「ぅあー!また取り逃がしたー!;」
ストラウルへの道中、太陽は星たちと同じく、
ヴァイスを見失ってしまっていた。
折角手柄をとるためのチャンスだったためになお愕然とし、かつ疲労していた。
「最悪っ…もうなんでこんなことばっかり続くかね…ん?」
ぶつぶつといいながら携帯をひらくと、留守電に一件。
登録されてない数字だったが、スピーカーからは佑の声が聞こえてきた。
遅くなる、という旨だったがどうも声がかすれて聞き取りづらい。
自分以上に疲労しているようにも感じられた。
「…。」
どうする。一度太陽は自問した。
知らない番号から佑の声。一瞬誘拐も考えたが、それは頭から振り落とした。
佑の家には佑と太陽しか今はいない。誘拐してもメリットがないのだから。
となると、残る行動は一つしかあるまい。
「…帰るか、家に。」
自分もいつもよりかなり遅くなってしまった。
佑を待たせるわけにはいかない。そう考え直し、彼は歩き出した。
――ぽつっ。
「つめてっ!」
不意に顔を襲ったものに太陽は思わず顔をしかめる。
空を見上げれば、曇天。時期が早いが、夕立か何かだろうか。
しまった、今日は傘を持ち合わせてない。
彼は走り出した。濡れて風邪でも引いたら元も子もあるまい。
それに、何かを感じてしまったのだ。
今しがた振りだした、雨に。
なんだか、触れるのでさえも気持ち悪い雨だ。
某時刻、見逃した刑事より
日が完全に沈んだ頃。雨は滝のごとく降り注いでいた。
最終更新:2012年04月16日 00:05