「ふぁーー!!やぁっと終わったー!
Bブロック、Cブロック…うむむ、被害が大きいですねぇ…。
もっともっと丈夫にしないと…。」
(まぁ先ずは、部屋で休むとしましょうか)
がちゃり。
「 」
突然だけど、目眩がした。
おかしい、おかしいぞ。何が起こったんだ?
嘘だ。ありえない。
だって、だってだってだって!!
数時間前この部屋を出てくるときはきらっきらのぴっかぴかだったじゃないか…!!
「…なのに」
目の前には、バラバラに崩れ去った戦艦のプラモデルや、壁に飾ってあった
銃がごろごろと転がっていた。
「どうしてこんなことになってるんですかぁあああああああ!!!!!」
にゃー
わうっ
ね、ネコにイヌ?どうしてこんなところに。
あぁ…、もしかして。もしかして。
これを壊したのって…。
「や…やっと見つけた……!」
「あーもう、こんなところにいたのか!」
「……すみません
アルニカさん…玉置さんから預かっていた動物が数匹逃げ出してしまって…
…って、うわ、ぁ…」
「…これは酷い」
ひょっこりと部屋の中を覗いた
イタマと
ハヤトの二人は、部屋の見事な荒れっぷりに苦笑した。
アルニカはと言えば。
「 」
崩れた戦艦を見ながら放心状態。
頭上からは魂のようなものがふわふわ浮き(多分)白さが増している。
うわー…、と声を上げずにその様子を見る二人。
魂の抜けた状態のまま、アルニカは猫と犬のもとへと歩き出した。
そして、ひょい、ひょい、と静かに二匹を抱きかかえると。
机の上へと座らせた。そのまま流れる沈黙。
「何を…何をしてるんですかキミ達はぁあああああああ!!!!!!!!」
「「(え、ええーーーー!!!??)」」
「これがっ…これがボクにとってどれだけ大切なものかわかってるんですかーー!!?」
なんということでしょう。動物二匹に説教を始めたのだ。
机に座る犬と猫。二匹を指差しながら説教を続ける軍服の女。
なんと奇妙な光景だろうか。
イタマとハヤトはあまりのシュールさにお口ポカン。
アルニカはそんな二人を余所目に、頭に装着しているヘッドセットのマイクのスイッチを入れる。
『シズルくん!居たら今すぐボクの部屋に来てください!っていうか居なくても来てください!!今すぐにぃ!!!』
とてもとても大きな声が、ウスワイヤ中に響き渡った。
「ど、どうしました?アルニカさん。
緊急事態のようですが…」
「緊急事態の緊急事態です!!見てくださいこれー!」
「?……うわあぁ…」
「ボクの部屋がめちゃくちゃじゃないですかー!!」
「すみません…!!で、でもこの子たちも悪気はなくて…」
「……そもそも、此処で動物を飼うこと自体間違ってるんです!仕事の邪魔です!」
「…あ、アルニカさんそれは……!」
じゃきっ
アルニカの頭にハンドガンが宛がわれた。
イタマは「ひっ」と短く悲鳴を上げた。ハヤトも反射的に身構える。
しかし、アルニカも黙っちゃいなかった。直接戦闘は得意じゃないが、最低限の訓練は受けている。
シズルがハンドガンを取り出すと同時にこちらも素早く軍刀を引き抜き彼の首に宛てていた。
「邪魔ってどういうことだよ、あぁ!?」
「邪魔なものは邪魔なんだ!精密機械が壊れたらどうするんだい!?」
「(ふ、二人とも…性格が変わってます……)」
「(あぁ、また面倒なことに…)」
「現に今!ボクの大切なものが彼らによって壊されてしまったじゃないか!!」
「それはこんな狭いところにプラモデルなんか置いておくお前が悪い」
は ぁ ?
ぽかんと口を開けてしまった。
落ち着くため、静かに軍刀を収める。
「…いいかい?シズルくん」
「なんだよ」
「此処はボクの研究室だ。…大切なことだからもう一度言うよ。『此処はボクの研究室だ』」
「んなもんわかってるっつーの」
「じゃぁ何故!何故ボクが悪いということになるんだ!!わけがわからない!!」
「結論から言えば戦艦なんてダサいもの作るの止めればいいってことだ」
「なんだとーー!!?今キミはボクだけじゃなく、ボクの兄さんまで侮辱したことになるぞ!!」
「あーはいはい、そうですか」
「(むっかぁああああ!!!)その態度!!後悔させてやる!」
ぴっ
『艦長!『タマキシズル』撃沈を具申
「却下」
ぶつっ
…切られた。
「………」
「「………ぷっ」」
「……くすっ…」
「わっ…笑うな!皆して笑うなああ!!」
にゃー
がしゃん。
「う、うわぁあああ!!?ちょっ…、もう止めてくれ!!
せっかく、せっかく隊列揃えていたのに!!わー!」
がしゃあああん。
「あぁ……もう…」
「アルニカ、泣いて
「ないッ!!ハヤトくん、余計なことを言うな!!」
「あ、アルニカさん!危ない…!!」
「ッ!?」
ばうっ!
「っ!?で、でかっ…!うわっ!おい、ヘッドセットを取るな!
飾緒を引っ張るな!わぶっ…顔を舐めるな!シズルくん、どうにかしてくれ!」
「嫌だ」
「ハァ!?」
「……楽しそう…」
「楽しくない!」
「…でも、尻尾振ってる…」
「………」
イタマにそう言われ、ぶすっとしながらもアルニカはじゃれてきたイヌの頭をそっと撫でてみた。
犬は心地良さそうに手に擦り寄ってくる。
(…部屋を荒らしたりしなければ、普通に可愛いんだけどなぁ)
ミリタリーオタクと動物と
「…でもプラモデルを壊したことは許さないからな(ギロッ」
「いい加減許してあげればいいのに…」
「絶対に許さない(ギロッ」
最終更新:2012年02月22日 17:44