…今日は、お勉強がない日だった。
最近、
ホウオウグループは、みんなバタバタしている。
だからかな、アオのお勉強も、少ない。
やることがないから、アオは今日も公園にいた。
「……………」
公園で、人を見る。
やることがない時は、アオはいつもこうしてる。
前に、トキコに「楽しいの?」って聞かれたことがあるけど…アオは『楽しい』って、よく分からない。
ただ、いろんな人を見ていると、すぐに時間が過ぎるから…だから、見てるだけ。
「…………?」
今日は、変な人を見つけた。
公園にある機械…トキコは、『じどうはんばいき』って言ってたっけ。
その近くで、地面に倒れている人がいた。
時々動くから、死んではいないみたいだけど……倒れた人は、起き上がろうとしない。
何をしているんだろう。聞いてみよう。
「………」
「ぅおー……あと、もう、ちょっと…」
アオが近づいても、倒れた人は倒れたままだった。
アオに気づいていないのかな。…変な人。
「……何、してるの?」
「うぅわああああああああああっ!!?」
……聞いたら、大声を上げられた。倒れてた人は起き上がって、目を真ん丸くさせてアオを見ている。
最近教えてもらったんだけど、これ、『驚く』って言うんだね。
この人、アオを見て驚いたのかな。何でだろう。
「………何、してるの?」
「あ……き、君は…?」
「…アオは、
アオギリ」
「………何、してるの?」
…倒れていた人は、タキトウ キイチって名前だって、教えてくれた。
キイチは、じどうはんばいきの下に、お金を落としたから、取ろうとして倒れていたって教えてくれた。
今、アオはキイチと一緒にベンチに座ってる。
アオは、ジュースの入った缶を持ってる。キイチがじどうはんばいきで買ってくれた。
「……飲まないの?アオギリちゃん、オレンジジュース嫌いだった?」
「ううん」
「うん?じゃあ、何で…」
「…どうやって、飲むの?」
そう聞いたら、キイチはガクってなった。
何でだろう。
「そ、そうか……よし、俺に貸してみ」
キイチに缶を渡したら、キイチはぱきって音を立てて缶を開けてくれた。
「ほれ、開いた」
「……ありがとう」
受け取った缶には、穴が開いていた。
キイチは、力持ちなんだね。
ジュースは、甘くて、すっぱかった。
ジュースを買ってもらって、飲めるようにもしてもらった。
これって、「いいこと」だよね。
いいことしてもらったら、「お礼」しないといけないね。
「……キイチ」
「ん?どしたー、アオギリちゃん」
「…手、出して」
キイチが手を出したから、ポーチからこんぺいとのビンを出して、キイチの手に中身を少し出した。
「…え?これ…」
「こんぺいと」
「いや、それは分かるんだけど…何で?」
「お礼。いいことされたら、お礼するんだって、教えてもらったから」
そう言ったら、キイチはまた目を丸くして驚いた。
キイチ、驚いてばっかりだね。
その後キイチは、丸くしていた目を細くした。
これは、『笑う』って言うんだっけ。
「そっか…ありがとな」
「…どうして、キイチが言うの?」
「嬉しかったから」
「…?嬉しいと、ありがとうなの?」
「ああ、そうだよ」
「ふーん…変なの」
「変!?」
キイチは、また驚いた。キイチって、たくさん驚くんだね。変なの。
…でも、『嬉しい』って、何だろう。
帰ったら、タカコに聞いてみようかな。
「………あ」
考えてたら、タカコからもらった機械が鳴った。
『アラーム』だって教えてもらったこれ、時間を入れるとその時間になったときに教えてくれるんだって。
帰らなきゃいけない時間に鳴ってくれるから、便利。
「アオ、帰る」
「ん?一人で大丈夫か?」
「うん、大丈夫。またね、キイチ」
手を振ったら、キイチも振ってくれた。
たくさん振ってから、帰った。
…キイチって、変な人だったな。
今度は、キイチのこと、もっと知りたいな。
アオギリ、キイチと知り合う
(その後)
(「嬉しい」って何?と聞かれたタカコは)
(答えるのに苦労したとか)
最終更新:2011年12月01日 21:35