「丸投げしやがったな、流也…。」
今しがた来たメールを見ながら星は思った。
文面を見る限り一般人の確立が高いと流也は見ているだろう。
その一般人を巻き込むか否かの判断が此方に委ねられた。そう思っていい。
「どうすんの?このまま向かっていいわけ?」
ミナミが横から覗く。星は振り返りながら二人の妖怪を見た。
見た目だけ関して言えば片や人間と共に店を営む女の子。片や若いニー…僧侶だ。
一目見ただけでは人間に見えてもおかしくないだろう。
いや。そうでなくても星はもう結論を下していた。
「行くに決まってんだろ。流也たちが待ってるんだ。」
「いいの?一般人居るかもしれないんでしょ?」
「『今の所』一般人、そう思わざるを得ない。」
「流也のメールにかいているんだ。
ヴァイスがそいつの友人をどうかしたかもしれないと。もし本当ならヴァイスとのかかわり…能力者の関わりが出来てしまう。」
あくまで『ヴァイスが関わってる』ことが前提の話だが。
「いくら一般人であっても、この状況で能力を悟らせないようにふるまうのは無理だ。だったらいっそ悟らせて無理矢理飲みこませる。」
「もしそれでパニックにでもなったらどうするのさ?」
「そんときゃ、そん時だ。」
知る由もあるまい。
この世に人間を超越する妖怪が、怪盗が、能力者がいるなど。
全ては神の手違い。何れ消え去る存在。
普通の人間ならば、知らない方が幸せなのは目に見えて分かることだ。
だが、そいつは関わってしまった。
知ろうが知るまいが、何れ真髄を知らなければなるまい。
残酷? 幾らでも言えばいい。
私は忌まわしき「
怪盗一家」の末裔なのだから。
「急ぐぞ。一刻を争うからな。」
重力を味方に、彼女は加速した。
神の手違いと安息失す日
考えてみれば、船幽霊と海坊主と怪盗。
なんとも滑稽な3人組となってしまったものだ。
最終更新:2012年01月23日 11:33