いかせのごれ高校、廊下。
「ねーねー、張間の靴どこに捨てようか?」
「そこら辺の茂みでいーんじゃない?」
「アハハハ!」
毎度ながらみくを虐めている女子達が、またもや愚劣な会話をしていた。
その時、そんな会話を陰で盗み聞きしていた二人が。
1年の名物的存在の双子、
ヒオリと
ミドリである。
「…ミド」
「うん、ヒオ。今だよ」
「ホントあのブス死んで欲しいよねー」
「ウザいっての!」
ヒュンッ
「マジそれー! じゃあ靴捨てに…アレ?」
「どうしたの?」
「靴が…無い」
「は? 何でよ?」
「分かんないけど…でもちゃんと持ってたよ!」
「もしかしてこれかー?」
「ああ、それそれ。ありがと…って!?」
「アッハハハハ!」
女子達の内1人の反応が面白かったのか、ヒオリは大笑いする。
「ちょっとヒオリ! また邪魔しに来たの!?」
「そっちもまーたこんな事やってんのか? 毎日よく飽きないよな~」
「うっさい! さっさとそれ返せよ!」
「え~。ど~っしよっかなぁ~」
くるりと一回転した後、閃いた様な表情を浮かばせてヒオリはこう言った。
「じゃーあー…ミドどこかにいるから、見つけたら返すぜ!」
「ホントに?」
「おう、ここで待ってるし」
「しょーがないわね…探しに行くよ」
~30分後~
「くっそー! どこにいんのよアイツ!」
「もう無理矢理にでもぶん取ろうよ」
「そうだねー」
「ちょっとー! ミドリ見つからな―――」
と、三人はそこで固まった。
何故なら…。
「ありがとーヒオ!」
「見つかって良かったな、靴」
『ちょっと待てぇぇえええ!!!』
「あ、お帰りー」
「お帰りー」
「お帰りー、じゃねーよ! 何でここにいんのよ!! てか靴!!!」
「え、ミドリの靴がどうしたんだよ?」
『…は?』
ヒオリの発言に素っ頓狂な声を上げる三人。
「これ、あちきの靴だけど…」
「何言ってんのよ。ホントは張間の靴なんでしょ?」
「違うぜー。信じられないなら下足見てこいよ」
「嘘だったら承知しないわよ」
「お、お帰りー」
「お帰りー」
『………』
「どうだった?」
「…あった」
「でしょー?」
「もうミドの靴とんなよー」
「………」
気疲れとチャイムで陰謀を諦める三人であった。
放課後、三人は昼の事を未だに納得せずにいた。
「絶対張間の下駄箱から取ったよね?」
「うん」
「でもアイツの靴見たの、あの時が初めてだし…」
『どういう事…?』
「ミド、今日も大成功だな!」
「だね! ヒオ」
「アイツら、今頃不思議がってるよな~」
「まさか下駄箱の靴が、『魔法の本』で作った物だって思わないもんね~」
と、ミドは薄汚れたみくの靴を見下ろして、にんまりと笑った。
「けど多分、みくもびっくりしてるな! 新品に変わっちまったんだし!」
「そうだね! 明日もアイツらが何かしてたらまたしっぺ返ししてやろ、ヒオ!」
「してやろうぜ、ミド!」
赤と緑の今日の喜劇
最終更新:2012年07月10日 17:38