「こんにちはー! 新聞部でーすっ!」
「うわ、またお前か」
「むっ、何ですかその言い方はー」
放課後。
毎度の様に2年2組に現れたのは、新聞部の
海女海 海海。
「またネタ探し?」
「それもありますが、遊利君の写真が気になりましてですね~」
「あー」
「さっき私も見たけど、どれもすっごく良かったよ!」
「おおっ、それは楽しみですね…遊利くーん!」
遊利に駆け寄る海海。
写真を眺めていた遊利は、近付く足音に顔を上げた。
「お、海海。写真見てくれね? お前の感想聞きたいんだ」
「勿論! 半分そのつもりで来ましたから!」
「ほいよ」
と、写真を何枚か渡す。
夕焼けの風景や、木に止まっている小鳥などの写真だ。
どれも素晴らしく、夕焼けの写真は特に美しい。
「これは……凄い…!」
「俺、初めてだしよく分かんn」
「本当に初めてなんですかコレ!?」
「初めてだっつの!」
「でもそれにしては、中々綺麗に撮れてるよな」
「ホント! 遊利君凄いよ!」
「そ、そんな褒めんなよ~……でもやっぱり幽花が良い」
「えっ、最後何て?」
「何も」
「?」となる
コロネを差し置き、海海は苦笑いで、
トバネは溜め息をついた。
すると遊利が突然目を輝かせた。
勿論理由は言うまでもなく――。
「幽花ーーー!!!」
『速ッ!?』
ローラースケートでゆっくりと廊下を駆けていた幽花。
遊利に声をかけられた途端、眉間に皺を寄せる。
当然その後は、
「なあなあこれmヘブッ!!!」
冷たくあしらわれる訳で(因みにグーで頬を殴った)。
その衝撃で手に持っていた写真が、全部裏返った形で床にぶちまけられてしまう。
「……?」
興味を持ったのか、幽花は写真を全て拾い、見始めた。
その時だ。
常に「無」だけしか出さないあの幽花が、みるみる内に僅かではあるが。
『驚いているような』表情を浮かばせたのを――。
「って~……幽花?」
「!」
「あっ、写真拾ってくれたのか? サンキューな」
「…………」
「? どうした?」
バシーン!
「ったぁ!?」
「…………」
同じ頬をひっぱたかれた。
ただいつもと違うのは、今の幽花から「無」が感じられない。
まるでその態は、そう、動揺してるかの様で。
遊利もそれに気付いたのか、心配そうに声をかける。
「幽花、大丈夫か? 具合悪いのか?」
「………………………何でもない」
「えっ」
幽花はすぐさまその場を去っていった。
「無」ではない感情を少し、顔に表しながら。
「幽花…?」
最終更新:2012年12月05日 16:34