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訪問実行~傷を背負う修道少女~

訪問実行~傷を背負う修道少女~

「おーい、トビー!久しぶり!」
「お!やっときたね、幹久朗!」
リリス孤児院のそばに自転車を置き、幹久朗は箱を抱えながら手を振っていた。
百物語組 第二三話」であるトビーだが、リリス孤児院に泊まり込みで勤務しているためなかなか顔を出せない。
そこで訪問計画を期に、幹久朗が立ち寄ることにしたのだ。

「その箱は?」
「此処に来るときに風月堂の咲埜子さんに会ってな。孤児院の皆に分けてくれって、苺大福を人数分くれたんだよ。」
「わーっ!ありがとう!お礼、伝えておいてね!」
トビーは箱を受け取ると、一度孤児院に入っていった。


「…分かったわ。話は主からも聞いていたけど、改めて注意しておくよ。」
「子供たちが巻き込まれてもいけねえしな。」
再び外に出てきたトビーと、簡単に会話をかわす。
中に入ることは幹久朗にとっては流石に気が引けたのだ。

「…トビー、お前はもうやられたんだろ、シン・シーに?」
「…うん。」
トビーが修道服の袖をまくる。
包帯が腕のいたる所に巻き付けられていた。
「丁度買い出しに出てるときに襲われてね。皆にはその時ドジったって言っておいたけど、マザーにだけは本当の事、言っておいた。」
「お前の怪我の治りは人間並みだからな。尚更警戒しておかないとだな。」
「そうだね。ありがとう。」

「それじゃあ、あんたも気をつけなさいよ。」
「ああ。ありがとう。」
アカノミによろしく伝えておいて。昔あんたとアカノミにはずいぶんお世話になったからね。」
「了解。アカノミもお前のこと、気にしてたしな。」
それじゃあ、また機会があれば。と手を振り、幹久朗は自転車をこぎ出した。


「主、こちら幹久朗。トビーの訪問完了したぜ。」
『ありがとう。元気にしてた?』
「ああ。例の怪我も順調に回復はしているそうだ。」
『そっか。よかった。孤児院で元気にやれてるみたいだし、なによりだよ。』
「それじゃ、詳しくはそっちに戻ってからで。」
『了解。気をつけて帰ってね。』


――某日。第九七話、修道少女の訪問完了。

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最終更新:2011年06月25日 22:59