二つ名:金緑の勇者
本名:忘れた(親しい人間からは旦那、兄貴、金ちゃん)
身長:182cm
体重:74kg
右利き
外見年齢:25歳
装備:女神に何年か前に褒美で貰った特別な白銀剣
伊達眼鏡(勉強等を教える時につける、雰囲気アイテム)
・貰った設定
光の強さで瞳の色が緑か赤に変わる不思議な瞳の持ち主。
飄々としていて多少のことなど笑って済ませる。
勇者としてずいぶん長生きをしているようで、ゲームの事についても粗方把握している
女神と邪神のゲーム、勇者と魔王の戦いの最初期に生まれた勇者の一人。
歴戦を潜り抜けてきたので勇者、魔王の間でも存在が割と知られている。
単独での魔王討伐経験も何度かあるが、現在は他の勇者と組む事が多い。
また、女神から新人勇者に年長者として色々教えて欲しいと依頼されている。
元々世話好きで明るく気さくな金緑の勇者は、その事については楽しんでいる。
教える事は、簡単な勇者としての心得、旅の心得、移動する上で気をつけるべき場所など。
尚全ての新人勇者に関われる訳ではない。
女神を信仰していないが敵対もしていない。笑顔と暖かさの奥にあるものを知っているのが理由。
女神とはお互い笑顔で会話するが、お互い本音を話してないのを意識している関係。
・飄々としていて明るく、お人よしでよく笑い、人懐っこい。
・楽しい事が好きで、一緒に笑ってお酒を酌み交わすとすぐに打ち解ける。
・タバコは吸わない。酒は強く、味の品評に定評がある。
・自分でも、もうどれだけ生きたか分からない。
・単純そうな勇者や子どもをからかったりして、怒らせるのが好き。
でも、真剣な時はどんな相手だろうと話を真剣に聞く。
・普段は好戦的ではないが、戦い自体は好き。白熱するとテンション上がる熱血タイプ。
また、何かを護るための戦いには躊躇しない。
・髪は簡単に結んでいる。洗える時は毎日洗っているので割とサラサラで金色に輝く。
子どもにたまに引っ張られては怒って追い掛け回したりする。
・魔王や女神には軽い敬語で話す。仲良くなった勇者には馴れ馴れしい。
・よく目の煌きや変化を近くで見せてといわれるが、美人相手だと抱き寄せて見せる。
が、誰かしらが止めろ!ってツッコミを入れて阻止するシステムが確立されている。
・魔王に関しては、ゲームの事情をある程度知っているので今はそこまでの敵対意識は無い。
無害そうだったり、気の合いそう魔王なら争わずにスルーしたいなと少しは思っている。
ふらふらと旅をしながら世界を回っている。新人勇者を連れている事もある。
各国に知り合いがいて滞在中はそこに顔を出して酒を飲んだり家に泊めてもらっている。
そのお礼に仕事を手伝ったり、子ども達に簡単な護身術や勉強を教えたり旅の話をしている。
どちらかというと、教師というよりは親戚のお兄ちゃんが家庭教師に来た的な感じ。
また、今年収穫した作物やワインの品評などもしている。それを肴にまた馬鹿騒ぎするのだが。
中世的ファンタジーのような世界。故郷と呼べる国はそんな世界にあったが滅んでいる。
その土地に新しく人が来て村ができており、そこを金緑は第二の故郷にしている。
美味しいお酒と芋料理、皆で助け合い、夜の星が綺麗なこの村に一度お越しください。
授かった勇者としての能力は、『倒した魔王の世界から得られるエネルギーが自身の力になる』能力。
任意でエネルギーを受け取らなかったりは出来ず、強制的に流れ込んでくる。
本来勇者の世界の繁栄などに使われるエネルギーは当然少なくなるが、勇者の身体能力や魔力は格段に強化される。
これは勇者にする時に、金緑が魔王にも勇者にもなれる危うい状態だったので実験的に付与した能力。
いわゆるモルモットで、通常の勇者が魔王の世界のエネルギーを吸収すると、頭が可笑しくなって死ぬ。
女神は充分な結果をこの勇者が示さなければ、即勇者に授けた力を回収した後、抹消しようと考えていた。
倒す事で得られるエネルギーは徐々に増えて、現在その魔界エネルギーの半分ほど。
ただ、魔王を倒して強くなった勇者としての能力を100%出して戦うには覚醒する必要がある。
覚醒しないと肉体がエネルギーに耐えられずに破裂する。また、通常はフルパワー時の25%程度の力しか出せない。
また、覚醒しなければ特別な能力を使うことは出来ず、身体能力と技で戦う。
最初は相手の強さや動きを観察しながら、回避やカウンターで反撃する。
カウンターは経験と動体視力から繰り出され、相手の接近を許さない。
遠距離攻撃や簡単な魔法なら、見切れれば斬り落せる。
【スペクトル】というエネルギー体を腕の宝玉から放出し、自身と合体させる事で覚醒状態に至れる。
覚醒するとスペクトルがカラータイマーのように胸部に装着され、纏めた髪が解ける。
覚醒可能条件は、相手を認めて戦う事を心から決心した時。
覚醒した時に新たに付与される能力は『自身のエネルギーの性質を変化させる事が可能になる』能力。
エネルギーの性質変化とは、自身のエネルギーを女神のエネルギーか邪神のエネルギーに変化させる事が出来る。
現在どちらの性質かは、スペクトルの色によって判断する事が可能で、基本的に青緑と赤の二色になる。
自分の意思で性質は変えられる。変化は一瞬でタイムラグ1秒。
胸のスペクトルが青緑に輝く時、目の色と髪の色も青緑色に変化する。
青緑色時の性質は女神で、純粋に勇者として100%の力を使用することが可能になる。
全身から魔力を放出し、魔力に触れた者を一瞬で居合い切りで切り裂く。
また、白銀剣に魔力を載せて斬撃を飛ばしたりたりする。連射可能。
使用した魔力はエネルギーから消費され、回復しない。
胸のスペクトルが赤に輝く時、目の色と髪の色も赤色に変化する。
赤色時の性質は邪神。性格が若干戦闘的で荒々しく、目つきが魔獣のような状態になる。
この状態は、純粋に敵を倒す事だけを考え、超接近戦で乱暴に剣を振るう戦闘スタイルになる。破壊力は桁違い。
攻撃速度も急激に上がるので一度防御に回るとラッシュ攻撃を受ける事になる。
どちらの色も共通して、1時間経過すると胸の【スペクトル】が強制的にはじき出され覚醒は終了する。
覚醒後のデメリットは、身体に反動のダメージと視力と目の色の一時的喪失。これらは使用時間の10倍の時間つづく。
デメリット時間の間は勇者の証を使う以外の魔法がつかえず、いかなる回復行為も効果がない状態になる。
胸のスペクトルが黄金に輝く時がある。今まで一度も変化させた事は無い。
黄金に輝く時は女神と邪神のエネルギーが混ざり合い、神に等しい半神エネルギーに性質変化可能。
全身が黄金に輝く以外は普段の金緑の勇者と同じ状態だが、存在が薄くなり威圧感はなくなる。
半神状態での攻撃は全てを光にし、抵抗できない。防ぐ事が出来るものは、女神や邪神位かもしれない。
動きも早くなり、自身が使用できる全ての技を使用できるようになる。
この状態になったデメリットとして、5分間の半神状態後今までためたエネルギーが全て消滅する。
当然女神から授かった勇者としての力も消滅するため、技を放った後金緑の勇者の存在も光になって消える。
・ぱっと見診断:相手の実力を測る。やばそうならほどほどに相手をして逃げる。
・スマイル:まぶしい。老若男女問わずつられて笑ってしまいそうになる。例外はある。
・カウンター防御:その場デ動かず、相手の物理的攻撃に合わせて剣や体術で防御専念。遠距離攻撃も切り落とせる。
・カウンター攻撃:相手に高速接近し、相手の攻撃を誘発、その攻撃にあわせてカウンターを行う。
・逃走:全力で恥を投げ捨てて逃げる。仲間と一緒の時は仲間を先に逃がす。
・スペクトル:掌サイズの光球を発生させる。色は青緑と赤に変化。覚醒を解く以外消す方法は無い
・アレサイト:女神状態限定。自身の周りに青緑色の魔力を帯び、触れた者を探知する。使用中は常時魔力消費。
探知された瞬間アレサンドラで攻撃されるのでアレサイトがある部分が金緑の攻撃範囲になる。
・アレサンドラ:白銀剣に魔力を帯びさせ、斬撃を放出して相手を切り裂く。
斬撃に魔力が混ざっているので普段斬れないものにも攻撃可能。連射性能あり。魔力消費あり。
・レッドラッシュ:邪神状態限定。驚異的な腕力と攻撃スピードで白銀剣を叩きつける。
防御されてもそのまま何度も叩きつける。
・最後の5分:半神状態になる。
彼が生まれた時、世界はまだ平和でした。勇者と魔王、それもまだたまに風の噂で聞き始める程度の時代。
彼は生まれながらに特別な目を持っていました。それに親や周囲が気づくとたちまち噂になりました。
近隣の村からわざわざ実に来る人も居て、何か幸せを運んでくれる子どもなのでは、と崇められました。
優しく暖かい村人に囲まれ、人並みに恋をして、友を作り酒の味を覚え、彼は明るく元気に育ちます。
そしてそんな村の皆を守って恩返しをしたいと、成人した彼は仕事をマジメに手伝う好青年になります。
そんな彼の25歳の誕生日の夜。
ささやかな誕生祭りの中、ある女が村に現れました。とても美人でした。
その美人が彼に近づき、彼の目を見つめて舌なめずりした後、村人達にも聞こえるように言いました。
『噂どおりのステキな瞳。私のものにしてあげる。その頭蓋骨ごとね。邪魔をしたら殺すわよ?』
驚く村人の前で美人はボキボキと音を立て変身し、彼を片手で掴みました。美人は魔王だったのです。
逃げろ!と叫んだ彼でしたが、村人達は斧や鍬、箒などを持って立ち向かってしまいます。
皆、彼が好きだったのです。殺されたくなかったのです。魔王はにやりと笑い、村人を蹂躙しはじめます。
家も人も、全てが壊され、彼に人生最大の絶望が襲われ気絶した時、意識に女神が現れました。
【貴方を勇者に選びました。生き残り、魔王をを倒して世界を平和に導くのです。】
(何でもいい。目の前の魔王を倒せるのなら。俺に力をくれるなら勇者にでも魔王にでもなろう。)
【いいでしょう。新たな勇者の誕生です。今日から貴方は金緑の勇者です。】
魔王が全てを壊してから、気絶した彼を確認しようと覗き込んだ瞬間、目覚めた勇者に顔を殴られ目を潰されます。
ギャアアと叫び、怯んだ魔王に怒りに震えて涙を流しながら剣で斬り、首を跳ねて討伐します。
金緑の勇者は、悲しみと魔王の血に染まった廃墟と亡骸の中で誕生しました。
廃墟になった村の近くに村人たちを埋葬し、旅立ちます。目的は魔王討伐。
魔王が居ると聞けば自ら事を省みず、問答無用で退治しに行きました。
負ける時もあるけれど討伐する事もあり、徐々に名声が広まります。
ある時、魔界で魔王を討伐に挑みました。激戦の末、相手の魔王に致命傷を与える事に成功します。
その時、ふと見渡すと何処かで見た光景がありました。
魔王に襲われた自分の村、あの惨劇とそっくりでした。そして自分が魔王と同じ事をしていることに気づきます。
致命傷の魔王は、この闘いのゲームについて知る限りの真実を動揺する勇者に怒鳴るように語り、息絶えました。
女神からは今回の魔王討伐を評価をされ白銀剣を貰いましたが、ただただ虚しいだけでした。
目標も失い、どうすればいいのか分からなくなり、廃人寸前の金緑の勇者は無意識に廃墟の故郷に向かいました。
そこには、かつてほどではないけれど小さな村がありました。家も数件建っています。
ボロボロの金緑の勇者に気づいた村人は、何も言わずに風呂に入れ、温かいご飯を作ってくれました。
彼らは語ります。自分達の村は壊され世界を新天地を探していた時、このステキな土地を見つけたと。
金緑の勇者も語ります。かつて自分の村があった事を。かつての幸せだった日々の事を。
村人達は言いました。
「今日からここを貴方の故郷だと思って欲しい。貴方は孤独ではないんですよ、おかえりなさい。」と。
人は簡単に死ぬが、力強い。儚いからこそ暖かい。
ボロボロだった金緑の勇者は、やっと何かから開放されたかのように癒されました。ボロボロと泣きました。
そして、何年も失われていた笑顔がその顔に戻りました。
もう何年も、何十年も前の話です。
その後、金緑の勇者は自然体に生きるようになりました。
村のために働きつつ、旅をするようになります。一つの場所に長居するとその村の人に迷惑がかかると思うから。
それに一つだけ、女神についてずっと考えている事がありました。
あの日、魔王に襲われたあの日。
なぜ村を滅ぼされた後に自分を勇者にしたのか?気絶するのをまっていた?軽い気絶なら何度もしたのに?
女神はあの日魔女が村を訪れるのを知っていたのではないか。それを利用して俺を勇者に選んだのではないか?
何のために?決まっている。魔王を憎み、より多くの魔王を倒させる強いコマを手に入れるために。
これは、ただの憶測です。違っている可能性の方が大きいんです。
が、女神は信用できない。その思いは忘れてはいけない気もするのです。
魔王討伐に関しても疑問や迷いもあるが、倒すべき魔王もまた存在するはず。自らの目で見極めたいと思いました。
これらの思いを胸に秘め、気楽に、楽しく。笑って生きていたい。今の彼はそう考えています。
そして、いつか自分に運命の時が来たら…。