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方法はいくつでも

「…ん。」
張間を追っていたゴクオーは、必然的に二人の姿を見ることになった。
歩道を走る啓介。その横を自転車で追い抜いた省吾。
二人の顔は覚えていたし、性格を考えれば似たような目的で張間を追っているに違いない。

必然的に一番早い省吾が張間に追いついた。
何を言ったのかその場に留め、近くの自販機でジュースを買っている。
…が、妙なことに彼は気がついた。

「…4本?2本で十分じゃろ…?」
ジュースを4本買った省吾はうち1本を張間に渡し、2本を自転車の籠に放った。
ゴクオーは首をかしげたが、やがてその理由を感づき、少し頭をもたげた。
「もしかして、見えとったんかの、わしが…;」

確か姿を消したのは学校の屋上から飛び降りた瞬間だった。
常人なら驚くはずだが、それどころではないと悟っているのか「見なれている」のか…。
「…どのみちやらかしたんは間違いないの…;」
思わず苦笑いが浮かんだ。
「人のいない所で降りて、一度顔を見せておいた方がよさそうじゃの。」

さて、それは置いといて。
「張間の周りには人がいる。それは確実に言えることじゃが…。」
今までの状況を(カイムが『聞いたもの』も合わせて)整理すれば、どうも張間より立場の強い者が集まっているようである。
それは一向に構わないし張間を守る分にはいいのだが、張間はその状況下で自分の気持ちを吐けるだろうか。
幾ら自分に「嘘」を見抜く力があっても、それを易々と公言するわけにはいかない。
「同じ視点で話せる者も必要になってくる、か…。」

一瞬考え込んだが、直ぐにそれは閃いた。
まだ放課後になって暫くしか経っていない。殆どの生徒は学校にいるだろう。
直ぐに彼は学校に居る一人に、テレパシーを送った。


「失礼します。」
その声と共に保健室のドアが開いた。
「あれ、界夢先生?どうされたんです?」
「いえ、怪我とかではないんですよ。」
界夢は片手を振り、直ぐに玉置に耳打ちした。

「先程の張間さんの件なんです。」
「張間さん?何で界夢先生が知って…じゃなくて、彼女ならさっき帰りましたが…。」
「いえ、いいんです。今、緑音さんと氏型さん、いらっしゃいますか?」
「ああ、彼女たちなら…。」
玉置は立ち上がると保健室の端のベッドに向かい、「氏型さん、開けてもいいですか?」と確認して少しだけカーテンを開けた。

「あ、音無先生。」
「ごめんね、緑音さん。氏型さんははじめましてだね。実は、二人にちょっとしたお願いがあるんだ。」
「わ、私でも出来る事なんですか…?」
「勿論だよ。」

「今度、保健室に張間さんが来たら、一緒に話してあげてくれないかな…?」


方法はいくつでも


「…ただ、行動にあらわさなかっただけ、じゃ。」

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最終更新:2011年10月14日 15:59