ばたばたと騒がしい音の後には、ボロボロになった赤マントが床に伏していた。
腕を組んでそれを見下ろす星。彼女一人でフルボッコにしてしまったという。
星が強いのか、はたまた赤マントの彼が弱いのか…。
「いやマジで窓から侵入してすみませんでした。」
「分かればいい。次からはドアから入ってこい、ちゃんと。」
赤マント…
エトレクは起き上がり、シルクハットの埃を払った。
「しかし、どうしてこんな所に?この部屋にいるってことは大方クランケ追って来たんだろうけど。」
「…その通りです。」
「何だ?お前、この人の事知ってるのか?」
ああ、と一言言い、エトレクはなんとか立ち上がった。
「一度だけだが、会ったことがある。もっとも、彼女が俺を覚えてるかは分からないが。」
未だに寝息を立てる女性を見ながら彼は言った。
「じゃあ、彼女の目的とか…。」
「…それはわからない。」
「僕が見た限り脈だけが無かった。人間ではないと思うんだが…。」
「妖怪の可能性である可能性も低い哉。少なくともうちで語られてはいない。」
えっ、とエトレクを見るクランケ。
「時間の感覚が狂ってるから断言はできないが、彼女と出会ったのは6,7年前だったと思う。その時はれっきとした人間だった。」
「人間だったってことは、一度死んでいる可能性が…;」
「だが、人間が妖怪になるのは稀なんだ。それに7年程度の短期間じゃ鬼門から外に出られない。」
しかし、とエトレクは俯く。
「妖怪ではないにしても不可解哉。特に脈『のみ』が無いという点に置いて。」
「…確かに。そこは僕も気になっていた。」
「しかしながら、彼女が寝ている以上どうしようもない。おおよそ何処に向かわせればいいかは分かるけど、やはり本人の意思を訊かないわけにはいかない。」
「…よし、分かった。」
星はエトレクに指を向けた。
「彼女が目覚めるまで、お前がここにいろ!」
「…え、俺が!?」
「覚えているか…というか同一人物かも疑問だが、知り合いの一人は居た方が安心できるだろ。」
「…そうか、それもそうだな。」
エトレクは笑うと、頷いた。
「了解した。任せておいてくれよ!」
真実微解明
「あと、侵入した罰な。」
「ですよねー☆」
最終更新:2011年08月28日 21:07