輝の魔王


二つ名:輝の魔王


名前:


詳細:

黒い教本を持ち、時折勇者を助けさえする魔王。その実態は自分好みの強く美しい輝きを放つ魂を育むため。そんな魂を味わいたいし、そんな勇者に殺されたいと思っている


【追加設定】

☆キャラクター背景

かがやきのまおう。
ふだんは若き篤志家の「アンタレス」と名乗り、完全な人間の姿に擬態して聖界に在住している。聖界では都市部と農村部それぞれに土地を持つそこそこの地主で、ふつうに不労所得を得つつ投資をしながら税金も納めて経済活動に参加している。
ざっくばらんな話し方で一人称は「オレ」。ただし、あらたまった場ではきちんと敬語で一人称も「私」に直す。交流する相手にあわせて話しぶりをかえるタイプ。
基本的には、広く穏やかな人付き合いをして、見どころのあるとおもった相手に、普段は特別なことをしないがここぞというときに金とか権力とか心理的なサポートだとかを適切に出して手助けしてくる金持ちの兄さん。
「成功してもいい、失敗してもいい。オレにキミの一番の輝きの瞬間をみせてくれ……!」

生きとし生けるすべてのものに熱い期待をよせているが、勇者や魔王に支援するときのハイリスクハイリターン感には特にアディクトしている節があるので、勇者や魔王に会えると嬉しくてテンションが上がる。ウオオみろよあの勇者/魔王!きらきらしてらぁ!

 


☆キャラクター詳細

本性はこの世のあらゆる光を吸い込む黒い闇を寄せ集めた、異形のサソリの姿をした魔王。その漆黒の身体を無数の黄色い光が瞬いては消え、星空のように美しい。
尾の針の先からは黒い毒を滴らせている。生き物がこの毒に侵されればたちどころに溶け落ち、黒い液体になって、やがては蒸発して魔王の体をかざる漆黒として取り込まれてしまう。
そうして取り込んだなかに、ごくまれに魔王の漆黒のなかでも消えない光が残ることがある。その光は星のように魔王の内側を焼いている。きらきらの痛みだ。この痛みに焼き殺されるときがくれば、それはどれほどの輝きになろうか。彼はそれが見たくてしかたがない。

どういう生き物が星の輝きを宿すのか、彼は長い生のなかでも把握しきれていない。だからたくさんの生き物とふれあって好きになり嫌いになり、ときに彼らの庇護者として誠実に手助けをして、ときに彼らの夢や理想を悲惨に汚すような出来事を引き起こす。そして、それに対応するときの生き物たちの思いもよらないような行動に直面しては、本気であわてたり傷ついたり一喜一憂したりする。そして素晴らしかったと熱を込めて記録する。
他の生命の歩みを浪費し、それを悪いことだと考えもしない、邪悪な存在である。

聖界の言語でいうなれば。
ーー他者に尽くすサソリの火(Antares)である。
ーーあらゆる他者の障害(Anti-Alles)である。
そして、真なる闇なる存在といえどもいつか燃えて真なる輝きとなる。費やされた血の赤とよく似た赤い光に。ゆえに「輝の魔王」である。

 


☆輝の世界と魔王の能力

輝の世界は、魔王が常に持ち歩いている黒い本そのものである。
黒い本の表紙は輝の魔王の毒によって染められている。中身は一見白紙のページだが、魔王は「これって……きらきらの輝きじゃねえか!!!!!!」と思った生命について、毒で熱心に書き込んで記録している。書き込むとすぐにインクは吸い込まれて消えてしまうのだが、魔王が読み返したいと思って触れると記述が浮かび上がる仕様である。

この本に記述を書き込むことで、輝の世界へのゲートをひらくことが可能になる。それ以外のいかなる方法でも出入りすることはできない。輝の世界は現時点では、やや古い時代~現代の聖界が入り混じったような地理である(これは魔王が聖界を歩き回った時代の風景がそのまま再現されている)。
この魔界に生まれた「魔族」は、聖界にいる人間や動植物と外見的にも、生命としても、大きな差異がない。ただ、身体をつくる構成物質の元をたどれば漆黒の闇である。

輝の魔王がこの世界に書き込む記述は次の3つの性質をもつ。これが彼が魔王として持つ固有の能力である。
なお、魔法や武器なども基礎的なものは一通りできるが、特筆して得意な訳では無い。

 

〇略記

輝の世界に出入りするための記述。魔王の漆黒の毒で「光あれ」と書き込むだけだ。

 

〇銘記

魔王が感銘を受けた生命について、漆黒の毒でアツく記述する。すると、聖界にいる対象と寸分たがわぬ姿と精神を持つ生命が輝の世界に誕生する。聖界にいる本物と同じ生き方をするとは限らない。

 

〇牢記

魔王が漆黒の毒で溶かしてしまった生命について、その溶けた液体の混ざった毒でアツく記述する。すると、溶かした生き物がそのままそっくり輝の世界にやってくる。具体的には、肉体は輝の世界の闇から形作られている。それ以外のすべては聖界に存在していた状態から完全な連続性がある。

なお、魔王はこの本のことをただ「教本」と呼んでいる。自分にとって輝かしく見えたものの指針となる手引書だからだ。

魔王は魔界とともに生まれ、魔界は魔王とともに生まれた。
魔王がただ真なる闇を湛えた毒であったとき、魔界も毒を湛えた闇であった。あらゆる世界のどこにでもあり、どこにもないものだった。
その毒が多くのものを誰知らず溶かし続けるなか、それでも溶けない光が闇にともったとき、はじめて彼は己とそうでないものの境目を認識し、魔王として生まれ、魔界が生まれた。

 


☆輝の魔王の倒し方

銘記・牢記で書き込むほど、「魔界」の力としては増幅していくが、本当に輝くものを書き込んだとき(※たまに超気に入ってアツく書き込んだわりに真の闇の中で輝くほどではなかったものもある。どういう条件で輝くのか魔王にもいまだにマジでわからない)、魔王の真の姿の光も増していく。そのため、書き込むことができる数は無限ではない。魔王の身体の漆黒がなくなったとき、この世界も魔王も光となって燃え尽きる。

そのほかの方法としては、教本を破壊することだ。教本は魔界そのものであり、魔王そのものでもある。ただ、魔王は教本をいつも手放さないうえに、生命を闇に染め上げて溶かす猛毒である。これを壊すにもそれなりの工夫がいることだろうが……。
なお、毒は生きる者の肉体も精神もそれ以外も溶かして黒く染め上げ、魔王を構成する闇とおなじものにしてしまう猛毒だが、あくまで毒ではある。毒に特化した耐性を持つものには効きが悪いかもしれないし、触れないようにしたり体内に取り込まない工夫をしたりことは可能だろう。完全無欠ではない。
なにより、そういった創意工夫で闇を退けようとする努力は輝かしい瞬間を生みやすいと魔王も思っている。

 


☆邪神や盤上遊戯について

魔王となるものを発生させるのが邪神だというのであれば、ただの闇であった自分に光をもたらしたものこそがそれなのだろう。
輝の魔王は邪神と会ったことがない。ただ、自分を光と出会わせてくれたものが実在しているのなら、心からの感謝と愛をささげたいと願っている。
あるいは己に輪郭を与えたあの光そのものこそが、父なる邪神の輝きなのかもしれない、とも。
盤上遊戯についても認識してはいる。まだあまり聖界慣れしていないころ、山ほど生き物を溶かしていくと記述がはかどるうえに輝の世界のほうもなんだか豊作な年が続いた印象があるのでたぶんそれだよなーくらいに思っている。

 


☆聖界の生命や勇者たちへのスタンス

今となっては気に入ったからといってむやみやたらと毒で溶かしたりはしない。美しく輝くものはたとえ「銘記」で残したとしてもきらきらと輝くと信じているからだ。
ただ、相手が自分の毒で溶けても解釈違いにならず、かつ力量やタイミング的に「ワンチャンあるんじゃね?」と思ったら普通に溶かして「牢記」するつもりでもある。だって本物が手に入るなら手に入れたいじゃん。
 


その他:

 

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魔王
最終更新:2025年07月07日 06:09