧や酸素濃度等の理論は適応されない。どの高度においても第三層に限り一律である。
第二層に繋がる森以外には障害物どころか雲なども一切なく、殺風景な光景が永遠に続くと思われがちだが、
視の世界の大気が特殊であるためか、飛び回っているほど周囲の光や遠景の色が変わって見える。
色の移り変わりは決して目に痛いものではなく、淡く輝く透きとおった輝石のようである。
また、荒野の端ほどの距離まで行けば第一層と同じようにカーテン状のゲートが展開している。
はじめは烏系住民の奇形として扱われていた。
内に秘める魔力が高く、神通力も扱えると言われているため様々な用途に使用可能。
主に素材や食糧となる。
まるで魔物の眼球のような見た目をした禍々しい果実。
荒野のオアシスで採れる。
中には視の世界の大気と同じ魔力が入っており、波長さえ合えば魔力補給のアイテムとして使用可能。
ライムっぽい味。
その名の通り丸々と太った梟のような形状の不思議な実。
人間が両腕で抱えるほどの大きさで、森林で最も背の高い木になる。
自生しているところを遠目に見ると大きな梟が高い場所にいるようにしか見えない。
大地の魔力を吸い上げた木が魔力を込めて実を成している。
この実は時間が経てば目を見開いて破裂し、第三層に魔力と空気を送る役割を果たしている。
ごく希に地中の成分を結晶化したものが中に紛れ込んでいて、
集めて綺麗に結晶化させることが困難なものであるほど価値が高い。
そうでなくとも、純粋な結晶であるぶんの価値はある。
ゲーム的に言えばおみくじ要素のある特産品。
それ以外には中身を吸って視の世界の魔力を体内に取り込むくらいしか利用価値がない。
中に溜め込んだ魔力よりも、魔力濃度の低い空気に触れている時間が長いほど破裂までの時間が短くなる。
たまごいわ、らんがん、など。
まれに荒野に生えてくる果実の一種で、見た目が岩のようでありかなりの硬さをもつことからこう呼ばれる。
中には地中の魔力をたっぷりと含んでおり、限界まで育ちきると殻が割れて魔力を大気として放出する。
殻の中で気化する(熟れる)前は食すことが可能。
基本的に、視の世界の生物は卵岩を見つけると周囲に巣を作り、これを守る形となる。
最も大きく、美味しく食べられる時期まで見つけた卵岩を独り占めする習性があるのだ。
その間の生物は凶暴化しており、卵岩自体の希少性も相まって値段は高騰している。
食べると幻覚を見る茸。眼のような模様のかさをもつ。
主な採取場所は眼畑、森林、オアシスなど。眼畑以外はあまり生えていない。
見る幻覚は実際に存在する光景であり、一時的にランダムな場所に千里眼を行うことができるというもの。
数分程度で効果は終わるが、研究が進めば効果時間の変更などが可能になるだろう。
効果持続中は、ほぼ確実に現在地に関して盲目になる為、無防備となってしまう。
通常の目薬と同じようなもの。
主に眼畑で採れる素材や、他の材料をもとに視の世界の研究者達が生産している。
特筆すべき効能のないものもあるが、一時的に視力を底上げするもの、視野を広めるものなど、視覚に関する効果のあるものが多数。
散眼茸からは千里眼の眼薬が製造されているとか。
視の世界では基本的に安いアイテムだが、ものによっては高価だったりもする。
商人やマーケットから購入でき、行商人は全種類を持ち歩いていないため、そちらから買う場合は運も必要になってくる。
視の世界の魔力をふんだんに含んでおり、特殊な瓶に詰められている。使用の際は注意すること。
独特なデザインの瓶は種類によって形や模様、色など細部に違いがある為、コレクションしたがる者も多いらしい。
視の世界の技術は見た目に似合わず、宇宙科学的なSF系技術である。
開発されているどれもが視の世界の魔力に依存したものであり、波長の合わない者や魔力のない者には扱えない。
相当な技術力があれば、別波長の魔力用に改造することもできるだろう。
レーザー銃や座標指定ポインタは勿論、空間冷却エネルギー柱等の開発も進んでいる。
常に良い物を求める魔王の意志により、生産品の質は良い。
動物の養殖や植物の栽培も範囲内。
AIは製造していない。
宇宙科学的な要素を見せる技術面はアンダークリフでのみ積極的に生産されており、生産設備や詳しい整備設備はアンダークリフにしかない。
それ以外の場所にはアンダークリフから持ち出してきた道具程度のものしか宇宙科学的要素はない。
視の世界に料理文化はない。
魔王もそこから派生した住民も、生命を維持するのに必要なのは大気中の魔力だけであり、三大欲求もないのだ。
わざわざ模倣しなければ性別というものが無いからというのも関係している。
視の世界では、食事というのは完全に模倣か娯楽の文化なのである。
魔物の肉、果実などを主に食べる。
視の世界には、決まった暦や記念日などは存在せず、全て魔王の気分で決められる。
気候なども魔王の気分や体調に依存することから、四季といった「時期」も存在しない。
記念日や祭の時期は、魔王が思いついた瞬間に決定し、飽きた瞬間に終わるのだ。
視の世界に「宇宙にあるとされるもの」(例:太陽、月、星など)は存在しない。
それは魔王の弱点に関連する理由であるが、これにより昼夜の概念も聖界とはかなり違っている。
何が光源かはわからないが、視の世界はほとんど常に昼の状態であり、ごくまれに魔王の気分で夜になる。
このため「一日」の感覚がなく、住民はマイペースな視の魔王同様、好きなときに寝て好きなときに起きる。
記念日なども聖界感覚で24時間ぴったりに終わるわけではないのだ。
視の世界の大気は、世界の地底から湧き上がり、中央に集まって、果てしない大空へと排出される。
排出後、世界に居る誰にも取り入れられなければ、再び地中に戻っているとも言われている。
全く同じ波長を持つ視の魔王や住民は、これを回復やバフに利用することが可能。
視の魔王がこの魔界に降り立ち、魔王となった瞬間に魔界側が勝手に適応して生まれたシステムである。
この中に自分と対象が居る限り、視の魔王は大気の魔力を導体として自分の魔法を伝えることが可能になる。
大気の魔力は、真の姿の中に換算されない。
酸素に視の魔力が溶けて混ざったような状態のもの。毒のようなものだが、正確には毒ではない。
耐性のない一般人などにとっては、毒と同じような効果を示すだろう。
もし一般人も耐性を得たいのならば、交通手形や居住許可証などを身につけている必要があるのだ。
魔力耐性のある者、魔力という概念の無い者、波長が似ている者、別波長の魔力を大量にもつ者、
あらゆる魔力でも上書きされない種類の魔力を持つ者等には大した効果はない。
しかしそれでも、個体差はあるが長時間大気を吸い続けると、視の魔力に「侵食」された状態となり、魔王からの遠隔干渉を受けやすくなる。
侵食度が最大に達してしまうと、大気中にいる限り、内側から爆発させられる可能性も出てくる。
狂月の日になると、常に昼とされる視の世界に、その月唯一の夜が訪れる。
空には真っ赤な月のようなものが浮かび、それはこちらをじっと見下ろす眼球のように見える。
生息生物は全員が興奮状態で、実際にはそうでなくとも、全ての眼球がこちらを向いているように思える。
普段はなんでもない景色ですら、至る所に眼の模様が浮かび上がったり、形そのものが眼球のように変化する植物などもある。
その夜、視の世界は魔界らしく、禍々しく、別物のように変貌する。
この状態を別名「夜の視の世界」などの表現として呼ぶことがある。
視の世界において「眼」というものは身体のどの部位においても価値があり、魔力がある。
その為、捕食を狙うような生物、実験道具や研究材料にしたがる者などは真っ先に対象の眼を狙ってくることが多い。
視の世界に転がっている死体には目玉がない、視の世界で死ぬとまず目玉からなくなると言われている。
第二層、生い茂った森の中に点在する謎の石像。
約2メートルほどの高さで、巨大なミミズクを象ったもの、視の魔王にそっくりな人型のものなど種類は様々。
新品のように美しいものから損傷が酷いもの、植物が絡みついている程度のものまで見た目の様子もばらついている。
太古の昔からその場所に存在しているとされ、住民達は特に興味を示していない。
一説では、視の魔王が注意を向けきれない場合にもこの世界を監視する“守護像”であるとか、
内側に視の世界のテクノロジーを秘めており、未知なる力が宿っているとか、
有事の際には動き出して視の世界を護るだとか好き放題言われている。
また、似通ったものをごく希に第一層のどこかでも見かけることができ、殆どの場合それらは残骸と言えるほどにまで損傷しており、ただの岩や小石と思われ気付かれていないことも多々ある。
かなり果てのほうに行ったり、地中に埋まってしまっているものの中に、ミミズクではなく竜の形をしたものがあったとの報告もあったようだ。
ここに記された内容は、視の魔王が把握していない、認めていないような事柄である。
どこから始まった話かはわからないが、視の世界内外で囁かれた噂についてまとめたものだ。
よって、この部分に記された内容に限り真実とは限らない。
しかし、「何故この噂が広まったのか」、その成り立ちも分からぬほどこの世界にとっては突拍子もない内容で、この噂についてまとめた手記を持つ張本人、滞在中の魔界学者の気を惹くに値する奇妙さを持っていることは間違い無い。
視の世界は、視の魔王がやって来る前に他の魔王が支配していた土地である。
生きた魔王同士による土地の受け渡しについて詳しいことはよくわかっていないが、可能性としては「以前の魔王が斃れた後、無に帰してゆく過程の土地に視の魔王がやって来て、偶然その場所を縄張りにした」か「以前の魔王と視の魔王が縄張り争いをした、もしくは話し合いの末土地を譲渡することが決まった」の二択が上げられる。
視の魔王本人は「以前この土地を支配していた魔王」についての心当たりが全く無い様子なので、前者の説が有力であると思われる。
今となっては土地側が視の魔王の力に順応し、完全に「視の世界」として在るようになっているが、この土地には未だ視の魔王も把握していない秘密が眠っているらしい。おそらくその事実が「視の世界になる前の土地の姿」、つまり以前にこの土地を自分のものとして支配していた別の魔王の存在を示唆する結果となったのだろう。
以下、この噂の裏付けとなっている「視の魔王でも把握していないこの世界のこと」に関する要素。
世界の奥深く、秘匿された場所
視の世界には魔王の宮殿の奥深くにまだまだ秘密が眠るという。
それ自体については視の魔王も把握しているようだが、その秘密の更に奥には、視の魔王でも未だ正体を掴めないものが眠っているらしい。
前提の噂から考察すると、それこそが以前の魔王の居住区だったのではないかと考えられる。
土地の各所に以前の魔王の存在を匂わせるものが残っているところを見るに、以前の魔王は今でもその場所でひっそりと生きているのかもしれない。
土地の支配権を完全に譲り渡して永い眠りについているのか、はたまた弱り切って土地を支配することもままならないのか、そのどちらなのかはわからないが。
視の世界には至る所にミミズクを模したような石像が存在している。
視の魔王曰く、この石像は視の魔王がこの世界にやって来たときからそこにあったらしいが、魔王が本当のことを言っているかは定かではない。
しかし、荒野の外側、つまり世界の端の端にはミミズクではなく竜の形をした石像“と思われるもの”が転がっていたという。
魔王の言い分が本当のことなのであれば、元々世界にあった石像は竜の形をしており、視の魔王が土地を支配した際に適応して形が変わったのだろう。
そういった性質を持つ石像ならば、以前の魔王は竜系統の魔王であったのではないだろうか。
視の魔王や世界の住民は、この世界の全貌を把握しきっているわけではない。
具体的には、大空の遙か向こう側、天高くの領域と、荒野の端に存在するゲートのさらに奥というまさしく「天か地か」の2種類だ。
大空について興味を惹かれる噂は「浮遊大陸があるのではないか」というものくらいだが、視の世界自体を既に浮遊大陸とする説もあり、その説によると「ゲートの奥は大陸の端であり、下には超高濃度の魔力の奔流が溶岩のように渦巻いている」らしい。
浮遊大陸であるかどうかはともかく、視の世界の最下層にそのような膨大な魔力が流れているのであれば、下から上って大空に放出するという世界の魔力の流れ、そして世界自体の大気中に含まれる魔力濃度についても説明がつく。
そしてここからは更なる仮説に過ぎないが、視の魔王はどちらかといえば空を支配する魔王、浮遊する魔王で、その魔力は空から降りそそぐと個人的には考えている。
もしも以前の魔王の力が世界の下側から作用し、視の魔王の力が世界の上側から作用しているのなら、大空の魔物のほうが協力である理由にも説明がつくのかもしれない。
視の世界に生きる生物は、全て視の魔王本人である。
というのも、もともと大空である魔王が有り余る魔力を分裂させてできたのが彼らだからである。
必要になれば全て爆破して殺したり吸収したり、一新することだって可能だ。
意志を持つ彼らはその真実を知っている。
記憶や感情はただの住民として処理されるわけで、これは視の魔王が作り出す暇潰しの偶像なのだ。
また、彼らはその影響から「飛行能力」「遠隔攻撃手段」「魔力」を必ず持ち合わせており、
魔力波長は視の魔王とひとつの狂いもなく合致する。
彼らが視の世界から出た場合、ほとんどの場合空気が合わず病に冒され、そのまま死亡してしまう。
グリフォンのような姿をした魔物。本来のグリフォンと区別をつけるためこう呼ばれる。
茶色い羽毛を持ち、鷹が馬のような形態をとった姿をしている。
下半身はライオン等ではなく、同じ鷹。
体長はおよそ3~5mほどで、主食は肉。
荒野で最も力が強く、荒野での野生の魔物のなかでは食物連鎖の頂点にいる。
彼らの嘴や爪、骨などはよく道具に加工されている。
視の世界で最もメジャーな騎獣。
筋肉質で力強いが素早い移動が可能で、移動用には馬と牛のように扱われる。
凛々しい顔立ち、グレーの大きな翼、羽毛に覆われていてもわかる筋肉質な四本足が特徴。
荒野には彼らがたびたび力の誇示のため破壊した岩が転がっている。
グライフとよく似ているが、細かい分類ではちがっているという研究結果が出ている。
視の世界でおそらく最も大きな魔物。
ダチョウのような形状で、長い首は第一層の空を突き抜け第三層にまで伸びていると言われている。
数十メートル先にいても歩く度に地響きを感じ取れるほどで、空気が澄んでいれば数キロメートル離れていても勇壮な姿を確認できる。
低く伸びる声で鳴き、いつも仲間を呼んでいる。
世界の端を歩いていることが多く直接的な害はあまりないのだが、
希に中央のほうに迷い込んでくる個体が小さな生物を餌と間違えて補食したり木々を踏み倒したりする。
辺境に居る為住人達の中でも会った者は少なく、おとぎ話によく登場している。
シュトラサウロ見たさに荒野を果てまで進む者も少なくないとか。
勇者が視の世界に来る際、外側なので高確率で風化したシュトラサウロの骨を目撃する。
鱗のような硬い羽毛に包まれた魔物。
鳥というよりもトカゲに近い見た目をしている。
大きいものはグライフと張り合えるほどに大きく気性が荒いが、たいてい小さくすぐ逃げる個体ばかり。
短時間で自動的に爆発する、地雷のような魔法を地面に仕掛けてちょこまかと動き回る。
上手く誘導して自爆させれば吹き飛ばされてひっくり返り、急所を露わにするだろう。
鱗は汎用性が高く様々なものに加工される。
特に大きな個体の鱗はグライフの攻撃をも防ぐほどに硬く、価値が高い。
上手くくり抜けば、丈夫で長持ちする器などとして扱えるほか、羽毛自体も頻繁に加工されるので素材価値は高い。
細長く鋭い嘴をもつ、鳥類らしい形状の魔物。スマートな身体をもつ。
高さは0.7mほどで、人の視線と重なりやすいくらいの低空を飛んでいる。
タオドラを主食とし、見かけると一気に飛び上がって超高度から一点に突き刺さったり、
器用に転がして柔らかい腹を見せたところに、その特徴的な嘴を突き刺してストローのようにして中身を吸う。
ストーシナーベの縄張りにはタオドラの死骸がよく転がっている。
魔力毒を内に蓄える下級の魔物。
汚染地域や死骸に発生する微生物を主な餌とする、別名「荒野の掃除屋」。
基本は群で行動し、魔力汚染の酷い地域や腐った動物の死骸を求めて日夜荒野を走り回っている。
汚染物質をたっぷり取り込んだ微生物を狙っているというわけだ。
平均全長2mほどの小さな種族で、禍々しいトサカと内側に小さな歯が生えた鷹のような嘴、
走るのに適したフォルムと小さな翼で構成されている。
翼は小さいが魔法を使って飛行能力を強化し、遠い土地へは隊列を組んで飛んでいく。
基本的に他の生物に喧嘩は売らないが、飢えていると噛みついてくる。
牙や爪からは毒素がにじみ出るつくりになっており、この毒は患部の腐敗を早まらせる効果がある。
それ以外にも、毒を浴びれば魔力中毒等の病気になる可能性が高い。
通常の解毒方法で治療できる。
毒、毒牙は武器にも加工される。
ムゲン世界全体でよく見られる生物(視の世界のすがた)。
オアシスにてその姿を頻繁に見かける。通常の荒野での出現率はまちまち。
その二箇所でも強さや味など様々な点において細かな違いがある。
地中にある魔力をたっぷりと取り込み、魔力特化型に成長した。
頭の大きな双葉をプロペラのようにして飛ぶことができるが、原理は謎。
特徴としては、額に眼が追加されているのだが、どうやらただの遺伝子異常や奇形のようで、それによって能力が増えているわけではないようだ。
森林や大空でも見かけることは見かけるが、どこであろうと原生生物の餌となっていることに変わりはない。
古くから伝わる存在という扱いで、古書には「ブラウエルフォーゲル」と記されている。
非常に珍しく、見かければ一日どころかしばらくの期間は良いことがあると言われるほど。
猛禽類というよりは小鳥に近く、高さは10cmほどあるかないか、というほどしかない。
気性は荒いほうではなく臆病であり、他の生き物を見かけるとすぐに素早く逃げる。
しかし戦闘能力が低いというわけではなく、怒るとその可愛らしい見た目からは
とても想像のつかないような大魔法・大魔術を撃ってくることがごくまれにある。
というのも、内部にはこれでもかというほどパンパンに魔力を蓄えているというのが理由で、
その魔力密度は視の魔王に匹敵するかそれ以上ではないかという話もあがっているほど。
攻撃の後も疲れた様子など見せず飛び去ってしまうほどだ。
注目すべきは逃げ足の速さ。魔力による加速を行い、とてつもないスピードで視界から消える。
数少ない記録によると、速度は音速にまで到達しようかという勢いらしい。
オアシス付近や森林、大空でも見ること自体は可能で、本体や素材の価値はそこらの宝石などめではない。
よく見ると三眼なのだが、その第三の眼が最も高価な素材である。
これだけの魔力を蓄えているだけあって、視の世界中で最高級食材ともされる。
荒野以外の場所にも出没する。
非常に小さく、小バエ程度の大きさであり、派手な攻撃魔法などを持つわけではない。
単体であれば気付かぬうちに殺してしまえるほど弱い魔物だが、基本的に数十〜数百匹程度の群で行動している。
邪魔くさい程度で済むことがほとんどで、範囲攻撃を使っても取りこぼしの出る可能性がそこそこあるために、基本は無視して通り過ぎるということになっている。
しかし、無害だと思っていると顔に集られ、払っているうちに眼孔に潜り込まれ、そこから群がられて眼だけを食い尽くされてしまったという例が存在するため注意は必要。
荒野の最果てに棲むとされる災竜。
実際には最果てではなく、荒野の中でも特に荒れた土地を住処にしている。
種族としては災竜と言われているが、姿は鷹の嘴と鷲の翼を持つ竜のように見える。
猛禽類と竜族のあいの子のようで、未だに詳しい生体や遺伝子は解明されていない。
言い伝えになるほど古くから存在しており、相応の強さをもっている。
グライフよりも一回り大きい程度だが大型種に分類され、一カ所の荒れ地に一匹だけ存在する。
荒れ地一帯を縄張りとしており、一声吠えれば強風が吹き荒れ、
一度羽ばたけば竜巻が発生し、飛び去った跡は何も残らないと言われるほど。
言い伝えの通り風を使った攻撃がメインになるが、幻覚魔術やテレポートも駆使して相手を翻弄する。
テレポートには一度使用してから長いクールタイムが発生しているが、その間強風を叩き付けて近寄らせない戦術を得意とする。
怒ると魔力を込めた竜巻のような爆弾を発生させ、周囲の土地を巻き込んで爆発する。
オルカナードからとれるものはやはり稀少な素材であり、視の世界でも高値が付く。
討伐報酬も高く、運が良ければ【オルカナードの扇】もドロップする。
これは強風を意のままに操ることができる魔法アイテムで、慣れれば移動にも使える。
もしかすると聖界にも伝承のある種族かもしれない。
荒野には時折何の前触れも無く凍り付いたような場所があるが、そのような場所を見かけたら要注意。
そこは氷結種ガイフレインの縄張りである。
見た目はなんだかペガサスを彷彿とさせる、すらっとしたラインに、所々が凍り付いた蒼っぽい種族。
体温が異常に低く、血液は液体窒素のようなものである。
正確には視の世界の空気が液体化したものらしい。
見た目通り氷属性の魔法を使い、獲物を氷漬けにした後に放置して、
心臓がシャーベット状になってから取りだしてそれを食べる習性がある。
強力・冷酷・高機動と相手取るのが難しい種族だが、魔法を撃つ度に血液から魔力を消費し、
持久戦を苦手とする弱点がある。
撃ちすぎで酸欠のような状態になったところが狙い目。
とれる素材は当然氷属性のものが多いほか、特殊な容器があれば血液も採取可能。
荒れ地の中でも、特に地熱の高い地域に生息する魔物。
蒸気となった熱い魔力入り空気が噴き出す場所が多いため、対策を取らなければ近づくのも困難。
まれにオルカナードすら共に出現する可能性がある。
フォイローエンは、ガイフレインと時折縄張り争いを繰り広げる炎属性の種族。
彼らの縄張りすら凍結させてしまうガイフレインとは対象的に、
フォイローエンは周囲の岩を焼き尽くし溶かしてしまうほどの熱量を有する。
まるで岩に覆われたかのような姿をしており、体内に溜め込んだ魔力と熱によって浮遊する。
着地時の衝撃は地震すら起こすほど。
動きは遅いが攻撃・防御共に高く、火属性の攻撃は特に危険。
対策をしていない人間は、吐き出した炎から数メートル離れた位置に居るだけで焼け焦げてしまう。
フォイローエンは地中に潜ることで熱とエネルギーを蓄え、普段は地表に現れることはない。
外で活動した後は再び潜り、また新たに蓄え直す。
何らかによって排熱やエネルギーの循環系機能が狂った場合、派手な爆発を起こしてしまうことも。
彼らからは、実態を持つ炎や、溶岩のような魔力の素材などが採れる。
荒野全域で生息が確認されている大型の魔物。
その巨大さ、脅威から個体数自体も少ないが、それ以外の理由からも目撃情報は少ない。
彼らは自身を取り巻く空気に魔術を使用することで、誰かの目ではなく世界に作用するタイプの幻術を操る。
誰が見ても自身の姿が幻術で定めたものに見えるようにするのである。
その性質から、透明化されたり何かに化けられたりして「目撃した」と思う者が少ない。
そうでなくとも、気付かずに襲撃に遭って殺されていたりするため報告ができない。
討伐数も少ないが、幻術の効果が切れた死体の姿は同じであることから、真の姿の特定には至っている。
ごつごつとした紫色の肌から、真っ白い羽毛を全身に生やしたグライフのような形状。
嘴から尾羽まで伸ばして全長は15〜50mの範囲内。個体によって差が激しい。
目のような模様の付いた扇状の尾羽、嘴の先端についたコブが特徴的。
最近確認された事例では、オアシスそのものに化け、近寄ってきたところを泉の部分の水を使って中に引きずり込み、捕食したというものがある。
高濃度の魔力を含んだ体液、幻術系統と相性の良い羽毛などが採れる。
荒野の魔物としているが、基本的に荒野に生息している魔物とは違っている。
というのも、ゾンビ・ソルダートは「発生させなければ」発生しないからだ。
所謂禁術によって生み出された禁忌の存在……と思うかもしれないが、実際はそうではない。
ゾンビとは言うがその成り立ちは土人形(ゴーレム)に近く、主に土などから生み出される魔物である。
その強さは土に含まれていた魔力の量や、後から注ぎ込んだ魔力の量によって決定され、内包した魔力が尽きると元の土として崩れ落ちる。
ゾンビ・ソルダートは(今のところ)視の魔王のみが作り出すことができる。というと、結局生まれる理由や方法は他の生物と何ら変わりないが、視の魔王があまり意識していなくとも魔力の循環と共に適当に生み出される他の生物と違い、ゾンビ・ソルダートは視の魔王が明確に彼らを生み出そうとしなければ作り出されないのである。
視の魔王が彼らを生み出す用途はもっぱら迎撃や侵攻のためのものであるため、現在のところ生み出されることはまず無いといっていい。
聖界への侵攻の際、まずはごく少量の魔力を注ぎ込みながらその場の土をゾンビ・ソルダートへと変化させ、民間人の自己防衛ですら容易く片付けられる弱小の雑兵とする。
その後、相手が「ゾンビ・ソルダートは弱い」と認識し立ち向かい始めたあたりで、注ぎ込む魔力の量を一気に増やし、蹂躙を開始するというわけである。
つまり、視の魔王が侵攻を行う際の第一波を務める魔物ということになる。
森林は住民が多く、魔物はほとんど見かけない。
森林の茂みを揺らしのそのそと歩く魔物。
小さいものは猪程度、大きいものは象ほどもあるという大きさにばらつきのある種族。
地域や生まれた環境等細かいことが影響して最終的なサイズが決定するらしい。
ちなみに幼鳥時は共通して中型犬ほどの大きさである。
森林の果実を食べ、基本生物に害はないが怒ると巨大な嘴で攻撃してくる。
魔法攻撃は額の角のような器官から超音波と衝撃波を発生させるもののみで、
主に外敵を吹き飛ばし混乱させ、自分達が逃げるのに使われる。
基本的に飛ばないが、第三層まで跳躍だけで飛び立てるほどの脚力と一日中飛んでいられる滑空能力がある。
跳躍は唐突で、大移動のときと身の危険を感じたときのみ行う。
脚の筋肉は普段翼に隠れており、不意打ちを食らう者も少なくないだろう。
そんな脚力をもちながら走るより滑空のほうが速く、代償として着地が下手。
飛ぶのにも体力を消耗するのに加えて降り立つまでに時間がかかってしまう諸刃の刃。
飢えると肉も食べる。
三本脚に一つ目という異形らしい魔物。
頭が良く、群で行動して取りにくい場所の木の実も取って食べる。
森林では野生の個体よりも乗り物として飼い慣らされたものが多く、彼らにとって
住人は共に居れば楽に餌が手に入り利害関係が一致しているらしい。
形状はダチョウとラプトルを混ぜたような姿に近く、脚が長くてすらっとしている。
翼が極限まで折りたたまれていることと普段は走って移動することから勘違いが生まれやすいが、
翼を広げると何倍も大きな姿に見えそれを利用して外敵を威嚇する。
ばたばたと忙しない飛行で短距離しか飛べないものの、翼のない者からすれば十分な飛行能力。
翼にかぎ爪がついており、木登りに特化している。
危険を感じればトサカを逆立てて威嚇音を発し、周囲に反響するように音を歪める魔法を使って
相手が混乱している隙に自慢の脚で逃げ出す。
この魔法に一度囚われてしまうと数分間(個人差有り)周囲の音の方角がわからないデバフにかかる。
攻撃時には白目の部分が蛍光紫に発光する。
美しい歌声を持ち、自然を使った演奏とダンスを得意とする魔物。
猛禽類ベースの生物たちの中で、ほぼ唯一オウムなどに近いと思われる。
幾つかに分かれた、大きくカラフルなトサカを持ち、尻尾の色も派手。
顔や胴体の色はそこまで派手ではない。
そのような姿と多彩な芸当は、全て獲物をおびき寄せるための手段。
トサカや尻尾をちらつかせながら歌ったりして、近づいた獲物を鋭い嘴や爪で一撃。
一般に与える印象とはまるで違う凶暴性から恐れられている。
愛玩用のヴィトーゼもいるにはいるが、まだメジャーではない。
また、歌声とは別に地声と呼ばれる声が存在し、こちらは刺々しく猛々しい。
詳しい研究は進んでいないが、主に威嚇や力の誇張に使われるようだ。
森の一区画や荒野の所々にある、眼畑地帯などに生息する。
あまり肉眼で確認できるものではないほどの大きさで、近づいた者の足などにひっそりとついて登る。
傷口などから体内に侵入し、とりついた者を宿主として脳の近くに寄生する魔物。
個体差はあるがだいたい数ヶ月〜一年程度で寄生が完了し、宿主の額を突き破って大きな黄色い目を出す。
寄生場所がずれたり、頭蓋を上手く突き破れなかった場合は顎を裂いて口から目を出す。
進行するにつれて脳が圧迫される為宿主としての行動は鈍くなり、後半になるとほぼ魔物と化しているような状態。
一度目を出してしまえば大抵の宿主は死亡しており、そこからは見た目もより魔物らしくなっていく。
その姿は完全に異形と化す、単眼となる、耳や爪などが変形する等。
共通しているのは「体毛が白くなり、蛍光紫のメッシュが入り、体内が時折蛍光紫に発光する」こと。
取り除く方法は、医者に診てもらう、医療系魔法を使う、薬を使う等様々。
ちなみに、宿主が大量に視の世界の魔力を吸っていれば、長期間視の世界の外でも生きることができる。
元は外来種。大小様々な無数の眼球が集まったような姿をしたスライム。
視の世界に来たスライムが眼畑で育ち、周囲のものを取り込んで環境に適応したもの。
言わばスライム(視の世界のすがた)である。
見た目が気持ち悪いことと眼畑にいられてはカモフラ率が高い以外は一般的なスライムとほとんど変わらない。
ただし、高確率で内部にパガジーを取り込んでいるので注意が必要。
テケリと鳴きそうな見た目をしているが、声帯はない。
沢山の猛禽類や鳥類ベースの魔物が跋扈している。
種類も様々で、他の層に比べて強い。
ここに書かれているのは大空限定の魔物達。
ほかにも、森林や荒野に住む魔物が多くいる。
詳しい生態が未解明の大型魔獣。全長およそ15m。
気まぐれに襲う獲物を選び、今まで逃れられた者はいないとされる伝承からこの名がついた。
一見ドラゴンのようだが、よく見ると鳥類。
個体数が多くない為遭遇率は低いが、純粋に攻撃力が高く凶暴で、口から爆発する魔力弾を吐き出す。
基本は1羽で行動しており、時には同族をも獲物にする凶暴性を見せる。
羽毛は鱗のように硬く、死亡後も熱をもっている。
討伐した証として身体の一部を第二層の役所に届けると、討伐報酬がもらえる。
素材自体も様々に加工でき、売っても高い。
それなりの知性があり、住民と呼ぶに近い。
四本脚でふさふさの竜のような見た目をしているが、翼は鳥型で身体は羽毛。
後方に伸びる耳のような角のような器官が特徴的。
額に第三の眼を模した宝石のようなものが埋め込まれている。
よく第二層の木の葉の上に悠然と座っており、察知能力に長けている。
大型で希少価値が高く、一部では幻獣として扱われる。
額の石は込められた魔力や光、見る角度によって色が変わり、姿相応にとても美しいものだが、
死体から剥ぎ取った際はどうしても美しさが損なわれる。
稀少さから、美しさを保ちつつ剥ぎ取る方法どころかカボンクーの生態研究も十分ではない。
見た目に反して好戦的で、近づくものには見境なく攻撃する。
額の石が魔力を集中させる場所であり、ここさえどうにかすれば強力な攻撃は撃てなくなる。
テレパシーや魔力弾、雷撃のような攻撃と様々なバリエーションの魔法攻撃を繰り出す。
特に、石が強く蛍光紫に光を集め始めたらビーム攻撃を警戒するべきである。
ビーム攻撃は一度撃たれれば光と同等の速さで天を貫き、そのうえかなりの高威力を誇る。
毛皮などの基本素材、ときには姿の写真等でさえ高値で取引されるので、
戦いを挑む価値はあるといっていいだろう。
黒は汚職、銀は神職。
といっても、視の世界に神を信仰するという文化はあまり浸透していない。
一応教会となる建物は森林に存在するのだが、あるだけという感じがとんでもない。
鎧や槍、銃などで武装した視の世界の兵士。普段は警備員や門番などとほとんど変わらない。
聖界襲撃時に魔王の護衛や非常食などとして沢山くっついていく。
見た目はほとんど鷲や鷹などで、細かい違いはあるがそこまで大した違いはない。
外の世界からやって来た者達。主に崖近くの荒野街に住んでいる。
中には人間もいるかもしれない。
視の世界での居住が認められ、正式な契約手続きによって住民とされている。
授けられたアーティファクトや力によって世界の空気に適応したからだをもつようになり、
視の世界で暮らしていても何ら問題が生じないようにはなっている。
ゲートを通ることさえできれば通常に他世界にも赴くことができるのだが、
視の世界には一般設置されているゲートなどなく、一度住み込めば外に出たいという願いも通りにくい。
また、視の世界そのものが「魔力」「飛行能力」を有する者達のために作られており、
どんなかたちであれそれらをもたない生物が生息していないため、移民は何かと不便をすることが多い。
森林の崖の近くにある荒野街やオアシスには、来訪者向けの「土産物屋」と呼ばれるマーケットがある。
住民の種類は様々だが、ここの住民は襲撃者以外に友好的である。
荒野から魔物が現れる可能性を考慮してか、兄貴、姉貴肌の者が多い。
荒野をさまよい歩く住人の一部。
1、2頭のコゥフル、休憩中にはテントとセットで発見される。
視の魔王討伐に来た勇者に対しても友好的に接し、荒野や森林のマーケットのうち
一部の商品を売ってくれる。買い取りも可。
その他にも基本アイテムや荒野に生息する魔物の素材を売っているときもある。
品物は行商人によって違い、時折コンテストが開催されるとか。
金さえ払えば住民が知っている程度の魔王の情報、第二層への案内も行ってくれる。
護身用程度に魔術と剣術をたしなんでおり、攻撃を受ければ敵対する。
単なる通称で、それぞれ名前は存在する。
水で出来たようなどろどろの見た目をしており、時折オアシスの泉から
ずるりと這い上がるように現れては木々や草花の世話をして帰っていく。
妖怪のような見た目から驚かれる事が多いが、穏やかな性格で攻撃手段はない。
攻撃されても敵対せず、体力がなくなれば弾けるようにして地面に還る。
あまりに長く日差しを浴び続けていると蒸発して消えてしまう脆い種族。
いなくなったぶんは属している泉の水から新しく生み出され、一定の数を保ち続けている。
オアシスを破壊しようとする者の足下に纏わり付き、眠気を与えたり気を落ち着かせる魔術を使う。
話しかけない限り無言だが、普通に話してくれる。
飛行する際は水球となり浮遊するように飛ぶ。
Gotthard Wackenroder
個人名。聖界から移住してきた魔界学者。雄。
視の世界と視の魔王についての研究を主に行っており、荒野街の一角に住居兼研究所を構えている。
正式な移民として登録されているうえ、彼自身には大した魔力がないため、視の世界から出ることはまずない。
研究資料は研究所内部に溜め込みっぱなしで未提出である。
聖界では、死んだとか失明したとか色々言われているが、至って健康。
常に独自開発品であるゴーグルを着用している為、無防備な一般人ほどは襲われない。
最も「住民」の多い層。
居住区やマーケットがあり、ところどころに「役所」がある。
特筆のない者は勇者に対しても友好的。
攻撃されれば周囲を巻き込んで敵対する。
様々なカテゴリであらゆるものを扱う。
森林居住区に別荘を買ったり、討伐記録を報告したり。
一部は勇者にとってさえ御用達の窓口となるかもしれない。
大空の門番とよく似た体格・装備であり、制服だけ違うように見える。
実際には門番の下位互換といったステータス。
住民の多い森林層の治安を維持する役割をもっているのだが、悪人は視の魔王が勝手に爆発四散させてしまうのであまり仕事がない。
マーケットや居住区などで暴れる勇者の相手が主な仕事となっている。
宮殿周辺で主に見かける、資料を持ってうろついているだけの白衣を着た住民。
友好的に接すれば、視の世界の魔族や魔物などについて詳しいことを教えてくれるが、魔王についての情報は売ってくれない。
敵対するとデバフ効果のある魔術や薬品などで攻撃し、自分はさっさと警備員などの後ろに逃げる。
そのうえで遠距離からデバフ攻撃を撃ち続けてくるのだ。
彼らの前で敗北すればデータをとられてしまい、そのデータは視の魔王に献上される。
もし倒すことができれば、逆に何らかのデータをドロップする可能性がある。
第一側近。苦労人。再現された性別としては雄。
178cm。それなりの歳。
鷹型の鳥人族で、銀の鎧に赤い宝石が特徴。
武器は蛍光紫のレーザーライフル。
アデルにはよく一方的に怒っている。
技術、頭脳特化。統治代理。
人間に化ける際は帽子を深く被り、悪い目つきを隠している。
第二側近。寡黙。性別の詳細不明。
195cm。ファルクよりは若い。
鷲型の鳥人族で、黒曜の鎧に青い宝石が特徴。
武器は付呪乗せ変形槍。
ファルクを見ては「弱い犬ほどよく吠える」を思い出す。
身体能力特化、成績優秀。
人間に化ける際は糸目の大人しい系を演じている。
変形槍の付呪は「威力増加」「魔力毒」「侵蝕魔術」
鳥の魔王の眷属、視の魔王のペット。性別の詳細不明。
あだ名はヴェル(Well)。
セキセイインコのような姿だが厳密には特殊な種族。
猫かぶりで頭脳明晰、与えられた技術を使いこなして自衛する。
あくまで主人は鳥の魔王である為、視の魔王の優先順位は低い。
高い飛行能力を持つ者は、いきなりこの層に現れることがある。
そんなとき、まず話し合いから入って用件次第でこのまま通すか決める役割をもつ。
しかし、立場上ごつく魔物らしい見た目をしているためしばしば勘違いされる。
槍、もしくは変形槍を扱う。
視の魔王が常に装備している防具のようなもの。
はっきりと目には見えず、概念的に存在している。
宇宙高度からの攻撃に対して驚異的な防御力を発揮する。
その正体はアンダークリフの技術の集大成とも、他の世界から持ち込まれたアイテムであるとも言われている。
どちらにせよ、一度失ってしまえば再度装備することは困難を極めるだろう。
透き通った羽の挟まったカード。
本物の羽毛が存在しないはずの視の魔王の羽である。
これを持って視の世界に入ると、魔王がそれを察知して手続きなしで通してくれる。
勇者の場合、門番に見せて敵意がないことの確認は最低限求められる。
しかし、これを持っていると視の魔王の魔力波長と共に動くということであり、
察知能力の鋭い者を相手にすると怪しまれたり見破られる可能性がある。
また、これを所持していれば魔力耐性がなくとも視の世界の大気は害でなくなる。
手形の類似品として、居住許可証などがある。
基本的には最初に渡されるものは仮の手形。
仮の手形は世界内での身分証明書と許可された行動への保証機能がある。
視の世界での一定の功績を認められるなど、魔王と役人が「信用するに値する」と本格的な判断を下した場合は本手形に更新され、
本手形には視の世界の主要施設への転移を補助する仕掛けが施されている。
アンダークリフによく置いてある機械。
大きさは様々で、視の世界の魔力をエネルギーとして溜め込むことができる。
性能にもばらつきがあるが、小さいものは宮殿内に配置されていることも。
視の魔力を使うもののエネルギー充填、ときには発電機代わりとして利用される。
相当な技術力あるいは魔法学知識があれば、他の魔力用にも改造可能。
視の世界に普及している一般的な照明。聖界や他の魔界にも似たようなものは多いだろう。
宮殿内の至る所やマーケットなど重要な建物の周辺にはこれが幾つも見られる。
種類が複数あり、蛍光灯のようなもの、吊り下げておくもの、卓上ライトのようなものから持ち歩けるものも。
行商人は必ずこれを一つ以上は携帯している。
仕組みとしては媒体となる石を魔力に反応させて光らせているだけ。
普通は魔法を使って光らせるものだが、視の世界では大気中の魔力に反応させることができる。
取り付けられたツマミや布で覆うなどの方法で光量の調節も可能。
媒体となる石の色、もしくは反応させた魔力の色で光の色は変わる。
視の世界の魔力に任せると、蛍光紫色かもしくは黄色になる。
アンダークリフで開発された、視の世界で主に使われる遠距離武器。
レーザーとして使用するのは視の世界の空気(=魔力)。
原理としては超圧縮の空気砲のようなもの。
弾道が光って残光がレーザーのように見えるという比喩的なものでなく、
トリガーを引いている間は弾道全てに判定がある。
レーザーという名に相応しく「熱量のある光」なので、命中した対象は焼ける。
場合によっては消し炭になり跡形も残らないことも。
性能には種類や改造率によってばらつきがある。
充填をするには、視の世界の魔力波長と同じなら自分の魔力を使ってすぐに充填するタイプ、
もしくはアンダークリフの技術である充填機を使う。
相当な技術力あるいは魔法学知識があれば、他の魔力用にも改造可能。
最近は外部から訪れる者のためにも即座に充填できるカートリッジの販売が行われている。
アンダークリフで開発された、視の世界で主に使われる近接武器。
その名の通り、ある程度自在に形を変えられる槍である。
小さな魔力結晶が変形の中心に埋め込まれており、これを使って変形や威力増加をするメカニズム。
通常の槍、トライデント、鎌など「棒の先に刃がある」武器に変形可能。
変形は速くて確認しづらいが、機械的にトランスフォームしている。
中には棒の両端に刃がついているものもあるとか。
勿論、変形数が多い、大きい、刃が多いものほど重く扱いにくい。
ボタンで動くタイプと本人の魔力と結晶が共鳴して動くタイプがある。
後者は相当な技術力あるいは魔法学知識があれば、他の魔力用にも改造可能。
前者は使い方さえわかれば誰にでも扱える。
これまで確認されている形態は
「スピア」「トライデント」「チェーンソード」「バトルアクス」
「鎌」「連撃槍」「薙刀」
何の変哲もないただの望遠鏡のようだ。
しかしそこには、微かにではあるが確かに邪神の痕跡が残っている。
視の魔王に問えば、これはクリスマスなるイベントにて直接賜ったものなのだと言う。
玉座の間に飾られているが、どうやら本人は使い方を理解していないようだ。
ちなみに、けっこういいものである。
使用許可に関しては、壊さなければ誰でも使っても良いと言われる。
視の魔王から公式に出されている、移住者・観光者等各位に対する規約。
基本的には羊皮紙のような書類に文章が書かれており、
最後には視の魔王と側近二名の直筆サイン及び足判(一部)が押されている。
視の魔王本人もしくは王宮従事者や役人などと契約・正式な手続きをした際に
「よく目を通しておくように」と渡される。
あなたを正式に視の世界の住民として認めますが、以下のことにお気を付け下さい。
重要な用事が無い限り王宮には足を運ばない事
特別手形又は移住許可証を常時携帯する事
正当防衛以外で住民を傷つけない事
これに関しては正式な裁判の後に判決が下される場合があります
王宮従事者、役人、警備員等の許可無く世界外への干渉をしない事
また、安全圏から出た際の怪我等については我々が責任を負うことはありません。
あなたに視の世界での狩猟許可を与えますが、以下のことにお気を付け下さい。
重要な用事が無い限り王宮には足を運ばない事
特別手形等を所持している場合は常時携帯する事
正当防衛以外で狩猟対象以外の住民を傷つけない事
これに関しては正式な裁判の後に判決が下される場合があります
狩猟後は必ず専用の窓口に報告する事
また、無茶な狩猟をした際の怪我等については我々が責任を負うことはありません。
あなたに視の世界での研究許可を与えますが、以下のことにお気を付け下さい。
重要な用事が無い限り王宮には足を運ばない事
特別手形等を所持している場合は常時携帯する事
正当防衛以外で住民を傷つけない事
これに関しては正式な裁判の後に判決が下される場合があります
王宮従事者、役人、警備員等の許可無く世界外への干渉をしない事
住民が嫌がることについての研究はあまり深入りしない事
また、安全圏から出た際の怪我等については我々が責任を負うことはありません。
視の世界で購入した武器を使用する場合、以下のことにお気を付け下さい。
外部へ持ち出す場合、その使用法について一切の責任を負いません
購入時の規約書、証明書を紛失しない事
片方でも紛失された場合、交換・返品不可とします
正当防衛以外で住民を傷つけない事
これに関しては正式な裁判の後に判決が下される場合があります
王宮従事者、役人、警備員等の許可無く世界外への干渉をしない事
不良品の交換、返品については購入から視の世界時間で4ヶ月まで可能です。
交換・返品の際は必ず証明書とこの規約書をお持ちください。