「ごめんね、トキコちゃん、
シスイ君。学校には連絡しておいたから、アオイちゃんに付いてあげてて。」
亜音はそういいながら、卵を溶きほぐしていた。
朝、日課の散歩を終えて
レストランに戻って来た亜音はやたら店の前が騒がしいのに気がついた。
入口を見ると、3人の男女。いかせのごれ高校の制服だ。
うち二人に支えられるようにして立っている一人の様子がおかしい。
ただ事ではないだろう。そう判断した亜音は開店前ではあるが錠を解き、3人を中に入れたのであった。
「はい、オムレツ。小さめに作ったから少しくらい食べて行きなさい。お代は要らないよ。」
「申し訳ございません…。」
アオイは両手を合わせると、ぽそぽそと食べ始めた。
「…それで、トキコちゃん。アオイちゃんがこんな風になってるのは多分、スザクが原因だね?」
「うん…。」
人間観察を特技とする亜音は店に来る客の大体の情報を把握している。
アオイとこうして話すのは初めてだが、時折来るスザクから話はきいていた。
「スザクから聞いた話からの推測だけど、アオイちゃん、お姉さんに依存してる所があるみたいね。」
「それで、昨日何かあって鳥さんがいなくなって、気が気じゃなくなって。ふらふらしてたし、しっかり者の蒼さんじゃないみたいだったの。」
亜音は暫く腕を組んで考えていたが、やがて一人頷くと、携帯を取り出した。
「トキコちゃんでもシスイ君でもいいわ。携帯番号、教えてよ。」
「「えっ?」」
「昨日の夜、スザクがストラウルで倒れてるのを私が連れ込んでね。今、私の部屋にいるよ。」
3人は思わず顔を見合わせた。
「でも、正直行くのは私は勧めない。今スザクがどうなってるか分からないからね。」
「…それって…。」
トキコが呟くのを見て、亜音は無言で頷いた。
「ただ、どうしても行くっていうんだったら私の携帯と通話状態にしていて。何かあれば物音がマイクを通してこっちに伝わるから、その時は直ぐ止めに入る。」
亜音の眼は真剣そのものだった。
3人は暫く考え込む。やがてトキコが顔を上げた。
「行くよ。だって鳥さんも蒼さんも、放っておけないもん。」
「トキコさん…。」
アオイがトキコを見る。シスイも頷いた。
「行こう、アオイ。ついていくから。」
亜音は3人を一通り見ると、シスイに自らの携帯番号を見せた。
そして危険な再開へ
「部屋は一番奥だから間違えないね。…部屋を破壊して、乃流達に影響しなきゃいいけど…。」
最終更新:2011年10月05日 21:30