東の平原に変わらず佇む一本の巨木。
彼は自分の不在時に『東』が訪れたことを後から知った。
「…すまん、俺もそこは不覚だった…;」
『僕も…;今度来たら謝っておかないと…。』
「そういや
アカノミ、お前人間の体に慣れてきたのか?」
『うーん…。やっぱりまだ変化直後だと体がついていかなくって…。』
「まぁ、そりゃそうか;気付いて一週間だもんな。」
幹久朗はアカノミによりかかる。
以前感じた鼓動は未だ彼の中に感じている。
紛れもなく、これはアカノミ自身の変化だった。
「しかし、何で行き成り変化したかな?そんな前触れ無かったのによ。」
『僕もよくわからないや。なんだか調子がおかしいくらいの気持ちだったから。』
「そうか…。いや、別にいいんだけど、調べた方がいいかなとか思ってな。」
『でも、これでよかったんじゃないかな。僕の意志が誰かを通さなくても通じるようになったんだし。』
「それもそうだな。今度流也さんが誰か連れてくるそうだし。」
『君ばかりに迷惑はかけられないからね。』
「いやいや、俺はいいんだ。」
「さて、そろそろ時間だ。ちょっと訓練するか。」
『分かった。』
幹久朗は身を起こす。
血の色の眼で巨木を見上げ、右手を幹に叩きつけた。
メリメリと音が響く。幹は曲がりだし、枝葉が荒ぶる。
やがて一気に枝葉や根が収縮し、人の形へと変化していった。
白い布と薄い色の髪をなびかせ、両手には人のものとは思えない口を携えた。
そこから巨木はなくなり、代わりに中性的な子供が降り立った。
「…最初、もうちょっと優しくできない?;」
「すまん、今回のは強すぎた;」
幹久朗は両手を合わせると、ポケットから革製の手袋を取り出して放った。
主が作ってくれたもので、手袋をはめている間は力を封じ込めるのだ。
「今日はそれをつけろ。能力なしでも戦えるようにならないとだからな。」
「わかった。」
人の姿となったアカノミは、素直に手袋をはめる。
「よし、始めるぞ。」
現状理由不明
「…やっぱり体力が切れるのが早いんだよなぁ…。」
「…ごめん…;」
最終更新:2011年08月28日 21:10