「そういうことはきちんと連絡しろって、何度も言っただろーが!!」
「悪かった、悪かったよ」
合流するなり、流也は星に怒鳴られていた。司が能力者であり、ある程度「こちら側」の事情にも通じていたことを面倒がって連絡しなかったのが原因だ。
「ったく……ま、いい。今はその不審人物への対処が先だ」
言って、一同を見渡す星。
「で? 状況は」
「その崎原って子が声をかけられたのがこの辺りらしい。話を聞く限りだと、以前俺がやられたのと手口が同じだ。それが出来るとなると、消去法で奴しか残らねえ」
「しかし確定事項でもなし、と……」
不確定の物事が根幹にあると、いざそれが崩れた時に混乱が起きる。星が懸念したのはそこだったが、
ミナミが横から言う。
「可能性としてはそれが一番高いんでしょ? だったらそれを前提に動いたらいいんじゃない?」
「それもそうか……冬也、何か見えないか?」
「えっ?」
唐突に話を振られて一瞬うろたえる。だが、確かに冬也の力であれば、最大で45km圏内の事象を観測できる。ただ、
「そいつが本当に
ヴァイスだとして、どうやって見分ければ……」
「……拙僧が主から少し聞いた話では、変装と逃げ隠れが得意だと言っていましたな」
海念の言葉が全てだった。いちいち一人一人を当たっていては冬也の方が参ってしまう。
「そうなるか……」
さて、本当にどうしたものか。探すのはもとより、ヴァイスは決して弱くはない。むしろ強い部類に入る。だとしたら、捕まえるにしろ戦うにしろ、人が多いに越したことはないのだが、これだと警戒される恐れも強い。この中で捜索向けの能力持ちは冬也だが、さっきの理由で却下。
となれば、
「原始的だが、足を使うか。手掛かりも何もないけどな……」
変装名人・逃走の専門家が相手では、どうしても後手後手になる。この手のタイプに一番有効なのは人海戦術だが、このメンツでは圧倒的に足りない。
「それしかねえかな……」
「方針が決まったんなら急ごう。一分一秒が惜しい」
司は若干焦り気味だったが、急いだ方がいい、というのは事実だった。とにかくまずは大通りに出てみよう、ということになった時、流也の携帯がまた鳴った。
「今度は誰だ?」
開いてみると発信者はランカ。何の用だ? と思いつつ通話をつなぎ、
「到着」
「どわあっ!?」
いきなり現れた少女に、全員仰天する羽目になった。
「よ、夜波の嬢ちゃん!? ど、どっから出て来たんだ……」
「後、そんなことは。通話切って、もう用事は終わり」
言われるがままに携帯を閉じると、その少女・マナは一同を見渡した後、星に言った。
「星さん。ヴァイスを追ってる、もしかして?」
「ん、ああ。何で知ってる?」
「アカネさんから聞いたの」
そして、
「それらしい人物を見つけた。向こうの交番。今、変な人たちがいるけど」
―――いきなりの、核心情報を。
セカンド・エンカウンター
(先人いわく)
(拙速は巧遅に勝る)
(……だったと思う)
「あら?」
「? 誰じゃ?」
「あなた、さっきシドウさんと話してた人ね。どちら様?」
最終更新:2012年01月23日 11:34