二つ名:色の魔王
名前:なし。あらゆる色がこの魔王を指す。
詳細:
無数の泡でできている魔王。物や生物から色を奪う能力があり、色が無くなったものは本来の能力を発揮できなくなる。普段は部下に音楽や踊りを披露させて日々の退屈を紛らわしている
自分に関する呼称は「いろ」でも「しき」でもあまり気にすることがない。適当に呼ばれようが自分を指していれば反応する上あっさり受け入れる。
現在確認されている呼び名……カラー
(呼称は見つけ次第不定期に追加しますのでご一報ください)
人型をとっている際に名乗る名前は一応存在しているが、滅多に名前を告げることがない為それを知っているものは少ない。
一人称……僕、自分
二人称……君、〇〇の(〇には魔王や勇者の2つ名に関する部分が対応する)
三人称……彼、彼女、〇〇の(上記と同じ)
不定形型の種族で、本来の姿は無数の泡。魔王として目覚めきるまでのことはわかっていないが、スライムのような種族であったと思われる。
気分によってころころと変わるが、基本は中性的な人の姿をとっている。また、周囲の色に合わせて見た目の色味も変化する。
普段使っている人としての姿は銀髪赤目の中性的なもので、性別はなし。背丈は標準よりもやや高め。
人型になる理由はあまり公言したがらない。
無数の泡の集合体。元がアメーバ状というかスライムのような種族であった為なのかはわからないが、泡が分裂したり合わさったりを繰り返している。
本性が冒涜的な姿である為他者の正気を蝕んでしまう。また、分裂を繰り返して増えていく性質のため質量がとても大きい。そのため普段は人型で暮らしている。
愉快犯にして悪辣。勇者と魔王との戦いが神々のゲームと関わっていることを知っており、色の魔王自身ゲームに積極的に参加する。それもこれも「愉しいから」という理由のみ。
聖界だけでなく他の魔王の支配している世界も普通に襲い、その世界から色を奪っていく。
退屈であることを嫌い、楽しいことを好む。面白くないものは壊そうとするが、色の魔王が面白いと興味を抱いたものは見逃されることもしばしば。
基本的にはあらゆるものに対して害であるといえるが、アルビノの個体や色盲を患っている相手に対してはその性質がなりを潜めて優しくなる。また、それらが望めば自らの世界に連れてきて色を与えることもある。連れてきたものはそれらのための村に住まわせる。
基本的な人の姿。この姿でいる際はあまり色を多く奪うことができるわけではなく、精々が半減程度。身体能力も少し優れた一般人程度。だがもしもこの状態で敵対しているとしたら、部下である蠢く色彩がこの魔王の周囲に存在して守っているだろう。
人の姿をしていることに変化はないが、髪が流動するように色合いを変化させ続けている。また、四肢の末端や髪の先、服の裾などがふつふつと泡になっている。
この状態では色の魔王の表情はうすら笑みを浮かべたままでそれ以外にはほぼ変化しない。無機物が人の真似事をしていると言われても納得できてしまうだろう。
この姿になると今までに奪った色で攻撃を仕掛けてくる(さながら某インクを塗り合うイカのゲームのように)そのインクを浴びてしまうと、自分本来の力とは別のものが混ざることになるため、たとえ色を奪われていなくてもうまく力を扱うことができなくなってしまう。ただし不純物に違いはないため、一定時間経つと普段通りに使えるように戻る。
また、奪った力も少しは使えるらしい。しかしそれよりも色で塗りつぶしたほうが効率的と考えているため、基本的に使われることがないと考えて良い。
本性。雲のように広がる無数の泡の姿になる。そのうちのいくつかはまるで目玉のようになっており、キシキシと金属が擦れるような音にも泡ぶくが沸き立つような音にも聞こえる鳴動音を響かせながら緩やかに広がっていく。理性はなく、生存本能に突き動かされているため会話をすることは不可能である。共がアメーバやスライムを彷彿とさせる種族であるため、その全てを潰しきらなければいくらでも色を吸収して分裂、増殖してしまう。
この姿になるということは、言い換えればそうなるまで追い詰められているという外に他ならない。そのため、自らの損傷を治すために無数の門を開き手当たり次第に他の世界から色を奪っていく。そのせいで他の世界の魔王たちもかなりの被害を食らうことになるが、ここまでに至ることがほとんどない。
色の魔王を倒す方法だが、回復よりも消費量を多くすればいいという一点に尽きる。しかしいかんせん他の世界から順次色を奪い回復してしまうため、それを上回る力で攻撃するか、回復するためのリソースをなくして仕舞えばいい。有り体に言えば他の世界を悉く白く変えてしまえば話が早いということだ。
この魔王が第3の姿になると他の魔王への被害が大きすぎるため、他の魔王たちはいやでもこの魔王がその姿にならないよう助力しなくてはならない。だがその危険性はあまり知られていないため、手助けすることを渋る魔王と積極的に助けようとする魔王に分かれているという。
今までで一度だけ、この魔王が生まれた時に無差別色奪テロを行なっている。
1つの大きな大陸と、それ以外は濁った海しかない世界。
色ごとによって区分けされている。中央部分に近づけば近づくほど色の濃度が濃くなり、混ざってゆく。だが、中央エリアになった途端にモノクロの幾何学的建造物が乱立した地帯へと変貌する。
ごく限られたエリアでは、落ち着いていて正しい色合いの景色の村が存在し、色の魔王に連れてこられた生き物が住んでいる。
色の世界には不定形な姿形で生まれた存在が多く住んでおり、それらは基本的には冒涜的な姿である。
また、この世界の魔族はそれぞれが対応する色から生まれ、その色に関する名前と力を得るらしい。
この世界で一般的な生き物。絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜた姿で、その色は常に流動し続けている。金属が歪に擦れるような音を立てながら活動するが、その音を聞き続けると徐々に正気が蝕まれてしまう。この生物を直視してしまうと本能的に不快感が煽られるらしい。
一度色の世界からはあらゆる色が失われたが、それは色の魔王が誕生した際に喰ったから。その後時間をかけて他の世界から奪った色で染め直していった。
また、先代色の魔王も存在していたが、この魔王が生まれる間際に勇者によって倒されてしまっている。色の世界から色彩が失われたのはそれもあったから。
色とは『物事が存在するための力』のことである。これらを潤沢に所有していると『色鮮やか』な状態で、これらが欠如すると『色褪せた』状態となる。他の言葉に言い換えるとするならば『意義』と呼ぶことができるかもしれない。
基本的にあらゆるものは色鮮やかな状態がデフォルトで、満ち足りた状態であればあるほどより鮮やかになり、成長していくと色濃くなり老いていくと色褪せていく。無機物であれば正しい使われ方をしていれば、に置き換わると考えていい。
色の魔王はこの『色』を奪い、色を奪われた側は本来の能力が発揮できなくなってしまう。『色鮮やか』な状態から『色褪せた』状態にしてしまうということだ。
注目すべき点は『本来の能力が発揮できない』というところだ。上記から考えると、色が全て奪われてしまえば物事が存在することそのものが出来ないと考えるべきである。つまり、色の魔王は全ての色を奪うことができない、ということに他ならない。
現状、最も有力だと思われるのは『色の魔王は彩度を奪う』というものだ。白から黒にかけては奪うそぶりを見せないためほぼ確実と思われる。
ーーー誰だって色褪せた世界は遠慮願うでしょ?僕だってそうさ。だから僕は『色』を奪い、このつまらない僕の世界を染め上げていくんだ。その代わり君の世界はちょっと褪せてしまうけど、別にそれくらい何も問題はないよね。
だって、世界はこんなにも色に満ち溢れているんだから!
《「色の魔王リリ・ゥアト・コロルの独白」より》