Logicool TrackMan Marble (TM-150,TM-150r)

目次


概要

製品の概要

  • 長い歴史を持つ人差し指型トラックボールの安価な定番
    • 品名 Logicool TrackMan Marble (ロジクール トラックマン・マーブル、海外では Logitech ブランド、Marble Mouse とも呼ばれる)
    • 型番 TM-150 / TM-150r (注:TM-150は販売終了したが、同梱CD-ROMが省略された同仕様品TM-150rが代わりに販売されるようになった)

マウスとの比較におけるトラックボール共通のメリット

  • 机の上で場所を取らない
    • マウスの場合、マウス本体の可動域(マウスパッドの大きさ)分の平らな領域に加え、ケーブルや腕が動くためのスペースも空けておく必要がある
    • 無線マウスの場合は、ケーブルが動くためのスペースは不要だが、その代わりに電波の届く範囲や電池の残量を管理しなければならず面倒
    • トラックボールの場合、本体が固定さえされていればよい(平らである必要さえない)
  • 腕が疲れない
    • 手首から先だけで操作でき、腕全体を動かす必要がない
    • 本体をあちこち移動させないのでキーボードのすぐそばに置くことができ、キーボードのホームポジションとの間で持ちかえるときの腕の移動距離を節約できる
  • 操作が確実
    • トラックボールではボール操作とボタン押下操作とが独立しているので、以下のようにマウスにありがちな操作ミスは起こりにくい:
      • マウスでは、ダブルクリックの最中にうっかり本体を動かしてしまうとドラッグ&ドロップになってしまう
      • マウスでは、ドラッグ中にマウス本体を持ち上げて位置を変えようとするときに指がボタンから離れてしまい意図しない場所にドロップされてしまう
  • 操作音が静か
    • マウスの場合は、ポインタを大きく移動させようとすると本体をいったん持ち上げて元の位置に戻す動きが必要になるが、その動作のたびにバタバタと音がする
    • 有線マウスの場合は、マウス移動とともにケーブルも動き回って机や机上のものに触れ、カチャカチャという音もする
  • 操作が快適
    • ボールを指先で軽くコロコロと転がしてマウスポインタを操作する感覚には、マウスにはない快適さがある

親指型トラックボールとの比較における人差し指型トラックボールのメリット

  • 自在にボールを操作できる
    • 親指は短いので、一度に大きく動かせない(特に、ボールを前後方向にころがす動作)
    • 特に、ドラッグ操作時(親指以外の指の1本がボタンをホールド中)には、親指はますます動かしにくくなる
    • 人差し指と中指とを協調させて2本で操作する方が、より複雑なボール操作が可能
  • キーボードの左側に置いて左手で操作することも可能
    • 構造が左右対称なので、物理的に左右どちらの手でも操作可能
    • 右利きの人でも左手でじゅうぶん操作が可能(慣れだけの問題)
    • 右利きの人が左手で操作する場合、空いた右手で同時に他の複雑な作業ができる(キーボード右側のテンキーを操作する、ペンでメモを取る、箸で飯を食う、等)
    • キーボードのホームポジションから持ちかえるときの腕の移動距離は、キーボードの右側に置く場合よりさらに小さい(カーソルキーやテンキーの上を越える必要がないから)
    • 全く同じトラックボールを2つ、キーボードの左右両側に配置して、左右どちらの手でも操作できるようにできる
      • 左手でトラックボール、右手でカーソルキー、テンキー、Page Up/Dwon キーなどの操作(キーボードの右側にこの種のキーが集中している)
      • 右手でトラックボール、左手でCtrlキーやAltキーを使ったキー操作(Ctrl+C/Vでコピペ、Alt+Tabでウィンドウ切り替え、など左手指だけで操作できるキーボードショートカットは多い)

メリットがあるのにトラックボールが普及しない理由(推測)

  • マウスほど操作が直感的でない
    • ポインタ操作が最初からは思いどおりにできないので、コツを掴むまでしばらく我慢して試行錯誤や練習をする必要がある
    • ましてや利き手でない左手で操作しようなどとは、右利きの人は想像すらしない
    • コツを掴むための努力を途中で放棄する人も多いと思われ、そういう人たちが「トラックボールは使いにくい」という情報を流す
  • いまや不可欠となった「ホイール操作」との両立が構造的に難しく、代替の実現手段はあってもそれぞれ課題がある
    1. 実現手段その1: 親指型トラックボール(Logicool TrackMan Wheel TM-250 など)
      • 上述のとおり、人差し指型に比べて操作性が劣る
    2. 実現方法その2: ボール周囲のジョグダイヤル型ホイール(Kensington TurboRing など)
      • ホイールがボールと接近し過ぎているので、誤操作が起こりやすい
    3. 実現方法その3: ボールを上から「ひねる」ように回転させてホイール操作を認識(Kensington の一部の機種)
      • ボールを上から「ひねる」には、トラックボールに置いた手をいったん浮かせなければならず操作が途切れる
      • 「ひねる」動作は素早く繰り返せない(手首をいったん逆に回して戻さなければならないから)
      • (ただし、ボールの横側を指の横でこするようにしてボールにひねり回転を加えることでも操作できる)
    4. 実現手段その4: Wheel Ball や mouse-processor など常駐ソフトの併用
      • 添付のドライバソフト以外のソフトをわざわざダウンロードして設定しなければならない
      • 同一のボールをホイール操作にも使うので、モード切り替え操作が必要となり、物理的に独立したホイールを使う場合よりも操作がやや煩雑になる
      • ホイール操作のためのモード切り替え操作(右ボタンホールド、など)が既存の他の操作(右ドラッグ、など)とバッティングしがち
    5. 実現手段その5: モード切替によるホイール代用機能(Logicool Trackman Marble では、SetPoint の AutoScroll と UniversalScroll)
      • トグル的にモードを切り替える必要があり、本物のホイールほど操作が直感的でない
  • 移動中のポインタの軌跡まではうまく制御できないので、ある種のソフトとの相性が極端に悪い
    • ドローイングツール
    • ペインティングツール
    • マウスジェスチャツール(FireGestures や StrokeIt など)
  • 概して値段が高いので手を出しにくい
    • しかも、買ってすぐには値段に見合う効果を感じられず、操作に慣れるまで不自由さを感じ続けることになる
  • 参考: 入門トラックボール愛 - トラックボール愛のはぐくみ方

URL

インストール

  • 中ボタンやホイール操作をエミュレーションするためのユーティリティのインストールが必要(設定は後述)

ホイール操作エミュレーションをmouse-processorで実現する場合

  • mouse-processor をインストールする
  • Wheel Ball や、Logicool のユーティリティ「SetPoint」「MouseWare」などは、インストールしなくてよい
    • いずれも、必要な動作を単独では実現できない
    • mouse-processor だけ適切に設定すれば、必要な動作を実現できる
  • [2012-10-21 日] 注: mouse-processor は、Windows 7 (64-bit) 版の Explorer では正常に動作しない

ホイール操作エミュレーションをSetPointとWheelBallで実現する場合

  • Wheel Ball をインストールする
  • Logicool のユーティリティ「SetPoint」をインストールする
  • Logicool のユーティリティ「MouseWare」は、インストールしなくてよい
  • 「SetPoint」では右小ボタンに中ボタンを割り当てられないが、「SetPointPlus」をインストールするとそれが可能になる(左手で使うには必須)

(参考)ホイール操作エミュレーションを Marble Mouse Scroll Wheel で実現する場合

  • Marble Mouse Scroll Wheel をインストールする

設定

前提とする使い方

  • トラックボール本体をキーボードの左側に置き、左手で操作する
  • (可能なら)同じ設定のまま右手でも操作しやすいことを考慮する
    • 注:2つつないだ場合にSetPointではそれぞれに独立した機能割り当てを設定できるが、再起動後は2つとも1つめの設定に共通化されてしまうようだ(左側用だけ「Swap Buttons」で左右ボタンを入れ替える、といった使い方をするときには要注意)

SetPointの基本的な設定

  • ボタンの設定
    • mouse-processor や WheelBall など他のユーティリティを併用する場合は、それらの設定と干渉しないように注意する
    • UniversalScroll や AutoScroll は、一見便利そうだが、アプリケーションとの相性問題が厳しく、実用に耐えない
  • ポインタ及びスクロールの設定
    • ポインタの設定: 「やや遅め」程度にしておくと、細かい操作がやりやすくなる(例:テキストを範囲指定してコピペする場合)
    • ポインタの加速: 「高」にしておくと、ポインタの設定が「やや遅め」でも、ポインタを大きく動かすのが楽になる
    • 設定例

mouse-processor の設定(その1)の概要

  • 左右ボタンの入れ替えはしない
    • mouse-processor が動作していない他の環境でも操作感が大きく変わらない方がよい
      • セーフモード、Linux マシンに接続したとき、mouse-processeor の設定ファイルにエラーがあって正常起動に失敗したとき、など
    • 薬指での「左クリック」と親指での「右クリック」には、慣れればよい
    • 各種のマウスジェスチャツールでは「右ボタンをホールドしながらマウスを操作(右ボタンドラッグ)」という操作がよく使われるが、ホールドするのが親指側ボタンであった方がジェスチャを制御しやすい
    • 2つ接続して左右両側に置く場合、左右の設定が揃っているほうが混乱がなくてよい
  • 中ボタンクリックのエミュレーション: 左大ボタンと右大ボタンを同時クリック
    • 2ボタンマウスでの中ボタンエミュレーションの標準的な割り当て方でもある
  • マウスホイール操作のエミュレーション: 右小ボタンをホールドしながらボール操作
    • 左大ボタンや右大ボタンに割り当てると、各種のドラッグ操作と衝突するので、それは避ける
    • 左小ボタンはどの指からも押しにくい位置にあるので、使用を避ける
  • 挙動をシンプルにするため、垂直ホイールだけに限定する(水平ホイールは使わない)

mouse-processor の設定(その1)の詳細

  • 設定スクリプト(抜粋)
    (global
     (initial-mode . tmm-normal)
    )
    
    (normal-mode
     ;; normal mode:
     ;;   button 1     => button 1 click
     ;;   button 2     => button 2 click
     ;;   button 1+2   => button 3 click
     ;;   button 5     => change to scroll mode (only vertical)
     (tmm-normal
      (button-d-1   . (button-d 1))
      (button-u-1   . (button-u 1))
      (button-d-2   . (button-d 2))
      (button-u-2   . (button-u 2))
      (button-d-1+2 . (button-d 3))
      (button-u-1+2 . (button-u 3))
      (button-d-5   . (scroll-mode tmm-scroll-v))
      (wheel        . (post-wheel-message))
     )
    )
    
    (scroll-mode
     ;; scroll mode (only vertical)
     ;;   button 5 release => return to normal mode
     (tmm-scroll-v
      (scroll-ratio 0.0 1.0)
      (button-u-5   . (normal-mode tmm-normal))
      (wheel        . (post-wheel-message))
     )
    )
    

mouse-processor の設定(その2)の概要

  • 設定(その1)の中ボタンクリックとマウスホイール操作を以下のように入れ替える:
    • 中ボタンクリックのエミュレーション: 右小ボタン(または左小ボタン)をクリック ※左小ボタンは右手使い用
    • マウスホイール操作のエミュレーション: 左大ボタンと右大ボタンを同時ホールドしながらボール操作
  • 設定(その1)との比較
    • マウスホイール操作のエミュレーションにおいては
      • 右小ボタンのホールドには親指をやや無理な角度に曲げる必要があり、その状態を保ったままボールを操作するのはちょっと辛いが、それがなくなる
      • 左右大ボタンをホールドしてのボール操作は、慣れるまでは手に余計な力が入って疲れるかもしれない
    • 中ボタンクリックのエミュレーションにおいては
      • 左右同時クリックで中ボタンクリックをエミュレーションする他の環境との操作上の互換性は低くなる
      • その代わり、左右同時クリックが左クリックや右クリックと誤認識される事故は起こりにくくなる

mouse-processor の設定(その2)の詳細

  • 設定スクリプト(抜粋)
    (global
     (initial-mode . tmm-normal)
    )
    
    (normal-mode
     ;; normal mode:
     ;;   button 1+2   => change to scroll mode (only vertical)
     ;;   button 4     => button 3 click
     ;;   button 5     => button 3 click
     (tmm-normal
      (button-d-1   . (button-d 1))
      (button-u-1   . (button-u 1))
      (button-d-2   . (button-d 2))
      (button-u-2   . (button-u 2))
      (button-d-1+2 . (scroll-mode tmm-scroll-v))
      (button-d-4   . (button-d 3))
      (button-u-4   . (button-u 3))
      (button-d-5   . (button-d 3))
      (button-u-5   . (button-u 3))
      (wheel        . (post-wheel-message))
     )
    )
    
    (scroll-mode
     ;; scroll mode (only vertical)
     ;;   button 1+2 release => return to normal mode
     (tmm-scroll-v
      (scroll-ratio 0.0 1.0)
      (button-u-1+2 . (normal-mode tmm-normal))
      (wheel        . (post-wheel-message))
     )
    )
    
  • (補足)これに近いことは WheelBall でもできるが、左右小ボタンでの中ボタンクリックエミュレーションができなくなる
    • [X] マウスボタンをスイッチに使用する(E)
    • 使用するボタン
      • [X] Button 0 (左ボタン)
      • [X] Button 1 (右ボタン)
      • [ ] Button 2 (中ボタン)
      • [ ] Button 3 (Xボタン1)
      • [ ] Button 4 (Xボタン2)
      • [X] 2ボタン同時押し - 判定時間(ミリ秒):500
    • ホイール固定操作
      • [ ] ドラッグ(D)
      • [ ] クリック(C)

mouse-processor の設定(その3)の概要

  • 設定(その1)(その2)の中ボタンクリックとマウスホイール操作を以下のように変更する:
    • 中ボタンクリックのエミュレーション: 右小ボタン(または左小ボタン)をクリック ※左小ボタンは右手使い用
    • マウスホイール操作のエミュレーション: Altキーを押しながらボール操作
  • 設定(その1)(その2)との比較
    • 利点: トラックボール本体を持つ手に無理がかからない
    • 欠点: ホイール操作を片手だけではできなくなってしまう

mouse-processor の設定(その3)の詳細

  • mouse-processor ではキーとの組み合わせを定義できないので WheelBall を併用する
    • [X] キーボードをスイッチに使用する(E)
      使用するキー(K)
      • [X] Alt
  • mouse-processor の設定ファイルは(その1)(その2)と同様、ただし中ボタンクリックのエミュレーション専用

mouse-processor の設定(その4)の概要 ※アイデアのみ

  • 以下の動作をしてくれるとよいのだが実現手段がない:
    • 中ボタンクリックのエミュレーション(1): 右小ボタン(または左小ボタン)をクリック ※左小ボタンは右手使い用
    • 中ボタンクリックのエミュレーション(2): 左右大ボタンを同時クリック
    • マウスホイール操作のエミュレーション: 左右大ボタンをホールドしながらボール操作

mouse-processor の設定(その5)の概要

  • 設定(その2)のマウスホイール操作を以下のように変更する:
    • マウスホイール操作のエミュレーション: 右大ボタンを押しながらボール操作
    • 右ボタンクリックのエミュレーション: 左右大ボタン同時クリック
    • 右ボタンドラッグのエミュレーション: 左右大ボタン同時ホールド&ボール操作
  • 設定(その2)との比較
    • 利点: 「左右大ボタンを押しながらボール操作」よりも「右大ボタンを押しながらボール操作」のほうが楽
    • 欠点: 右ボタン操作まで別の操作に置き換えるので通常のマウスの操作との互換性が低い

mouse-processor の設定(その5)の詳細

  • 設定スクリプト(抜粋)
    (global
     (initial-mode . tmm-normal)
    )
    
    (normal-mode
     ;; normal mode:
     ;;   button 2 down => change to scroll mode
     ;;   button 1+2    => button 2 click
     ;;   button 4      => button 3 click
     ;;   button 5      => button 3 click
     (tmm-normal
      (button-d-1   . (button-d 1))
      (button-u-1   . (button-u 1))
      (button-d-2   . (scroll-mode tmm-scroll-v))
      (button-d-1+2 . (button-d 2))
      (button-u-1+2 . (button-u 2))
      (button-d-4   . (button-d 3))
      (button-u-4   . (button-u 3))
      (button-d-5   . (button-d 3))
      (button-u-5   . (button-u 3))
      (wheel        . (post-wheel-message))
     )
    )
    
    (scroll-mode
     ;; scroll mode (only vertical)
     ;;   button 2 up => return to normal mode
     (tmm-scroll-v
      (scroll-ratio 0.0 1.0)
      (button-u-2   . (normal-mode tmm-normal))
      (wheel        . (post-wheel-message))
     )
    )
    
  • (補足)これに近いことは WheelBall でもできるが、左右小ボタンでの中ボタンクリックエミュレーションができなくなる
    • [X] マウスボタンをスイッチに使用する(E)
    • 使用するボタン
      • [ ] Button 0 (左ボタン)
      • [X] Button 1 (右ボタン)
      • [ ] Button 2 (中ボタン)
      • [ ] Button 3 (Xボタン1)
      • [ ] Button 4 (Xボタン2)
      • [ ] 2ボタン同時押し - 判定時間(ミリ秒):500
    • ホイール固定操作
      • [ ] ドラッグ(D)
      • [ ] クリック(C)

AutoHotkey でホイール操作を実現する設定

SetPoint 単独でホイール操作を実現する設定

  • SetPointでは、中ボタンの機能を右小ボタンに割り当てられない(左小ボタンだけに割り当てられる)ので、残念ながら、右手と左手の操作を対象に設定することはできない(が、右手と左手それぞれで操作に慣れればよい)
  • SetPointでは、「○○ボタンを押しながらボール操作」でホイール操作を実現する、ということもできない(が、AutoScroll や UniversalScrool に慣れればよい)
  • 左手で操作する場合も右手で操作する場合も、以下のように割り当てるとよい
    1. 左大ボタン: 左ボタンのクリック
    2. 右大ボタン: 右ボタンのクリック
    3. 左小ボタン: 中央ボタン
      • 「タスクの選択」でまず「その他」を選択し、「機能の選択」ボタンを押してからリストボックスの中から「中央ボタン」を選んでOKボタンをクリック
    4. 右小ボタン: AutoScroll または UniversalScroll (お好みで)
      • 注: SetPoint の AutoScroll/UniversalScroll は、アプリケーションによっては期待通りの挙動を示さないことがある

SetPoint と WheelBall を組み合わせてホイール操作を実現する設定(その1)

  • 「SetPoint 単独でホイール操作を実現する設定」とほぼ同じだが、右小ボタンの使い方だけ違う
  • SetPointは以下のように設定する
    1. 左大ボタン: 左ボタンのクリック
    2. 右大ボタン: 右ボタンのクリック
    3. 左小ボタン: 中央ボタン
    4. 右小ボタン: 汎用ボタン
  • WheelBallは以下のように設定する
    • [X] マウスボタンをスイッチに使用する(E)
    • 使用するボタン
      • [ ] Button 0 (左ボタン)
      • [ ] Button 1 (右ボタン)
      • [ ] Button 2 (中ボタン)
      • [ ] Button 3 (Xボタン1)
      • [X] Button 4 (Xボタン2)
      • [ ] 2ボタン同時押し - 判定時間(ミリ秒):500
    • ホイール固定操作
      • [ ] ドラッグ(D)
      • [X] クリック(C)
  • ホイール操作は以下の2通りのいずれでも実現できるが、それぞれメリット・デメリットがある
    1. 右小ボタンをホールドしながらボール操作
      • 右小ボタンから指を話すともとに戻る
      • 右手の場合は、右小ボタンをホールドするのが薬指になるので、指がつりそうになるかも
    2. 右小ボタンをシングルクリックしてからボール操作(ホイール固定操作)
      • 右小ボタンをもう1回クリックすると元に戻る
      • ホイール固定操作中は、そうであることを意識し続けていなければならない(マウスポインタの形状が変わってくれるなどすればよいのだが)

SetPoint と WheelBall を組み合わせてホイール操作を実現する設定(その2)

  • 「SetPoint と WheelBall を組み合わせてホイール操作を実現する設定(その1)」とほぼ同じだが、左右小ボタンいずれのホールドでもホイール操作が可能になる
  • SetPointは以下のように設定する
    1. 左大ボタン: 左ボタンのクリック
    2. 右大ボタン: 右ボタンのクリック
    3. 左小ボタン: 中央ボタン
    4. 右小ボタン: キーストロークの割当(キーストロークの指定:無変換)
  • WheelBallは以下のように設定する
    • [X] マウスボタンをスイッチに使用する(E)
    • 使用するボタン
      • [ ] Button 0 (左ボタン)
      • [ ] Button 1 (右ボタン)
      • [X] Button 2 (中ボタン)
      • [ ] Button 3 (Xボタン1)
      • [ ] Button 4 (Xボタン2)
      • [ ] 2ボタン同時押し - 判定時間(ミリ秒):500
    • ホイール固定操作
      • [ ] ドラッグ(D)
      • [ ] クリック(C)
    • [X] キーボードをスイッチに使用する(E)
    • 使用するキー(K)
      • (*) 無変換
    • ホイール固定操作
      • [ ] キーを押したまま、マウス移動(R)
      • [ ] キーを押して、離す(C)
  • ホイール操作は以下の2通りのいずれでも実現できる
    1. 右小ボタンをホールドしながらボール操作
    2. 左小ボタンをホールドしながらボール操作
      • Firefoxでは、なぜか左小ボタンを使った場合のスクロールが速い

SetPoint と WheelBall を組み合わせてホイール操作を実現する設定(その3)

  • 「SetPoint と WheelBall を組み合わせてホイール操作を実現する設定(その2)」とほぼ同じだが、ホイール操作に割り当てるのは左小ボタンのみで、右小ボタンには「ドキュメントフリップ」機能を割り当てる
  • SetPointは以下のように設定する
    1. 左大ボタン: 左ボタンのクリック
    2. 右大ボタン: 右ボタンのクリック
    3. 左小ボタン: 中央ボタン
    4. 右小ボタン: ドキュメントフリップ (アクティブウィンドウをプルダウンメニューで切り替えられる)
  • WheelBallは以下のように設定する
    • [X] マウスボタンをスイッチに使用する(E)
    • 使用するボタン
      • [ ] Button 0 (左ボタン)
      • [ ] Button 1 (右ボタン)
      • [X] Button 2 (中ボタン)
      • [ ] Button 3 (Xボタン1)
      • [ ] Button 4 (Xボタン2)
      • [ ] 2ボタン同時押し - 判定時間(ミリ秒):500
    • ホイール固定操作
      • [ ] ドラッグ(D)
      • [ ] クリック(C)
    • [ ] キーボードをスイッチに使用する(E)
    • 使用するキー(K)
      • (*) 無変換 (右小ボタンに「無変換」を割り当てないので、本当の「無変換」キーだけをスイッチに使用する)
    • ホイール固定操作
      • [ ] キーを押したまま、マウス移動(R)
      • [ ] キーを押して、離す(C)

Linux (UbuntuやDebianなど) での設定の概要

Linux (UbuntuやDebianなど) での設定の詳細(その1)

Section "InputClass"
	Identifier "Marble Mouse"
	MatchProduct "Logitech USB Trackball"
	MatchIsPointer "on"
	MatchDevicePath "/dev/input/event*"
	Driver "evdev"
	Option "ButtonMapping" "1 2 3 4 5 6 7 2 2"
	Option "EmulateWheel" "true"
	Option "EmulateWheelButton" "3"
	Option "ZAxisMapping" "4 5"
	Option "Emulate3Buttons" "false"
EndSection
  • 操作は設定(その2)とほぼ同じだが、ホイール操作は「左右大ボタンをホールドしながら」ではなく「右大ボタンだけをホールドしながら」となる
  • 操作は設定(その5)ともほぼ同じだが、右ボタンクリックや右ボタンドラッグの挙動はそのままで、「左右大ボタン同時クリック」「左右同時ボタン同時ホールド&ボール操作」での代替は不要
  • 問題点: Openbox では、右クリックメニューを開いた後にドラッグ操作で選択する必要があるので、この設定は採用できない

Linux (UbuntuやDebianなど) での設定の詳細(その2) -- 立案のみ、未検証

Section "InputClass"
	Identifier "Marble Mouse"
	MatchProduct "Logitech USB Trackball"
	MatchIsPointer "on"
	MatchDevicePath "/dev/input/event*"
	Driver "evdev"
	Option "ButtonMapping" "1 2 3 4 5 6 7 2 9"
	Option "EmulateWheel" "true"
	Option "EmulateWheelButton" "9"
	Option "ZAxisMapping" "4 5"
	Option "Emulate3Buttons" "false"
EndSection
  • 「SetPoint と WheelBall を組み合わせてホイール操作を実現する設定」と同じ操作を実現しようとしてみた
    • 右小ボタンを押しながらのボール操作で、ホイール操作をエミュレーション
    • 左小ボタンを「中ボタン」として割り当てる
    • Emulate3Buttons を true にすると左右大ボタン同時押しでも「中ボタン」になるが、マウスジェスチャとの併用の可能性を考慮し、ここでは false にした

使い方のコツ

置き方のコツ

  • 身体の向きに対して、まっすぐではなくやや斜めに向けて置く
    • ボール側をやや内側に、パームレスト側をやや外側に向ける
    • 棒状のものを上から手で握るときの角度をイメージしつつ、それより小さめの操作しやすい角度を探す(10~20度あたり)



持ち方のコツ

  • トラックボール本体の全体を包み込むように手のひらを置き、ボールを操作する指がボールに対してややかぶせ気味になるぐらいにするとよい
  1. まず、左の手のひらの手首に近い付け根あたりを、トラックボール本体のパームレストの一番手前の部分に当てる
  2. そのままそれぞれの指を自然に下ろす
  3. 親指の先は、右大ボタンの最も幅が広くなっているあたりに軽く置く
    • ボタン下部と本体の境目あたりに段差があるので、手触りでわかる
  4. 薬指の先は、左大ボタンの先端の尖ったあたりに軽く置く
    • 薬指の腹がボタンの尖った先端部分に触れるようにすると、手触りでわかる
  5. 人差し指と中指の間をわずかに広げ、その両方をボールの上に軽く置く
    • 指先ではなく、指の腹もしくは第一関節の裏側あたりがボール中央に触れるような位置に置くことで、ボールを前後どちらにも大きく転がせるようになる

操作のコツ

  • 予備知識: 「第一関節」は指先に最も近い関節、「第二関節」はそれよりも指の根元側に一つ近い関節
  • 通常のポインタ移動をするときは、人差し指と中指との両方を協調させてボールの動きを制御する
    • ポインタを左右に動かすときは、両指を伸ばし気味にし、各指の腹もしくは第一関節の裏側あたりでボールを操作する
    • ポインタを上下に動かすときは、両指を少し曲げて立て、各指の先端でボールを操作する
    • 長めのポインタ移動をさせるときは、人差し指と中指とで受け渡ししながらボールの回転を連続させる
  • 移動量の大きなポインタ移動をするときは、動かしたい方向にボールを勢いよく回転させて慣性を付け、いったん指を離し、ポインタが目的の位置に近付いたらまた指を置いて回転を減速し、操作を続ける
    • こうすることで、遠い位置まで素早く移動できる
  • ポインタの微妙な位置合わせをするときは、人差し指の先端だけをボールの真上に立てるように置き、人差し指からボールの中心に向けてやや力を加えながら前後左右に転がす
    • こうすることで、ペンで字を書くのに近い感覚でポインタを制御できる
  • ボタンクリック時には、トラックボール本体がずれてしまわないように、力を加える方向に留意する(以下は左手で操作する場合の記述なので、右手で操作する場合は左右を読み替えること)
    • 右大ボタンを単独でクリックするときは、親指の腹が触れている右大ボタンの幅広部分に、上から下に向けて力を加える
    • 左大ボタンを単独でクリックするときは、薬指の腹が触れている左大ボタンの尖った先端部分に、上から下に向けて力を加える
    • 右小ボタンのクリックのしかたには以下の2通りあるようだが、それぞれ一長一短ある:
      1. 親指をぐっと曲げて指先でクリックする(わかりやすいが、繰り返していると親指の関節が痛くなってくる)
      2. 親指を伸ばしたまま第一関節の側面の硬いところを使ってクリックする(ややコツが必要だが慣れれば楽、ただし誤ってダブルクリックになりがちなので要注意)
    • 左小ボタンのクリックのしかたには以下の3通りあるようだが、それぞれ一長一短ある:
      1. 薬指の先を薬指の付け根に触れるくらいまでぐっと曲げてボタンに触れ、上から下に向けて力を加える(ホールドしながらのボール操作が少し苦しい)
      2. 薬指を少し反らし気味に伸ばし、薬指の第二関節の内側を使って、関節を伸ばしながら上から下に向けて力を加える(左大ボタンとの押し間違いが起こりやすい)
      3. 手のひらを返すように外側に90度近く回転させ、トラックボール本体の右側から持ってきた親指を薬指の根本あたりまで曲げて、上から下に向けて力を加える(動きが大きいので時間がかかる、ホールドしながらボール操作しにくい)
    • 左右大ボタン同時クリックのときは、親指と薬指とでトラックボール本体を左右から挟み込むように力を加える
  • ボタンクリック時には、クリック操作につられてボールを回してしまわないように、注意する
    • 慣れないうちは、まずポインタをきちんと停止させてからボールに置いた指をそっと浮かし、それからボタンクリック動作に移るとよい
    • 慣れてくると、左右大ボタンについては、ボールに置いた指を浮かさずピタっと止めたままでクリックできるようになる
      1. まず、中指の第一関節と第二関節の間でボールを支えると同時に、中指の先端でトラックボール本体の先端部を押さえることで、ボールの回転にブレーキをかける練習をする
      2. その状態のままボールを動かさずに、左右大ボタンのいずれもクリックできるように、練習する

(余談というか感想というか)

  • このトラックボールの外観は軟体動物のようで気持ち悪く、最初はやや抵抗を感じるかもしれない。しかし、持ち方と操作のコツを掴んでみると、その外観は考え抜かれた末の到達点であることがよくわかる。形状が左右対称でありながら、左右対称でない手指を使って、自然に操作できるようになっているからだ。おかげで、右手でも左手でも、利き手でなくても、不自由なく使える。いっぽう、せっかくの優れた設計思想を取扱説明書にひととおり書いてくれなかった不親切さについては、理解に苦しむ。SetPointの設定機能も、その設計をフルに活かすようになっておらず、残念だ。ここに書いた一連のコツを自力で見出すのに、何ヶ月も要してしまった。

タグ





タグ:

@自宅 @会社
最終更新:2013年07月24日 07:47