*本編や他小説とは一切関係が無いifストーリーです
「緊急事態」
今日はGW一日目、教師達にも格差はあれど休みが訪れるはずだった
しかし、休暇は訪れず会議室に缶詰め状態だ
オツユウ系列の学校にとっても重要な話らしく、講師の人が説明を行っている
会議に参加しているうちの1人であるミキヒサは、そんな状況に飽き飽きしていた
(全く、なんでこのタイミングで会議なんて入れるんだか…)
盛大にため息をつきたいのを抑えながら、聞き流すくらいの気持ちで話を聞いている
(…ん?)
ふと門倉を見ると、いつになくまじめな表情を浮かべている
『サボる為の努力は惜しまない』と語る彼が、こんな話に真剣になるのかと驚く
…いや、ひょっとしたらこの顔で『実は全く聞いてませんでした』と言いだすのかもしれない
なにはともあれ、珍しい物を見たと呑気に考えていた
そんなミキヒサの予想に気付く事なく
門倉はその隣にいる養護教員に、誰にも聞こえないような音量で話しかけた
門倉と玉置は、ウスワイヤに内通している教師だ
それだけにホウオウグループの事も良く知っていて、動く時には動く
“どうします?アレが動き出したのなら手を打たねば”
“下手な動きはしない方がいい、殺されるぞ”
“それはどういうことで?”
疑問を浮かべた門倉に玉置は説明する
“まず、お前は能力を封印されていて戦えない”
“アズマは能力を自覚しているが、それだけだ。戦力になるには足りない”
“つまり今この学校にいる戦力は、実質俺だけになる”
“だが俺の力だけでは上総幹部に敵う訳も無い”
“その上、まわりにこれだけの一般人がいればまともに戦うことも許されないだろう”
“実力行使は不可能って訳ですか”
“ああ、つまり何かが起きた時、俺らでは対処できない”
そう言って玉置は内心舌打ちをする。門倉も同じ気持ちであろう
仮にも倒すべき宿敵が目の前にいるのに、なにも出来ないのだ
“しかもサイナがここにいると言う事は、恐らく…”
「そこのあなた達!何を話しているのですか?」
「「!」」
玉置の言葉は講師である彼女に遮られる
この会話が聞こえていたなら、消される可能性は否定できない
「学校のこれからを決める大事な会議なのに、お喋りとはどういう事ですか」
それを知ってか知らずか、彼女はまったくと言いたげに話す
「ああ、すみません」
「いやあ、この人があなたの事お綺麗な方だと言うちょりましてね」
「は?」
一体何を言い出すのかと、今は「シズル」である玉置は素が出そうになる
「あれ、玉置先生ってクール系がタイプだったんですか?」
「タマちゃん先生って恋愛とか興味無さそうなのに、意外ですね」
「そんなことを今話すなんて、教師としてどうかと思いますけど」
はやし立てる様に他の先生方が口を開く
「いやいや、
コウタ先生何を言い出すんですか」
「俺はただ事実を述べただけじゃよ」
門倉コウタ、後で殺す
「おふざけなら他所でやってくれませんか?」
そう吐き捨てて彼女は説明に戻った
難を逃れたのか、はたまた目は付けられたのかはわからないが
“この会議がひと段落したら、ウスワイヤに報告しよう”
“それまでは様子見っちゅー事ですね”
そう言って説明を聞く姿勢に戻る2人
説明の内容は、『新しい教育法』と呼ばれているもの
今聞いている内容だけではその意図を測りきれずにいた
(ホウオウグループ、一体何のつもりだ…?)
そう考える玉置の心中は、門倉と講師の彼女以外では誰も察する事は出来なかった
最終更新:2011年04月28日 20:13