「コハクー!」
「…む。戻ったか、尓胡」
いかせのごれ、某所。
シンプルな装いの部屋に、小麦色の肌をした少女が駆け込んだ。
ここは『始末人』と呼ばれる(正確にはその者達が呼んでいる)三人の根城である。
その始末人のリーダー、コハクは今戻った少女、尓胡(ニコ)に目を向けた。
「首尾はどうだった?」
「それが大収穫サ! さっき変な警官を見たんだ。普通なら分からないけど、この『仮面』で丸分かりなーのサ!」
と、蛇を模した仮面(とは言っても鼻までしか覆わないものだが)を見せる。
「…つまりそれは―――」
「
ヴァイス=シュヴァルツである可能性が高いという事かい?」
続きを先取りするかの様に出た言葉。
二人が視線を向けた先には、この二人と同じ始末人であり、仲間の一人でもある青年、
シザキが缶ジュースを持って佇んでいた。
「お疲れ、尓胡」
と缶ジュースを尓胡に向かって投げる。
それを難なくキャッチした尓胡は、「ありがとー」と満面の笑みを浮かべ、缶のフタを開け中身を少し飲んだ。
「で、どーするんだい? 白波さんからの依頼では、『ヴァイスの消息調査』とあったけど」
「もし生存していたら報告せよ、との事だ。だがどちらにせよ、俺はあの男が易々と死ぬなどこれっぽっちも思ってなかったが」
「だよねー。あたしゃーも分かってたサー。そいつはあたしゃーの嫌いな『真っ赤な嘘』が大得意だからね」
「確かにな。…で、尓胡」
「ん?」
「「…今度は何のポーズだ?(だい?)」」
二人は片手に缶ジュース、もう片手の人差し指を頭に突き刺し、左足を曲げて立つという、何とも奇抜な振舞いをしていた尓胡を呆れ気味に見つめた。
「さあー? フィーリング?」
「…まあいい。今から全員でそいつの素性を暴きに行く」
「おや、報告は?」
「まだそうと決まった訳じゃない。それに仮に違ったとしても、ただの能力者ではない事は明らかだ。報告は後にでも出来る」
「ま…そりゃそーだなあ」
「了解サー!」
二人の反応を見、コハクはマスク越しに微笑を浮かべる。
そしていつもの決まり文句を言った。
「行くぞ。今からそいつの『始末』に取りかかる」
動き出す三人
最終更新:2012年01月06日 12:59