アットウィキロゴ

幽霊少年、新たな趣味を見つける

「おーい、おーいユっくんー」
「どうだー白奈」
「んー全くダメっ」
「そうかー…」

昼下がりの2年2組。
白奈、水竜、タケルシェスの四人は、またもや死にかけの遊利を立ち直らせるのに苦心していた。

「折角バスケに誘おうかなと思ったのになー。やっぱ無理か」
「遊利君をここまで虐めるなんて、許せない! 一度懲らしめた方が…」
「いや、それは絶対やめてくれ………ガクッ」
「あっ生き返った」
「でもまた死んだな」
「で…でも大丈夫よ遊利君! きっとそのうち、いいことあるよ!」
「…花受け取ってくれないのに?」
「そ、それは…」
「バットで殴られたり顔面蹴られたり豪速球で何か投げられたり机逆さにされたり『ウザい』言われたり迷惑メール転載送信されたり背中蹴られたりローラースケートでスピード出したままラリアットされたr」
「もうやめとけ!!! それ以上言ったら本気でお前のライフ0になるぞ!!!!」

まるで地獄を見たかの様な目で自虐的にブツブツ言う遊利に、水竜は思わず制止のツッコミを入れた。
そんな空気に突如現れたのは。

「ちわーっ! 新聞部でーす!」

新聞部所属のオカルトマニア、海女海 海海だ。

「うわ、出た」
「ちょっと、何ですかー。人をお化けみたいに」
「でもホントにお化けみたいだよー。神出鬼没っていうのかなっ?」
「白奈ちゃんまで…まあ、神出鬼没は認めますけど」
「それで何の用なの?」
「ネタ集めってやつですよ~。…ところで、またですか? アレ」

と、遊利を指差す海海。
それに四人は同時に「うん」と頷く。

「そろそろ諦めて、新しい恋でも探したらどうですかねえ?」
「ヤダ」
「こういう時はハッキリ拒否するんだな」
「でもまた死んだね」
「あはは…まあ、いつまでも落ち込むのは良くないですよ~。気分転換にスポーツすればいいじゃないですか、いつもみたいに」
「今はそんな気分じゃない……」

と、そこで遊利が少し顔を上げた。

「? 何ですか?」
「お前、いつもカメラ持ってんな」
「そりゃあ相棒ですから!」
「でもそんなに使ってないよね?」
「うっうるさい! 今に凄いモノ撮ってみせますからね!!」

腕をブンブン振る海海。
…やかんの蒸気音が聞こえそうだ。

「……んで何撮ってんの?」
「まあ主に超常現象の瞬間ですね!」
「超常現象って…そんなポンポン起こるモンじゃないだろー?」
「い!え!い!え! ここ、いかせのごれでは日常茶飯事かってぐらいあるんですよ~!? 特にストラウル!」
「おま、ストラウルって…いつもそんな所行ってんのかよ」
「危なくない? 超常現象以前に、建物ボロいから崩れやすいから…」
「大丈夫ですよ~! 今まで下敷きになった事無いんで!」
「いやそういう問題じゃない」
「…写真、か…」
「!! もしや新聞部加入ですか了解しましたぁあああ!!!」
「聞けよ。まだ写真しか言ってねぇし」

遊利の言葉を耳にした海海が物凄い勢いで食い付く。

「俺も写真撮るの、やってみよっかなーって…」
「へ~お前が?」
「んだよタケル、その目は」
「でも何か意外っていうかねー、遊利が写真に興味持つなんて」
「うん」
「お前らなあ……何か、分かんねーけど、面白そうだなと、ふと…」
「まあでも、楽しい事に変わりないし、やってみたら良いと思いますよ~!」
「そうだな…うん、やってみるか!」


幽霊少年、新たな趣味を見つける


「でもカメラ結構高いよねっ?」
「最低1万以上はするよ」
「ウェ!? じゃあ花束のお金削らなきゃいけないのかよ…!?」
「いや普通に大丈夫だろ。どんだけ使ってんだ」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年11月18日 11:35