二つ名:操話の勇者
名前:ルネ・ロマーヌ・フェルアイユ
詳細:
とある国のお抱え道化師の勇者。話したことがたとえ些細な噂でも本当のことのように受け入れられて伝播する能力があり、国の王様はその能力を政治に利用しているとかという"噂"である
ねぇ、知ってる?道化の勇者様。
とってもかわいい、おちびさんの勇者様。
いいえ違うわ、とっても大きい熊みたいな勇者様。
そんなことないわ、たくましくって素敵な王子様みたいな勇者様。
いいやちがうさ、とっても美しい美人な勇者様。
私は、男と聞いたわ。いいや、女と聞いた。
仮面をかぶっているんですって。
どうも、とっても不細工みたい。瞼が溶けて、目が見えないらしいわよ。
いやいや、絶世の美人で一目見たら卒倒してしまうから隠しているって聞いたんだ。
どれがほんと?どれがうそ?
どの“噂”が、“真実”なの?
さぁ、どれでしょ~ね~?
名前はな~んでしたっけね~。好きなように呼んでもらって、構いませんよ~。
性別:男(後述の能力により、女に見えてしまう対象者もいる) 一人称:基本は私だが、気分でコロコロ変える 二人称:あなたもしくは名前にさん付け
186㎝。大柄だが、細身。なぜかぱっと見それほど身長が高いように見えない。近くに寄って来て初めてデカさが分かるタイプ。基本的になれなれしく、相手の間合いなど気にすることなくずかずか踏み込んでいく。デリカシーがないかと思えば、突然気遣いの塊になるなど行動の差が凄い。ぶっちゃけ愉快犯的思想の持主な為、面白ければ何でもする。相手を煽るような間延びした話し方をしがち。(相手がイライラして、最終的に激怒するさまが面白いらしい)
本名は、ルネ・ロマーヌ・フェルアイユ。もともとはとある国の貴族だったが、人格が破城していた為勝手に飛び出してきてしまった。名前に頓着がなく、なんと呼ばれてもホイホイ返事をしてくれる。ただし、古郷から飛び出した後面白半分で人気役者をしていたことがありその時の俳優名(セバスチャン・テイラー)で呼ばれるのはものすごく不快。本人曰く語呂悪いし、名前にセンスがないらしい。人生とは舞台であり、己はその役者であるという考え方の元生きている。
→本来は『継承』の為の能力。誰かが願ったこと。誰かが伝えたかった、最後の思い。想い、言葉、声、姿。送り手から受け取り、受け取り手に伝える事で送り手の能力の一部や記憶を継承させることが出来る。そのふり幅は大きく、送り手が最後に発した言葉だけの場合もあればその空間ごと再現し記憶として受け渡すこともできる。また、個々人の能力に関しても制限付きとなるが、受け渡し継承させることも可能。
ふり幅の差は操話のやる気と興味がどれだけ持てたか。また、送り手の思いの強さ。操話のやる気がどれだけあっても、送り手の思いがあまりにも単調もしくは弱いと操話にどれだけ願ったとしても伝えられるのはたった数文字の言葉と言うこともある。逆を言えば、送り手の思いがとてつもなく強く、また、死に際など“本当の最後”の瞬間などは、操話のやる気がなくともその空間事再現され能力、もしくは物すら受け渡すことが可能。ただし、操話のやる気がない場合は、操話が語り継がない可能性の方が高いため、再現可能であろうと実行されなければ意味はないのである。
この能力に関して送り手を自分自身に設定することが出来、また、受け手に関して実は人数制限などないのである。そのため、操話は若干この力を悪用して(そっちの方が面白いから)様々な事柄を“噂”として流しまるでそれが“真実”であるかのように不特定多数の生き物に受け渡している。この能力があるために、操話の“噂話”はたとえ些細な噂でも本当の事の様に受け入れられて伝播してしまうのである。
→語り継ぐ力の付属の能力と言っても過言ではない。語り継ぐ力は受け手にとっては“あり得るはずのない記憶”を、まるでそこにあるのが運命だった当然だったと思わせ“あり得た記憶”として受け手に『記憶操作』を行う事すらある。例えば、能力の継承、空間事の再現及び継承である。
また、空間事の再現や送り手の姿かたち、声の一つの再現は操話の魔力による一種の幻覚作用によるものとも言えなくはなく、その際に受け手に関しては操話によって極限まで精神干渉を受けている状態となる。
精神干渉と記憶操作は操話の見た目にも影響があり、精神干渉を受けた“噂”の内容によっては186㎝のデカめの男であるにもかかわらず女性に見えてしまうものもいれば、化け物のごとくに見える者など多種多様な身目に見える。
ただし、精神干渉に強い魔王や勇者には、操話の能力はかき消されてしまう。本人が『継承』を望まなければ、そういった魔王、勇者には、操話の“噂”は一切きかない。
ルネ・ロマーヌ・フェルアイユ 外見年齢28歳 男
とある国の魔力のとても強い公爵の長子として生まれる。公爵の長子として、国の王太子の遊び相手(次期側近)に選ばれそれに見合った英才教育を施される。その生活の中でルネ自身は苦労したことがなく、基本的に苦労している王太子やその他大勢に対して『こいつらは何をしているんだ?』と常に疑問に思っていた。一度見ただけで全てを覚えてしまうルネにとって、世界は非常に退屈なものであり生きている実感すらもなかった。そんなルネに対して父は「人にはそれぞれの役割がある」と言われ、なぜか覚醒。
なるほど、人生とは演じるものなのか!
その瞬間から、人生を様々な人物として演じる事を生きがいにし始めたルネ。人生は舞台。そして自分はその役者。求められるままに貴族の嫡子を演じるよりも、よっぽど生きがいとしてまともに思えたルネはその足で勝手に貴族邸を脱走。次期国王側近のルネ・ロマーヌ・フェルアイユとおさらばしてしまう。次期国王はルネがいなくなったことに対し、裏では大喜びしたが国王とルネの父は大慌てでルネを探し始める。国の発展にはルネの能力を他国に渡すわけにはいかなかったからである。
ルネはその後演劇の有名な国にわたり、ちゃっかり俳優としてデビューする。持ち前のルックスと演技力の高さにより一躍人気俳優として有名になる。しばらくはルネも俳優としての仕事に、面白さを見出していたがそのうちだんだんと飽きてきてしまう。特にトークショー的などうでもいい仕事が多く回って来るようになってから、仕事への飽きはピークに達してしまう。事務所だとかいう所が勝手につけたセバスチャン・テイラーと言うダサい名前の俳優。品行方正で誰に対しても驕ることなく、ひどく優しい男。丁寧な態度は崩れることなく、能力すら誰もが認める。憧れの舞台上の王子さま。自分が知っている本当の王子様(笑)はこの姿を得るために血のにじむような努力をしていたものだったけれど。簡単すぎる。
それからまたも、事務所に置手紙「俳優は卒業します」を残し突然失踪。故郷の者たちが有名俳優セバスチャン・テイラー事ルネを見つけた時には、ルネは突然の失踪という題名で新聞を騒がせているだけだった。
ルネはその後、詐欺師となり結婚詐欺以外の詐欺はすべて行った。思いのほか、詐欺自体は面白かったが「う~ん、いささか面白みが足りませんねぇ」と莫大な資産を持って早々に引退。盗賊、商人、外交官、出自不明の男、奴隷、従僕と、様々な身分の人物となり祖国と追いかけっこをしながら中々に楽しい毎日を送っていたがやはりどこかで物足りなくなってしまう。どうしたものか、と考えていた矢先とうとう女神に見つかり勇者として生きる事になる。魔王や勇者には興味はあったものの、こればっかりは生まれと運に恵まれていなければなれるものではないため、多少あきらめも入っていたがやっていいと言われれば飛びつく男である。魔力は高いがこれと言って特別思い入れのあるまたは、特殊な魔法と言うものは持ち合わせていなかったルネ。強いて言うならば、その高い演技力。何の因果か女神の力が結びついたのは、ルネの演技を後押しするかのような『語り継ぐ力』というものだった。
ルネは自分のやらなければならない事を理解しつつ、新たな役兼おもちゃに心おどろらせ様々な国を転々としながら力を使い噂を流し流され。そして、噂を扱う特性からか、別に求めてもいないのに情報が集まり中々に面白い日々を暮らしていた。その情報の中には女神に関するものもあり、ゲームの本質について理解したが「まぁ、でも、このままの方が面白そうだし、知らない方が良い真実もありますしね~」と真面目にやってる他の勇者をニヤニヤして見つめてる日々へと変わっただけだった。
そして時は流れ、昔の幼馴染が王位についたことを聞きつける。詳しく聞けば、どうやら父王が病を患い統治どころではなくなってしまい、予定よりも随分早くに王位継承を行ったらしい。「えー!?面白い事になってるなら呼んでよー!」と今まで見向きもしなかった懐かしき故郷へ帰郷。勝手知ったる我が家のように城へ侵入。王となった幼馴染の前に急に現れるルネ。泡を吹いて倒れる幼馴染。地獄絵図となった城の中で、王の暗殺未遂として投獄されてしまう。それすらも面白そうに、無抵抗につかまるがすぐに釈放。幼馴染に一応身なりを整えてから城へ来るようにと言われ、実家の公爵家へ。操話の勇者としての格好をやめ、公爵家長子としての格好に戻り城へ行き幼馴染と会合。色々話はしたものの、最終的にはルネによる『この国の情報は片っ端から網羅してるから、痛い目に合いたくなかったらうまいこと付き合っていこうや』と脅しを受け、国で好き勝手出来る権利を取得。ルネにしたら、「いろんなことを経験してみたけど、次は裏で王国を操るラスボス的立ち位置も面白いよね!」と軽い気持ち。
ある時は国王の側近、ある時は操話の勇者として、“国の王様によってその能力を政治に利用されている”。
まぁ、飽きたらまた、失踪しますけどね。