「全く…」
「まあまあ」「ミューデ君は」「2人が羨ましくて」「学校に行ったんだからさ」
「…鈴子」
「ん?」
やや冷たい目で彼女を睨むように見るクロウ。
「何故あいつが学校に行けないのか分かるか?」
「さあ?」「何で?」
「……お前に似て力を制御出来てないからだ」
明らかな嫌味の言葉にモブ子はキレない訳が無い、というより有り得ない。
当然、『あの笑顔』を浮かべて『破綻最弱者』としての本性を現し出した。
「制御?(笑)」「出来るかよー」「少ないながらもいるだろ」「強者」「そいつらの掃除しなきゃ☆」
「…あのな、そんな事してみろ。アースセイバーに目をつけられるぞ」
「なら」「殺せばいいじゃんよ☆」「それに」「合理化された世界に」「あんな人間いらねーだろ(笑)」
けたけたと笑うモブ子。
そして調子に乗ったのか、遂にこんな事も口走った。
「勿論」「お前もな(笑)」「クロウくーん☆」
「…そうか」
と口ではそう言っているクロウだが、先程より更に目つきが鋭く、冷たくなっているのは明らかである。
二人の間に火花が散り、周りにいた者が少し距離を取り始める始末だ。
無論、止めようとする者などいない。
遠くからその光景を見ていたのは、雪の様に白い肌の上に着物を着た少女。
ホウオウグループに所属している雪女の白奈である。
「……」
その場から離れ、誰かを探すようにキョロキョロと辺りを見渡しながら歩く。
「…あっ、いた!」
とある者の背中を見つけると、一目散に駆け寄る。
彼女が探していたのは、クロウとモブ子の会話に出ていたミューデだった。
「ミューくーんっ!」
「…白奈?」
「隣座っていーい?」
「いいよ」
「えへへー」
ミューデの隣に腰を下ろす白奈。
と。
「クーン」
「え?」
突如聞こえた動物の鳴き声。
声の方向に目を向けると、ミューデの腕の中に尻尾だけが白い黒狐が。
「わー可愛いー!」
狐の頭を撫で始めた白奈。
だが雪女ゆえに冷たい手から生じる体温を嫌がったのか、狐は払いのける様に頭を振り回した。
「ありゃ、ごめんね。人間に化けてる時は普通なんだけどなあ」
「…いいな」
「えっ、何で?」
「白奈…人間になってる間は冷たくないから…」
「うーん…確かにそうだけど…」
「…嬉しくない?」
苦笑する白奈。
「だって、まるで本当の自分を偽ってるみたいだから……私、皆と違うし…尚更」
「何で? 白奈は白奈なんだから、気にする事ないじゃん」
「あはは、ありがとう。でも…やっぱり、妖怪の…冷たい雪女の私が、人間と本当に友達になれるなんて…」
「…じゃあ、俺とは友達じゃないって思ってんの?」
「そっ、そんな事ないっ! ミューくんは友達だと思ってるよっ!! だから心配しないで、ねっ?」
両手をぶんぶんと振り必死に否定する白奈がおかしく見えたのか、ミューデはクスリと笑った。
「もー! 笑わないでよー!」
「ごめんごめん…って痛い痛い、叩かないでよ」
ミューデの手が白奈の握り拳に触れたその時。
「熱ーーーーーーーーっっっ!!!??」
「あ」
不運な事にミューデの能力が発動してしまい、白奈はその白い手に煙が出るくらいの火傷を負ってしまった。
涙目で「熱い熱い」と言う白奈。
幸い、彼女の冷たい吐息で治まったが、それでもまだ痛むらしかった。
「うー…」
「…ごめん」
「ミューくんの馬鹿! もし火傷じゃなかったら私、溶けてたんだよ!?」
「だからごめんだってば」
「許さない! 許さないったら許さないもん!!」
「……アイス、買ってあげるよ?」
「許す!」
「………」
白奈とミューデ
(外出許可出て良かった…)
「おいしー♪」
「トリプルって…食べ過ぎだよ白奈」
「だって、アイス好きなんだもーん」
「…お腹壊さない?」
「雪女だからへーきっ」
「…そうなんだ」
最終更新:2012年01月23日 11:37