二つ名:魔剣の勇者
名前:
詳細:
喋る剣を持った少年。
剣の力に取り込まれそうになっていたときに神託を受け、剣を扱うことができる力を得た。剣は魔王と自称しており、大変なものを手に入れてしまったと後悔している
城下町の裏路地に住む12歳の少年。臆病で泣き虫で体力はないが、それなりにまじめ。家は昔、町を守る勇者だった父のおかげで暮らせていたが、小さなころに父が魔族を倒しに出かけて以来戻らず、今では貧乏な暮らしを送っている。毎日の暮らしは母親の内職と裏山での山菜取りでようやく成り立っている。
将来の夢は行方不明の父の消息を知ることと、父を家に連れ帰って元の生活に戻ること。
ある日、少年が山菜を取りに山を歩き回っていると血まみれの黒い剣を見つけた。何気なく触ろうとしたところ、剣が宿していた魔力が少年の体へ一気に流れ込む。胸が内側から抉られるような痛みに耐えきれず、少年は意識を失ってしまう。
気が付くと、少年は闇の中にいた。足元も目の前も自分の姿すら見えないほどの闇だった。何も見えない不安に襲われて、うずくまろうとした少年は、ふと自分の頭上が明るくなったことに気づいた。顔を上げると、そこには闇の中でまばゆく光る1人の女性が少年を見つめながら佇んでいた。
女性は少年に両手を差しのべながら告げた。
「少年よ。今まさに、悪しき者の手によって命を奪われようとしている哀れな子よ。魔を恐れることはありません。あなたは私がえらんだ、いずれ多くの悪しきものを打ち払うであろう勇者となるべき人間なのですから。
…あなたに、襲いくる魔に打ち勝つ力を授けましょう。さあ、その剣を手に取り、世の平和を乱す魔王を倒すのです。」
言い終わった瞬間、女性の手の中から光が漏れたかと思うと、そこに1粒の赤い宝石が現れた。宝石が戸惑う少年の手の中に納まると、女神はそのまま消えていく。女性が去って周囲に闇が戻ったところで少年は別の場所から聞こえる「起きろ!起きろよ寝坊助!」というしわがれ声によって目を覚ました。
目が覚めると、すぐ近くで先ほどの声が聞こえた。周囲を見渡してはみるが、周囲は先ほどと変わらず緑しかない。しばらく探した後で、ようやくそのしわがれ声が地面に横たわった黒い剣からするものだと気付いた。見れば、剣の柄には牙のはえた顔のような施しがしてあり、その顔についた大きな口から、自分たちのわかる言葉が、確かに音として発せられ
ている。少年はあまりの驚きに、その場から動けなかった。
剣のほうはというと、少年の意識が戻ったとわかり、真っ先にこう聞いた。
「あんた、その手の宝石はどこで手に入れた?」
言われて気付かぬうちに握りしめていた手を見ると、夢の中で見た赤い宝石があった。
「ゆ、夢の中で女の人にもらったんだ。」少年は正直に答えた。
それを聞くと、少し魔を置いた後に剣は先ほどの魔力が自分の意志で流したものであることを謝罪し、自分が元々魂を操り食らう魔王であり、食料を得るために人間として聖界にやってきたが、勇者に見つかり、肉体を失ってしまったといった。自らの力のおかげで、なんとか助かったものの、自分では動けなくて困っていると話して、こう切り出した。
「おまえ、その様子だと、勇者だろ?しかも選ばれたばかりの。お前たちの仕事は俺たち魔王をぶっ倒すことだろう?でも、ちっちゃくて弱そうなおまえにどうにもできないだろ?良かったら、この俺様が協力してやろうか?
俺は、お前が魔族どもを殺す手伝いをして、すべてお前の手柄にしてやる。その代わり、倒した魔族の魂はすべて俺の食料として提供しろ。お前は俺の力を使って『強い勇者』として周りから崇められ、お互い十分な食料を得られて満足できる。どうだ?」
少年は困惑した。夢の中の女性―女神は「その剣を取り…」と言った。だが、その剣は自らが魔王である、と主張する。小さなころから「勇者は魔王を倒すもの」と教えられたのに、これでは魔王に協力することになるではないか。
だが、あの女神さまがこのことがわからないはずはない。きっと何か考えがあってのことなのだ。それに勇者になれば家の仕事も楽になるし、もしかしたら今の状況の原因である行方不明の父の手がかりを見つけられるかもしれない。幼いながら、彼は勇者としての義務より、家族を救うことを選んだ。
例え相手が魔王であったとしても。
魔族・人間関係なく魂を食料とすることで長い時を生きる「食心」と呼ばれる魔族の長で、その種族が住む世界を統治する「魂の魔王」。弱肉強食主義で、自分よりも弱いものを嫌う。
魂の世界の中心にある、別世界に通じる門の元門番で、魔王になるまでに多くの勇者のパーティと戦った経験から、対多勢の戦闘につよい。
食心はこの世界にのみ住む民族で、魂の世界の生き物不足により食糧難に見舞われ、ほかの世界の商人から魂を買ったり、あるいは魔王軍が聖界に赴き、人間たちを誘拐したりしてようやく種をつないでいた。
だがある時、赤い目の勇者の襲撃により、魂の世界を攻め落とされ、自分も自らの世界を捨てて聖界に逃げた。
逃げてから数日間は人間に化けて乞食として生活していたが、魔王を追ってきた赤目の勇者に正体を見破られ、近くの深い山奥で追いつめられてしまう。最後の力を振り絞って体を捨てて武器に取りつき、勇者の魂を食らうことでなんとか打ち勝ったものの、体を失った魔王は武器から動けないまま長い年月を過ごす。
しばらくして、不意に自分の体が持ち上げられた。柄のほうを見ると、人間がそこに立っていた。長い間食事をとっていなかった魔王は魂を食らおうと少年の精神に潜り込んだ。すると、突然自分の力を少年の体が弾き飛ばしてしまう。驚いた魔剣が周りを見渡すと、倒れこんだ少年のは自分が殺されかけた時にも見たような、赤い宝石を握りしめていた。
聞こえるように大声で少年を起こすと、目覚めた少年が、見覚えのある赤い目で自分を見ていた。もしかすると、こいつは…。
「おまえ、勇者だろ?聞くところによると、お前たちの仕事は『悪い魔王をやっつけること』らしいじゃないか。でも、ちっちゃくて弱そうなおまえにどうにもできないんじゃないか?…それならこうしよう。…」
少し考えた後に、魔王は提案をする。自分の生きる手段のために。そして、あの忌々しい赤目の勇者への復讐のために…。
魔剣は後述の呪いのために直接は触りづらいので、普段は父のおさがりの背中に背負う形の鞘に入れて持ち歩いている。少し重いので、持ち歩いているときは頻繁に座り込んで休んでいる。
魔剣は自己中心的な節があり、何かと自分勝手な言い分を少年に通そうとする。最初は少年も魔剣が怖いので従っていたが、自らの能力「魔抵抗」の扱いに慣れてくると魔抵抗力の効果が魔剣にも及ぶことを理解し、魔剣の勝手な行動をある程度制限できるようになった。
しかし、人に剣の正体をばらすたびに何かと都合が悪くなってしまうため、元々の魔剣の性格も相まって魔剣と組んだことを少し後悔している。
すべての生き物の魂を糧として生きる200~300人程度の少数民族。人型をしているが、体は胸部にある心臓にあたる魂の宿るガラス体以外すべて魔力でできており、腕はすべて人間の骨のような形状になっている。脚部はガス状になっていて浮遊することができる。また、頭部には脳の代わりの器官はあるが、ガラス体から発せられる微弱な魔力の波で
感知できるようになったことから眼球は退化して空洞となっている。
この特徴から、たいていの物理攻撃は胸部に存在する心臓部以外は効かない。魔王軍兵士のほとんどは常に魂を守るためのチェストアーマーを身に着けている。憑依・念力系の魔術に長けているが、反対に魔術に対する耐性はほぼないに等しい。これが、この民族が少数である理由の一因でもある。
影を自由自在に操るといわれた、赤い目と黒くまがまがしい剣を持つ勇者。魔剣の勇者の父親であり、5歳の時から行方知れずとなっている。
まがまがしく強面な見た目とは裏腹に物腰柔らかで優しい人物だったといわれている。
彼が行方不明になる前の数年間はひたすらにとある種族の討伐に追われていたという。
少年の住んでいた村は周りが大きな森のある山に囲まれていた。森には山菜や木々がうっそうと生い茂って常に暗く、何人もの人間が夜のうちに失踪する事件が相次いでいた。少年の父親はその事件が魔族のものであることを暴き、「黒影の勇者」として町を守るために民を襲う魔族と戦い続けていた。
少年が5歳の時についにその魔族のいる世界を見つけ、それらを滅ぼすために父は旅立っていった。
最初は街の住人も父親が帰ってくると信じていたが、3年たった頃には「もう帰っては来ないだろう」とあきらめ、彼の存在を忘れ始めていた。
このこと以来、少年には「勇者にならないでほしい」と言い聞かせてきた。が、少年は「父さんを探す」と言って勇者になってしまう。勇者として旅に出た今でも転生するたびに母は止めようと説得している。
魂にも味があり、魔力を多く含む魂や過剰な自信をもった魂は食心にとっての一番のごちそう。それ以外は魔剣曰く「からからに乾いた甘味のないスイカのような味」らしい。
女神から与えられた力。
魔剣の持つ強力な魔力にほぼ完全に抵抗できる。
また、自分に対するすべての魔法の威力が軽減される。ただし、自分に向かってかけられた治癒魔法や補助魔法など、プラスとなる魔術も跳ね返してしまう。
この力はある程度調節することができ、魔抵抗を緩めることでいつもはあまり効かない補助魔法・治癒魔法が効くようになるが、代わりに攻撃魔法も当たるようになる。
魔王の魂を無機物に宿らせて、その無機物を魔王に操作させる。死者・生存者問わず生き物には憑りつくことができない。また、憑依時のみ、この能力の下に書かれたすべての能力が一時的に無効・または使用不可となる。
相手の肉体ではなく魂そのものを切る。相手のあらゆる装甲を無視してダメージを負わせることができる。
刀身に相手の肉体が触れた瞬間に発動可能。相手の肉体に潜り込み、魂を丸呑みする。魔族や、少年のように魔力に対する抵抗力が高い人間は、瀕死の状態にまで弱らせなければ丸呑みするどころか潜り込むこともできない。特に呪い(後述)の加速が大きく、試みるだけでも3回使うのがやっとなので注意が必要。
魔王が、表向きは「勇者への手助けの一つ」として少年に使った術。
剣の柄を握っている間、使用者の身体能力を格段に引き上げる。
これにより、本来子供の体で戦闘すら困難である少年が魔族等の外敵とまともにやりあうことを可能にしている。
ただし、この術が有効になっている間、支援の代償として使用者の魂が魔剣の魔力によって苦痛を伴う侵蝕を受ける。柄から手を放したり、剣を鞘にしまうことで術の効果は切れるが、魂の状態が回復することはどのような魔術を用いても一切ない。
副作用の進行はわずかずつではあるが、進行するにつれて少しずつ使用者は「感情」を失っていき、最終的には呼吸をするだけの「生きる屍」となってしまう。
魔剣の勇者が死の恐怖、または強烈な絶望を感じた時、証の力を借りて魔剣の魂と入れ替わり、体が黒い衣をまとった死神のような「魔力体」に変化する。
・武器が剣から大鎌に変わる
・霊体であるため、魔抵抗は無効となる代わりに物理攻撃をうけなくなり、ゆっくりと浮遊することができるようになる。
・それまでに受けた傷はいったんリセットされ、心蝕の呪いの影響をすべて0に戻すことができる。
・また、代心支援の影響を受けずに装甲無視のダメージを与えることができる。
・戦闘態勢にある生き物がいなくなると元の姿に戻り、気絶してしまう。
・上記の代心支援の効果により、時間がたてばたつほど苦痛が彼を襲い、長期戦になると厳しくなる。
・魔術耐性は女神の力により勇者の中でも特に高いが、物理耐性はほぼゼロ。
・魔術耐性は治癒魔法も対象に入るため、魔法による回復がほぼ不可能である。
・憑りつきを行っている瞬間は、魔剣からの支援を受けられないため、完全に無防備になる。
・覚醒中は逆に魔法耐性がないため、魔法中心の相手には不利になる。
・覚醒中は魔王が自由意思を持った体を得ているため、魔剣の考え次第で魔王が仲間の勇者や周囲の無関係な人間を襲う可能性がある。