「…う、そだ…。」
その報告を聞いて、衝撃を受けない筈がなかった。
しかし、それが現実だと
ゴクオーは首を振る。
「
シン・シーが完敗だったとは言い切れんが、確実に押されとる映像じゃった。わしの他にノラ、
カイム、そして天子殿がそれを見とる。」
「そして、その報告の前に珠女さんが…。」
報告の順番としては珠女の重傷の方が先だった。
今現在千郷がアースセイバーで治療しているということだが、一時の予断も許せない状況だという。
「ここにきて新たな脅威…と考えるべきでありましょうか…。」
「いや、わしはそうは思わん。恐らく、ウスワイヤを襲撃した者と近しいじゃろう。」
珠女の話を聞かないことには何とも言えんがの、というゴクオーの横で、春美は頭を抱えて蹲っていた。
「どうして…どうしてこんなことになっちゃったの…。皆を守るために『彼女』に逢うはずじゃなかったの…?」
「主、そこまで気を落とす必要もなか。わしもこればかりは予想外じゃったしの…。」
慰めようとするゴクオーを遮り、春美はわっと泣きだしていた。
「ウスワイヤだけじゃなくて、珠女ちゃんにまで!
百物語組にまで!」
「主、貴方のせいでは…。」
「皆を守れないなんて、私、主失格なんだ!皆の上に立つことも、『彼女』に逢うことも…。」
「少し落ちつけ!!」
強い声が泣き声をかき消し、鼓膜を貫いた。
「今更そんなこと嘆いても、どうにもならないだろうが!」
驚いて顔を上げ、声の主を見る。
「たかだか2回の失態で主を下ろす程、俺達の結束は緩くねぇ。寧ろ、俺達の上に立つのはあんたしか居ないんだよ!!」
「っ…!」
「過去は過去だ。重要なのはこの先だろ。今のままじゃ俺たちは弱いままだ。これから強くならなきゃならねぇんだろうが!」
「…キリ。」
ゴクオーに言われ、キリははっと我に返った。
「また、「生前」に戻っとったぞ。」
「あ…。」
「…ううん、いいの。」
春美はキリの上着を掴みながら立ち上がった。
「「樹理」君のおかげだよ。今泣くよりやらなきゃいけないこと、いっぱいあるね。」
「主…。」
「珠女さんは千郷さんに任せるしかないよ。今はとにかく『彼女』と一緒にならなきゃ!」
「…そうじゃの。また次に備えなければならん。」
「今日もまたきつい思いさせちゃうけど、協力してくれるかな、ゴクオー君、キリ君?」
彼女の眼にもう涙はなく、年相応の無邪気な笑顔を向けていた。
「…ええ、小生でよければ、喜んで。」
「勿論じゃ。もたもたしてられんしの。」
「…ありがとう!」
3回目の修復
『おともだちが、あぶないの…?』
…そうなの。
『いやだ!おともだち、へる、そんなの、いやだ…!!』
だから、貴方の力を――。
「いよいよ山場じゃけぇのう…。」
「3桁は死ぬ覚悟をしておいた方がよさそうでありマスね。」
「…本気で死ぬかもしれん;」
「小生たちは鬼門への返還でありましょう?そもそも閻魔が死ぬはずないのでは?;」
「そうじゃけど;」
最終更新:2011年11月19日 13:53