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驚き☆いかせのごれの☆日常!

※グロ表現有









誰かがどこかで死んでいる

最近いかせのごれで起きている連続殺人事件。
被害者の年齢・性別はバラバラで、殺人に至るまでの共通点が見られず、
しいて言えば、外出した矢先に殺されているということが共通しているとか。
道路で倒れていたり、はたまた公園の茂みに倒れていたりといった具合に。

ひっきりなしに流れる連続殺人事件の話題を見ながら朝食を口にする。
妹のエレナはテレビには目もくれず、ジャムを塗ったパンを齧っている。
近くで殺人事件が起きているのに、無鉄砲というかなんというか…。

学校でも、話の話題は例の殺人事件で持ちきりだ。
特に女子は未だに犯人が捕まっていない事が恐ろしいのだろう。
学校からも一人で帰らないよう、と言われた事もあった。
僕はいつもエレナと二人で帰るから、心配は無いと思うのだけれど。
でもエレナの顔は暗い。僕が居るから大丈夫なのに。



いつもの日常が突然流転する

また、例の殺人事件による被害者が出てしまったと、テレビが報道する。
ニュースによると、これで13件目なんだという。
被害者は会社員の女性。会社帰りを襲われたらしい。
きっと残業で帰りが遅くなってしまったところを狙われたんだろうなぁ。
その女性は太股から下を鋭い刃物で斬られたことによる失血死ってニュースが言ってる。
まさかこの人も、自分が被害者になるとは思わなかったんだろうね。
でも、「Fapt este Stranger Than Fiction」って言うように、
現実では何が起こるか分からないんだよね。僕も気をつけようっと。
それに犯人は未だに捕まっていない。きっとまだこの街に潜伏しているんだ。
エレナも、僕が護ってあげなくちゃ!
まぁ、僕達は大丈夫だと思うけど。



騎士には誰も護れない

14件目の被害者は、前の事件とは正反対の方向で起こった。
被害者は若いカップルだった。
男性の方は即死、女性の方は暫く息があったようで、這いつくばって逃げようとしたのだろう、
血で出来た道が出来ていたのだというが、発見が遅く、失血死したということだ。
テレビ・ネット・ラジオなどあらゆるメディアで、事件の内容が報道されている。
男性が女性を庇った為、男性は即死したのだろうとか。
美談になりそうな感じだなぁと思ったら、やはりその通りになった。
所詮はメディアの考察に過ぎないのに。
それに結局、男の人は女の人を護れてないじゃないか。役にたたない騎士様だね。
それに女の人の方も、とてもじゃないけど護るに値する姫様じゃなかったよ。



落雷の後に降る涙雨

黒い雲が空を覆い、雷がごろごろと鳴っている今、僕は死体の第一発見者になったところだ。
足元には高校生と思われる女の子。首が半分斬られていて、そこからどろりとした血を
自身の周りに咲かせている。まるで赤い花に囲まれているようだと思った。
我ながらいい例え。うん。
警察に通報しようと思ったけど、たまたま携帯を家に忘れてきたみたい。
勿論周りに公衆電話は無く、僕は彼女に悪いと思いながらもその場を離れることにした。
他の誰かが見つけてくれるさ。だからちょっとの間だけそこで待ってなよ。
それにそろそろ雨が降りそうなんだ。僕、あいにく傘を持ってないんだよ。

じゃあね、と言おうとしたその瞬間、空からぽつり、ぽつりと雨が降り出した。
あちゃー。降ってきちゃったか…
次第に雨足は強くなり、地面に突っ伏したままの彼女から血が薄く流れだす。
もったいないな、とも思ったけれど、さっき少し舐めてみて不味かったからまぁいいか。
彼女から離れて、細道を抜ける。元々人通りの無い道の上に雨だから、全く人は居なかった。
どうせ他の人も雨だから傘を差してるし、空を見上げることなんてしないだろう。
僕は背中から翼を出して、そこから飛び立った。
地面が小さくなり、電信柱の高さを越え、遠くに見えるビルの最上階と目線が並ぶ。
一応周りを見渡したけど、案の定人々は傘を差していて、空を見上げる事もしなかった。
雨の中を飛び回るのはやっぱり健康に悪いよね、と思いながら、
顔を伝う雨がまるであの子が自分を見つけて欲しくて泣いてるみたいだと思ったりしながら、
やがて僕はエレナと二人で住んでいるマンションのベランダに近づく。
近づいた時に察知してくれていたのか、エレナがベランダでタオルを持って待っているのが見えた。
ベランダに降り立ち、タオルで軽く体を拭いてから、お風呂に入る。
風邪をひくといけないしね。

お風呂を上がってからはいつもと同じように自分とエレナの晩御飯を作って、一緒に食べる。
テレビをつけてみたけど、まだあの子の事は報道されてないみたいだ。
こりゃ、明日になるかな。
きっとテレビもラジオもネットも雑誌も、再び起こった事件に怯えるのだろう。
でも大丈夫。もう事件は起こらないよ。

15件。これで準備は完了。
あとは数日、様子を見よう。楽しみだな。



いつもの日常に戻る

次の日、やっぱり朝のテレビはあの子のことで持ちきりだ。
でも早めに見つかってよかったよね。
いかせのごれは暑いから、発見が遅れたらたまったもんじゃないもんね。
女の子なんだし。

学校に着くと、やっぱりクラス中が事件の話題で持ちきりだった。
いつも面白い作り話のような話をしているケイイチ君も、
頬に冷や汗を垂らしながら友達と事件についての話をしている。
今回の被害者が高校生だったからだろうか、帰りの会でトモコ先生に
充分気をつけるようにとクラス全体に注意が届いた。
もう大丈夫なんだけどな。

それから数日が経った。
メディアは相変わらず連続殺人事件の話題を流しているけれど、
前に比べて時間が短くなったようだ。それに加え、未だに犯人を捕まえられない
警察を非難するような報道もなされるようになった。
ケイイチ君。君の友達は頑張っているのかい?

でも、君はまだ気づいてないみたいだね。
殺人事件の起きた場所を線でつなぐと、君が嫌いで嫌いで仕方ないあのマークになるんだよ。
細かくしないと分からないだろうと思って、15件も起こしてしまったよ。
君に気づいて欲しくてさ、僕頑張ったんだよ。
学校の帰り、日没後、はたまた夜明け前。
職種を特定されないように、早起きしたりして、時間もバラバラにしたんだよ。
おかげで勉強する時間が減っちゃって、今度のテストは危ないかも。

僕は君が事件の真相に気づいて怒りをあらわにするところが見たいんだよ。
君は僕の事をただの転校生だと思ってるみたいだけど、僕は君の事をよく知ってるよ。
ホウオウグループと戦ってきた事も、不思議な能力を持っている事も!
だから、僕は君をもっと知りたいんだ!
僕は事件を起こして上映チケットを手に入れた。
次は君の番だよ。早く君が怒り崩れる様を上映してよ!

それなのに、それなのに!!あれからさらに数日が経ったけど、君は全く気づきゃしない!
クラスの生徒たちも、事件が起きない日々に安心して、前みたいに戻っちゃったじゃないか!!
ホウオウグループの事が絡むと血相を変えて自分の正義を貫こうとするのに!!
ホウオウグループの仕業だと気づかないと君は動かないのかい!!
気づいてよ、早く。早く、早く早く早くはやく早く早くはやくはやく早く早くはやく!!!!

だから君の掲げる正義は安っぽくって大嫌いなんだよ。

最近僕は心の中で歌を歌う。

uo yet a hi
uo yl li k lli wi

uo yet a hi
uo yl li k lli wi

まるで鏡に映したように僕と瓜二つの顔をしたエレナは無表情のままだ。
心なしか少し落ち込んでいる気がする。
大丈夫だよ、その内この世界は合理化される。
そしたら僕達を迫害する馬鹿な人間は居なくなる。
君もきっと笑顔を取り戻せるよ。
だから、それまで頑張ろうね。

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最終更新:2011年08月21日 21:05